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エチュード 作品10-3【別れの曲】(ショパン) [ショパン]

さて、この音楽日記を書き続けて、いくつか、自分自身で疑問に思ったことがある。
その一つに、
「この曲は皆さんよく知っていると思いますが・・・」
「この曲は皆さん、知らない人も多いと思うが・・・」
などと、この音楽日記で書くことが多いのだが、本当にそうなのだろうか?
(結構、自信はないのです。ははは)

そんなことを思っていたら、あるテレビ番組で、
お客さん100人にある質問をして、1人だけそれに該当する質問を考える
みたいなことをやっていた。
(例えば、今日の朝食に寿司を食べた人とか・・・うーん、100人に1人もいないか)

ということで、今日から5回連続シリーズで音楽日記を書こうと思う。
【ショパンのこの曲は、どの程度有名か?】シリーズです。
(ショパン嫌いの方、ちょっとつき合ってくださいね。)

そう、ショパンの曲と言えば、クラッシックピアノのファンなら誰でも
一度は、聞いたことが絶対あるだろう(ですよね(笑))
その中で、次の5段階に分けて、曲を紹介していきたいと思う。

 第1回・・・100人中100人が知っていると私が思っている曲
 第2回・・・100人中50人程度知っていると私が思っている曲
 第3回・・・100人中10人程度しか知らないと私が思っている曲
 第4回・・・100人中1人しか知らない曲と私が思っている曲
 第5回・・・100人中ではきっと、誰も知らない曲と私が思っている曲

(注)一般的なクラッシックピアノファンを想定しています。
   当たり前ですが、私の勝手な思いです。なんの根拠もありません。あしからず。

では、早速、音楽日記を書いてみよう。

*******************************************************************************

さて、【ショパンのこの曲は、どの程度有名か?】シリーズの第1回
多分、100人中100人が知っていると私は、思っている曲
ショパン作曲、エチュード 作品10-3【別れの曲】である。
(ははは、そうですよね)

この俗称【別れの曲】というのは、ショパンが名付けた訳ではない。
曲を聴くにあたっては、この題名は、そんなに気にする必要もないと思う。
(と言うより、気にしない方がいいかも)

曲は、とても美しく落ち着いた旋律で始まる。
(ショパンが私の書いた旋律で最も美しい と弟子に言ったそうだ(本当か?))
最初の部分は、音を弾くだけなら結構、簡単で、なんとかなるが、
旋律を歌わせ、表情を付け、そして、右手の内声部のバランスに注意して、
左手のベースの音量のバランスを考えて弾くということになると、
うーん、やっぱり音楽的にも練習曲としても難しい。

さて、この曲で私が一番好きな部分は、中間部にある、両手の六度の部分である。
この部分を、なめらかに弾くように、と書いてある本もあるが、
私は、この部分は、キラキラした感じで、弾いてほしい。
この中間部の演奏で、私は、この曲の演奏の好き嫌いがあるのです。
そう、前半との対比が面白いとも思う。
曲は、前半の部分が戻って、静かに終わる。

ショパンの練習曲は、よく、ピアノ音楽の総合的な練習曲と言われる
そして、またそれ以上の芸術性をもった作品とも言われている。
それには、異論がない。

しかし、この【別れの曲】のようにあまりにポピュラーになりすぎると、
なんとなく弾かれることや、なんとなく聞かれることも多い。
そして、これだけ有名になると、なにか、新鮮な演奏に出会えるというのも、
なかなか難しい。
曲があまりに有名になるのも、その曲の本質がわからなくなるかも知れない。
難しいなあ・・・
しかし、有名になるというのは、やはり、名曲である証でもある。と思う。

では、この曲に関するうんちくをいくつか・・・

この曲、最初に作曲された時の速度記号は、
レント(ゆっくりに)ではなく、ヴィヴァーチェ(急速に)だったらしい。
うーん、このままだったら、どんな感じだったんだろう?
想像できません(笑)

あっ、ショパンのエチュードをさらに難しく編曲しているゴドフスキーさんは、
この【別れの曲】は、左手だけで、伴奏も旋律も弾くように編曲しています。
特に独創的な編曲ではないのですが、音楽を聴く限り、左手だけで弾いているとは、
絶対に思えませんね

さてさて、この曲、皆さん、知ってますよね。
ピアノ名曲集のような、アルバムには、間違いなく入っているし、
だいぶ昔だが、テレビドラマでも使用され、有名になったし、

クラッシックのピアノファンなら、100人中100人知っていますよね。

さてさて、次回以降、どんな曲になるのかは、乞うご期待・・・


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クラコヴィアーク風のロンド(ショパン) [ショパン]

さてさて、ショパンのピアノと管弦楽の為の曲の3曲連続シリーズもこれが最後だ。
今日の音楽日記は、これまた、ショパンの若い時期の作品、
そして、これも、当時のポーランドの演奏会で、ショパン自身でよく演奏された。
そして、この曲も他の2曲と同様に、聴衆には、結構、評判の曲だったらしい。
そして、ショパンは、成功し、パリに出ていくのである。

今日の音楽日記の曲は、【クラコヴィアーク風のロンド】だ。

クラコヴィアークというのは、ポーランドの一地方の民謡で、
2/4拍子。シンコペーションを含む速い踊りらしい(よくわからないなあ・・・)
まあ、単純化したポロネーズ と書いてある本もある
(あれっ、ポロネーズは、3/4拍子だったですよね・・・)
まあ、ともあれ、ポーランドの舞曲というイメージの曲であることは間違いない。
(そう、余談ですが、パデレフスキーのピアノ協奏曲を思い出すとこもあります。
 って、こっちの曲はさらに無名か(笑))

15分程度の曲だが、とても魅力的な音楽だ。
一回聴いて、気分がよくなる曲だ。

曲は、静かな弦楽の伴奏に乗って、ゆっくりした民謡風のピアノののどかな旋律で始まる。
突然、フォルテでのどかさが、破られる。
そして、シューベルトのロザムンデの舞曲をおもわせる、(そんなことはないか・・・)
単純明快なタラタンタラタンタラタン・・・のショパンらしい舞曲が演奏され、
そして、全体の1/3ぐらい進むと、
私の好きな旋律が、フォルテで、ピアノに単音で出る。
(この旋律、結構、歌えます はい。 多分ポーランドの民謡ですね)
ロンドなどで、いろいろな主題が出てきては消える。
そして、華麗なコーダで、満足して、はなやかに曲は、終わる。
この曲、どちらかというと、ピアノ協奏曲の第3楽章ぽいかな

実は、今回この音楽日記に続けて書いた3曲の中では、
私は、一番好きなのです。
えっ、なぜかって
一番、ピアニスティックで、若さあふれる音楽で、
後ろの管弦楽もいいし、なんといっても、旋律が好きなのですよ
まあ、確かに、民謡をもとにしているので、
旋律は、ショパンのオリジナルではないにせよ、
聴いていて、楽しくなってくるロンドです。

自分の売り込みに書いた曲かも知れない、
でも、間違いなく、後年の天才を思わせるショパンの曲だ。
そして、このころには、まだ、ショパンをむしばむ病気の影は、音楽には、皆無だ。
その点も、いいんだなあ。

3曲続けて、ショパンの若き日のピアノと管弦楽の作品をこの日記に書いた。
皆さん、2曲のピアノ協奏曲だけでなく、
この3曲も頭の片隅に覚えていてくださいね。


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ポーランド民謡による幻想曲(ショパン) [ショパン]

さてさて、前回に引き続き、ショパンのピアノと管弦楽の曲である。

この曲、作曲当時は、結構人気があったみたいで、
ショパンの若い時のポーランドの演奏会では、よく弾かれていたみたいだ。

ただ、この時、ショパン自身の演奏は、若いのに、
かなり、弱々しいピアノを弾いたらしい。
これを単に、弱々しいとみるのか、ショパンの音楽に合っているとみるのか、
実に微妙だ。
というのも、この幻想曲では、若さ溌剌の部分もあるが、
確かに、ピアノを叙情的に歌わせる部分も多い。
その時、どんな弾き方が、聴衆に幻想を与えるのだろうか?

さて、今回の音楽日記は、ショパン作曲のピアノと管弦楽の為の曲
【ポーランド民謡による幻想曲】である。
曲は、15分弱の長さだ。

序奏は、随分堂々とし、またしっかりした管弦楽の部分だ。
そして、ピアノが入る部分の美しさは、ショパンならではのものだ。
その後、ショパンのピアノ協奏曲の二楽章のようなゆったりした部分が続く
そして、別の旋律となるが、これも、華やかというよりは、
のんびりした雰囲気の中をピアノが、走り回っているという感じだ。
曲が半分を過ぎると、管弦楽に、リズミックな民謡が出て、そして、突然、ピアノが、
動く。しかし、すぐに、叙情的な歌に移る。
(この部分は、結構、若々しい書き方か?)
そして、結構、動きのある部分を経て、
最後は、ピアニスティックな音楽となる(ちょっと、この部分は、短い感じもするのですが・・・)
ちょっと終わり方はあっけないかなあ・・・

構成的には、そんなにまとまりのない曲だろう。
ポーランドの民謡を単につなげただけと見る向きもある。
しかし、ピアノを美しく歌うことに関しては、すばらしい感性をもった曲だと思う。
思ったより、ピアノの技巧や、リズミカルな部分や、速い部分は、ないが、
その分、ピアノの歌がメインだ。

いろいろな曲想があって、これで、15分弱の曲なので、かなりお得だと思うけどなあ。

さて、この曲、初演は、同じ作曲者のピアノ協奏曲第2番と同じ日らしい
この時の演奏会の最後の曲は、ピアノ協奏曲ではなく、
この【ポーランド民謡による幻想曲】だったらしい。
うーん、当時のスタイルは、よくわからんが、
私なら、ピアノ協奏曲をトリにもってくるな。
(まあ、ピアノ協奏曲も3つの楽章が続けて演奏されなかったらしいが・・・)

まあ、興味のある人は、この曲、是非聴いてくださいな
損は、ないと思います。
(さてさて、あと一曲残っているか・・・残っている曲もいい曲なんだなあ、これが・・・)


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ラ・チ・ダレム変奏曲(ショパン) [ショパン]

さてさて、暑い暑い日が続いていますが、皆様の体調は、どうでしょうか?
水分補給は、大切です。
こんな時には、涼しくなる音楽という、ベタな選曲でもいいのですが、
実家にあるレコードをちょこっと、聴いたので、今日はその話題だ。
(でも、今日の音楽日記の曲も、暑苦しい曲ではないですよ)

CDが無い時代には、(おおっと、昔々の話ですね)
ショパンのピアノ協奏曲以外のピアノと管弦楽の為の曲を聴こうとしたら、
音源(レコード)を探すのも大変だった記憶がある。

そして、お金もなかったのだが、どうしても、ショパンのこれらの曲が聴きたかったので、
インパル指揮、ロンドンフィル、ピアノのクラウディオ・アラウの3枚組のレコードを
買って、よく聴いたものだ。高かったなあ・・・
(おっと、なぜか、昔話をするおじさんになっている・・・)
ということで、今回、実家で、このレコードを聴いていたのですよ。

今では、いろいろな演奏が、CDで発売されている

2曲の有名なピアノ協奏曲と、
独奏曲でよく弾かれる、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ以外には、
ショパンのピアノと管弦楽の為の作品は、3曲ある。
   ※ラ・チ・ダレム変奏曲(1827年)
   ※ポーランド民謡による幻想曲(1828年)
   ※クラコヴィアーク風のロンド(1828年)
もちろん、どれも、ショパンの若いころの作品だ。

さて、まずは、【ラ・チ・ダレム変奏曲】のことを書いてみよう。
(多分、続けて、あと、2曲も書きます。乞うご期待・・・)

さて、この曲は、ショパンを演奏家・作曲家として、売り出す?ために、
出版され、そして、演奏された。
ショパンの後年の微妙な和声や、独特の影は、皆無だ。
しかし、作品として、それで未熟ということには、ならないだろう。
若い時代しか書けない、若々しさが光る、魅力的な曲だと思う。

曲は、モーツァルトの歌劇【ドン・ジョバンニ】の中の
「お手をどうぞ」の主題による変奏曲である。(時間は15分ぐらいです)
この主題を用いて、ピアノにしか表現できない音楽をみごとに作曲している。
ちょっと長めの序奏に続いて、(期待させるのですが、なかなか主題が出てきません(笑))
やっと、主題をピアノが演奏し、5つの変奏が続く。
変奏自体は、そんなに凝っていないが、ピアノの扱いは、さすがだ。
最後の部分のピアノの華やかさは、有名なピアノ協奏曲のように見事だし、
それ以外の部分でも、ピアノの音が本当に生きている。
そんな感じだ。

この曲には、「諸君、脱帽したまえ天才だ!」
と言うシューマンの有名な論文があるらしい。
その論文の中で、この曲の批評があり、それには、
 ここは、誰と誰が駆けているとか、
 ここの左手は怒りを表しているとか、
 この音は、キスを表現しているとか・・・
そんなことが書いてあるらしい。

これを読んで、作曲家ショパンは、どう思ったのかなあ・・・
ショパンの手紙には、この論文を読んで、死ぬほど笑った と書いてあるらしい。

ああ、なんとなく分かる気がするなあ。
シューマンも天才だし、音楽批評に関して、すばらしいものは、持っていたとは思う。
しかし、作曲家からしてみれば、確かに、ちょっとこの批評は、恥ずかしいかもしれない。
それに、多分、ショパンは、こんなこと思って書いてないと思うし
(これは、私の勝手な考えです)

まあ、ともあれ、純粋なピアノ音楽として、
ピアノを鳴らして、命をあたえる音楽には、間違いないだろう。
ショパンのピアノと管弦楽の為の音楽では、ピアノ協奏曲だけでなく、
たまには、聴きたい音楽だ。


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幻想曲(ショパン) [ショパン]

さて、この音楽日記、やはり、ショパンとリストの作品が多い。
今日は、ショパンの曲の中では、これぞ最高傑作と言う人もいる。

【幻想曲】だ。(幻想即興曲ではありません。念のため・・・)

ファンタジー(幻想)とは、なんだろう?
辞書をひくと、現実には起こりえない事。とある。
音楽では、形式にとらわれず、イメージにもとらわれず、自由に作曲した曲か?
(そのくせ、ソナタ形式の幻想ソナタなんて曲も別の作曲家だが、あったりする。・・・)

さて、ショパンの幻想曲だ。
多くの本には、ショパン円熟期の作品で、バラードやスケルツォに匹敵する
いや、それ以上の傑作。と書いてある。

しかし、この曲、ショパンの曲にしては、珍しく、評価の分かれる曲かもしれない。
録音もバラードやスケルツォより少ないか?

この曲を好きな人の言い分は、以下のようなことだと思う
  ・4拍子系のバラードという曲であり、幻想曲というより物語をよりいっそう感じる。
  ・静かな序奏、幻想的な三連符、情熱的な主題、行進曲、瞑想の部分など、
   多くの楽想が、次々と出て、自由な幻想にふさわしい。
  ・しかし、幻想曲と言っているが、強固な構成のもとに成り立っている。

対して、この曲を嫌いな人の言い分は、
  ・物語風とうなら、この曲より、同じ作曲者のバラードの方が上かなあ
  ・確かに多くの楽想がでるが、どれもいまいち
  ・もうちょっと、和声に凝ってもらいたいし、コーダもなあ。
  ・最初、雪の降る街を思い出してしょうがない(笑)

こんなところか・・・

さて、私は、どっちだと思いますか?

うーん、実は、この曲、好きなのです。
(というより、私の嫌いな曲ってなんだ・・・)
いろいろなイメージのわく主題をみごとに一つの曲にした
(無理矢理つなげたという人もいるかも・・・)
傑作だと思うのですが・・・

さて、音楽作品の中では、【幻想】という言葉に惹かれる人も多いかもしれない。
しかし、幻想曲(ファンタジー)と名の付く曲は、多いが、
本当に自由に作曲した曲は、少ないような気もする。

この曲も、自由そうに見えて、そんなに、形式が自由でもない。
現実には起こりえないファンタジーを作曲するのは、実は、大変なんだろうなあ・・・


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ピアノ・ソナタ第3番(ショパン) [ショパン]

さて、この音楽日記、書ける時には出来るだけ書いてみよう。

今日の夜、車を運転していたので、NHK-FMを車で聴いていた。
丁度、ブレハッチの演奏で、ショパンをずっとやっていた。
その中の曲で、ショパンのピアノソナタ第3番があった。
久々にこの曲を全曲聴いたので、この曲のことを書いてみよう。
(この曲。全曲をまともに聴いたのは、本当に久々かなあ・・・)

ショパンは、全部で3曲ピアノソナタを作曲している。
最も有名なのは、葬送行進曲を含む独創的な第2番だろう。
そして、第1番とはいうと、全く無名な曲だ。
(あっ、でもこの第1番は独創的でないにせよ、音楽の流れは、なかなかです)
さてさて、第3番のピアノソナタは、どうだろう?

この作品は、1844年(34歳)の作曲。
すでに傑作といわれている、4曲のバラードや、4曲のスケルツォは作曲されている。

第1楽章・・・下降音階の印象的な始まり。歌う第2主題。技巧的にピアノの動き・・・
第2楽章・・・動き回る音楽。ゆっくりした部分との対比はなかなか・・・
第3楽章・・・重たい音楽だが、後半のショパン風な歌はみごと・・・
第4楽章・・・フィナーレに相応しい、技巧的で情熱的な音楽・・・

えっ、なんで、最後に全部 ・・・ が付いているかって?

この曲、けっして悪くないと思います。
だけど、なにか、ひとつ私には、足りないと思う時もあるのです。
なんなんだろう?

よく、ショパンには、ソナタと言う型にはまった形式が合わないという人もいる。
でも、そんなことは、無いと思う。
他の曲にしても、結構、型にはまっているが、自由に書いて、独創的だ。
ピアノ協奏曲だって、ショパンならではの曲だ。

実のところ、この第3番のピアノソナタは、
ショパンが、真面目に作曲しすぎたのかもしれない。
そして、演奏者は、ピアノソナタということで、真面目に弾きすぎるのからかも知れない。
かといって、バリバリ弾く曲でもないと思うし・・・

ということで、ちょっと敬遠していた曲だが、
今日、FM放送を聴いていて、ああ、いい曲だなあ・・・
と思ったのも事実なのです。

この曲は、ショパンの作品の中で、傑作なのか、それとも、違うのか、
まだまだ、私には、よく分からない曲なのです。

あーあ、自分の考えに自信が無い曲を書くのは、なかなか難しいなあ。


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エチュード 作品25-1【エオリアン・ハープ】(ショパン) [ショパン]

さて、今日は、めずらしく、二曲目の音楽日記です。
さて、この音楽日記では、一番登場回数の多いショパンだ。

エチュード(練習曲)は、全部で24曲(+3曲)作曲しているが、
だれしも言っているように、単純な指の運動と練習ではなく、
一曲一曲は、短いながらも、
ピアノの詩人といわれるだけに、どれもこれも、技巧の中に、
詩と歌と思いがつまっている曲ばかりだ。

この作品25の第1番の曲は、
シューマンが、【エオリアン・ハープ】と呼んだらしい。
ショパン自身は、真偽のほどは不明だが、
「牧童が風雨を避けて、安全な洞窟にいる。遠くでは風雨が強い中、静かに笛を吹く。」
と言ったとかで、【羊飼いの笛】とも呼ばれることもある。

とにかく、曲は、とても美しい分散和音の中で、右手の小指で、
単純な旋律が、淡々と歌われる。
しかし、絶妙な和声で、すばらしい音楽となっている。
そして、完全にピアノ音楽だ。

この曲に関しては、機械的に完璧に弾くのではなく、
もたついてもいいので、愛情を込めて、弾いてもらいたい。
私は、そんな曲だと思う。

24曲の中でも、とってもいい曲です。

さて、ショパンのエチュードと言えば、
ゴドフスキーが作曲した【53のショパンの練習曲によるエチュード】だ。
ゴドフスキーは、この【エオリアン・ハープ】という曲を基に
3曲のピアノ曲を作曲(編曲?)している。

第23番
 この曲を左手だけの為に編曲している。
 左手だけなのに、途中からの低音のオブリガートは、みごと。

第24番
 この曲をさらに複雑にして、連弾で弾いているかのように仕上げた編曲。
 途中の盛り上がりは、すばらしい。

第25番
 細かい音の中で、左手は原曲の旋律と伴奏、右手は対旋律と伴奏。
 とても複雑な音楽なのに、歌と愛がある仕上がりとなっている。

ゴドフスキーのショパンのエチュードによるパラフレーズは、
マニアしか聴かない曲かもしれない。
でも、ショパンのエチュードが好きな人は、一度は、聴いても損はないと思う。
原曲を壊すというより、新しい曲の創造という一面が発見できるかも・・・

しかし、このゴドフスキー編曲版のうち、【エオリアン・ハープ】に限っては、
私は、ピアニスト、アムランの完璧演奏より、
ボレットという、ピアニストの味のある演奏が好きなんだなあ・・・これが


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ワルツ第1番【華麗なる大円舞曲】(ショパン) [ショパン]

さて、昨日に引き続いて、ショパンのワルツを書いてみよう。
ショパンのワルツの中では、有名な一曲。
【華麗なる大円舞曲】という題で知られる、第1番の変ホ長調の曲だ。

4小節の単音の序奏の後、題名通り、華麗なワルツが、4つ続き、
最初のワルツが、戻って、最後は、これまた、はなばなしいコーダがついている。
左手は、3拍子のリズムを常にきざみ、右手が旋律を受け持つ。
どこを聴いても、明るく華やかな旋律で、あふれている。
そして、和声も旋律もわかりやすく、いわゆるよくサロン風の音楽と言われている。

サロン風の音楽。
確かに、そうかもしれない。

しかし、これは、まぎれもなく、バラードやスケルッオと違う意味で、
ショパンのピアノ曲の傑作だと思う。

このピアノ曲は、ウィンナ・ワルツ風では決してない。、
踊れるワルツでは決してない。
しかし、体のリズムが踊るように、わくわくする。
ピアノのワルツで、こんな爽快な気分になる曲もめずらしい。
(ちなみに、ショパンは、ウィンナ・ワルツは、好きでなかったらしいです。)
踊りのワルツでないのに、男女が楽しく踊る情景が目に浮かぶ。

それに、例えば、ウェーバのワルツ【舞踏への勧誘】は、ピアノ曲であるが、
管弦楽への編曲でも、それは、十分に曲として成り立つが、
ショパンのこのワルツは、管弦楽編曲では?だと思う。
やはり、ピアノの為の曲だし、ピアノの音色、ピアノの旋律の流れだとも思う。

さて、ショパンのこういう明るいワルツは、
最近、すごく速いテンポで
音も、はっきり、くっきり、で、
爽快に飛ばす演奏で、派手に弾く人が多くありませんか?

うーん、それは、それでいいと思うし、
見て、聴いて、とても爽快な気分にもなれるのですが、
私は、ショパンのこういうワルツは、軽いタッチで、軽快に優雅に、ふわっと弾くのが好きだなあ。
(うーん、古い人間かも知れないなあ・・・
 でもショパンの好んだ、プレイエルのピアノは、そんな感じだったらしいし、・・・)
なにか、バリバリ弾くより、ショパンのワルツは、そんな感じの弾き方が好きなのです。

まあ、一般的には、ショパンのワルツは、音楽的に深くないとの評論もあるようですが、
私は、どの曲も、いろいろな夢をみさせてくれる曲達だと思うのですが・・・
(前世は、ポーランド人だったりして・・・ははは)


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ワルツ 第3番 イ短調 作品34-2(ショパン) [ショパン]

さて、今日は、気持ちよく晴れていたので、かみさんと子供と一緒に、
部屋中のカーテンを洗濯し、洗濯した。
そう、そこまでは、よかったのだ。

そして、ついでに、居間のソファーのカバーをはずして、洗濯しようとして、
はずそうとしたが、これがなかなか、はずれない。
えいっ、と力をこめて、はずしたら、カバーが、びりっと音をたてて、破れてしまつた。
さらに、よく見ると、後ろにチャックが付いていて、
そこをはずせば、簡単にはずれることもわかった。
いやいや、ついていない。
そして、棚の掃除をしようとして、今度は、花瓶を割るし、・・・

まあ、こんな日もあることは、ある。(毎日だったりして(えっ))

夜には、ちょっと時間ができたので、久々に、ピアノの前に向かって、
気分を変える為、いろいろと、弾いてみた。(夜なので、デジタルピアノですね)

もちろん、独学なので、まともに弾ける曲は、少なく、解釈もいいかげんなのだが、
いつも、バッハ、ギロック、カバレフスキー、等の簡単な小品から、
ラフマニノフやリストの難しい曲の簡単な部分だけ(笑)、まで、音にだして、弾いている。
今日は、なぜかショパンの気分だ。
ショパンのワルツは、技巧的には、簡単な曲があるので、
【ワルツ第3番】や【別れのワルツ】など、弾いて気分転換だあ・・・

聴くだけでなく、実際に音を出して作品を弾くというのも、なかなかおもしろいものだ。
別に、音に出したから、作曲家の意図がよくわかるなどとは言わないが、
自分で、音に出すと、その作品のイメージがさらに広がる。
きっと、プロの演奏家というのも、作曲家と同等の芸術家なのもしれない。
しかし、まあ、私が弾く限りにおいては、とても芸術にはなりえないのですが、・・・

そう、というわけで、
今日の音楽日記は、ショパン作曲の【ワルツ 第3番 イ短調 作品34-2】だ。

この曲は、【華麗なるワルツ】と題された作品34の3曲の内の1曲なのだが、
とても、【華麗なる・・・】というイメージではない。(他の2曲は、とても華麗ですよ。)

最初の左手の旋律と、次にでてくる右手のどこか、ためらいがちな旋律。
(左手の簡単なトリルが均一に弾けないのが悲しい・・・トホホ)
そして、長調の旋律がでてくるが、すぐに、同じ旋律は、短調になる。
とても、心に響く旋律と和声で、頭の中でイメージは広がる
特に最後のページに出てくる、左手の八分音符の旋律は、
ショパンがなにを考えていたのかは、わからないのですが、
過去の楽しい想い出、哀しい想い出・・・
ちょっと、センチメンタルな、そんなイメージになってしまう。

どうしても、自分で弾くと、ちょっとルバートをかけすぎの演奏になってしまう。
うーん、きっと感情過多の演奏で、ちよっと自己満足の世界なんだろうな。
この曲は、旋律はマズルカ風のリズムで、さらりと、弾く方が、いいのかもしれない・・・
(まあ、いいか、自分一人で弾いているんだし・・・)

この曲は、もちろん、内声部の旋律がある部分もあるが、
大部分は、伴奏と旋律という、単純な書法だ。
構成も、凝っていない。
しかし、私には、なぜか、感情をくすぐる、すばらしい曲なのです。

でもですね、ソファーのカバーを破ったり、花瓶を割ったりした気分転換に
ピアノを弾くなら、
もっと、明るい曲の方がよかったんじゃないのか?
例えば、同じ作曲者なら、ワルツ第1番とか第2番のワルツとか・・・
(でもね、そういう曲は、実力がついていけないのです。ハイ)


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幻想ポロネーズ(ショパン) [ショパン]

さて、幻想と名の付いた曲には、私は、強く惹かれる。
幻想的詩曲とか、幻想的舞曲とか、幻想的ソナタと、幻想的狂詩曲とか・・・
そういう名前のピアノ曲があったら、なぜか聴きたくなる。
どうしてだろう?
音楽に、安らぎより、現実からの逃避を求めるからだろうか?

ははは、そんなかっこいい理由ではないですよね。
多分、クラッシック音楽を聴き始めた時に、
幻想即興曲がかっこいいと思ったからでしようね(笑)

しかし、幻想と名が付く曲が、好きなことは、本当だ。
ファンタジーは、いくつになっても、求めたいですね・・・

今日の音楽日記は、ショパン晩年の傑作。【幻想ポロネーズ】です。

ポロネーズとは、ポーランドの3/4の舞曲だが、
ショパンは、若い時からこの舞曲のリズムを使用して、
いろいろなポロネーズを作曲している。

有名な【軍隊ポロネーズ】や【英雄ポロネーズ】のような男性的な曲や、
華麗な曲、悲壮感あふれる曲、若い時の習作等、どの曲も特徴があり、
どの曲がポロネーズの中で、一番とは、言えないが、
今日の音楽日記の【幻想ポロネーズ】は、ポロネーズという曲としてではなく、
バラードや舟歌にも匹敵する、ショパンのピアノ曲の中でも、とても魅力的な一曲だろう。

この曲の魅力はどこだろう?

最初の幻想的な序奏に続く主部は、
ポロネーズの特徴的なリズムは随所に聴かれるが、
それは、もはや、舞曲ではない。
ポーランドとショパンの幻想の世界だ。(と勝手に私は思っている)
この曲を書いた時は、ショパンの健康はかなり、悪化していたらしい。
この曲は、それまでのショパンの人生をそのまま表現しているように、
いろいろな場面が表れる。
まとまりはないかもしれない。
しかし、ポロネーズというポーランドの舞曲のリズムにこめられたショパンの人生が
幻想の中で、さまよう。
ショパンならではのピアノでしか表現できない、独特の雰囲気と和声の中でピアノが歌う。
それは、病魔と闘うショパンかもしれない。

でもですね、私は、以前は、どうしてもこの曲のコーダ(最後の2ページですね)
が、嫌いだった。

幻想的な序奏~すばらしい展開の主部~コーダの前の盛り上がり
ときて、コーダに入るのだが、
昔は、ここで、バラード4番のようなコーダを期待していたのだ。
しかし、飛び跳ねるような付点のリズムの明るいコーダ。
なにか、肩すかしをくったような、単純なリズム。
うーん、どうしても、ここだけが、全体のイメージと違った。

しかし、今では、ここは、ショパンが最後の力を振り絞って、
病気にもかかわらず、無理矢理、明るくこの曲を雄大に閉じようとしたんだなあ・・・
と勝手に思っている。
そんなことを考えると、
なかなか、この曲のこのコーダの部分は、
単純で明るいだけに、よりいっそう、深刻に聞こえるようになってしまったのです。
(そう、この曲以降、ショパンは、大曲を作曲していないですから・・・)

もちろん、こんなことは、私の勝手なイメージなので、なんの根拠もありません。
リストがこの曲を聴いて語ったような別のイメージもあるだろう。
しかし、いずれにせよ、この曲は、私にとって、お気楽には、とても聴けない一曲なのです。

話は、変わって、
この曲を【幻ポロ】って略して言っても、ピアノ好きには伝わりますか?
【軍ポロ】も【英ポロ】も聴いたことがないのですが・・・


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ノクターン 変ホ長調 作品9-2(ショパン) [ショパン]

さて、最近、ピアノ曲の日記が少ない。
ちょっと忙しく、ピアノに触れるのもちょっとだけ、ご無沙汰だ。

この音楽日記、右のカテゴリー分けを見てわかるように、
ショパンのピアノ曲を書いた日記が一番多い。
大好きな、バラード4曲やスケルツォ4曲そして、舟歌等は、すでに書いた。
久々にショパンの曲でも聴いて書こうかなあ、と思っていたら、
(幻想曲でも書こうと思っていたのですが・・・)
テレビでやっていたフィギュアスケートで、ショパンの曲が使われていた。

ということで、今日もいつものように安易に、曲を選んでみた。
今日の音楽日記は、ショパンの夜想曲(ノクターン)の中では、最も有名な曲。
【夜想曲 変ホ長調 作品9-2】である。

ショパンの夜想曲は、21曲ある。
この曲は、初期の作品で、そんなに和声も凝っていなく、
左手は、一定の伴奏。その上で、右手がメロディーを華麗な装飾音と一緒に、
甘く、甘く歌う。
曲としては、単純だが、ショパンの他の曲と一緒で、
これも完全にピアノの為に書かれたピアノ曲である。
ピアノでの表現が一番合っている曲だと思う。
平凡なサロン風の音楽との批評もあるらしいが、
ショパンの独特のピアノ音楽の世界は、この曲にもあると思う。

確かに、夜想曲としての表現力や構成力や独自力は、
後期の第13番等の夜想曲の方が、はるかに上だと思う。
しかし、ピアノでしか表現できない、わかりやすさとしてのすばらしさは、
この変ホ長調の夜想曲が上かなあ・・・

この曲を聴くと、個人的には、私の中ではピアノを弾く姉の姿が思い浮かぶ。
姉は、私と違って、ちゃんと、ピアノの先生に習い、
ベートーベンのピアノソナタなどをちゃんと弾いていた。
(私もピアノ習っておけばよかったですよ・・・)
今は、姉はピアノを弾いていないが、姉が昔、愛奏した曲の中の一曲が、この夜想曲だった。

その演奏は、当時のピアノ教室で教えられた演奏だったのだろう。
ミスをしないよう、テンポを一定で、しっかり鍵盤を押さえる演奏だった。
私は、それを聴いて、ああ、この曲は、こんな風にきっちり弾く曲なんだ。
と、昔々思っていた。

もちろん、クラッシックのピアノ曲を聴くようになって、
テンポを大きく、ゆらした演奏や、甘く甘く歌う演奏など、いろいろ聴いた。
本当は、この曲は、そういう演奏が合っているのかも知れない。

しかし、私は、姉が昔々、弾いていた演奏スタイルが好きだ。
 左手の和音は、一定テンポで十分に響かせ、
 右手の旋律は、感傷的にならず、
 ターンや装飾音符もわりあい、はっきりと弾く。
 そして、最後は、ちょっとあっさり目で終わる。

こんな夜想曲 作品9-2 もいいですよ。

ということで、譜面を取り出し、ちょっとピアノで久々に音を出してみた。
うーん、左手の和音の伴奏は、なんとかなりそうだ。
おっ、右手の旋律もなんとかなりそうだ・・・・
ははは、なんとかなりそうなのは、数10小節だけだな(笑)
それに、ターンとか省略しているし・・・・・
あーあ、やっばり、ピアノ習っておくんだったなあ。


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木枯らしのエチュード(ショパン) [ショパン]

今日は、とても風が強い日だ。
ということで、今日の音楽日記は、ショパン作曲の【木枯らしのエチュード】です。

ちよっと、待ったあ・・・
木枯らしの意味を知っていますか?
木枯らしというのは、秋から冬になった時に吹く風で、だいたい11月頃の風である。
今日の風は、木枯らしじゃあないだろう・・・
というつっこみは、無しでいきましょう。風は、風です(笑)
(しかし、今日の曲とは関係ないですが、木枯らしの曲というと、
 まず思い浮かぶのは、私の世代では、キョンキョンの曲ですね。
 春一番は、キャンディーズか・・・ふ、ふるい・・・)

まあ、そんなことは、どうでもいいのだが、
とにかく、今日の音楽日記は、ショパンの作曲した24のピアノ練習曲の中でも有名な
作品25の第11番、通称【木枯らしのエチュード】である。

さて、この曲、私にとっては結構、思い出深い曲なのだ。

私がまだ、クラッシック音楽に興味のなかった、小学生の頃、
両親は、ピアノを習っていた姉の為にピアノのレコードを買った。
「乙女の祈り」と題された2枚組のレコードは、
トロイメライ・雨だれ・子犬・ハンガリー舞曲5番・エリーゼ・春の歌・かっこう 等々
いわゆるピアノの名曲集だった。
その中に、【木枯らしのエチュード】が入っており、
小学生の私は、それを聴いて
このレコードの中では、とてもとても、かっこよく、そしてとてもとても難しい曲に聞こえた。

そう、その後、自分のお小遣いで、初めて
クラッシックのレコードを2枚買うことになるのだが、
この曲のイメージもあり、最初に買ったクラッシックのレコードが
ショパンの練習曲集(A.スロボジャニク)だった。
(もう一枚は、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(リヒテル))

ショパンの曲で、弾けたらかっこいいだろうなあ、と思った最初の曲だと思う。
(しかし、当然、今でも手も足もでません。って、音もとっていません はい)

さて、昔話は、このくらいにして、曲である。

最初の4小節の静かな序奏の後に続く音楽は、
誰かが『この曲は、完全なピアノ音楽である』といったようなイメージだ。
右手の早い六連符の動き。
左手の低音と、堂々とした旋律。
これが、ピアノ音楽でなくて、なんなのか。
練習曲というより、鍵盤を高音から低音まで、使った、木枯らしのイメージあふれる
壮大なピアノ音楽だ。

この曲は、あまりに通俗的に有名になりすぎたので、
最近のピアノのコンサートでは、あまり弾かれないかもしれないが、
演奏効果もすばらしいと思う。

ショパンの情熱的な面を素直に出した、名曲だと思うし、
私が小学生の頃、聴いて、すごいと思ったのもうなずける。

うーん、右手がもつれてもいいから、弾けたらいいなあ・・・
そして、最後の両手の音階は、すっーと、もつれないでかっこよく弾きたいです ハイ
(夢です夢 ははは)

さて、ショパンのエチュードのことを書くと、この音楽日記で必ずでてくるのが、
ピアニストでもあり作曲家でもあるゴドフスキーの作品である。
ゴドフスキーが作曲(?)したショパンのエチュードによる53のエチュードは、
ピアノの最難曲としてよく知られている
(だって、革命のエチュードなんか、左手だけで弾くように編曲しているし・・・)
(黒鍵と蝶々は、同時に弾く編曲もしているし・・・)
この【木枯らしのエチュード】ももちろん編曲している。
最初の4小節の序奏が終わると、同じように、ピアノで木枯らしが吹き荒れるのだが、
その音には、なにか、違和感がある。
そう、この編曲は、左手で六連符の早いパッセージを弾き、右手が堂々とした旋律なのだ。
うーん、これもなかなかかっこいいぞ。
まあ、その後は、超絶技巧のオンパレードで、いつものゴドフスキーの曲になるのだが、
興味のある人は、是非聴いてみてくださいな。

なにはともあれ、この曲、私が、ピアノ音楽をかっこいいと思った最初の曲なのです。



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夜想曲 第19番 ホ短調(ショパン) [ショパン]

今日の音楽日記は、ショパン作曲のピアノ曲
【夜想曲 第19番】である。

ちなみに今日の音楽日記は、
かなり私個人の、いいかげんな考えが入っているので、気を付けて読んでくださいね(笑)
(前回の記事を読んで、今日の日記を読まれることをお勧めします。なぜかはお楽しみ・・・)

ここで、この曲には関係ない話ですが、
ショパンの作品は、イタリアのオペラ作曲家ベルリーニに影響を受けた
という話を知っていますか?
ここで、突然、クイズです。
以下の文章のうち、明らかに間違っている文章は、どれでしょうか?
指摘して、またその理由も述べなさい。(って、テストじゃないんだから・・・・)

***************************************************************************
1.ショパンとベルリーニは、パリの女流歌手のもとで、初めて会い、その後、ずっと友達だった。

2.ベルリーニのオペラ「ノルマ」をパリで見て、ショパンは、涙を流した。

3.ベルリーニのオペラ「夢遊病の女」や「ノルマ」の美しいベルカントの旋律は、
  ショパンの夜想曲やピアノ協奏曲の第2楽章に影響を与えたといわれている。

4.ショパンは、リストなどと一緒に「ヘクサメロン」というベルリーニのオペラ「清教徒」の主題による
  変奏曲を作った(ショパンの作曲部分は夜想曲風)

5.ベルリーニの葬儀で、ベルリーニを棺に納めたのは、ショパンである。

6.ショパンとベルリーニは、最初は、同じ墓地に埋葬されていた。
***************************************************************************
答えは、今日のブログの最後で・・・

さてさて、話をもとにもどそう。
今日の音楽日記は、ショパン作曲の【夜想曲 第19番】である。

この曲、ショパンが17歳(1827年)に作曲したもので、
それまで、ポロネーズやマズルカ等の小品を作曲はしていたが、
甘美で、叙情的なショパンの夜想曲の特徴を持った最初の作品である。

曲を聴いてみよう。

左手は、ずっと三連符のおだやかなアルペジォ。
その上に右手が、歌うような甘い甘い旋律を奏でる。
ある意味、この数年後に作曲された、
有名な夜想曲 嬰ハ短調(あの、戦場のピアニストの映画で有名ですね)
より、甘美なメロディかもしれない。

確かに、後年のショパンのあの独特な和声の上で歌われる夜想曲には、
音楽性では及ばないかもしれないが、この曲には、その発芽があると思う。
そう、17歳のショパンは、すでにこの雰囲気で、
ピアノを歌わせることができたのだ。

シューマンが言うまでもなく、天才だ。

***************************************************************************
さて、クイズの答えである。

1.そう二人は、パリで会い、ずっと友達だったらしい。
2.本当かどうか分からないが、涙を流したらしい。
3.これは、明らかに間違い。
4.そう、当時の作曲家5人の合作ですが、ちょっと、ちょっとちょっと、ぐらいの曲かなあ(笑)
5.本当らしい。
6.現在は、別々だが、最初は、パリのベール・ラシェーズ墓地に二人とも埋葬されていた。

「ベルリーニのオペラ「夢遊病の女」や「ノルマ」の美しいベルカントの旋律は、
 ショパンの夜想曲やピアノ協奏曲の第2楽章に影響を与えたといわれている」

そう、これは、明らかに間違いですね。
ショパンの2曲のピアノ協奏曲が作曲されたのは、1829年と1830年。
ベルリーニのオペラ「夢遊病の女」と「ノルマ」の作曲は、1831年。
作曲年代からいって、これは、あり得ないことですね。

あれっと、ここで、みどりのこびとちゃんは思うのだった。

よく、
「ベルリーニのオペラの美しいベルカントの旋律は、
 ショパンの甘美な旋律に影響を与えたといわれている」
と書かれている本がある。これも本当かなあ・・・

ベルリーニ最初のオペラは、「アデルソンとサルヴィーニ」(1825年作曲)で、
二作目は、「ビアンカとジェルナンド」(1826年作曲)だか、
この二作は、習作で音楽院の時の作曲。

1827年に作曲された「海賊」というオペラで初めて、成功している。

あれっ、1827年というと、ショパンは、最初の夜想曲を作曲している。
(そう、今日の音楽日記の曲、第19番といわれているものですね)
そして、その夜想曲の旋律は、後期のショパンのあの甘美なメロティをすでに予感させる。

ここで、まったく、音楽的には、確証もなく、おこられるかもしれないが、
いいかげんなことを言ってみよう。

「ショパンとベルリーニは、大親友で、互いの音楽が好きだったが、
 両者共、音楽では互いに影響を及ぼすことはなかった。」

ひょっとしたら、こうだったのかもしれないなあ。

私には、ベルリーニの音楽とショパンの音楽が一緒とは、思えないのですよ。
なんとなくですが、旋律や和声や音楽全体のイメージが違うのです。
(ショパンは、ともかく、ベルリーニは、最近いくつか聴いただけですが・・・)
(す、すいません。根拠がないといわれればそれまでなのですが・・・)

と、今日の音楽日記は、ちょっとまじめだが、ちょっと根拠も薄い日記でした。


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子犬のワルツ(ショパン) [ショパン]

さて、こないだ、家族そろって、絵の展覧会を二つも見に行った。
だまし絵で有名なエッシャー展と、
超現実主義の変わった絵で有名な、ダリ展である。
まあ、両親そろって、絵に詳しい訳ではないのだが、絵を見に行くのは好きだ。
その影響もあって、小学生五年の娘も、一緒に行って、絵を見て楽しんでいる。
特に今回の展覧会は、エッシャーとダリだ。
おもしろくない訳がない。
両方とも、だまし絵の要素があり、普通の絵の変奏曲?という感じがする。

ということで、今日の音楽日記は、ショパン作曲の【子犬のワルツ】である。
(えっ、なんで、この曲なの? と思った方は、最後まで読んでくださいね)

さて、ショパンのワルツは、何曲もあるが、
その中でも、もっとも有名な曲かも知れない。
外国では、一分間ワルツとも呼ばれているらしい。

トリルで始まり、確かに子犬が、可愛く、くるくる廻っているような感じの主部。
中間部のちょっと感傷的な旋律。
一分少々の曲で、よくできている。

まあ、右手の早いパッセージは、軽く、優雅に弾かなくてはいけないし、
左手も伴奏だけならいいのだが、時々、内声部の旋律が隠れている。

この曲は、子供から大人まで楽しめる曲だ。

さて、だまし絵的なエッシャーとダリの展覧会から、
なんで、この曲が思い浮かんだかというと、
CDで『少し時間がありますか?』というのがあり、
ショパンの【子犬のワルツ】を題材にして、そのピアノ編曲が
いろいろと十曲以上、入っている。
(ナクソス ミュージックライブラリーで聞けますよ)

かなりマイナーな作曲家の編曲した【子犬のワルツ】がいろいろ聴ける
もちろん、旋律を三度にしただけのようなアレンジもあるが、
ソブラジという人がアレンジした【子犬のワルツ】は、
だまし絵の要素も多く入っているようで、原曲がなんだかよくわからないすごさがある。
まあ、いろいろな編曲の聞き比べも非常におもしろいと思う。

これが、なぜか、エッシャーやダリの絵となんとなく、同じに見えたのです

興味のある人は、試聴もできるので、是非。
私は、この編曲集 すごくおもしろいと思うのですが・・・

しかし、
【子犬のワルツ】?
【小犬のワルツ】?
【仔犬のワルツ】?
どれが正しいの?


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前奏曲 第23番 ヘ長調(ショパン) [ショパン]

さて、この音楽日記で、ショパンの前奏曲を二日続けて書いてきたが、
全部で24曲ある前奏曲集の内で、一曲選ぶとしたら、
みなさんは、どの一曲だろうか?
(あれっ、昨日は、この前奏曲集は、全24曲通して聴く方がいいとか、書いていた気が・・・)
(まあ、細かいことは、言わない、言わない・・・)

・最も有名な 第15番の【雨だれ】?
・胃腸薬のCMでおなじみ 第7番
・それとも、演奏容易な 第4番・第6番あたりか?
・革命のエチュードにもにた、終曲の第24番か?
・ラフマニノフやブゾーニも変奏曲を書いた、重々しい 第20番か?
・アルゲリッチが猛スピードで弾く、第12番か?
・独創的な和声が印象的な 第2番か?
         等々

この前奏曲集から、一曲選べと言われても、
その時の気分によって違うし、
小品ばかりだが、本当に特色のある曲ばかりで選べない。

もちろん、私は、全曲好きだ。

しかし、その中でも、第23番 ヘ長調の曲は、かなり気に入っている。
この曲は、まず、単独で、弾かれることはない。
わずか、22小節で、とても繊細な曲だ。
明るい森の中で、かわいい妖精達が、踊っている。
そんなイメージの曲である。
終わり方の微妙な和声もすばらしい。(ふぁっとする感じですね)

ヘ長調という調性のせいかもしれないし、第7音を多用しているからかもしれない。
かといって、フランス音楽の印象派のような音楽かと言えば、
そうではなく、完全にショパンの音楽だ。

実は、第23番は、この前奏曲集の中で、
激しい第22番と、革命のエチュードのような、第24番の間に位置しているので、
続けて聴くと、この曲が、特に印象的なのかもしれない。

フランスの作曲家フランセが、このショパンの前奏曲集を管弦楽の為に全曲編曲している。
その中で、第23番は、やはり管楽器で、繊細に、演奏される。
イメージは、一緒だ。
(ただ、私としては、やはり、この前奏曲集は、ピアノの方がいいなあ。)

この前奏曲集、私が初めて聴いたのは、
エッシェンバッハのピアノのレコードである。
レコードの帯に確か、【黒の詩集】というコピーがあったように、
音を押さえた、異常に暗い前奏曲集だった。
その後、いろいろな人の前奏曲集を聴いた。
中には、ポリーニのように、完全に弾いているという感じの演奏(?)もあった。

うーん、でも、この前奏曲集は、もっと自由に弾いてもらいたいなあ・・・・
(コルトーのスタイルは、好きなのですが・・・もうちょっと音がよければなあ・・・)


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前奏曲 第15番【雨だれ】(ショパン) [ショパン]

さて、このブログは、音楽日記なのに、
私の音楽仲間には、全然と言っていいほど、宣伝していなかったのに、
最近、書いていることを、音楽仲間が、知り始めてしまった。
まあ、それはそれで、全然かまわないのだが、
もっと、有名曲を紹介してほしいと言われることがある。

まあ、スクリャービンのピアノソナタ第8番や、メトネルのおとぎ話など、
確かに、ちょっと無名な曲かも知れない。

ということで、今日の音楽日記は、
昨日に続いて、ショパンの前奏曲集からの一曲。
そして、おそらくは、このピアノ曲集で、最も有名な曲。
第15番目の曲。
前奏曲【雨だれ】である。

この曲は、
ショパンとジョルジュ・サンドが旅をした、マジョルカ島でのエピソードで有名である。

そう、マジョルカ雨が暴風雨となり、外出したサンドを心配したショパンが、
ピアノの前で、夢と現実の区別ができなくなり、その時の心情を曲にしたのが、
この曲だ。という話である。(多分、こんな話だったような気が・・・ちょっと適当か・・・)

まあ、この話に出てくる曲が、この曲という確証もないし、
この話自体、本当かどうか、よくわからない。(サンドの話らしい。)
しかし、名曲と呼ばれる曲には、こんな話がつきものだ。

短い曲ばかりの、前奏曲集の中にあって、比較的長い曲であり、
中間部の劇的な雰囲気と、最初と最後の歌うような部分の対比は、すばらしい。
ただ、それだけなら、いろいろな曲があるが、
反復される、A♭(G♯)の音が、否が応でも雨音をイメージさせる。
最後が、明るく終わるのも、雨が上がるイメージだ。
本当にこの話にぴったりだ。

しかし、こんな、聴き方でなく、もっと知的な聴き方もある。
諸井誠氏が書いている本で、【名曲の条件】という本がある。
まあ、名曲と呼ばれる曲には、どんな特徴があるのだろう?
という本だが、その中に、この【雨だれ】も書かれている。

前奏曲集の中の位置付けや、この曲の構造解析など、
興味のある人は、是非読んでもらいたい。
この曲の聴き方がちょっと知的に変わってくる。

まあ、しかし、私のようなイメージ先行人間には、
ジョルジュ・サンドとの旅行での暴風雨のエピソードの方がぴんとくる。

実際に弾いてみると、中間部の左手は、フォルテで弾けるのだが、
手が小さい私は、右手のオクターブの八分音符をフォルテで弾きつつ、
右手で二分音符も、しっかり弾くというのは、なかなか難しい。
(ははは、普通にピアノ習っている人は、なんてことないのでしょうが・・・)

ただ、あまりにも通俗名曲になってしまったからだろうか
私は、この曲だけを聴くということは、めったにない。
というより、ショパンの前奏曲集は、
この曲集で、一つの曲のような気がする。
(名曲の条件にも、そんなことが書いてありました。その影響かも・・・)
ということで、なぜか、ショパンの前奏曲集は、聴くときは、一曲目から聴いている。

まあ、通俗的であろうがなかろうが、
暴風雨の話がウソだろうが、本当だろうが、
名曲であることに違いない。


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前奏曲 第4番 ホ短調(ショパン) [ショパン]

ああ、やっと今日の日記は、自分で弾けるピアノの小品だ。
スクリャービンやラベルのピアノ曲は、聴くのは楽しいが、
難しすぎて、私のようないい加減なピアノ弾きには、
まったく、手がでない。(当たり前です。)
スカルボ】なんか、最初の左手の同音連打が一定に弾けないですね
(オイオイ、弾こうとすること自体、間違ってないか?)

ということで、今日は、久々に自分で弾いて、自分で雰囲気に浸っている曲?
ショパンの24の前奏曲の中より、第4番ホ短調である。

26小節の短い曲
右手の旋律は、ずっと単音だし、左手は、ずっと伴奏の和音
指と手の動きに関しては、難しい所は、皆無だ。
(でも本当は、左手の和音の中の重要な音を目立たせるとかは、難しいと思う)
(それに、ペダリングは、結構やっかいだ)

しかし、この曲、雰囲気は、すごくすごく、いいんだなあ。
きっと、この左手の和声進行が心に響くのだと思う。
旋律も、悲しみの中にも、ちょっとけだるさがある。
ショパンの小品の中では、簡単だが、ちょっとした、一級品だと思う。

この曲をジャズ風にアレンジした演奏を聴いたこともあるし、
ボサノバにも似た雰囲気の曲がある。
それも、それでいい雰囲気だ。

ショパンの葬儀の時に、この曲は、オルガンで、演奏されたと言われている。
オルガンの響きでは、どうなるのだろう?
悲しみに満ちた、また違ったイメージになりそうだ。

そう、この曲は、ピアノ曲というだけでなく、
短いが、何かインスピレーションがわく曲には違いない。

自分で弾く時も、ちょっと速度を上げて弾いたり、落として弾いたりするだけで、
イメージが変わる。

ショパンの曲の大部分は、ピアノ以外の楽器では、イメージがわかない場合が多い。
この曲は、そういう意味では、めずらしいのかもしれない。

あと、前奏曲集では、6番も容易に、弾けて、いい曲だと思う。


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2台のピアノの為のロンド ハ長調(ショパン) [ショパン]

さて、昨日は、リストの2台ピアノの曲を書いた
それなら、ショパンも書かないと、不平がでそうだ(えっ、いったいどこから?)

ということで、ショパンが唯一書いた、2台ピアノの為の曲。
今日は、ショパン作曲の【2台のピアノの為のロンド ハ長調】である。
(この曲、ショパン好きな人なら知っているのだろうか? ちょっと微妙かなあ・・・)

さて、ロンドである。
ロンドって、知っていますか?
ある主題(ロンド主題)を何回も繰り返すのだが、
その主題と主題の間に、別の旋律が入っている形式である。
(A-B-A-C-A-D-Aみたいな曲ですね。もちろんAがロンド主題)

ショパンは、若いころには、ロンド形式の作品を多く書いている。
記念すべき作品1も、ロンドだし、
ピアノ協奏曲第一番の終楽章もロンドだし、
他にも書いている。
時には、ちょっと、単調な曲もあるが、
ショパンのロンドには、飛び跳ねるような若さと元気さが、あふれている。

さて、【2台のピアノの為のロンド ハ長調】である。
最初は、ピアノ独奏曲として、作曲されたらしいが、
友人と一緒にピアノを弾く楽しみの為に、2台ピアノ用にショパン自身で、
書き直した曲だ。

8分程度の曲だが、楽しい曲である。
この曲は、聴くよりも、気のあった楽しい友人と、一緒に弾くと、とても楽しいと思う。
そう、演奏する楽しみが大きい曲だ。

ピアノ協奏曲を思わせるような、若々しい主題。
(と言うより、けっこう主題が似ている・・・)
そして、若いショパン特有のピアニスティックなすばやいスケールの動き。
ショパン後期の渋さと深みは、皆無だが、その分、楽しさがある。
曲も、退屈さがない。

2台ピアノの為の曲としては、こういう、弾く楽しみを追求した作品の方が多いと思う。

弾ける人が集まって、連弾や、2台ピアノを弾くというは、
とてもとても、楽しいのだろうなあ。

しかし、次回は、なんだ、ラフマニノフの2台のピアノの為の組曲か?


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スケルツォ第4番(ショパン) [ショパン]

さて、皆さんの期待通り(えっ、期待なんかしていませんでしたか?)
今日の音楽日記は、ショパンの【スケルツォ第4番】である。

さて、ショパンの全4曲のスケルツォでは、
誰が聴いても一番、冗談や滑稽さが表現された本来のスケルツォぽい曲だろう。
しかも、他のスケルツォのような劇的さは無いため、
地味という評価もあるし、後期の円熟さを増した曲という評価もある。
(私には、この曲は、絶対に地味でないと思うし、
 バラード第4番のように、後期の円熟した作品とも思わないのだけど・・・)
でも、結構いろいろイメージできて、私の好きな曲である。

ちょっと、曲の構成を説明して見よう。
最初の主題は、軽快な主題だ。そして、とてもリズミックだ。
そして、やるせない中間部は、単純だが、間違いなく、日本人好みの旋律だろう。
そして、軽快な主題が戻って、軽快なコーダ
とても、変化があり、ピアノ曲でなくとも、おもしろいかもしれない。
(ショパンの曲は、たいていが、やはりピアノの音楽だと思う)

と、ここまで書いて、意識が飛んで、なぜか、空想の世界に入っていく私であった。

****************************************************************************
その男は、ショパン作曲のピアノ曲【スケルツォ第4番】を聴いていた。
男は、思った。
「この曲を管弦楽の曲に編曲してみたい」
そう思った瞬間に、スコア用の五線紙を机から取り出した。
「20段もあればいいな」
ふふふ、と男は、笑った。

さて、最初の軽快でリズミックな部分である。
「そうだなあ、ここは、妖精が飛ぶような感じだから、木管楽器に旋律をもってきて、
 弦は、跳ねるようなピッチカートで伴奏だな。リズムが重くならないようにベースは、
 ちょっと控えめに使用しよう」

最初のリズミックな部分の編曲が終わり、次は、中間部だ。
「中間部の旋律は、最初は、チェロで甘く歌わせよう。二回目は、弦楽器全部で歌わせて、
 うーん、原曲にはないが、管楽器には、最初の軽快なリズムで、ちょこっと対旋律を
 つけるか。おっ、なかなかいいぞ」

そして、軽快な部分が再現する所は、男は、同じことを繰り返すわけでなく、
ちょっと金管楽器をアクセントに入れたり、弦楽器をピッチカートから、
アルコにかえ、音色の変化をつけた編曲をしていった。
「さあ、いよいよコーダだ。こうして、ああして、・・・」
そして、最後のスケールにきた。
「うーん、この下から上のスケールは、そのまま編曲できないなあ、
 弦は、きざみで、クレッシェンドして、管楽器でスケールだあ」
そして、管弦楽への編曲が終了した。

男は、満足だった。よし、次は、これを演奏だ。
目の前に、オーケストラが広がった。
あれっ、ここはどこだ・・・・

その瞬間、男は、空想の世界から現実にもどった。
目の前には、もちろん20段のスコアは、無く、
パソコンのスクリーンセーバーが流れていた。

***************************************************************************

ははは、すいません。
時々、空想の世界に入ってしまうのです。

もちろん、こんな風に私は、管弦楽への編曲など出来るわけもないが、
この軽快なスケルツォから、オーケストラの音色が浮かんでくるのです。
そう、こんな風に、頭の中では、鳴っているのですよ(笑)
こんな風にイメージして楽しめるのも、素人の楽しみってもんです。
(えっ、ちょっと変ですか?)

さて、このスケルツォ第4番は、ショパン32歳の作品である。
このころは、すでにショパンは、病気でかなり体を害していたはずだが、
こんな曲も書けたんだなあ。

さて、これで、ショパンは、バラード全4曲に続き、スケルツォ全4曲を制覇だあ・・・
(制覇といっても、勝手なこと書いているだけで、まったく弾けないので、価値無しですね)ははは

次の曲は、なんにしようかなあ?
(と、早くも違うことを考えている私・・・)


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スケルツォ第1番(ショパン) [ショパン]

さて、ハイドンの曲が続いたので、ピアノ曲に戻ろう。
そう、この音楽日記の中で、現在まで、一番多く登場しているのが、
「ピアノの詩人」ショパンである。

ショパンのスケルツォは、全部で4曲ある。
過去、第2番第3番は、書いたので、
今日は、第1番を書いてみよう。

スケルツォというのは、ユーモラスな声楽曲から発達し、
冗談や滑稽さを表す、速い三拍子の曲のことである。

しかし、ショパンの第1番のスケルツォからは、
冗談や滑稽さというものは、まったく感じられない。
(私は、しかし、第2番には感じられるんだけどなあ・・・)

曲の構成は、劇的な和音で始まり、
劇的で速い部分-ゆっくりした静かな部分-劇的で速い部分-劇的なコーダ
となっている。

速い部分では、嵐・情熱・闘争・怒りのイメージ
そして、ゆっくりした部分では、祈り・平和・田園・やすらぎのイメージ
(このゆっくりした部分は、ポーランド民謡の「眠れ幼きイエス」という曲らしい。)

しかし、同じような動と静の対比が著しいショパンの第2番のバラードと違って、
物語を感じることはなく、上記のイメージの人間の感情がそのまま、出ている曲だと思う。

この曲には、なにもまとっていない気がする。
私は、それだけに、この曲は、正確に弾くより、
感情をもっと、もっと、もっと、正面にだして弾く演奏に凄みを感じる。

ショパン自身の演奏は、どうだったのだろう。
多分、感情をぶつける演奏とは違うとは思うが、
心の中では、なにかを叫んでいたに違いない。
こんな深刻な音楽をスケルツォと名付けたのは、どうしてなのだろう?
私には、分からない。
(単に速い三拍子だったからではないと思う。)

さて、ピアノの前に座ってみる。

最初の2つの和音を弾く。
劇的だ。
ははは、それが、ここまでしか弾けないんだなあ(涙)

そして、譜面を飛ばして、中間部まで、譜面をめくる。
ゆっくりした部分は、祈りにも似て、美しい。
しかし、中間部の旋律の部分は、右手は、十度の連続である。
私には、右手が優雅に弾くというより、パタパタとぎこちなく動く。
いいなあ、手の大きい人は、余裕なんだろうなあ。

さて、速い部分は、再びとばして、コーダをゆっくり(えっ)弾いてみる。

あーあ、ちゃんとピアノ習っておけばよかったなあ・・・・

この曲は、曲の構成や和音等、きわめて単純で、明解だ。
ショパン後期の深み?と言われるものはないかも知れない。
しかし、このスケルツォ第1番は、ショパン22歳の時の感情を表にだした傑作だと思う。

追記
 さて、問題です。私は、次回の音楽日記で、なんの曲を書くでしょうか?
 いままでの傾向から考えるとわかると思うのですが・・・


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バラード第3番(ショパン) [ショパン]

暑い。ということで
今日の音楽日記は、涼しくなるクラッシックシリーズの第?弾。
(オイオイ、いったいいつから、そんなシリーズが出来たんだ(笑))

ショパン作曲のピアノ曲【バラード第3番】である。

さて、ショパンは、バラードを4曲書いており、
すべてがピアノ曲の傑作と呼んで間違いない。

4曲とも傑作だが、この第3番は、他の3曲とちょっと異なり、
劇的で情熱的なイメージはない。
他の3曲と、ちょっと違う物語だ。

最初の出だしから、ちょっと涼しげで、優雅で、軽快な音楽である。
そう、この曲は、「水の精」という詩にイメージされた曲らしい。
どうりで、他のバラードと違って、涼しくなる音楽だ。
コーダも劇的というより、軽やかに終わる。

そう、私のこの曲のイメージは、どちらかというと、
バラードより、バルカローレ(舟歌)に近い。(6/8のリズムのせいかもしれないが)
そう、ゴンドラで、さまよっていると、水の精が優雅にかろやかに現れる。
そんな感じなのである。
(しかし、この基となった詩は、女性が水の精に姿を変えて、自分の男を誘惑する罠をしかける
 という話らしい。・・・ああ、こわっ・・・・背筋がぞっと・・・ほら涼しくなるでしょ)

この曲で、このイメージ(どんなイメージだ?)を出す演奏は、技巧的に難しそうだ。
ショパンの舟歌と一緒で、最後の盛り上がる部分(最後から29小節前から)は、
豪快に弾くというより、歌ってほしいなあ。

このバラード第3番を聴くと涼しくなる。
夏に合う曲だと思う。

さて、これで、ショパンのバラードは、全4曲すべてこの音楽日記に書き、完全制覇した。
(ははは、練習して弾けたという訳でないので、ちっとも偉くもなんともないのですが・・・)
過去のショパンの他のバラードの記事を読み返してみると、
ははは、本当に、いいかげんなことを書いているなあ・・・(反省)

次は、スケルツォ制覇だな(笑)


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ピアノ協奏曲 第2番(ショパン) [ショパン]

先日、この音楽日記で、ショパンの一番のコンチェルトを書いた。
とすると、やっぱり、二番も書かなくては、不公平ってもんだ。

ということで、今日の音楽日記は、ショパン作曲ピアノ協奏曲第2番である。

しかし、初恋の女性の影響力というのは、すごいもんだ。
この曲も、ショパンの初恋の女性コンスタンティアがいなかったら、
作曲されていないだろう。

ひょっとしたら、この時の甘い純情な思いが、
後生まで、ショパンに影響していたのかもしれない。

さて、ショパンの第2番の協奏曲である。
実際の作曲は、第1番の協奏曲より、早い時期である。
ということで、第1番よりさらに、若いっていいなあ、という作品である。(なんじゃ?)

マエストーソ(堂々と)の指示があるが、しかしどことなく、優雅な第1楽章。
はつらつとしていて、元気たが、どことなく、影のある第3楽章。
とてもいいのだが、
しかし、なんといってもこの曲の聞き所は、
初恋の人を思って作曲したと言われる第2楽章だろう。
もう、夢心地で感情をストレートに書いた音楽だ。
こんな音楽は、大人になったらきっと、恥ずかしくて書けないな。
それだけに、この楽章を感情を込めて、弾くのは難しいと思う。(ピアニストは大変だ)

さて、この曲に関することを2つほど、

さて、昔々、この曲の演奏がFM放送であった。
 ピアノは、ポゴレリチ。(そう、昔ショパンコンクールで審査員が大騒ぎした人ですね)
 指揮は、デュトワ。
 管弦楽は、北ドイツ放送交響楽団
の演奏で、今だにカセットテープ!でその音源はあるのだが、
なにが、すごいって、
第1楽章の148小節目のCの音のフェルマータ!!!
このCの音を弾いて、次の音に移るまで、15秒程度無音なのである。
この緊張感は、すごい。
ここだけで、この演奏には、惚れてしまっている(笑)
(ポゴレリチは、アバドと同じ曲でCDを出している。ここは、同じ解釈なのかしら?)
とにかく、音楽の中の静寂(無音)というのは、すごいと感じた瞬間だった。

さて、皆さんは、ショパンのノクターン(夜想曲)の遺作の中で、
嬰ハ短調の曲を知っているだろうか
映画「戦場のピアニスト」で使用されて、一躍有名になった曲である
まあ、知っている人は、知っているとおもうのだが、
この曲の19小節目から、41小節目までは、
このピアノ協奏曲第2番の第一楽章と第三楽章にでてくる主題が組み合わされている。
うーん。ショパンの協奏曲の主題も弾けて、ちょっと簡単で、お得な曲です。
(それに、この曲もロマンティックだし・・・)

まあ、このピアノ協奏曲第2番も、大人の解釈でもいいのだが、
私は、若い解釈が好きだなあ。


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ピアノ協奏曲第1番(ショパン) [ショパン]

さて、今日は、ピアノの詩人ショパンの曲である。
ショパンは、ピアノと管弦楽の為の曲を数曲作曲しているが、
ピアノ協奏曲と言われる作品は、2曲だけである。

今日は、ショパン作曲【ピアノ協奏曲第1番】である。
(この曲、第1番だが、実際の作曲時期は、第2番の後である)

さて、この曲は、非常に有名だが、
ショパンの曲の中では、若い時期(20歳!)に作曲されただけあって、
後期の作品のあの独特のピアノ作曲技法の深さや、内容の深さは、確かに無い。

しかし、若くて、元気ハツラツの部分と、青春時代のあの感傷的な気分が、
重なり合う、すばらしい作品だ。

ショパンは、色白く、女性的で、女性に大変よくもてたそうだ。
(男性的なリストとは、好対照ですね)
また、この作品の成立にも、
コンスタンティアという女性への恋心が関わっているというのは、
有名な話である。

ということで、どうしてもこの作品は、ちょっと女性的に弾かれそうだが、
いやいや、第一楽章の最初などは、とてもとても男性的だ。

それに、有名な、第二楽章のロマンツェの感傷的な雰囲気も、
女性的ではなく、男性の感情だろう。(女性の恋心は、もっと冷静だ(笑))

そして、第三楽章の元気ハツラツさ。
若いっていいなあ。と思ってしまう。

そうこの曲は、自分の青春時代を思い出して聴くのが正しい聴き方だ(えっ?)
全曲聴くと、ちょっと長いが、ピアノの技巧と音色と旋律で、聴かせてしまう曲だ。

さて、この曲の管弦楽の部分は、しばしば、弱いとか、作曲技法が未熟と言われている。
昔は、いろいろな人が手を加えた版が、よく使用されていたらしいが、
現在では、ショパンの素朴な書き方のまま演奏される場合が多い。

さて、この曲の現在のベストCDはなにか、

いろいろあるが、
クリスティアン・ツィマーマン の指揮とピアノ
ポーランド祝祭管弦楽団
の演奏を上げる人は、多いだろう。

なにが、すごいといって、管弦楽のパートを単純な伴奏ではなく、
歌い回しや、音色や、テンポを強い意志で、統率して、
他の演奏では決して聴けない、ロマンティックで重厚な演奏が聴ける。
ツィマーマンのピアノもそれに合わせ、遅いテンポで、十分に歌っていく。

この演奏は意志がはっきりしている。
私は、絶対に名演だと思う。
初めて聴いた時には、びっくりした。

しかし、それだけに、賛否両論があってもいいだろう。

私は、名演とは思うが、
私が感じるショパンの演奏とは、とてもとても違和感を感じる。
(この演奏が好きな方、すいません。私が勝手に思っているだけですから・・・)

それは、なぜだろう。

私は、このショパンの協奏曲は、青春の曲だと思う。
このツィマーマンの演奏は、
きっと十分に大人になった人間が、十分に研究して、演奏した結果だと思う。
それは、決して悪くはないが、
私は、なぜか、この曲は、なにかが欠けた部分のある演奏の方が好きなのだ。

ショパンの青春時代の1ページの曲。

そんな青臭さが、とてもいいと思うのである。


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舟歌(ショパン) [ショパン]

さて、ワールドカップも終わった。
最近、この日記は、なぜか、私の一番好きなピアノ曲の割合が減っている。
ということで、今日は、ピアノ曲の中でも、ショパンの超名曲を書いてみようと思う。

ショパンの曲は、どれも、ショパンの人生そのもので、すべて名曲といっていいと思うが、
エチュード・マズルカ・スケルツォ・ノクターン・バラード・ソナタ等々、
同じ楽曲の種類の曲は、何曲かある。
単独で一曲しかない楽曲の中で、有名なのは、【幻想曲】と【舟歌】だろう。

【幻想曲】も、もちろん名曲だが、私は、理由は、特にないが、
ちょっとだけ【舟歌】の方が好きだ。

さて、【舟歌】である。
3小節の前奏に続いて、左手に、波の音型が現れ、ほぼ全体を通じて、
左手の、この波の音型の上に優雅な舟歌が歌われる。
しかし、単なる描写音楽では決してないと思う。
トリル、内声部の動き、ピアニスティックな装飾、優雅な旋律の動き。
私は、この曲からは、イタリアのゴンドラよりも、
同じ作曲者のバラードに近い、なにかの物語を感じる。
舟歌の形式を基にした、バラード第5番といったところか(笑)

それほど、この作品は、完璧だと思う。

プロのピアニストが、この曲をどう解釈しているかは、
最後から24小節前のフォルテシモの旋律をどう弾くかを聴き比べると面白い。

フォルテシモといっても、優雅に気品に満ちた演奏か、
このクライマックスで、情熱の思いをぶつけるか、

どちらの解釈もあるだろう。
そして、そのどちらも、ショパンの人生を表していると思う。
この【舟歌】は、ショパン晩年の作品である。
体調は、かなり悪かった時期の作品だ。
それでも、本当にすばらしい作品だ。

この曲の最後は、一瞬の風のような右手の速いパッセージの後に、
突然、両手オクターブのフォルテシモの音で終わる。
さて、本当かどうかわからないが、
ショパンは、この最後をピアニシモで軽く弾いた という話もある。
ははは、これは、いいなあ、
この曲、最後は、ピアニシモで軽く、なにげに終わるのもいいかもしれない。

話変わって、舟歌という曲は、いろいろな作曲家が書いている。
なんといっても有名なのは、【ホフマンの舟歌】だろう。
もともとは、イタリアのヴェネチアのゴンドラの船頭が歌った歌といわれている。

しかし、ゴンドラというと、ディズニーシーのゴンドラしか頭に思い浮かばない私は、
やはり、さびしい限りである。

イタリアに行ってみたいよう・・・・・


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バラード第2番(ショパン) [ショパン]

さて、ワールドカップの期間中は、参加国の作曲家の曲を紹介しよう。
(オイオイ、無理がないか、この企画)
今日は、ポーランドである。
ポーランドの作曲家と言えば、もちろん、言うまでもなく、
ピアノの詩人と言われるショパンだろう。(ははは、これが言いたかったのね)
ということで、今日は、ショパン作曲の【バラード第2番】である。
(残念ながら、ポーランドは、決勝トーナメント進出は、ダメでしたね)

さて、ショパンのバラードである。
ショパンのバラードは、4曲あり、どれもこれも傑作と言われている。
この音楽日記では、すでに第1番第4番の曲を書いた。
ということで、今日は、第2番のバラードである。

現在では、私は、このショパンのバラードの4曲については、
どれもこれも、とても個性が強く、まったく別の物語が目にうかぶ。
私は4曲ともピアノの為に書かれた傑作だと思う。

しかし、この2番は、最初に聴いた時の体験?が悪く、
しばらくの間、あまり聴かなかった。

実は、クラッシック音楽の聴き始めの頃、このバラード全曲のレコードを買ったのです。
(当時レコードでは、表と裏で、全4曲のバラードだけでしたね。価格も高かったし・・・)
そのジャケットの裏に、この第2番について、こんな解説の文章が書いてあった。

「第1番のバラードより霊感が無い。ABABの単純な構成。音楽が荒削り。
 旋律は動と静の単純なもの。最後は、とってつけたように静かに終わる。」

オイオイ、ジャケットの裏の解説にここまで、書かなくてもいいだろうに、と思う。

その解説には、第1番第4番は、傑作とほめており、
恥ずかしいことに、当時クラッシック音楽を聴き始めの私は、
「そうか、第2番は、駄作なのだ」
と、思っていた。
(まあ、音楽の解説は自由なので、そう思っている人がいてもまったく問題はないのですが)

その内に、自分自身の考えで音楽が聴けるようになり、
このバラード第2番は、すごく個性的で、独創的で、こんな曲が書けるのは、天才だな
と思うようになった。
さて、それは、どんな所かと言うと、
  ・全く異なった性格の主題2つだけで、劇的で、まとまった曲になっていること
  ・バラード4曲、すべてがそうだが、これもコーダは劇的ですばらしい。
  ・6/8の牧歌的主題は、単純だが、弾いてみると、なかなかよい
  ・なんといっても、頭の中に、田園と嵐のイメージが浮かぶこと。(これは重要ですね)
  ・4曲の中で、一番短い。一番簡単(笑)・・・とは、いえ私には、歯が立たないです

まあ、ショパンのバラードは、順位がなく、それぞれ、物語があるということですね。

ちょっとピアノに座って、最初の6/8の田園風の部分だけ、弾いてみた。
しかし、バラード第2番とは、関係ないのだが、6/8拍子は、難しいリズムですね。
リズムが、もたれるし、田園風に弾くのは、難しいなあ。

さてさて、ピアノで、譜面を見ながら、音を出していたら(決して弾いてはいません)
もう一点、しようもないことを思った。
ショパンの時代は、鍵盤が82鍵しかなかったそうだ。
もし、現在のように88鍵あったら、
アジタートのコーダの7小節前の4拍目の左手のラの音からは、
オクターブ低く書いたのかなあ
そんなことを思いながら、音を出して遊んでいるのです。(笑)
まあ、素人だから許される遊びかな?

さてさて、ショパンのバラードは、あと第3番だけになったな


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マズルカ第49番(ショパン) [ショパン]

さて、先日から、ショパンのマズルカ全曲(遺作も含めて全58曲)を聴いていた。

 有名な第5番の華やかさ。
 ワルツに似た第6番。
 魅力的な第11番。
 明るく有名な第23番。
 哀愁ただよう第27番。
 大曲の第32番。
 傑作と言われる第38番。
 悲しみのワルツの第41番。
     等々

どの曲も、短いながら、喜怒哀楽があり、どれも、とてもとてもすばらしい。

しかし、この58曲の中に傑作とか名曲とか名作とよばれていないが、
とても心に深く響くマズルカがあった。
それが、今日の音楽日記の曲
ショパン作曲 マズルカ【第49番】である。

皆さんは、クラッシックの作曲家の「白鳥の歌(絶筆となった曲)」を知っていますか?
実は、このマズルカ第49番は、ショパンの白鳥の歌なのである。
(作曲は、1849年と言われています。)

曲は、不思議な曲で、喜びもなければ、悲しみもない。
半音階を多く用いており、
リストが晩年にこの曲を作曲したら、
「調性のないマズルカ」とでも名付けそうな雰囲気である。
(ヘ長調の中間部がある版も存在し、CDでも聴ける)
話によると、ショパンは、この曲を病気の為、自分で弾けなかったと言われている。

さて、右手は、ほとんどが単音の旋律で、
左手は、ほとんどが単純な3拍子の伴奏なので、
実際に弾いてみた。(すごーーーーく、ゆっくりですけどね)

この旋律は、なんなんだろう・・・・・。

もちろん、ショパンの絶筆という知識があるので、頭でそう感じるのかもしれないが、
ショパンの天分をもってしても、この曲が最後とは、ちょっと悲しくなってくる。

多くの作曲家は、人生の後半になればなるほど、傑作を残し、
もう少し生きていたら、どんな傑作がうまれただろう。と言われる

しかし、ショパンは、病気との闘いの為、
悲しいことに、人生の後半には、名曲と一般的に言われる曲が生まれていない。
これは、しかたがないことだが、やはり、悲しい。

このマズルカ第49番は、ショパンの人生を考えると、
とても、複雑な気持ちが、頭をよぎる曲である。

しかし、傑作でない白鳥の歌があってもいいと思う。

ショパンのマズルカ全58曲を聴いて思ったのは、
小曲にもかかわらず、なにか強い意志を感じることのできる曲を人生の一生を通じて
どんな時期も書き続けたことは、とてもすばらしいことだよなあ。

このブログも出来る限り続けていこうと思う。(なーんてね) ははは


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前奏曲 第7番(ショパン) [ショパン]

さて、先日の音楽日記で、ショパンの黒鍵のエチュードのことを書いた。
よくよく考えて見ると、
ポーランドの代表的な舞曲で、ショパンの代名詞であろう、
マズルカを今まで、一曲も取り上げていないことに気が付いた。
(マズルカというのは、3/4のリズムで、2拍目又は、3拍目にアクセントがある
 ポーランドの民族舞曲ですね)

そこで、マズルカ全51曲(60曲?)から、
私の一番好きな曲を選ぼうと考えたが、
考えると、どれもこれも短いが、とてもとても魅力的である。
それで、51曲を譜面を見ながら、聴き始めたが、
なんせ、51曲も聴くのは、時間がかかる。

ということで、ショパンのマズルカから、まず、一曲を選ぶのは、今度にして、

マズルカのリズムで、書かれた、ショパンの作品の中で、
一番有名なのは、どれだろうか、と考えてみた。

ショパンは、自分のいろいろな曲にマズルカのリズムを使用している。
(ポロネーズの中にマズルカがある曲も書いている)

このマズルカのリズムで書かれたショパンの作品の中で、最も有名なのは
多分、おそらく、日本だけかも知れないが(笑)
前奏曲集の中の第7番の曲だろう。

こういっても、ピンとこないて人もいるかもしれない。
しかし、胃の薬のテレビCMのBGMというと、知らない人は、いないだろう(多分ね)

わずか17小節の1分以下の曲だが、
とてもとても、落ち着く曲である。
速度は、アンダンティーノで、マズルカのリズムではあるが、
ゆっくりとしている。

技術的には、易しい曲ではあるが、
この曲の13小節目には、手の大きい人でないと、押さえられない和音がでてくる。
アルペジォにして、一番上の音を左手でとるのも、なんだしなあ。
手の小さい私としては、ここは、普通の和音にしてほしかったなあ。

この曲は、ゆっくり落ち着いて弾くと、ちょっと悲しい感じもする。
しかし、ちょっと遊んで(ショパンさんごめんなさい。)
速度を速くして、マズルカのリズムを強調し、舞曲風に弾くと、
ポーランドの楽しいマズルカ舞曲そのものである。

でも、ゆっくり弾くから、胃を落ち着ける薬のCMに、ぴったりなのだが、
リズミカルにちょっと速く弾くと、元気よく飛び跳ねる、
スポーツ栄養剤のCMのイメージになっちゃいますね。


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黒鍵のエチュード(ショパン) [ショパン]

最近、この音楽日記で、ピアノ曲の割合が、最初のころに比べて、明らかに減っている。
それはそれで、全く問題ないし、いろいろなジャンルの曲を聴けるようになったのは、
いいのだが、ピアノの曲は、星の数ほどある。

なんと言っても、ピアノ音楽といったらショパンだ。
ということで、今日の音楽日記は、ピアノ曲の中では、超有名曲。
ショパン作曲の【黒鍵のエチュード】である

さて、ショパンの練習曲(エチュード)には、
別れの曲・革命・木枯らし 等、名曲が多いが、この黒鍵のエチュードは、どうだろう。

ちょっとだけ曲の解説をしてみよう
 ・右手は、ピアノの黒鍵ばかりを、すばやい動きで、軽快に均一に弾く。
 ・左手は、スッタカートの和音で、旋律をひく。
 ・弾き方によっては、華麗な曲になり、ダブルオクターブで豪快に終わる弾き方もある。
 ・作曲家ゴドフスキーは、この曲を基に、原曲とはちょっとちがった7曲もの練習曲を
  作曲している。(って、これは、関係ありませんね(笑))
  (でもその中には、右手と左手を入れ替えた曲もあるのですよ・・・)

まあ、この黒鍵のエチュードは、2分程度の練習曲で、
ピアノ曲の中では、有名曲だが、はたして、これは、名曲だろうか?

ちなみに、この曲に関して、の批評?は、

「クララが、黒鍵のエチュードを弾いたが、もっといい曲はいっぱいあるのに、
 なんでこれを選んだのだろうか? この曲はちっとも面白くない」(ショパンの手紙)

ははは、作曲者自身こんなことを手紙に書いたらしい。

たしか、に有名な指揮者のハンス・フォン・ビューローも
「ご婦人用、サロン用の聴いていてきもちがいいだけの曲」と言っている。

しかしである、私は、音名などで遊んで作曲したシューマン等と違って、
けっこう真面目なショパンが
右手が黒鍵だけを弾くちょっと遊んだ曲を書いたというだけで、
私は、この曲は、大好きだ。
ショパンもこういう気分の時があったのだなあと思うと、
この軽やかなサロン風練習曲も、イメージが変わる。

ショパンのエチュードは、よく言われることだが、純粋な手の練習曲ではない。
そこには、さまざまなイメージや幻想や気持ちが込められていると思う。

ということで、ショパンさん、なかなかいい曲だと思います。

以下は、ちょっとだけ有名な話

しかしですね、右手は、黒鍵だけを弾く ということで有名な曲ですが、
最後から20小節前の右手には、F(ファ)の音がでてくるのですよ。
(そう、ファですから白鍵の音ですね)
この音は、華麗な動きのある黒鍵のフレーズではないし、
確かに無理すれば、左手でこの音を取ることもできるけど、
どうせだったら、この音、どうにかしてほしかったなあ
ショパンさん


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バラード第4番(ショパン) [ショパン]

さて、今日の音楽日記は、ショパン作曲のピアノ曲。バラード第4番である。
この曲に対する評価は、おおむね、下記のようなものだろう。

・ショパンの数あるピアノ曲の中で、最高傑作。
・悲しみ、祈り、そして、劇的なフィナーレと、表現力は最上。
・和声や対位法などのピアノ技法も円熟の極致。
・ショパンの円熟期の作品の中でも一級品。
      等々

とにかく、絶賛、賞賛の嵐の曲である。
この曲を悪く書いている批評には出会ったことがない。(本当)

しかし、言葉に惑わされずに、よく考えてほしい。
「この曲は、本当に、ショパンのピアノ曲の中で、一級品なのだろうか?」

こう書くと、たいていは、否定的な文章がこの後に続くはずなのだが、
くやしいことに、私も、本当にこの曲は、名曲だし、絶品だと思う。(笑)

ショパンのバラードは、全部で、4曲ある。
聞きやすさという点では、バラード第1番にゆずるかもしれないが、
内容の深さといい、ピアノの技巧の巧みさといい、表現といい、
間違いなく、バラードだけでなく、ショパンのピアノ曲の中で最高傑作だと思う。

まあ、この曲については、多くの人がほめているので、これ以上は、書くのをやめよう。
ネットを検索しても、いろいろ書いてある。
とにかく、聴いて無い人は、必ず聴いてほしい。

ということで、

先日、ダ・ヴィンチ・コードを読み終わった。
そして、今日、譜面を見ながら、この曲を聴いていたら、
以下のような物語を思いついた。
まあ、気晴らしに読んでみてくださいな。(怒らないでね・・・)

***************************************************************************
警部がその部屋に入っていった時には、
すでに、その男は、死んでいた。
そして、その横には、ショパン作曲のバラード第4番の譜面があった。

警部は、それを見た。
その譜面の8小節目から始まる第一主題の最初の5つの音に印がついていた。
「ド-ファ-ミ-シ-レ に印がついている。これは犯人を示しているに違いない。」
警部は思った。

すぐに、暗号解読官と大学教授が呼ばれた。
「この意味を解読してほしい。」
警部は、言った。

しばらく二人は、考えていたが
「この音は、ある人物を示しています。謎はすべてとけました。」
暗号解読官と大学教授は、同時に叫んだ。そして、説明を始めた。
「ド-ファ-ミ-シ-レ を音名に変えると、 C-F-E-H-D です」
「さて、このアルファベットが入っている人物とは・・・」

ここで、警部は考えたが答えは、出なかった。
そして、暗号解読官と大学教授のおどろくべき答を聴いた。

「そう。この曲の作曲者は、フレデリック・ショパンです。
 そして、綴りは、 FREDERIC CHOPIN です。」
暗号解読官は言った。
「この中で、音名になるアルファベットは、FとEとDとCとHだけです。
 そして、これを並べ変えると、 C-F-E-H-D になります。」
大学教授は言った。
「すなわち、犯人は、ショパンです。」
二人は、勝ち誇った声で言った。

警部は、思った。
「やれやれ、みんなダ・ヴィンチ・コードの読み過ぎだな。
 だいたい、今は、2006年だし、ショパンが犯人な訳ないだろう。それに、
 バラード第4番の第一主題のDとHには、♭が付くから、DesとBだろう」
そして、警部は、これからは、一人で考えることにした。
***************************************************************************

す、すいません。
いやいや、ちょっと思いついただけなのですよ。
こんなこと、考えている人っているのかなあ。
(世界の中には、きっといるかもしれない)
しかし、こんなこと考えて、この曲を聴くのは、きっと、私だけだろうなあ・・・

まあ、ショパンのバラード第4番は、本当に傑作です。(って、説得力がないか・・・)


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アンダンテ・スピアナートと華麗なポロネーズ(ショパン) [ショパン]

ショパンの若いころの作品には、
明るく、ピアニスティクな美しさと華麗さに、満ちているものは多い。
(いいなあ、若いって・・・)

生涯にわたって書かれた、祖国ポーランドの舞曲であるポロネーズには、
後期の独特な雰囲気の「幻想ポロネーズ」等が傑作といわれているが、
若き日に作曲されたこの【アンダンテ・スピアナートと華麗なポロネーズ】は、
誰でも、一回聴けば、ピアノの美しさと、華麗な響きに心を奪われるだろう。
(ショパンの20歳の時の作品である。本当に若い時っていいなあ(笑))

私は、昔、若い時(おいおい、いつだ)
ポロネーズの全集のレコードを買って、この曲を聴き、
有名な「軍隊ポロネーズ」や「英雄ポロネーズ」は、男性的で確かに力強いのだが、
ショパンのイメージは、この「アンダンテ・スピアナートと華麗なポロネーズ」の方が
合っているなあと思った。
これは、今でも同じ考えだ。
(めずらしい。たいてい歳をとると、進歩するのに。)
この曲を、女性的に華麗に弾けば、
もう、誰でもショパンの若いころの世界に入り込めるだろう。
(私の中では、若いリストはバリバリ。若いショパンはサラサラのイメージなのです。)
(本当は、イメージを固定してはいけないのですがね)

前半のアンダンテ・スピアナートの部分は、ポロネーズのリズムではなく、
左手の優雅なアルペジォに乗って、右手がこれぞショパンという必殺の旋律を弾く。
(装飾音がいかにも、若いころ作曲したなあと言う感じ・・・)
そして、後半の華麗なポロネーズは、派手なファンファーレ風の序奏の割には、
サラサラした華麗なパッセージがつづく。
(もちろん、ダブルオクターブなどの力強いパッセージはあるのですが・・・)
そして、誰でもが、「あっ、ここから、終結部だな。」とわかる長くて技巧的なコーダ。
どこにもすきがない、ピアノの為のピアノ音楽である。

ショパンのこの曲は、不思議である。
確かに、深いなにかがある曲ではないが、かといって、
内容のない若いころの音楽だといって、切り捨てる音楽でもないと思う。
純粋に、ピアノの音を楽しむ音楽とは、ひょっとしたらこんな音楽かもしれない。
まだまだ、ピアノ音楽は、奥が深い。

この曲は、本当は、管弦楽とピアノの為の曲であるが、
現在では、ピアノ一台で弾かれることの方がはるかに多い。
(ちなみに、ポロネーズに入る前のファンファーレは、原曲では管弦楽だけである。)

しかし、この伴奏では、管弦楽のメンバーは、怒るよなあ。
音がほとんどなく、ほとんどが、音の延ばしで、
あってもなくてもいい書き方なのである。(いいすぎかなあ?)
ショパンほどの天才でも、得手不得手は、あるのかもしれない。
(しかし、ピアノを引き立たせる管弦楽だ、と割り切れば、ある意味すごい書法だ)

なぜか、今日は、こんな音楽を聴きたくなった不思議な日。


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