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前奏曲 第23番 ヘ長調(ショパン) [ショパン]

さて、この音楽日記で、ショパンの前奏曲を二日続けて書いてきたが、
全部で24曲ある前奏曲集の内で、一曲選ぶとしたら、
みなさんは、どの一曲だろうか?
(あれっ、昨日は、この前奏曲集は、全24曲通して聴く方がいいとか、書いていた気が・・・)
(まあ、細かいことは、言わない、言わない・・・)

・最も有名な 第15番の【雨だれ】?
・胃腸薬のCMでおなじみ 第7番
・それとも、演奏容易な 第4番・第6番あたりか?
・革命のエチュードにもにた、終曲の第24番か?
・ラフマニノフやブゾーニも変奏曲を書いた、重々しい 第20番か?
・アルゲリッチが猛スピードで弾く、第12番か?
・独創的な和声が印象的な 第2番か?
         等々

この前奏曲集から、一曲選べと言われても、
その時の気分によって違うし、
小品ばかりだが、本当に特色のある曲ばかりで選べない。

もちろん、私は、全曲好きだ。

しかし、その中でも、第23番 ヘ長調の曲は、かなり気に入っている。
この曲は、まず、単独で、弾かれることはない。
わずか、22小節で、とても繊細な曲だ。
明るい森の中で、かわいい妖精達が、踊っている。
そんなイメージの曲である。
終わり方の微妙な和声もすばらしい。(ふぁっとする感じですね)

ヘ長調という調性のせいかもしれないし、第7音を多用しているからかもしれない。
かといって、フランス音楽の印象派のような音楽かと言えば、
そうではなく、完全にショパンの音楽だ。

実は、第23番は、この前奏曲集の中で、
激しい第22番と、革命のエチュードのような、第24番の間に位置しているので、
続けて聴くと、この曲が、特に印象的なのかもしれない。

フランスの作曲家フランセが、このショパンの前奏曲集を管弦楽の為に全曲編曲している。
その中で、第23番は、やはり管楽器で、繊細に、演奏される。
イメージは、一緒だ。
(ただ、私としては、やはり、この前奏曲集は、ピアノの方がいいなあ。)

この前奏曲集、私が初めて聴いたのは、
エッシェンバッハのピアノのレコードである。
レコードの帯に確か、【黒の詩集】というコピーがあったように、
音を押さえた、異常に暗い前奏曲集だった。
その後、いろいろな人の前奏曲集を聴いた。
中には、ポリーニのように、完全に弾いているという感じの演奏(?)もあった。

うーん、でも、この前奏曲集は、もっと自由に弾いてもらいたいなあ・・・・
(コルトーのスタイルは、好きなのですが・・・もうちょっと音がよければなあ・・・)


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コメント 7

トスカ

私はアラベスク風の第5番が好きですね。あれを何事もなかったかのようにサラッと弾ければよいのですが。
第23番は雰囲気としてはラヴェルの「水の戯れ」のコーダを連想します。
by トスカ (2006-11-26 12:54) 

みどりのこびとちゃん

トスカさん。第5番とは、予想外です(笑)
しかし、あらためて聴くと、確かにこれをサラッと弾いて
尚かつ、内声部の旋律と和声をコントロールするのは
至難の技かもしれません。
by みどりのこびとちゃん (2006-11-26 21:05) 

Robert

前奏曲集はみんな好きですが、私はなぜか13番嬰へ長調が好きです。旋律がとても優美だからです。23番ヘ長調はその次の24番の前に置かれていることで雰囲気がここでがらりと変わります。まさしくChopinの魔法です。管弦楽編曲もあるのは初めて聞きました。
エッシェンバッハのレコードは私も聴きました。たしかにレコードの帯に「黒の詩集」と書いてありましたね。前奏曲のライブは1976年ポリーニの初来日で大阪で聞きました。凄い演奏でした。最後Dの音がまだ耳に残っています。(本当に凄かったのはアンコール!最初の曲はなんとバラード1番でした!これをアンコールで弾くなんて・・・)
by Robert (2006-11-26 23:04) 

みどりのこびとちゃん

Robertさん。第13番とは予想外です(笑)
優雅さなら、第17番は、ありかなと思っていましたが・・・
うーんあらためて第13番を聴くと、12と14に囲まれて、
とっても、優美にきこえますね。中間部も、なかなかよいではないですか。

おおっと、ポリーニの実演を、聴かれましたか。
それは、すばらしいですね。
レコードやCDでは、絶対に聞き取れないなにかがありますよね。
by みどりのこびとちゃん (2006-11-26 23:56) 

Robert

予想外でしたか。でもこの曲集は全体の流れの中ででそれぞれの曲が生きるように書かれていますね。みんな良いです。恥ずかしいですが自分でも第4番、太田胃散「イ長(胃腸)長」、雨だれくらいは弾きます。下手ですけど。どうやって弾くのかがわからないのが第1番(あの譜面からメロディーが読めない)、今後どんなに努力しても弾けないだろうというのが8番、24番です。ポリーニのライブは1973年か74年だったかもしれません。まだ知名度も低く、チケットはC席2500円でした。あの時は「こんな燃え尽きるような演奏がいつまでできるのだろう?」と思いました。今では本当に大家、ピアノを完璧に鳴らすという点では、になってしまいましたが、ChopinでもBeethoven(特に後期のソナタなど)でも何か物足りないです。なぜでしょう?
by Robert (2006-11-27 12:37) 

みどりのこびとちゃん

Robertさん、確かに一番は、弾きにくい気はしますね。
ポリーニの演奏は、本当にピアノを完璧に鳴らすということに関しては、
すばらしいと思います。
譜面を見ながらCDを聴くと、ベートーベンの後期のソナタも
はっきり、全体像が見えて、完璧に音が鳴っている感じがします。
しかし、なぜか、そこに、音楽の
感情や思いやイメージが薄いのかもしれません。

ただ、この知性と感情の両立というのは、
演奏家にとって、見果てぬ夢かもしれません。
音楽は、難しいものですね。
by みどりのこびとちゃん (2006-11-27 22:59) 

Robert

ポリーニ(発音はポルリーニに近いらしいです)のBeethoven後期ソナタも仰るとおりこれ以上完璧と思われる演奏はありません。Chopinの舟歌や幻想曲、バラードも同じで、技術だけでなく音楽としても完璧だと思います。でもなぜか完璧な絵画をガラスケース越しにみているような感じになってしまいます。(演奏者が聴いている私の方を向いて弾いてくれるような感じが乏しいというか・・・)アラウやゼルキン(ルドルフのほう)の演奏の方がこころに響きます。
by Robert (2006-11-28 00:09) 

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