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哀詩《荒城の月を主題とする更衣曲(変奏曲)》(山田耕筰) [山田耕筰]

さて、前回、山田耕筰(耕作)のピアノ曲を書いたのですが、
もう一曲書いておこうと思う。

今日の音楽日記は、山田耕筰のピアノ独奏曲
哀詩《荒城の月を主題とする更衣曲》です。

題名からしていいです。
哀詩、ポエムです。詩曲です。
更衣曲、変奏曲のことです。しかし、こう書くとなにか、
昔の香りがしていいです(音楽とは関係ないけど・・・)

で、曲の解説です。
作曲年は、大正6年。1917年。
序奏と主題。11の変奏とコーダからなるピアノ曲です。

作曲者自身で、変奏毎の解説を書いているが、
長いので、短く書きだしてみると、

序奏・・・言い知れぬ吐息。
主題・・・寂しく。
第1変奏・・・荒々しく。怒りの心。
第2変奏・・・華麗に。賛美。
第3変奏・・・悲しく。すすり泣き。
第4変奏・・・強烈に。饗宴。
第5変奏・・・華やかに。咲き乱れる花。
第6変奏・・・自由に。不凶。
第7変奏・・・堂々と。乱舞。
第8変奏・・・やる瀬なく。勇士。
第9変奏・・・流れるように。悲しみ。
第10変奏・・・寂しく。思い出。
第11変奏・・・夢見るように。嘆息の淵。
コーダ・・・荒れ果てたる城の上に寒く照る月

そして、山田耕筰は、この曲は、
単なるバリエーションではなく、
「ポエム・バリエーション」ということにこだわっている
ということです。

実際に、曲を聴き、譜面から音を取ってみると、
序奏や第11変奏やコーダは、
とっても、音楽が深く、興味深い和声や構成です。
第1変奏~第10変奏も、作曲者自身のイメージに合っていて、
各々の変奏が有機的につながっていて、あきさせません。
ピアノ曲としては、そんなに技巧的ではないけど、
響きは、時代を感じさせて、とってもいいです。

荒城の月の主題による変奏曲は、いろいろな楽器で
いろいろな作曲家が書いている。
けっして、近代的な音楽ではないのですが、
なぜか、懐かしい感じのするピアノ曲です。

結構、いい曲だと思うのだけどなあ・・・
でもあんまり、音源もないし、演奏もされないし・・・

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スクリャービンに捧ぐる曲(山田耕筰) [山田耕筰]

さて、今日は、日本のピアノ曲を紹介しよう。
日本の作曲家、山田耕筰の名前は、
「赤とんぼ」の作曲者として有名だが、
実は、日本初の交響曲を作曲した人でもあります。
交響曲・管弦楽曲は、多く作曲されているが、現在では、
あまり演奏されることもないし、
私も、あまり聴いたことはない。

その山田耕筰が、ドイツ留学をしていた、
帰国の途中、モスクワで、スクリャービンの音楽に出会って、
感銘したというピアノ曲があります。

今日の音楽日記は、
山田耕筰作曲のピアノ曲独奏曲『スクリャービンに捧ぐる曲』
です。
曲は、2曲からなり、どちらも短い小品です。

第1曲 夜の詩曲
第2曲 忘れ難きモスコーの夜

この曲、どちらも、とても魅力的なピアノ曲で、
イメージは、スクリャービンの神秘和音というより、
東洋と西洋が混じった響きかなあ。
近代的だけど、結構聴きやすい。
そして、イメージは、まさしく、夜の詩曲です。
やさしく、和音の響きと和声進行を考えながら弾くと面白い。

日本のピアノ曲としては、もっと弾かれてもいいと思います。

この曲、作曲者と題名を言わないで、
曲だけを聞かせて、作曲者当てをしたら、
誰という人が一番多いかなあ?
(もちろん、この曲を知らない人ですが)
結構難しいと思うけど、山田耕筰と言う人は
いないけど、日本人の作曲とわかる人は、多いかも・・・

この曲、1917年に作曲されている。
1917年に、山田耕筰は、この曲の他に、
哀詩『荒城の月を主題とする変奏曲』という詩曲を作曲している。
譜面を持っていますが、この曲も山田耕作のピアノ曲としては、
傑作だと思います。
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追記
さて、最近、平田真希子さんというピアニストと知り合いになりました。
(演奏前の作品解説がとっても面白いです。)
8/3にピアノ演奏会を美浜文化ホールで開きます。
(開場13時 開演13時30分 3000円)
この山田耕筰の作品も演奏されるそうです。
(他はショパン、ドビュッシー、スクリャービンなど)
興味のある方は是非。


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