ペールギュント第1組曲(グリーグ) [グリーグ]
間違えなく、ピアノ協奏曲イ短調ですね。(この曲の過去記事は⇒こちら)
しかし、全体からみたら、
やはり、ペールギュントの音楽を上げる人も多いのではないでしょうか。
今日は、グリーグの代表作ペールギュントより、第1組曲です。
グリーグは、1843年生まれ、1907年に没したノルウェーの作曲家ですね。
イプセンの戯曲「ペールギュント」は、
故郷を捨て、奔放な放浪人生を送るペールギュントが、
最後は故郷で待っている恋人ソルヴェーグの元で息を引き取るという物語で、
これに、グリーグは27曲もの音楽を書いています。
まあ、このペールギュントの物語を読むと、
恋人ソルヴェーグは、よく、あんないいかげんなペールギュントという男を
故郷で、ずっと待っていたのか、すごく疑問なのですが、
これには、誰も答えてくれない(笑)
まあ、ダメ男は、かわいいのか・・・
さて、この27曲の曲の中から、作曲者自身が4曲を選び組曲にしています。
第1組曲と第2組曲がありますが、
今日は、第1組曲です。
第1組曲は、4曲からなり、それぞれ多彩なイメージをもっており、
絶妙な組み合わせとなっています
第1曲・朝の気分
ペールギュントが無一文になり、
砂漠で目覚めた時の、新しい旅立ちの朝を描いています
この6/8の旋律は、なかなか天才的です。
第2曲・オーセの死
年老いたペールギュントの母の死の深い悲しみを音楽で表現しています。
(す、すいません、私、最近まで、オーゼの死と思っていました。)
第3曲・アニトラの踊り
ペールギュントを誘惑するアラビアの娘の踊り
(この曲、速く演奏しない方が、怪しい感じがしていいですよ)
第4曲・山の魔王の宮殿にて
不気味な魔王の音楽が、次第に盛り上がり、圧倒的な響きの中で音楽は終わります。
(この曲、いろいろな所で使われていますね)
さてさて、この曲、今度のさくらマンドリンオーケストラの
第7回定期演奏会(10/5 新宿文化センター)で演奏するのだけど、
マンドリンで表現するのは、とっても難しい。
そして、この第1組曲の4曲の組合せは、音楽としては、すごくいいのだけど、
ペールギュントの物語から考えると、順番が目茶苦茶で、
なかなか、物語のイメージがつかめないのが難点かなあ・・・。
まあ、興味のある人は、是非来てください。
って、宣伝か(笑)
ピアノ協奏曲 イ短調(グリーグ) [グリーグ]
ピアノ音楽を中心にいろいろな曲を書いてきている。
で、同じ曲は、書かないことにしていたのだけど、
昔の自分の音楽日記を読んで、ああ、今は、違う考えだよなあ。
と思う曲も多い。
それから、よく聴く有名曲は、
まあ、ほとんど書いてきたので、
最近は、マイナーな曲を書くことも多くなってきている。
と思っていたら、
なんと、ピアノ協奏曲の超有名曲
あの、グリーグの傑作をまだ書いていないことに、
なぜか、気が付いた。
これは書かないと・・・
ということで、今日の音楽日記は、
ノルウェーの作曲家グリーグのピアノ協奏曲です。
作曲者25歳の時の作品で、3楽章からなる曲で、
リストが初見で、完璧に弾いた?とか
しかし、このピアノ協奏曲は、もう説明不要の有名曲ですね。
ということで、楽曲分析や、作曲の経緯とかは、
ネットで調べてもらうとして、
この曲に関しては、私の思い出を書いてみよう。
この曲を初めて聴いたのは、高校生の時かなあ。
フォンタナの廉価版のレコードで、
カップリングは、もちろんシューマンのピアノ協奏曲。
ピアノが、アラウということを覚えている。
(ネットで調べたら、管弦楽は、
ドホナーニ指揮、アムステルダムコンセルトヘボウでしたね)
演奏は、テンポのゆったりした、雄大な演奏で、
最初のティンパニーの盛り上がりの後のピアノの入りが、
とってもかっこよくて、
もう、レコードが擦り切れるほど聴いたものです。
そのため、この最初の部分は、当時、ピアノで練習したものです。
(かっこいいけど、そんなに難しくないのですよ。)
そういえば、その後、ルプー、リヒテル、ツィンマーマン等々
いろいろ聞いてきたけど、
どれもいい。
多分、このピアノ協奏曲は、演奏者を選ばないんじゃあないかなあ。
ピアノ部分も、管弦楽も部分もとてもよく出来ていて、
ピアノは、もちろん難しいけど、無理がないし、
カデンツァだって、とっても派手に聞こえるけど、奏法にはまったく無理がない。
3楽章の最後の盛り上がりは、
もう、定番の作曲法なんだけど、
ロシアのピアノ協奏曲と違って、ピアノが主役というより、
管弦楽と一緒になって、
北欧の自然のスケールの大きさを感動的に演奏できるような気がする。
この曲、レコードの時代、CDの時代でも、まず間違えなく、
シューマンのピアノ協奏曲とカップリングされています。
もちろん、序奏も同じ下降音形だし、3楽章だし、時間も同じぐらいだし、
グリーグは、シューマンに影響をうけている説とかあり、
丁度いいのかもしれないけど、
あまりにも、この組み合わせばかりで、
いやいや、ちょっと違う組み合わせがあってもいいんじゃないか
なんて、考えたこともある。
で、グリーグのピアノ協奏曲と組み合わせる場合、
シューマン以外だったら、私だったら
・ピアノ協奏曲第2番(マクダウェル)⇒この曲の過去の音楽日記はこちら
この曲、明らかに、グリーグの影響を受けています(多分)
二つ組み合わせると、面白いと思うのだけどなあ。
・ピアノ協奏曲(アッテルベリ)
スェーデンの作曲家のピアノ協奏曲です。
いやいや、最初の部分のティンパニーの盛り上がりとピアノの下降音形は、
シューマンより、よっぽど似ているかな(笑)
グリーグのピアノ協奏曲とまったく違う感じの北欧のピアノ協奏曲ということで・・・
この曲、映画音楽っぽくて、すごく聴きやすいし、かっこいいですよ。
というより、大河ドラマっぽいです。
ピアノは派手です。
最後の盛り上がりもいいですよ(いつかこの音楽日記で出番があるでしょう)
さてさて、とりとめもないことを書いてきた。
しかし、有名な名曲には、やはり、有名になるだけのものがある。
このグリーグのピアノ協奏曲は、名曲になるだけの
ものが多分にあると思います。
では
ピアノソナタ作品7 (グリーグ) [グリーグ]
ということで、イギリス音楽特集でも書こうと思ったのだけど、
なぜか、今はいろいろと北欧の音楽を聞いている。
ということで、イギリス音楽特集?は、今週末からということにして、
今日は、グリーグの曲です。
グリーグというと、ピアノ協奏曲、ペールギュントなど、
北欧の自然(見たことないけど)をイメージさせる曲かな。
私の北欧のイメージは、
厳しい冬。のどかな自然。きれいな空気。・・・
音楽は、どちらかというと素直で、民謡風。
極端な変な和声はなくて、・・・
という感じです。
さて、今日の音楽日記は、グリーグが作曲した唯一のピアノソナタです。
この曲、作曲者の20代前半に書かれた曲だけあって、
内容や展開など、確かにちょっと・・・と思う所もありますが、
なかなか、素直な曲で、楽しめます。
第1楽章
下降と上昇からなる主題は、ちょっとぎこちないです。
第2主題は、ちょっとおもしろいですが、
展開は、思ったほどない感じです。
グリーグという人柄にあった情熱の音楽と言ったところか・・・
(うーん、何を書いているのかわからんぞ)
第2楽章
やっぱり、このピアノソナタは、この楽章ですね。
単音の民謡風で始まる主題から、ピアノ協奏曲を思わせる展開まで
いいですねえ。グリーグぽいです。
第3楽章
メヌエットと書いてありますが、そんな感じはしません。
ちょっと重々しく、響きます。
第4楽章
シューマンのようなリズム動機が支配する楽章。
最後は、単純な楽譜だけど、響きはさすがです。
このグリーグのピアノソナタ、確かに傑作ではないと思う。
でも、随所にグリーグらしさも垣間見える。
第2楽章なんかは、本当にいい。
ピアノ好きなら、一度は聞いて損はないと思う曲です。
さてさて、暑いので、ついなんとなく北欧の音楽を書いてしまった。
次回からは、イギリス音楽特集です(って、何曲書くことやら・・・)
叙情小曲集より【春に寄す】(グリーグ) [グリーグ]
明けまして、おめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
さて、一年の最初の音楽日記は、なんの曲がいいだろう?
2007年は、ノルウェー(寒そう・・・)の作曲家グリーグの没後100年にあたる。
もちろん、代表作は、ペールギュント組曲をはじめ、数多くある。
ピアノ好きなら、ピアノ協奏曲は、はずせないし、
ちょっとマイナーだが、ピアノソナタも力作だ。
歌曲も数多く作曲している。
(私は、グリーグの中では、弦楽合奏のホルベルグ組曲が大好きなのですが・・・)
まあ、しかし、年の初めから、大曲というのもなんなので、
(そう、みどりのこびとちゃんは、小品が好きなのです)
今年最初の曲は、ピアノ曲集、叙情小曲集より【春に寄す】である。
(みどりのこびとちゃんに合わせて、こびとの行進 という曲でもよかったのですが(笑))
グリーグの叙情小曲集は、生涯を通じて作曲されたピアノの独奏曲である。
全部で66曲あり、どれもが独立した小品で、
なにかしらの表題を持っているが、どちらかというと、イメージを表している感じだ。
譜面もそんなに難しい技法を用いていない
その中の【春に寄す】という曲は、有名だろう。
曲は、3分程度の短さだ。
高音の伴奏に合わせて、優雅な旋律が奏され、
中間部のちょっとした盛り上がりから、
アルペジォの伴奏での、旋律が復帰するところは、なんともいえない。
北欧の冬の寒さから、春の訪れを、感じさせる、短いながら、すばらしい曲だ。
さて、今年の音楽での抱負ですが、
趣味のピアノの練習
趣味のマンドリンの演奏会
趣味の作曲
趣味の音楽日記のブログ
ぐらいかなあ(えっ、多いですか?)
まあ、音楽に、肩肘張らず、海のような広い心(笑)で接したいと思っています。
本年もよろしお願いします。
ホルベアの時代から(グリーグ) [グリーグ]
北欧の作曲家グリーグと言えば、
まずは、ペールギュント組曲か、ピアノ協奏曲だろう。
もちろん、この二曲とも私は大好きだが、
実は、私が、グリーグの曲の中で一番好きなのは、
弦楽合奏で有名な組曲【ホルベアの時代から】なのである。
この曲は、5曲からなっており、すべてが、バロック風で優雅な曲想である。
一曲目 前奏曲・・・・・もう気分が、すっーとすること間違いなしのすばらしい曲
二曲目 サラバンド・・・北欧のバロックというイメージ
三曲目 ガボット・・・・懐かしい感じがする軽い曲
四曲目 アリア・・・・・宗教的にと指示された落ち着いた曲
五曲目 リゴードン・・・プロヴァンス地方の舞曲
もし、この曲を聴いていない人は、是非、最初の前奏曲だけでも聴いてほしい。
何年か前に、クジラが泳ぐCMに使用されていたが、
(何のCMかは、まったく覚えていない・・・)
聴いているだけで、さわやかになる。
不思議なことに、私は、この前奏曲を聴くと、元気がでてくる。
弦楽合奏の為、大音量でガンガンする曲でないのだが、
すごく元気がでるのである。
そして、そのほかの曲も、特徴があり、
優雅なバロック時代を彷彿させる。
(現代音楽もたまにはいいですが、このような音楽は、本当に幸せを感じる。)
この曲、聴くのももちろんいいけど、
多分、演奏者の方も、すごく楽しい曲ではないだろうか?
演奏者に一度聴いてみたい。
ところで、グリーグは、まずこの曲を
ピアノ独奏曲として書いたのを知っているだろうか?
ピアノ曲の翌年に、作曲者自身が弦楽合奏曲に編曲している。
今では、弦楽合奏の曲と知られているが、
ピアノ独奏版も、カツァリスのピアノ等で、CDで聴ける。
不思議なことに、ピアノ大好き人間の私は、
この曲に限っては、ピアノの方が原曲であるにもかかわらず、
弦楽合奏の演奏の方が好きなのである。
これは、めずらしいことなのです。
なぜだろう
弦楽合奏の音色は、北欧の貴族の優雅な時をイメージさせるからかもしれない。
(北欧にも貴族がいたのか知らないけど・・・・・)
北欧には、いつか旅行に行ってみたいなあ