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英雄の生涯(R.シュトラウス) [シュトラウス(リヒャルト)]

さて、一週間前になるのだけど、
東京オペラシティへ、中国国家交響楽団を聴きに行きました。
で、その演奏はというと、
弦の音色が少々粗い感じがしたのですが、
なんといっても、表現力はすごくあり、非常に楽しめました。
一部の中国の二曲は、ほんとうに中国っぽい?演奏で楽しめ、
二部の英雄の生涯は、細かいことおかまいなく、音を鳴らすので、
あの複雑スコアの音が全部重なって、ある意味面白かったです。

ということで、今日の音楽日記は、
R.シュトラウスの作曲した、交響詩《英雄の生涯》です。

R.シュトラウスは、どんなものでも、音楽で表現してみせると
言った?という話があるようですが、
今回は、英雄を描写している。
作曲者自身、英雄が誰なのかは言っていないそうですが、
どう考えても、自分自身を描写していますね。
(だって、英雄の業績という部分の音楽は、R.シュトラウスの作品からの
 引用ですから・・・)
ということで、すごいです。
なかなか、自分を英雄にみたてて、交響詩書けないです。
しかし、また、この音楽がいいんだなあ。

最初の英雄のテーマですが、低いE♭から2オクターブ以上駆け上がり
いかにも、英雄です。
他の部分の英雄の敵(評論家らしい)の音楽は、いかにも敵だし、
奥さんのテーマは、甘いし、
評論家を倒して、英雄が進むところは、スカッとします。
で、最後の英雄の引退の部分の静かな音楽の心落ち着くこと。
管弦楽法は、完璧ですね。

ただ、この曲、聴くたびに思うのだけど、
私は、作曲者、自分自身が英雄ということに関して、
どうも違和感が・・・
いえいえ、音楽自体は、すごくいいのですよ。
日本人なのかなあ・・・いかんなあ。

で、蛇足ですが、私の持っている本は、
奥さんのテーマの部分の解説は、愛人のテーマになっている。
奥さんと愛人では、全然違う気がするのだけど(笑)

とりあえず、イメージがわくし、楽しめる曲であることは、
間違いないです。

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アルプス交響曲(R.シュトラウス) [シュトラウス(リヒャルト)]

さて、私は、クラッシック音楽のテレビ番組は、よく見ていると思う。
民放では、あまり、ないのだが、
NHKは、教育やBSで、いろいろやってくれるので、
録画して、暇な時に見ている。
最近では、「ヨハネ受難曲」の初演バージョンもおもしろったし、
先日は、カラヤンの特集を一日やっていたのを見たが、
いろいろ考えさせられる内容だった。

さて、今日は、家族で、近場にイチゴ狩りに、ちょっとドライブして、
夜、家に帰ってから、N響アワーを、ぼーっと見ていた。
今日は、わりあいメジャーな曲を紹介していたが、
数分間だけ、あまり使われない楽器という場面があり、
その中で、
ワーグナーホルン、ハンマー、ウインドマシン が、紹介されていた。

そんな時、私の携帯にメールが入った。
「ハンマー叩きたいよう・・・ウインドマシン回したいよう・・・」

だいたい、こんなメールを私の携帯に入れるのは、
私が所属しているマンドリン団体のパーカストップである
「だいたい、マンドリンオケで、ハンマーやウインドマシンを使える訳ないだろう・・・」

前書きは、この程度にして、

今日の音楽日記は、
そのウインドマシンが、途中で使用される曲、
リヒャルト・シュトラウスが作曲した、大規模な管弦楽曲
【アルプス交響曲】である。

この曲は、R.シュトラウスが書いた管弦楽の大曲では、最後の曲で、
とても聞きやすい、標題音楽そして、描写音楽だ。

曲は、夜の静かな場面から、日の出、そして、登山が始まり、
川や花が途中にあり、苦労して、頂上に着く。
そして、帰りは、嵐となり、日没となる。

この曲を聴くとわかるが、
本当に、どの場面かは、はっきりわかる。
情景も、はっきりイメージできる
管弦楽で、ここまで、遊んで作曲できるのは、すばらしい。
遊んでと書いたが、スコアを見ると、かなり複雑に書いてある。
いろいろな旋律が、ところ狭しと、重なったり、展開されたり・・・
これほど、大規模な編成で、ここまで描写できるのは、すごい。

但し、あまりに、描写音楽なので、
そして、あまりに、音楽なのに、はっきりイメージてきるために
これは、好き嫌いの別れるとこでもあるだろうなあ。
(この曲、嫌いな人も多くいる気が・・・)

さて、この曲に関して

日の出の場面で、全合奏で、現れる主題は、
あのチャイコフスキーの悲愴の第1楽章の第2主題の後半にそっくりです。
でも、長調に変化しているだけで、感じがまったくちがいます。

途中、ブルッフのヴァイオリン協奏曲の第2楽章にそっくりな旋律もありますよ

さて、ウインドマシン(風の音を出す装置)は、後半の嵐の部分でてでくる。
管弦楽が、荒れ狂っているバックで、ビュンビュン、風の音をだすのです。
うーん、これは、ちょっとやりすぎかなあ、
このウインドマシンは、今日のN響アワーで実物を見たが、
布を大きな歯車で、こすって、風の音を出す装置だ。

うーん、確かに、舞台で、一回でいいから、ウインドマシンを
ぶん回してみたい気はする。とてもする。
ストレス解消になりそうです。
(マーラーの第6番のハンマーもストレス解消になりそう(笑))



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ピアノと管弦楽のためのブルレスケ(R.シュトラウス) [シュトラウス(リヒャルト)]

さて、久々の音楽日記だ。
有名なクラッシックピアノの小品でもあっさり書こうと思っていたが、
今日は、ある理由から、ちょっと無名な曲を書こうと思う。

ドイツの作曲家 リヒャルト・シュトラウスが作曲した
ピアノと管弦楽の為の【ブルレスケ】だ。

この曲、知らない人も多いかもしれない。
曲は、ティンパニーのおどけたリズム動機で始まり、
いろいろなイメージが展開され、
最後は、ティンパニーのピアノの音で消える。

【ブルレスケ】は、おどけた曲とか、滑稽な曲という意味だそうだ。
しかし、それだけでない。
何と言えばいいのか、
この曲には、おどけて、滑稽だけでなく、
真面目な部分があったり、
甘美なロマン的な所があったり、
ワルツ風なところがあったり、
音楽の顔は、万華鏡のように変化する。
そして、ピアノパートは、技巧的にかなり難しい。
(ワーグナーのある旋律に似ている所もありますね)

リヒャルト・シュトラウス自身は、あまり、この曲を高く評価していなかったらしいが、
実演では、かなり、はえる曲だと思うし、
結構、面白い曲だと思う。
こういう曲は、真面目なピアニストではなく、
ちっょと遊びのあるピアニストが弾いたらおもしろいだろうなあ・・・
でも、ちゃんと実力のある人でないと弾けないし・・・

ぴったりのピアニストがいる。
というより、しかし悲しいことに、
いた。になってしまった。

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羽田健太郎(ハネケン)は、私の特に好きなピアニストだし音楽家だ。
なんといっても、あのピアノを楽しそうに弾く姿は、
クラッシックの曲だけでなく、ジャズや映画音楽でもとても印象的だ。
クラッシックからポピュラーまで、ちゃんと出来る人は、すばらしい。

音楽大学を出たあとは、
スタジオミュージシャンとしてかなり活躍した時期があったらしいが、
その後、N響の定期公演で、サバリッシュ指揮で、
リヒャルト・シュトラウスの【ブルレスケ】を演奏したとのことだ。

うーん。ハタケンのガーシュインとかは、聴いたことがあるが、
この時の【ブルレスケ】の演奏を聴きたかったなあ・・・
こんな万華鏡のような曲を、どんな風に弾いたんだろう?
いつもの楽しそうな顔をして、弾いたのかなあ・・・・
そう想像するだけで楽しくなってくる。

ご冥福をお祈りします。

追記
 家の中を探したら、ハタケンのCD【ディズニー・ピアノ・メロディ】があった。
 今、BGMで聴いている。
 ラ・ラ・ルーなんて、とってもいいなあ。


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交響詩【ドン・キホーテ】(R.シュトラウス) [シュトラウス(リヒャルト)]

さて、最近読んだ本にも書いてあったし、昔から、よく言われることだが、
本を読んで、頭で想像した映像や感覚や体験は、
人それぞれ異なるものの、
映画やテレビなどの実際の映像での体験や感覚よりも、
想像力にあふれ、強烈なものを残すと言われている。

うーん。これは、多分、一理あると思う。
私もいろいろ本は、読むが、読んでいて、その世界に入っていくと、
イメージは、無限に広がっていく。
それは、個人的なイメージであるが、映画やテレビでは、得られない体験だ。

本と同じで、音楽もイメージを広げる。
音楽は、本より抽象的なので、さらに個人的イメージだが、
そのイメージは、無限大だ。
描写音楽は、その対象としたもののイメージが沸いてくるし、
表題の無い、絶対音楽であっても、
その曲の時代背景や作曲家の生き様、そして、その場所のイメージ、等
いろいろと、頭の中で広がってくる。
(もちろん、純粋に音を楽しむことも有りだが・・・)

先日、NHKで、指揮者の小澤征爾と、チェリストのロストロポーヴィッチの
番組を見て、つくづくそう思った。

さて、このテレビの中で、演奏していたのが、
R.シュトラウス作曲のチェロと管弦楽の為の曲
【ドン・キホーテ】である。

この曲は、独奏チェロが、ドン・キホーテを表し、
主題と10の変奏と終曲からなっている。

この曲のなにが、すばらしいか?

この変奏曲は、それぞれ、いろいろなドン・キホーテの行動や気持ちを表すのだが、
どれをとっても、音楽だけなのに、まるで、本を読んでいるかのように、
イメージがわいてくる。
(もちろん、この曲の解説をちょこっと読んでだが・・・)

主人公が読書している場面から、風車との決闘、貴婦人の美しさ、・・・・
この曲には、まるで、自分がドン・キホーテになったような感覚になることができる。

先日のテレビの中でも、
小澤征爾とロストロポーヴィッチが練習風景の中で、
いろいろとこの曲の場面のイメージについて語っていた。
私のイメージと違ったことも言っていたが、それは、とても面白かった。
(どこがって、それは、秘密です。
 と言うより、世界的音楽家のイメージの方が、そりゃあ、正解だろう(笑))

私がこの曲で、特に好きな場所は、最後の終曲の部分だ。
故郷に帰って、空想から現実に戻って、安らかに過去の出来事を回想する。
そんな場面が、チェロの朗々たる旋律と、対位法的に重なる管弦楽がすごくいい。

R.シュトラウスの曲の中では、人気の曲かどうかは、ちょっと疑問だが、
超一流のイメージのわく曲であることは、間違いないと思う。
それに、そんなにとっつきにくい曲でもないと思う。

さて、R.シュトラウスが序文を書いた【指揮者とオーケストラの間】という本がある。
昔、読んだ本だが、指揮者は、体をなるべく動かさない方がいい
みたいなことが書いてある。
映像で、R.シュトラウスの指揮を見たことがあるが、
全然、体を動かさず、淡々と指揮棒を振る姿が印象的だつたなあ・・・


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