交響詩 死の舞踏(サンサーンス) [サンサーンス]
ガヴリリュクのピアノリサイタルに行きました。
演奏曲目は、体育会系超絶技巧のピアノ曲が、
ずらり。本人が、技巧曲と言われているけど、
技巧は当然。それ以上の音楽を目指す みたいなことを
というだけあって、とても、素晴らしい演奏でした。
その時のブラームスのパガニーニ練習曲の演奏ですが、
この曲、リストの同名の曲より、技巧的には難しいです。
(リストも初版は難しいけど・・・)
で、硬いタッチで、バリバリ弾きます。
従来のブラームスのイメージはありません。
まるで、ルトワフスキのパガニーニの現代曲を聴いているようで新鮮。
静かな所の音色や呼吸も見事。
時間を感じさせない演奏でした。
きっと、好き嫌いがある演奏スタイルだけど、
ブラームスのこの曲が新鮮に聞こえたのは、びっくりです。
これは、鳥肌がたちましたね。
で、後半はリスト中心の曲ですが、
最後のリスト作曲タランテラも、
テンポの差が大きく、また、ダイナミックレンジも大きく
新鮮な表現でした。
伝統的な音楽を、あたかも新しい音楽のように弾く。
そんな感じでした。
ただ、ホロヴィッツ編曲物をかなり弾いて、
それはそれで、素晴らしいのだけど、
そして、ホロヴィッツに対してのリスペクトもすごく感じるのだけど、
私は、ホロヴィッツのイメージが強すぎて、
違うのですよ。例えば、ラコッツィ行進曲の再現部の前の爆音は、
どうしても、違うのですよ。
結婚行進曲は完璧に弾いてはいけないのですよ(笑)
で、最後のトロイメライも余韻があっていいのですが、
ホロヴィッツのそれではないのですよ。
ということで、ホロヴィッツ編曲ものは、偉大なピアニストの前に
難しいなあ・・・と思ったりして
うーん、今日の音楽日記、前半長い文章だなあ。
ということで、今日の音楽日記は、
このリサイタルでも、リスト編曲版が弾かれた
サンサーンス作曲の交響詩「死の舞踏」です。
この管弦楽曲、非常に描写的な音楽で、
夜中の12時の時計から始まって、
死神のヴァイオリン、骸骨のワルツ、騒乱
そして、朝を告げる鶏の鳴き声。
死神や骸骨がいなくなる最後の場面。
いやいや、管弦楽で、これほど、イメージを分かりやすく
描けるのは、サンサーンスは天才です。
で、これが、陳腐な描写音楽になっていないとこがすごいです。
ソロヴァイオリンが変則チューニングで、
死神を表しているのもなかなかです。
まあ、オーケストラで、この曲を演奏する場合は、
ちょっと大げさな演奏が私は、好きです。
さて、この曲をピアノ独奏用にリストが編曲している。
(リストには、自分の作曲したピアノと管弦楽の為の死の舞踏
という曲もあるので、注意が必要です)
リストのピアノ編曲もよくできているのだけど、
リストにしては、ちょっとアクが無い。
ということで、ピアノ独奏用としては、
このリストの編曲をピアノの神様ホロヴィッツがさらに編曲した版があります。
これがですね、もう、アクが強くて、なんでもありで、
低音は、ガンガン響くし、高音のキラキラ感もなんともいえず、
素晴らしいです。
皆さん、サンサーンス作曲の死の舞踏をピアノで弾こうとする人は、
リスト編曲をさらにホロヴィッツが編曲したものがお勧めです。
(って、とっても難しいけど)
で、このホロヴィッツ編曲が好きだったので、
昔、マンドリンオーケストラで、サンサーンス作曲の[死の舞踏]を
演奏しようと決まった時、私が編曲したのですが、
このホロヴィッツ版を基にして、編曲してしまいました。
すなわち、
サンサーンス作曲/リスト編曲/ホロヴィッツ編曲/みどりのこびとちゃん編曲
の[死の舞踏]を マンドリンオーケストラで、演奏しましたね。
(長いぞこれ・・・)
で、この編曲は、面白いのか?と言われると、非常に答えに困ります(笑)
そう、当然、ホロヴィッツには、ぼろ負けです。
面白くないという人がほとんど と言うより、
とんでも演奏です。ボロボロでした。
しかし、いろいろな編曲バージョンが出来るのも
基のサンサーンスの曲がいいからですね。
左手の為の6つの練習曲(サンサーンス) [サンサーンス]
11月は、なぜか、マンドリンではなく、
オカリナ四重奏のための編曲をいくつか書いた。
写真は、
「村の娘」「テデウムより前奏曲」「リベルタンゴ」「アヴェヴェルムコルプス」
ですね。
で、オカリナと言う楽器、
音域は、狭いし、
音量のフォルテとピアノの差は狭い。
そのため、編曲するのに、すごく制約はあるのだけど、
それがまた、なぜか結構、楽しい。
私は、音楽は、こうしなければならないという
制約があるとは思っていないけど
(だから、ケージもシュトックハウゼンも、現代の人の作品も聴きますよ)
だけど、ある制約の中で、どれだけ素晴らしい音楽ができるかを追求するのも
一つの楽しみだし、とても面白いと思うのです。
さて、ピアノ曲の中で、左手だけで書かれた曲はいろいろ
ありますよね。
明らかに、両手で弾くよりは、制約があるのですが、
それはそれで、作曲者は、その中で、新しい音楽を追求している。
そして、名作は、生まれる場合がある。
今日は、サンサーンスのピアノ曲。
『左手の為の6つの練習曲』です。
いままでもこの音楽日記の中で、
・左手の為の前奏曲と夜想曲(スクリャービン)→過去記事はこちら
・左手の為の協奏曲(ラヴェル)→過去記事はこちら
・左手の為のショパンの革命(ゴドフスキー)→過去記事はこちら
など書いてきた。
今日の『左手の為の6つの練習曲』は、
右手が不自由になった友人の為に書かれたそうだ。
6曲からなり、練習曲という名前だが、
どちらかというと、バロックの組曲のイメージです。
第1曲 前奏曲
イメージは、古典的ですが、楽しい曲です。
少ない音ですが、無理がないです。
第2曲 フーガ風
気持ちのいいフーガです。
これも、音が少ないけど
左手だけとは思えない響きです。
声部を左手だけで分けて弾くのは、結構大変です。
第3曲 無窮動
16分音符が続く曲です。
まあ、これは、左手だけとわかります。
なめらから動きの練習曲かな
第4曲 ブーレ
古典的なイメージのブーレです。
中間部は、簡単な書法だけど、効果的な音の響きです
サンサーンスさん、さすがです。
第5曲 エレジー
この曲集の中で、ちょっと、異色なんだけど、
多分、最高傑作だと思います。
左手だけだけど、とっても、深みがある歌です。
途中から、結構、技巧的ななるけど、
そこでも、たっぷりと、歌われる
そして、とても変化に富んだ一曲です。
第6曲 ジーク
ブレストで、飛び跳ねるような曲想です。
終わり方が、粋で、サンサーンスらしいです。
ゴドフスキーの左手だけの曲に比べると、音も少なく、
単純に聞こえるかもしれませんが、
これはこれで、結構、弾いていて楽しい音楽達です。
サンサーンスの面目躍如といった曲ですね。
制約の中での音楽の作曲。
実は、自由になんでもありという場合より、
楽しく、いきいきした曲が出来たりして・・・・
ピアノ協奏曲 第2番(サンサーンス) [サンサーンス]
私は、今年は家族旅行もなく、
まあ、後半は、いつものように、「熱狂の日」の演奏会をいくつかかな。
もちろん、いつものように、マンドリンの演奏会に向けて
編曲を何曲かしなくてはいけないのだけど、
いやいや、こんな時でもないと、部屋の片づけができないので、
部屋の片づけをやってます。
まずは、衣類で着ないものを捨てて・・・
次になにをするか
実はクラシックのCDが異常に多いのです。
最近は、パソコンで音楽を聞くので、CDは、ほとんど聴かないのですが、
捨てられないんだなあ。
まあ、あまり聴かないと思われるものを箱に詰めて片づけるという
作業をしていたのだけど、一枚一枚見ていると、つい聴きたくなってしまう(笑)
で、思ったのだけど、ピアノ協奏曲のCDが、思ったより、多い。
もちろん、有名所から無名なものまで。
そんな中、パスカル・ロジェのピアノで、サンサーンスのピアノ協奏曲全曲のCD
があったので、それをBGMに片づけをしていた。
サンサーンスがBGMというのもなかなか、気持がいいです。
今日の音楽日記は、ピアノ協奏曲の中では、有名な曲です。
サンサーンス作曲のピアノ協奏曲第2番です。
第1楽章
冒頭のピアノ独奏のカデンツァは、印象的です。
その後の、第1主題がいかにも、感傷的なロマン派の音楽で、
思わず、歌ってしまいます。
でも、この楽章の聴きどころは、なんといっても、中間部から盛り上がって
再現部で、管弦楽が、ピアノの華麗な伴奏のもと、主題を再現するところでしょう。
この部分は、いつ聴いても、すばらしいです。
第2楽章
いかにもスケルツォ楽章という雰囲気です。
第2主題も聴きやすく、幸せな気分になれます。
終わり方が、また、チャーミング
第3楽章
飛び跳ねるような主題で始まります。
ショパンのピアノ協奏曲の終楽章を2倍派手にした感じ(笑)ですね。
この曲、なんといっても、特色は、ピアノの華麗な音の動きでしょう。
ピアノは、ずっと休みなく動いています。
聞いていても、気持がいいのだけど、
これは、見ていてもきっと、気持いいだろうなあ。
重みや深遠さはないかもしれないけど、
ピアノ音楽の楽しさという面では、このピアノ協奏曲は一級品だと思います。
サンサーンスのピアノ協奏曲は、これまでにも、
第4番⇒こちら
第5番⇒こちら
を書いてきた。
こちらの曲も 私のお勧めの曲です。
【グルックの「アルセスト」の舞踏曲に基づくカプリス】(サンサーンス) [サンサーンス]
うーん、なんでかなあ・・・
ちょっと、スランプかなあ・・・なんてね
更新回数が少なければ、もっと、曲を厳選して、書けばいいのに、
今日も、ちょっとマイナー路線かな?
それも、そんなに特徴ある曲でないし・・・(笑)
フランスのピアノ音楽と言うと、
ドビュッシー・ラベル・フォーレ・メシアンあたりが有名ところだけど、
サンサーンスも数は、少ないが、ピアノ独奏曲を作曲している。
ただ、ドビュッシー・ラベルあたりの、斬新な和声や特徴が無い分、損をしているかもしれない。
それに、どちらかというと、古典とロマンがほどよくブレンドされたピアノ曲が多い。
で、今日の音楽日記は、サンサーンスが作曲したピアノ独奏曲
【グルックの「アルセスト」の舞踏曲に基づくカプリス】という曲です。
この曲、知らない人の方が多いですよね。
昔、ネットなんてないころに、サンサーンスのピアノ曲の楽譜を買った時、
この曲の楽譜があって、どんな曲なかなあ・・・と思っていたのを、ずっと忘れていました。
最近、ナクソスで、偶然聴いたので、今日、ちょっと書いている訳なのです。
で、【グルックの「アルセスト」の舞踏曲に基づくカプリス】というピアノ曲の解説ですが、
まず、グルックのオペラ「アルセスト」についてですが、
す、すいません、まったく知らないです。
(こんなことで、この曲の感想書けるのだろうか?)
ということで、ピアノ曲です。
最初の方は、グルックのオペラの中の舞踏曲の忠実な編曲だそうだ。
なるほど、なんとなく、グルックの時代の舞踏曲という感じ100%だ。
この部分は、なんとなく、折り目正しい宮廷の舞曲という感じだ。
途中から32分音符の早いパッセージに乗って、旋律が歌われる。
さすが、ピアノの名手サンサーンスという感じだ。
途中、リストのカンパネラっぽいフレーズもあって楽しいぞ
そして、フガートが始まる
ここですね。ブラームスの「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」の終曲のように、
すばらしいフーガがあると、この曲、もっと引き締まったと思うのですが、
このフガートがちょっとしか、発展しないのです。ここが残念。
最後は、舞踏曲がもどって、堂々と終わる。
サンサーンスのピアノ曲は、どことなく、派手な場合でも、節度をもっている。
この曲も、アクがない。
その分、サンサーンスのピアノ曲を弾く人は、少ないのかも知れないけど、
品のいいピアノ曲という意味では、なかなかです。
サンサーンスは、ピアノがめちゃくちゃ上手かったらしいし・・・・
さて、次回の音楽日記の更新は、いつかなあ
たまには、リストのピアノ曲も書きたいし、
室内楽や声楽曲でも書きたい曲はあるし、
カバレフスキーやヒンデミットなんかも書いてみたいし・・・
あーあ、わからん
結局、八方美人なんだなこれが
ヴァイオリン協奏曲 第3番 (サンサーンス) [サンサーンス]
でも、私、ヴァイオリン協奏曲は、嫌いではないです。
というより、好きなジャンルです。
昔、いろいろなヴァイオリン協奏曲ばかり聴いていた時期もあったかな?
(ははは、でも、ヴァイオリン協奏曲では
チャイコフスキーもメンデルスゾーンもベートーベンも、ブラームスも
書いていないか・・・なんでかな)
前回、サンサーンスのピアノ協奏曲第4番を書いたら、
急に、サンサーンスのヴァイオリン協奏曲を思い出した。
今日の音楽日記は、サンサーンスの3曲のヴァイオリン協奏曲の中では、
最も有名な、第3番です。
この曲、昔、チョン・キョンファの演奏するレコードで、よく聞いていた。
いやあ、この演奏すばらしかったなあ。
(カップリングのヴュータンもよかったなあ)
今回、何年かぶりに、本当に久々にこの曲を聴いた。
この曲、昔聴いた時も、その音楽に魅入られたのだけど、
歳をとって、久々に聴いても、その魅力は、変わらない。
この曲は、3楽章からなる。
第1楽章
ヴァイオリンの低音の力強い音で、主題が提示される。
なかなか、ドラマティックな開始だ。
そして、叙情的な第2主題。
この2つの主題が、展開されるけど、
すごく音楽が、聴きやすい。
第2楽章
6/8の舟歌のような感じの曲。
ただ、このロマンティックな歌は、とてもとても、印象的だ。
流れるような美しさの中の情熱・・・
そして、印象的な終わり・・・
このイメージは、ただものではない
第3楽章
狂詩曲のような序奏。
かっこいい主題
歌うような主題
コラール風の主題
いやいや、すべてがつまった音楽で、
ヴァイオリンの音色と技巧がさえわたります。
この曲、
音楽が凝っていない
上っ面だけの技巧
等々
そんな風に言う人がいるかもしれない。
まあ、人それぞれ、音楽に求めるものが違うから、それはそれで、
いいのかもしれないけど、
私は、サンサーンスのこの曲は、素晴らしい音楽だと思うなあ。
だって、聴いていて、
美しさは、あふれているし、
楽しさも、あふれているし、
イメージは、膨らむし、
技巧的にも、素晴らしいと思うし・・・
名曲です。
心置きなく、音楽を楽しみたい時に、聴きたい音楽のひとつです。
ピアノ協奏曲 第4番 ハ短調(サンサーンス) [サンサーンス]
しばらくは、いつものように気まぐれに曲を紹介していこう。
で、ブラームスとは、音楽の向きが、正反対かな・・・
フランスの作曲家サンサーンスのピアノ協奏曲を書いてみよう。
サンサーンスは、ピアノの名手で、ピアノ協奏曲を5曲書いている。
以前、この音楽日記でも、第5番【エジプト風】を書いた。
私は、5曲すべて、好きな音楽なのですが、
今日の音楽日記は、サンサーンス作曲 ピアノ協奏曲 第4番です。
サンサーンスというと、
動物の謝肉祭でのパロディや、交響曲第3番のオルガンの壮麗な響きなど、
どちらかというと、軽い感じの作曲家に見られているかもしれない。
確かに、大抵の曲は、渋くはないし、人生を深く考えるタイプの音楽ではないけど、
決して、浅い音楽ではなく、
なかなか、音楽は、理知的にできているし、
それでもって、モーツァルト的な天才的な感覚もある。
ピアノ協奏曲 第4番は、どうだろう?
この曲、構成上は、いくつかのモチーフをいろいろな形で、だしている。
そのため、聴きやすくて、まとまりがあって、30分程度の曲なのに、
結構、短く聞こえる。
始まりは、休符が間に入る、ため息のようなモチーフで始まる。
(ブラームスが同じ、旋律を使ったら、渋くなりそうだなあ(笑))
その後、ピアノが結構活躍する音楽なのだけど、
管弦楽の音色もなかなか、いい。
この曲の一番の聞き所?は、なんといっても、
アレグロの部分で、ピアノが、単音のフォルテで、演奏する主題だろう
一歩間違えれば、子供が考えた単純な旋律になってしまう。
そこは、そこ、天才肌のサンサーンスなんですね。
ピアノで、単音で弾かせるのが、にくいです。
そして、その後、華麗なパッセージで、この音楽と旋律のとりこにさせる。
この展開は、ほんと、すばらしいです。
曲は、サンサーンスの思うつぼの展開になっていき、
華麗に、華やかに、終わる。
うーん、結構、幸せな音楽だな。
音楽の楽しみがつまっている。
しかし、この主題(ドドーミレードファーミレミド・・・)で
ピアノ協奏曲を一曲作曲してしまうのだから、
サンサーンスは、よっぽど、才能があったのかも・・・
まあ、せっかく、WBCで、日本が勝ったのだから、
今日は、こんな音楽でも聞いて、幸せな気分にひたりましょう。
サンサーンスのピアノ協奏曲って、あんまり、人気ないのかなあ・・・
日本人に会わないのかなあ
あっ、サンサーンスで書きたい曲があった。
次回も、サンサーンスです。ハイ
クリスマス・オラトリオ 作品12(サンサーンス) [サンサーンス]
いやいや、一週間に2~3回は、更新したいのだけどなあ・・・
ちょっと、外でも、電車でも、どこでも、気軽に文字の打てる
小さなパソコンが欲しいなあ・・・
結構、安くなっているし、・・・
ということで、サンタさんに、モバイルパソコンを頼んだけど、
やっぱり、無理そうだなあ・・・
私の今年のクリスマスのプレゼントは、なんだろう
(自分のことより、娘とかみさんのプレゼント、買わなくっちゃ・・・)
まあ、私は、キリスト教の信者ではないけど、
クリスマスは、あっていいなあとも思う。
世の中が、ちょっとだけ、明るくなるし、
神様のこと考えると、ちょっとだけ、敬虔で、神妙な気分になるし、
ということで、今日は、クリスマスの曲です。
【クリスマス・オラトリオ】というと、バッハが有名ですが、
今日は、フランスの作曲家サンサーンスの【クリスマス・オラトリオ】です。
この曲、管弦楽・独唱・合唱からなる、40分弱のオラトリオですが、
オルガンがすごく効果的に使われています。
(ハープも効果的だけど、・・・)
第1曲の声楽の入らない「前奏曲」を聴いてみよう。
なんとロマンあふれる優雅な曲想だろう、音色だろう。
羊飼いの牧歌的な雰囲気かもしれない。
この曲は、バッハのスタイルで と書いてある。
いやいや、オルガンの響きと弦の響きとの融合がすばらしい。
第2曲から、独唱が入り、この曲の最後には、喜ばしい合唱が入るけど、
あくまで、雰囲気は、ちょっと控えめだ。
そう、第10曲まであるのだけど、
どれも、そんなイメージで、劇的なところは、皆無だ。
でもね、この曲、BGM的に流して聴くというより、
どっぷりと、甘い音楽の世界に、入り込んだ方が、気持ちがいいと思う。
結構、大きめの音で、ロマン的な牧歌的雰囲気の
サンサーンスの【クリスマス・オラトリオ】を聴くと、
ちょっとだけ、心が、広くなる気分になりますよ。
どれも、いい旋律なんですよ。
(ちょっと、味付けを濃くすると、マーラーかも・・・)
クリスマスのお勧めのクラシック音楽です。
歌劇【サムソンとデリラ】(サンサーンス) [サンサーンス]
ちなみに、この音楽日記で、オペラを書くのは、
【こうもり】【道化師】に続いて、3曲目です。
いやいや、オペラを書くとは、思ってもいなかったです(笑)
今日の音楽日記は、フランスの天才肌の作曲家サンサーンスのオペラ
【サムソンとデリラ】です。
私、このオペラ全曲をじっく聴いたのは、初めてです。
ただ、このオペラの中の【バッカナール】という曲だけは、有名なので、
もちろん知っていた。
ところで、【サムソンとデリラ】の物語をみなさんは、知っていますか?
旧約聖書に出てくる、有名な話なのだが、ちょっとだけ、おさらいしておこう。
ペリシテ人に征服されていたイスラエル人だったが、怪力の持ち主サムソンの力で、
そ征服からペリシテ人を追い払う。
しかし、サムソンは、ペリシテ人の美しき悪女デリラという女性の誘惑に負け、
自分の怪力の源は、髪の毛であることを言ってしまう。
その為、ペリシテ人の兵士に、髪の毛を切られ、
怪力を失ったサムソンは、ペリシテ人に捕まってしまう。
月日は流れ、鎖でつながれれ、盲目になったサムソン。
神殿で、ペルシテ人達が、宴会をしている。
その時、サムソンは、神にもう一度、力を与えてくれるように祈る。
一瞬、力がもどったサムソンは、神殿の柱を破壊し、多くのペルシア人ともども
神殿の下じきとなり、崩壊する。
まあ、こんな物語です。
ただ、私が読んだ本では、最後は、祈りで、力が復活するのではなく、
長い間の牢獄生活で、サムソンの頭に、髪が生えてきたので、
力がもどったと書いてあったと思う。
うーん、やはり、神に祈って の方が、話になりやすいか?
旧約聖書では、どっちなんだろう・・・
まあ、どっちでもいいけど、
この物語は、有名だろう(なんせ、私も知っているくらいなので・・・)
サンサーンスのオペラは、この筋書き通りで、
音楽は、とても、ドラマティックであり、そして、なんといっても、
雰囲気がいい。
なんとなくだけど、このイメージにぴったりの音楽だ。
(よくある言い方だけど、異国情緒あふれる という感じかな)
多分、この音楽は、すごく聞きやすい。
サムソンの力強さと、デリラの悪女の誘惑が、とても対照的で、
聞いていて、ぞくぞくしてくる音楽なのです。
それでいて、あくどくない。
特に、第2幕で、デリラがサムソンを誘惑する場面の音楽は、いいなあ
やっぱり、男は、女性の誘惑に弱いものです(ハイ)
なんとなく、サムソンに同情したりして・・・ははは
第3幕の有名なバッカナールもいいですねえ
宴会と踊りで、盛り上がって、ティンパニーの連打・・・
このオペラの最後の幕切れも印象的だ。
この音楽、映像ではなく、CDで、サムソンがカレーラス、デリラがバルツァで聞いた。
いやいや、なかなか、両者とも、すばらしい。
ちょっと、声の表現力に、引き込まれましたね。
たまには、こんな、わかりやすいオペラを素直に聞くのも楽しいものだ。
うーん、DVDもみてみたくなったぞ
しかし、サンサーンスのオペラは、まだまだあるけど、
他は、どんな感じなんだろう?
ちなみに、このブログを書き始めてから、
私が、見たり聴いたりしたオペラは、他に、
薔薇の騎士 がある。
これもいつか、書いてみようと思う
ワルツ形式の練習曲(サンサーンス) [サンサーンス]
でも、この作曲家、ちょっとだけ、不遇かもしれない。
サンサーンスの曲の特徴は?
と聞かれたら、あなたなら、なんと答えますか?
多くの人が、「ウィットに富んだ作風」なんて、答えるかも知れない。
そう、やっぱり、【動物の謝肉祭】のイメージが強いですからね。
そう、交響曲は、3曲あるけど、
誰もが、「オルガン付き」しか、演奏しないし・・・
そして、ピアノ協奏曲なんて、5曲とも、なかなかのものだけど、
とても有名という程ではないし、
(私、4番や5番なんてとても好きですよ)
その他にも、オペラや協奏曲や、室内楽や歌曲や・・・
ありとあらゆるジャンルで、作曲している。
でも、そのためかなんだかしらないけど、
この一曲というのが、「動物の謝肉祭」というのが、いけないのかもしれない。
でもですね、サンサーンスという作曲家、すごく才能があると思いますよ。
いわゆる天才肌の作曲家の分類かな(笑)
さて、今日の音楽日記は、サンサーンスのピアノ小品を一つ書いてみよう。
サンサーンスが作曲した【6つの練習曲】より、
第6曲の【ワルツ形式の練習曲】です。
この曲、有名なのか、無名なのかよくわからない。
サンサーンスの代表的なピアノ小品として、よく言われるが、
音源は、少ないですよね。
5分かからない、短い曲だけど、
そして、軽い感じの曲だけど、
いろいろとつまっている。
この曲は、3つの主題からなっています。
8分音符がざわめく、最初の主題
3拍子のワルツのリズムの中に、4連符が入って、ひっかかるような感じが
なかなか粋な味を出している、二つ目の主題
技巧的な感じの三つ目の主題
これが、組み合わされて、絶妙な味のピアノ小品だ。
こんな曲をさらっと、弾けると、いいなあ。
サンサーンスは、ピアノの名手だったそうだ。
きっと、こんな曲、ささっと、弾いて、かっこよったんだろうなあ・・・
この曲も、イメージとしては、軽妙という感じかもしれない。
でもね、サンサーンスは、これだけではないのですよ。
実際、この6つの練習曲も、フーガの曲があったり、いろいろだ。
ということで、次回は、ちょっとがんばって、
サンサーンスのオペラを書いてみよう。
サンサーンスって、オペラを15曲も書いていたの知っていました?
私は、一曲しか知らなかったです。ハイ
チェロ協奏曲 第1番(サンサーンス) [サンサーンス]
書き始めて、改めて、私って、クラシック音楽が好きなんだなあ・・・
と思ってしまった(笑)
いやいや、マイナーなチェロ協奏曲以外は、一応、
ほとんど聴いているんだなあ、これが・・・
(でも、ピアノ協奏曲は、結構マイナーな曲まで、聴いているかも)
今日の曲もチェロ協奏曲の中では、有名だ。
この曲、私は、確か、最初にFM放送で聴いて、
カセットテープに取って聴いていた気がする。
その演奏は、誰だったのだろうなあ?
今日の曲は、サンサーンス作曲のチェロ協奏曲第1番です。
この曲、大曲ではない。
20分弱の曲で、チェロ協奏曲の中では、短い曲の方だ。
でもですね、小品好きな私にとっては、丁度いい長さの曲で、
この曲、ぴりりと引き締まった、とても洗練された曲だと思う。
この曲、一楽章で書かれていますが、
全体で、三つの部分に分かれています。
(三楽章と書いてある本もありますね)
私が大好きなのは、短い第2楽章の部分です。
古典的なかわいらしい主題が、一貫して流れる中、
チェロが自由に動く。この部分は、さすが、サンサーンスだ。
最初の主題が、最後の楽章でも、演奏され、展開されるが、
聴く人によっては、ちょっとこの展開は、しつこいかな(笑)
最後は、あっさり終わる
サンサーンスは、いろいろな曲を書いている。
このチェロ協奏曲第1番は、サンサーンスの代表作ではないかもしれないが、
聴きやすい、スムーズな音楽の流れの曲だ。
さて、サンサーンスは、チェロ協奏曲を2曲書いており、
どの本を読んでも、
第2番は、第1番より劣るとか、傑作ではないとか、駄作とか書いてある。
うーん、そう言われると、聴いてみたくなるなあ・・・
ということで、先日、初めて聴いてみました。
ははは、確かに、最初の主題が、魅力的でないとか、
構成のまとまりが、ちょっとかもしれないけど、
そんなに、否定するほどの駄作ではないと思うけどなあ・・・。
音楽の流れは、さすが、サンサーンスだと思う。
さてさて、次回で、チェロ協奏曲シリーズは、ちょっと一休みにしよう。
次回は、最近知った、素晴らしいチェロ協奏曲です。
アレグロ・アパッショナート(サンサーンス) [サンサーンス]
さて、今日は、いきなり、音楽の真面目な問題です。
次の音楽の表情記号の意味はなんですか?
cantabile(カンタービレ)
答えは、【歌うように】ですね。
これは、簡単ですね。
では、次の表情記号の意味は?
dolce(ドルチェ)
答えは、【やわらかく、やさしく、甘く】ですね
そう、結構このあたりは、有名なので、知っている人も多いだう。
しかし、camminando や doglioso なんて、言われても、
私には、すぐわからない。
そう、音楽記号は、勉強しないと、わからないのだ(当たり前です。ハイ)
前書きが、すごく長くなってしまった。
今日の音楽日記は、フランスの作曲家サンサーンスが、
パリ音楽院の中でのコンクールで使用する為に作曲した
【アレグロ・アパッショナート】だ。
さて、ここで、問題です。(ちょっと、しつこいぞ・・・)
appassionato という音楽用語は、どういう意味でしよう?
これは、有名な表情記号なので、みなさん知っていますよね。
はい、もちろん、【熱情的に】という意味です。
この曲を初めて知ったのは、随分昔のことだ。
レコードジャケットの裏面の解説に、
コンクールの為に書かれた技巧的な曲。と書いてあった。
そして、題名が題名だけに、派手派手で、複雑な曲を想像していたら、
聴いてみて、非常にかろやかに、弾かれていたので、肩すかしをくった記憶がある。
(その演奏は、ほとんどペダルを使っていなかったですし・・・)
曲は、とても聴きやすく、そして、なかなか、華麗な曲ではある。
そう、しかし、この曲は、題名がアパッショナートだが、
熱情的に弾かれることは、少ないような気がする。
サンサーンスは、軽やかな気持ちの中に、
情熱をこめることを意図したのかも知れない。
でもですね、あえて、勝手な解釈を言ってしまおう。
(弾けもしないのに、よく言いますよね・・・)
軽やかなイメージを払拭して、ちょっとテンポをゆるめて、
情熱的に弾いてみたらどうだろう。
ペダルも多めに使用して、低音もちょっと大きめにガツンと・・・
コーダもショパンのバラードのように響かないだろうか?
そう、題名の【アレグロ・アパッショナート】のように・・・
と思っていても、自分では弾けないし、
いろいろな演奏を聴いても、やはり、軽やかに弾くのが主流だし、
うーん、頭の中だけの想像の世界の音楽だな。
(まあ、素人ですから、勝手なことは言えますね)
この曲は、管弦楽伴奏付の版もあるらしいが、残念ながら聴いたことがない。
ひょっとしたら、違うイメージになるのかも・・・
しかし、サンサーンスは、そんなイメージの作曲家ではないですよね
フランスのモーツァルトと呼ばれるだけに、やはり、お茶目な演奏が合っているかも
サンサーンスの書いた、ピアノ独奏曲は、70曲程度と言われている。
思ったより少ない感じだ。
ピアノの名手だっただけに、不思議だなあ。
ピアノ協奏曲 第5番【エジプト風】(サンサーンス) [サンサーンス]
今日は、別の作曲家の曲を紹介しようと思ったが、
(わかりますか?わからないですよね。ははは)
雰囲気を変えて、ちょっと、軽い曲を紹介しよう。
作曲家サンサーンスは、あらゆるジャンルで、作曲をしているが、
交響曲【オルガン付】や【動物の謝肉祭】程、
有名なピアノ曲は、ないように思える。
しかし、サンサーンス自身が、優れたピアニストであったので、
ピアノ作品にも、すばらしい作品がある。
ただ、一般的には、深みのある音楽ではないので、有名でないのかもしれないが、
チャーミングな曲や親しみやすい曲を書いている。
その中から、私の一番のお気に入りのピアノ協奏曲を紹介しよう。
今日の音楽日記は、サンサーンスの全部で5曲あるピアノ協奏曲の最後の曲。
ピアノ協奏曲第5番【エジプト風】である。
サンサーンスのピアノ協奏曲は、
5曲ともピアノが華やかに活躍する、聴きやすい、音楽だ。
その中でも、第2番が一番有名かもしれない。
しかし第5番は、サンサーンスがエジプト滞在中に作曲されたといわれ、
全体の雰囲気がすばらしい曲だ。
私は、名曲の条件は、まず雰囲気だと思っている人なので、
雰囲気のある曲は、好きなのである。
では、ピアノ協奏曲第5番【エジプト風】の説明を・・・
第1楽章・・・ピアノの単純な主題で始まる。
エジプトらしさは無いが、ピアノと管弦楽の全体の雰囲気はすばらしい。
第2楽章・・・エジプトには、私は、もちろん行ったことがないが、情熱的に、自由に、
そして、夜のエジプトの風景という感じなのです。
第3楽章・・・ピアノの名人芸の披露。自由に、華麗にピアノが飛び跳ねる。
サンサーンスが楽しそうにピアノを弾く姿が見えるようだ(笑)
そう、深刻な内容は、この曲には、皆無だ。
しかし、ここまで、ピアノと管弦楽で、楽しく表現できる曲もなかなかない。
サンサーンスは、この曲を作曲した時には、すでに61歳になっていた。
しかし、音楽は、いい意味でとても若い音楽だと思う。
私もみならいたいものだ。
余談だが、このピアノ協奏曲の第3楽章は、
作曲者自身の手で、【トッカータ】というピアノ独奏曲としても編曲されている。
このピアノ曲も輝かしい傑作だ。
こんな曲を、のだめの様に、自由に、楽しく弾けたらいいだろうなあ・・・
そう、たまには、こんな曲も、とてもとても、いいものです。
動物の謝肉祭(サンサーンス) [サンサーンス]
さて、昨日の夜、NHKの教育テレビで、ラトル指揮ベルリンフィルで、
屋外のコンサート(ピクニックコンサート)を放送していた。
フランス音楽特集で、有名な曲ばかりだ。
これはうれしい。(やはり知っている曲のコンサートは楽しい)
おっ、私の大好きなプーランクの2台のピアノの為の協奏曲もやる。
(この曲は、めずらしいかも・・・)
しかし、この曲は、別の機会に機会に日記に書くとして、
今日の音楽日記は、そのコンサートでも演奏された
サンサーンス作曲の【動物の謝肉祭】である。
私は、パロディ音楽は、大大好きだ。
ホフナング音楽祭(クラッシック音楽のパロディのコンサート)
なんか最高レベルの芸術だと思う。(本当)
サンサーンスの動物の謝肉祭は、学校の音楽の時間でも聴かされる定番の曲なので、
説明は不要だろう。
サンサーンスの粋な音楽センスあふれるユーモアで、
いろいろな動物を表現している。
そして、ところどころにパロディの精神が入っている。
久々にテレビで、全曲を聴いたが、
指揮者のサイモンラトルも、
ピアノのラベック姉妹も、(ピアニストの所なんか最高)
ベルリンフィルも、
すごく楽しいそうだった。
この曲は、こうでなくちゃね。
聴いている方も楽しくなってきた。
全部で、14曲だが、特に最後の3曲
化石・・・いいなあ、この粋なセンス。
白鳥・・・化石とフィナーレの間にあると、さらにはえる名曲
フィナーレ・・・クラッシックで、こんな楽しい曲もめずらしいでしょう。
は、私のお気に入りの部分である。
ところで、私は、
アーサーフィードラー指揮 ボストンポップス
のCDを持っている。
このジャケットの絵がとてもとても楽しい。
以下の会話が聞こえてきませんか?
キリン「おいおい、今日も練習だってよ」
ニワトリ「そんなこと言わずに、練習練習」
ライオン「どっか、飲みに行こうぜ」
カンガルー「練習後の方がお酒はおいしいよ」
赤い鳥 「なんだよ、オレも混ぜてくれよ」
ロバ「あの楽章のぼくのバイオリンの弾き方なんだけどさ」
青い鳥「ごめん。自分の譜面追うので必死で聞いてないや」
実は、ちょっと前に、
私の友人で、ウッドベース弾きの人とこのジャケットを見て、
そんな話をしたのですよ。