ピアノ協奏曲 第3番(メトネル) [メトネル]
このピアニストの演奏で、誰もが奇異に感じるのは、
どんなピアノ曲でも、譜面をかじりつくように見て弾くことだと思う。
そう、このピアニストは、プロのピアニストには非常に珍しく
譜面を見て弾くのです(ちゃんと、譜めくりの人もいる)
一般的には、譜面を見て弾くのは、
譜面がないと、なんとなく不安だったり、
間違えた時、思いだせないだったりするような、理由だろう。
もちろん、このピアニストは、そんな理由ではない。
譜面は作曲家が書いた唯一の伝達するものであり、
それを見ないで弾くと、どうしても、自分自身のかたよった解釈が入ってくるので、
できるかぎり、譜面をみながら弾いて、作曲家の思いを表現したいそうだ。
(ということで、決して譜面を覚えていないということではないそうです)
まあ、そんなことを言っています
(ネットで調べると、いろいろインタビューがのっていますよ)
ここまで、はっきりした信念で譜面を見ると逆に気持ちいい。
すばらしい。
皆さんは、演奏会で譜面を見てピアノを弾きますか?
暗譜でピアノリサイタルを始めたのはあのリストと言われている(本当か?)
それは、かっこいいけど、
世の中のピアニストは、暗譜という重荷を背負ったことになる。
そう、暗譜で弾かないと、「あっ、あのピアニスト、譜面覚えていない」
と言われてしまいますからね。
で、普通なら、ここで、
音楽には、譜面があってもなくても関係ない。いい音楽があるだけだ。
という結論が普通かもしれないけど、
実は、私、音楽の演奏は、暗譜の方がいいと思っている人なのです。
その理由は
譜面が無い方が音楽に集中できて
譜面の書いてあるさらにむこうが表現できるような気がするのです。
(あと、ちょっとだけ見た目ということもありますが・・・)
もちろん、イリーナ・メジューエワの考え方もあっていいとおもうけど、
私は暗譜推進派ですね。
ちなみに私は演奏会で指揮をする時、すべて暗譜です。
その方が、前が自由になって、表現が自由になるのです。
(まあ、アマチュア指揮者の暗譜ですから、いい加減な暗譜ですが(笑))
まあ、これには、いろいろな考えがあるので、このくらいで・・・
で、このイリーナ・メジューエワは、
ロシアの作曲家メトネルを得意としているらしい。
ということで、今日の音楽日記は、メトネル作曲のピアノ協奏曲 第3番です。
メトネルという作曲家、これまでにこの音楽日記で一回登場している。
">⇒過去記事はこちら
ラフマニノフやスクリャービンと同時代だが、本当に無名です。
確かに、保守的なロマンいっぱいの曲ではないし、かといって、革新的でもない。
ピアノ協奏曲は、全部で3曲あって、聴きやすさから言うと、
2番や1番の方がききやすいと思うけど、今回紹介するのは、なぜか第3番です。
第3番のピアノ協奏曲は、3つの楽章からなっているけど、
2楽章は短くて、実質2つの楽章からなっています。
全部で40分弱の大曲です。
この曲、聴いてみればわかるのだけど、本当に、とりとめがなくて、
盛り上がりそうで盛り上がらなくて、
いい旋律になりそうで、ならなくて、
ピアノがかっこよくなりそうで、ならない
例えば、最後は、オケとピアノが雄大に主題を回想して・・・
みたいなお約束にはなりません。
そんな曲です(って、これじゃあ わからないか)
何回か聞いても、このイメージは変わらない。
ただ、それでも、もう二度と聞かないとはならないのが不思議です。
もう一回聞いたら、なにかあるかも知れない・・・と思える曲です
メトネルは、ピアノの小品の方がいい気がします。
さてさて、メトネルという作曲家、もっと弾かれる日が来るかなあ
おとぎ話 作品26-3(メトネル) [メトネル]
さて、今日の音楽日記は、久々にピアノ音楽の小品である。
(元々、このジャンルが多かったのになあ・・・)
皆さんは、メトネル(メットネル?)という作曲家をご存じだろうか?
近代ロシアで、ピアニスト兼作曲家と言えばという質問をすれば、
まず、ラフマニノフ か スクリャービン の名前が上がると思う。
しかし、このメトネルもピアニスト兼作曲家であり、
ピアノ協奏曲だって、3曲作曲しており、
ピアノソナタや、ピアノ曲を多数作曲している。
そして、なによりも作風は、現代的ではなく、ロシアの保守のロマン派を継承しており、
人気がでないはずがないはずだ。
しかし、そんなにCDも出ていないし、
演奏会のプログラムにもあまりのらない。
なぜだろう。
メトネルのピアノ協奏曲を聴けばわかるのだが、
確かに、現代的でなく、保守的でロシアのロマンティックな音楽なのだが、
今一歩、ロマン的でなく、旋律も 今一歩、わかりにくい。
ここが、ラフマニノフとの差だな。
しかし、聞き込めば、ピアノ協奏曲も、なかなかの曲ですよ。
しかし、ピアノ小品の中には、
一回聴いただけでも、わかりやすく、引き込まれる曲もある。
今日の音楽日記は、そんな一曲。
メトネル作曲の【おとぎ話 作品26-3】である。
この【おとぎ話】と呼ばれるジャンルは、メトネルの創作で、
なんらかの話をイメージする曲らしい。(バラードとなにが違うんだ?)
メトネルは、この題名のピアノ曲を数多く作曲している。
その中でも【おとぎ話 作品26-3】は、人気のあった曲らしい。
わずか、2分程度のピアノの小品だが、
親しみやすい、ロシア民謡風の旋律が、いやが上にも、おとぎ話をイメージさせる。
中間部は、ちょっと激しくなるが、
最初の主題が戻ってくる部分は、とてもいい。(調が最初と違うのです)
そして、あっさりと曲は、終わる。
メトネルの入門曲としては、お勧めだ。
そして、【おとぎ話】という題名もなかなか、すてきだと思う。
興味のある方は、是非。
話は、変わるが、私は、絵画では、ロシアのカンディンスキーが大好きだ。
家のリビングにも、ポスターを飾ってある。
もちろん色彩の抽象絵画としてもすばらしいと思うが、
初期の作品で大好きな絵がある。
【馬上の恋人達】とか、【馬の上の二人】といわれている作品だ。
昔々、チャイコフスキーの悲愴のレコード(アバド指揮)のジャケット
にも使われていたが、
この絵をジャケットにしたCDがあり、それだけで、思わず衝動買いしてしまった。
中には、メトネルの【おとぎ話】や【ソナタ】が入っていましたね。
どうです。抽象絵画のカンディンスキーもいいけど、初期作品もいいでしょう
次回は、200記事目です。さて、なんでしょうか?