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アンダンテ・スピアナートと華麗なポロネーズ(ショパン) [ショパン]

ショパンの若いころの作品には、
明るく、ピアニスティクな美しさと華麗さに、満ちているものは多い。
(いいなあ、若いって・・・)

生涯にわたって書かれた、祖国ポーランドの舞曲であるポロネーズには、
後期の独特な雰囲気の「幻想ポロネーズ」等が傑作といわれているが、
若き日に作曲されたこの【アンダンテ・スピアナートと華麗なポロネーズ】は、
誰でも、一回聴けば、ピアノの美しさと、華麗な響きに心を奪われるだろう。
(ショパンの20歳の時の作品である。本当に若い時っていいなあ(笑))

私は、昔、若い時(おいおい、いつだ)
ポロネーズの全集のレコードを買って、この曲を聴き、
有名な「軍隊ポロネーズ」や「英雄ポロネーズ」は、男性的で確かに力強いのだが、
ショパンのイメージは、この「アンダンテ・スピアナートと華麗なポロネーズ」の方が
合っているなあと思った。
これは、今でも同じ考えだ。
(めずらしい。たいてい歳をとると、進歩するのに。)
この曲を、女性的に華麗に弾けば、
もう、誰でもショパンの若いころの世界に入り込めるだろう。
(私の中では、若いリストはバリバリ。若いショパンはサラサラのイメージなのです。)
(本当は、イメージを固定してはいけないのですがね)

前半のアンダンテ・スピアナートの部分は、ポロネーズのリズムではなく、
左手の優雅なアルペジォに乗って、右手がこれぞショパンという必殺の旋律を弾く。
(装飾音がいかにも、若いころ作曲したなあと言う感じ・・・)
そして、後半の華麗なポロネーズは、派手なファンファーレ風の序奏の割には、
サラサラした華麗なパッセージがつづく。
(もちろん、ダブルオクターブなどの力強いパッセージはあるのですが・・・)
そして、誰でもが、「あっ、ここから、終結部だな。」とわかる長くて技巧的なコーダ。
どこにもすきがない、ピアノの為のピアノ音楽である。

ショパンのこの曲は、不思議である。
確かに、深いなにかがある曲ではないが、かといって、
内容のない若いころの音楽だといって、切り捨てる音楽でもないと思う。
純粋に、ピアノの音を楽しむ音楽とは、ひょっとしたらこんな音楽かもしれない。
まだまだ、ピアノ音楽は、奥が深い。

この曲は、本当は、管弦楽とピアノの為の曲であるが、
現在では、ピアノ一台で弾かれることの方がはるかに多い。
(ちなみに、ポロネーズに入る前のファンファーレは、原曲では管弦楽だけである。)

しかし、この伴奏では、管弦楽のメンバーは、怒るよなあ。
音がほとんどなく、ほとんどが、音の延ばしで、
あってもなくてもいい書き方なのである。(いいすぎかなあ?)
ショパンほどの天才でも、得手不得手は、あるのかもしれない。
(しかし、ピアノを引き立たせる管弦楽だ、と割り切れば、ある意味すごい書法だ)

なぜか、今日は、こんな音楽を聴きたくなった不思議な日。


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