交響曲 第2番【ロマンティック】(ハンソン) [ハンソン]
さて、この音楽日記、
最近、ピアノ曲をずっと、書いていたので、久々に交響曲を書いてみよう。
もちろん、交響曲も、古典派からロマン派、そして近代に至るまで、名曲揃いだが、
現代に近づくにつれ、いろいろな形式や表現が現れる。
そして、とっつきにくい交響曲が増えてくるのは事実である。
しかし、近代の交響曲の中にも、近代的な響きながら、
古典的な曲や、ロマン的な曲 等、聴きやすい曲もあり、聴いていて、とても面白い。
さて、今日の音楽日記は、
1930年にアメリカの作曲家ハンソンが作曲した、
交響曲 第2番【ロマンティック】である。
この曲は、作曲者自身、
「最近の音楽は、頭だけの音楽が多い。音楽は、もともと感情の表現だ。
この曲で、精神は若く、ロマンティックな曲を書こうと考えた。」
と述べている通り、大変わかりやすく、そして、ロマンティックな音楽だ。
(ハンソンは、当時、音楽学校の校長で、音楽は、この考えだったらしい。)
ブルックナーにも同じタイトルの交響曲があるが、
ブルックナーの【ロマンティック】がどちらかというと、
自然のロマンを感じさせるのに対して、
ハンソンの【ロマンティック】は、青年のロマンを感じさせる。(若いなあ、という感じです)
曲は、25分程度で、3楽章からなる。
第一楽章・・・静かで感動的な序奏、力強い第一主題。映画音楽風、甘い甘い第二主題。
(いやいや、本当に、ラフマニノフの交響曲第2番より、甘い部分もありますよ)
第二楽章・・・どこか、懐かしい、ふるさとを思い出す、おだやかな音楽。
(イメージとしては、アメリカの古きよき田舎のイメージですね)
第三楽章・・・映画音楽風のファンファーレ風の主題が展開されるが、
最後に第一楽章の2つの主題が、感動的に再現される。
(最後は、まあ、音楽的には、使い古された技法かもしれません。
しかし、感動的な音楽であることは、事実です。これがこの曲では、重要です)
そう、多分、この曲は、音楽評論家には、評判が悪いかもしれない。
この時代にあっては、とても保守的な交響曲だ。
確かに、芸術は、新しい音楽を追究したり、
古い音楽の中でも、新しいものを追求するものだろう。
しかし、この曲は、確かに、新しさはないと思うが、作曲者が言っているように、
感情の表現が、シンプルに現れている。
それに、さすがに、音楽学校の先生だけあり、構成や楽器の響かせ方など、すばらしい。
私は、近代の交響曲で、プロコフィエフの第7番や、ラフマニノフの第2番など、
近代の中では、感情をシンプルに表した交響曲が、結構好きだ。
聴きやすいだけでない、作曲では、こんな曲を書く方が難しいかもしれない。
(うーん、もちろん交響曲は、書いたことないからわからないが・・・・)
頭の音楽もいいが、感情の音楽もいいなあと、つくづく思う曲である。
残念なのは、あまり、演奏会のプログラムにのらないことだな。
学生オケとかでやってもいいのになあ・・・
(若い演奏で是非聴きたい曲なのですよ)