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ピアノソナタ 作品26(バーバー) [バーバー]

ちっょと前だけど、
ピアニスト、ヴァン・クライバーンの訃報のニュースがあった。

ヴァン・クライバーンと言うと、どうしても、
アウェイのロシアでのチャイコフスキーコンクール優勝
そして、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番の演奏
という印象が強すぎて、他の曲の印象がない。
(す、すいません)
レコードも、チャイコフスキーの協奏曲と、
外盤のマクダウェルとプロコフィエフのピアノ協奏曲が
入っているものしか、持っていないと思う。

ということで、ちょっと動画サイトで クライバーンを検索してみた。
動画サイトでは、白黒の映像で、曲が随分聴ける。
どの曲も、背筋を伸ばして、ちゃんとした正装で、
ぴしっと弾いている。
正確だし、指はよく回るのだけど、
ちょっと優等生的な演奏かもしれない。

で。バーバーのピアノソナタがアップされていたので、
つい全曲聞いてしまった。

今日は、バーバー作曲のピアノソナタです。
バーバーは、アメリカの作曲家で、
代表作は、「弦楽のためのアダージョ」ですよね。
(この曲の過去記事は、⇒こちら
でも、一曲しかないピアノソナタも、傑作です。
作曲は、1948年で、もちろん、近代、現代の作品なのだけど、
一本筋が通っていて、とても聴きごたえのある作品です。

第1楽章
 ショスタコービッチの第5番の最初を連想させる音形で始まり、
 この符点リズムの主題が展開されます。を和音連打といい、速弾きといい、
 もちろん難しいのですが(私みたいないいかげんピアノ弾きには手がでません)
 派手というより、どことなくドイツのしっかりした古典的な音楽に聞こえます。
 (もちろん、現代的な音楽なのだけど・・・)
 
第2楽章
 ふわっとしたスケルツォ風の音楽です。なんかよくわからないうちに終わります
 最後は不思議な感じで終わります。

第3楽章
 うーん、音楽が重いです。

第4楽章
 かっこいいフーガです。最初のフーガ主題の音の動きとリズムが、
 ジャズっぽいのですが、そこがなんともいえずいいのです。
 で、この主題が対位法的に展開されるのですが、
 聴きやすい所、現代的な響きの所、甘い所、・・・と、いろいろ
 ミックスされているのだけど、構成がしっかりしています。
 で、この最後の部分のクライマックスが、これでもかという音響で、
 対位法的に重なり合って、壮絶な音楽となります。
 このピアノソナタの最大の聴きどころの楽章だと思います
 
この曲、初演者は、ホロヴィッツで、
ホロヴィッツの弾く音源も残されている。
これは、壮絶な演奏です。アクの強い演奏だし、音は悪いのだけど
この曲の意思の強さをこれほどまでに全面に出した演奏は、知りません。

この曲、現代の曲だけど、結構、いろいろなピアニストに取り上げられています。
さて、バン・クライバーンのこの曲の演奏ですが、
やはり、とても几帳面という感じがしました。
ホロヴィッツとは正反対の演奏です(音が悪いので正確にはわかりませんが・・・)
ただ、これはこれで、いいのではと。
きっと、チャイコフスキーばっかり弾かされて、こういう曲もっと弾きたかった
のではないかなあ、なんてね

バーバーのピアノソナタ、聞いたことのない人で、ピアノ作品好きなら、
一回は聞いておきましょう。
損はありません。(第4楽章だけでも)
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弦楽のためのアダージョ(バーバー) [バーバー]

さて、今年、なんらかの記念の作曲家。三人目は、
今年、生誕100年のアメリカの作曲家、サミュエル・バーバーの最も有名な作品。
【弦楽のためのアダージョ】です。

バーバーという作曲家ですが、1910年生まれという時代から考えると、
現代風な作風か? 思うのですが、
いやいや、とてもロマン的な作品を書いている。
ただ、とても、きちんとした作風でもあるし、近代的な響きもする時もあり、
それが、なかなか、いい感じで組み合って、聴かせる音楽だ。

どうしても、今日の音楽日記の【弦楽のためのアダージョ】が有名で、
他の作品は、聴いたことがないと言う人もいるみたいですが、
例えば
  ヴァイオリン協奏曲・・・最初の甘美なメロディは、一度聴いたら忘れられません。
  ピアノ協奏曲・・・なかなか、強固な意志をもった音楽です。
  ピアノソナタ・・・なんといっても、最後のフーガのかっこよさ
  歌曲【この輝ける夜に】・・・最近、初めて聴いたけど、いやいやロマン的です
      等々・・・
いやいや、結構、聴きごたえある音楽が、目白押しですよ。

そんなバーバーだけど、やっぱり代表曲と言えば
【弦楽のためのアダージョ】ですよね

この曲、元々は、弦楽四重奏の中の曲だったものを
作曲者自身が弦楽オーケストラに編曲したもので、10分もかからない曲です。

あまりに有名な為、言葉で書くのは、難しいけど
ゆっくりとした、弦楽の清らかな響きの中で、
人間の心の葛藤や情熱がうねりのように響く。
特に、頂点の後の休符の部分は、これぞ音楽といわんばかりの休符だ。
(実演でのホールの残響の音・・・これがいいのです。)
そして、静かに音は、消えていく・・・

さて、この曲、最初の部分、スコアは、4/2で書かれている。
そう、これだと、四分音符は、一小節 8個書くのです。
当然、多分、指揮は、四分音符2個で、一拍なのですが、
普通、4/4で、八分音符8個で書くと思うのです。
(これだと八分音符2個で、一拍。もちろん速度は一緒)
でもね、譜面を見るたびに、
4/2で、全部、四分音符で書いた方が、この曲のイメージに合っているだなあ。
さすがです。なんてね
ははは、こんな変なこと、思うのは、私だけかなあ・・・

この曲、音楽としてすばらしいのだけど、
映画に使用されたり、
追悼番組に使用されたり、
どうしても、悲しみのイメージというのが、強すぎる感じがする。
(本当かどうか知らないけど、作曲者は、追悼音楽では無い と言っていたそうだ)

まあ、曲のイメージは、自由だけど、
私は、追悼や悲しみというより、
この音楽は、人間の強い意志や感情の起伏を感じる。
それ故、この音楽を聴く度に、ちょっと変だけど、なにか、元気づけられる?気もするのです。

最初に書いたけど、バーバーの音楽は、いろいろある。
【弦楽のためのアダージョ】だけでなく、
機会があれば、いろいろ聴いてみましょう。

さてさて、次回も、今年 記念の作曲家です。
誰かな?

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