交響曲 第2番(カバレフスキー) [カバレフスキー]
なかなか、機会がないまま、何年もたってしまった。
今日は、なぜか、時間があるので、
この曲を聴いて、この曲の記事を書こうと思う。
カバレフスキーは、ロシアの作曲家なのですが、
どうしても、子供の教育用のピアノ曲や
組曲道化師のような曲のイメージが強く、
ちょっと不遇かもしれないと思っている。
また、当時のロシアの政治体制に従った大衆的な曲を
書いていたというのも、マイナスイメージなのかもしれません。
でも、ロシア音楽好きの私としては、
カバレフスキーの音楽は、とっても魅力的で、
今までも、この音楽日記で、7曲書いています。
さて、今日の音楽日記は、
カバレフスキー作曲の交響曲第2番です。
この曲との出会いは、高校時代になります。
当時、クラシック音楽を聴き始めて、
いろいろな本やレコードやFM放送で、
いろいろなことを知識として、いれていた時代なのですが、
高校時代の音楽の教科書に
近代/現代の代表的な交響曲が
数小節の楽譜と共に、いろいろ紹介されていた。
・ショスタコービッチの革命
・メシアンのトゥーランガリラ交響曲
・ヒンデミットの画家マチス
・オネゲルの第3番
このあたりは、なんとなく代表的といっても、
納得できたし、当時、なんらかの音源があって、
聴けたのだけど、
そこに、カバレフスキーの交響曲第2番ものっていた。
楽譜を読むと
ドレミ ドレファミレドミ ドレミ・・・
という単純な旋律で、
いったいどんな交響曲がすごく気になったのですが、
当時、この曲の音源を手に入れることは、
できませんでした。
で、その後、インターネットの時代になって、この曲を
聴くことができたのですが、
いい意味で、カバレフスキーらしい
ききやすく、そして、ロシアの気持ちが詰まった
近代的な ききやすい交響曲でした。
でも、この曲、そんなに有名でないし、
演奏会でも、とりあげられませんよね。
でもいいんです。この曲のファンはここにいます(笑)
曲は、3楽章からなる30分程度の交響曲です。
第1楽章は、最初に出る、特徴的な単純な主題が中心ですが、
カバレフスキーならではのリズム感あふれた楽章です。
弦楽器の第2主題も、なかなかです。
ちょっと、荒々しさがあるとこも面白いです。
第2楽章は、お約束の静かな楽章ですが、
映画音楽的な甘さは、あまりありません。
どちらかというと、
ロシアの寒々した大地をイメージするような音楽です。
途中で大きく盛り上がります
この楽章だけを聴いて、カバレフスキーとわかる人は、なかなか
いないかもしれません。
第3楽章は、結構 軽い感じで始まります。
スケルツォ楽章かなと思っていると、特徴的な低音のリズムの上に
雄大な旋律が聞こえたりします。
カバレフスキーの有名なコラブルニョン序曲のリズムも聞こえてきます
いろいろなイメージの音楽が、出て来て、楽しい楽章です。
重厚感とは、無縁の終楽章ですが、
カバレフスキーらしい、終楽章でまとめています。
さて、カバレフスキーの交響曲としては、
第4番もなかなかです。
これもいつか、紹介したいと思います。
でもね。やっばり、このカバレフスキーの交響曲第2番を
高校の音楽の教科書で、近代/現代の代表的な交響曲に
選ぶのは、勇気がいっただろうなあ。
ピアノソナタ第3番(カバレフスキー) [カバレフスキー]
それは、結構、時代や様式に関係なく、節操なく、聴いてはいるのだけど、、
そんな中でも、ロシアの作曲家のピアノ曲というと、
もうそれだけで、頭の中に、イメージがあって、
チャイコフスキー・ラフマニノフ・スクリャービン・メトネル・バラキレフ
プロコフィエフ 等
もう、名前を聞いただけで、ちょっとだけ萌え~ の世界ですね(笑)
そんな中、カバレフスキーという作曲家は、
子供向けの作品が多いこともあって、
クラシック音楽聞き始めの最初のころは、
ロシアピアノ音楽の萌え~の世界からはずれていた作曲家だったのですが、
聴いてみたり、簡単な曲を自分で、弾いて見ると、結構、いけるのですよ、これが
まあ、カバレフスキーの曲は、この音楽日記でもいままで、
「やさしい変奏曲 トッカータ」
「ソナチネ作品13-1」
「24の小品集」
「バラード」
と紹介しているので、
まあ、興味のある方は、読んでみてくださいな。
どれも、親しみやすいが、近代的な響きで、
聞くのもいいが、実際に、ちょこっと弾くのも、とても楽しい。
さて、今日の音楽日記は、ロシアの作曲家
カバレフスキーのピアノソナタ第3番です。
この曲、ホロヴィッツが弾いたレコードがあって、
私は、結構、昔から、知っているカバレフスキーのピアノ曲のひとつでしたね。
最初にこのレコードを聞いた時、音は、悪いのですが、
出始めの旋律からしていいなあ、と思ったことを思い出すなあ。
一歩間違えれば、旋律は単純だし、子供の音楽なのですが、
なぜか、近代的な響きと、リズムにひきこまれる音楽でしたね
最近になって、ちょっといい録音で、この曲を聴く機会があった。
3楽章からなっていて、
第1楽章・・・最初の主題は、印象深い。そして不思議な転調。
第2主題も、すごく変な旋律だが、親しみやすい?
第2楽章・・・最初は、とても美しい歌なのですが、
あれっ、ちょっと変じゃない、みたいな感情があらわれる
第3楽章・・・いかにもカバレフスキーという感じの、おどけた主題で始まる
こういう雰囲気は、こんな曲、軽く弾いちゃうぜ みたいに、
楽勝で弾ける感じでないと、おもしろくないかも
前にも書いたが、カバレフスキーは、言っている
「本を読むように音楽を聴く」
自然体だなあ・・・
追記
ところで、so-netのブログって、アクセス解析がつくようになってしばらくたつけど、
その中に、このブログについて、どんな言葉が検索で多いか、出てくる。
それをたまに見るときがあるのだけど、
「カバレフスキー」って、言葉が結構あるのです
あれっ、そんなに人気のある作曲家かなあ・・・
それとも、カバレフスキーについて、あんまり、みんな書いていないのかなあ・・
ちょっと気になったりして
さてさて、これから、ちょっと、ロシアのピアノ音楽について、書いてみようかなあ・・・
なんて、思っていたりして
組曲【道化師】(カバレフスキー) [カバレフスキー]
このブログって、いったいどんな人が読んでいるのだろう?
どう考えても、クラッシック音楽が好きな人しか読まないと思うなあ。
しかし、先日、会社の違う部署で、仕事をしていたら、
まったくクラッシック音楽に興味のない、I君とM君が、来て、
「みどりのこびとちゃんのブログ読みますよ。
でも、書いてあること、まったくわからないですね」と言ってきた。
それは、そうだろう、そして、続けて
「たまに、音楽と関係ないこと書くときは、おもしろいですが、
たいてい、最初か最後に、ちょっとしか、書かないですよね」とも言ってきた
それは、そうだろう。一応、このブログは、クラッシック音楽関係のブログのつもりだ(えっ?)
でも、このブログを読む人には、クラッシック音楽好きな人ではない人がいるかも知れない。
(うーん、いないよなあ、多分)
と言うことで、
ちょっと、音楽と関係ない、おもしろい話を書いてみよう。
最近、我が家であった話である(本当のことですよ)
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休日、居間にあるテレビは、お台場からの中継で、お笑いの番組をやっていた。
新聞を見ていた妻が、パソコンを見ていた私に言った。
妻「ねえ、先着20名は、おっぱっぴー が間近で見られるらしいよ。」
私「おいおい、そんなもん、間近で見てもしょうがないだろう」
正直言って、私は、小島よしお には、まったく興味がない
妻「えっ、近くで見られるし、ひょっとしたら、さわれるかもしれないよ」
私「えっ、さわりたくもないし、正直、見たくもないなあ」(きっぱり)
正直言って、私は、妻が小島よしおのファンとは思っていなかった。
妻「えっ、かわいいじゃない。それに、きっとおとなしいよ。」
私「えっ、小島よしおは、かわいくもないし、おとなしいとは、思えないよ」
次に妻から出た言葉は、衝撃的な言葉だった
妻「なんの話をしているの? 動物園ズーラシアのオカピの話よ。新聞に書いてあるよ」
私「す、すいません、おっぱっぴー と聞こえたもので・・・」
妻「あなた、小島よしおのファンなの」
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ははは、しょうもない話でした。
でも、これ本当の話です。
さて、お笑いということで、人を楽しませる・・・
そうだ、今日は、道化師の曲を書こう(無理無理のこじつけですな)
ということで、今日は、ロシア近代の作曲家
カバレフスキーが作曲した管弦楽組曲【道化師】である。
カバレフスキーは、近代の作曲家ですが、
とてもわかりやすい音楽を作曲している。
大衆的、通俗的などと、批判もあるが、
私は、大好きだなあ。
リズムや和声は、近代で、それをわかりやすく聴かせる作曲家は、なかなかいない。
この組曲【道化師】は、もともと児童劇の音楽を組曲にしたものらしい。
全10曲からなっており、どれも短い曲だが、
歯切れのよい曲、叙情的な曲、おどけた曲、ワルツ、・・・等々
変化に富んであきることがない。
心が、童心に返って、わくわくする音楽の集まりだ。
特に第2曲の【ギャロップ】は、知らない人は、いない程、有名だ。
えっ、わかりませんか?
運動会で、必ず、徒競走でかかる音楽です。
「タタタ・タタタ・タタタ・タタタ・タタタ・タタタ・タタタ・タタタ」
わかりますよね(笑)
組曲のフィナーレも華やかで、とても楽しい心にしてくれる曲です。
渋い曲もいいけど、
大衆的、通俗的などと言わず、こういう曲も聴きましょうよ
さてさて、今日から、新シリーズです。
なんの曲のシリーズかわかりますか?
ピアノ協奏曲 第3番(カバレフスキー) [カバレフスキー]
さて、最近の音楽日記は、いつもと、違ってピアノ小品名曲が少ない気がする。
まあ、そんな時もあると思ってください。
なぜか、最近バロック音楽や、
ちょっと軽めに、フランセやカバレフスキー等を聴いている。
(あっ、ちなみに、この二人の作風は、全然違いますよ)
ということで、今日は、私の好きなピアノ協奏曲の一つを紹介しよう。
ロシアの作曲家だか、
どちらかというと、音楽教育者や、子供のピアノ発表会の曲が有名だろう。
カバレフスキー作曲の【ピアノ協奏曲 第3番】である。
ロシアのピアノ協奏曲というと、チャイコフスキーやラフマニノフ、
ちょっとマイナーなとこでは、アントン・ルビンシュタイン等の
雄大なピアノ協奏曲をイメージしてしまうかもしれない。
さてさて、このロシアのピアノ協奏曲は、どんな曲だろう
作曲は、1953年
曲の時間は、だいたい20分弱と、こぢんまりした曲だ。
(初演のピアノは、あのアシュケナージですね)
第1楽章は、とても楽しい主題で始まる。ピアノが跳ねる???
そして、第2主題は単純明快だがどこか憎めない?感じの主題だ。
基本的には、この2つの主題が展開され、進んでいく。
途中にカデンツァもあるのだが、これは、ちょっとだけ技巧的。
あっという間に終わる感じだ。
第2楽章は、弦のピッチカートで始まる
ちょっとだけ寂しい主題だか、瞑想的でもある。
うーん、途中は、ムード音楽か?
第3楽章は、第一楽章と似た雰囲気で始まる。
でも、こちらの方が、ちょっとあわただしいかな・・・
ロシア民謡風の主題も単純明快だ
そして、ちょっと気恥ずかしくなる行進曲風の展開が続く。
(でも、こういう展開も、いいと思うのだけどなあ・・・)
そして、楽しい主題が戻り、
最後は、ロシアのピアノ協奏曲のお約束の盛り上げと急速なコーダで終わる。
カバレフスキーの曲は、当時のロシア政府の主義に基づいて、
大衆的すぎる音楽ばかり書いている、という批判もあるかもしれない。
しかし、モーツァルトだって、貴族の為に書いたり、
他の作曲家だって、王様の為に作曲したりている。
ようは、音楽だと思う。
カバレフスキーのこの【ピアノ協奏曲 第3番】は、
若者の為に書いた協奏曲で、
単純明快そのままだ。
そう、ロシアのピアノ協奏曲の香りは、するが、
チャイコやラフとは、全く違うイメージだ。
そして、確かに深みのある音楽ではない。
でもでも、音楽の楽しみを素直にイメージできる音楽だ。
こんな音楽も私は、楽しみたい。
しかし、コンサートでは、あまり、取り上げられない曲だな。
ちょっとだけ、残念。
話変わって、
今日は、マンドリン演奏会前の最後の通しの練習だった。
うーん、くたくたです。ハイ・・・体がもたない(笑)
【やさしい変奏曲「トッカータ」】作品40-1(カバレフスキー) [カバレフスキー]
さて、最近、ピアノをちょっとの時間でも、まともに楽しんで弾いていない。
(もちろん、弾けると思っている曲のレパートリーは、数少ないのですが・・・)
忙しいせいもあるが、これではいけない。と思い、
今日は、短い時間ながらも、ピアノの前に座った。
ゴドフスキーの譜面を目の前に置いても、エアーピアノ(笑)になるだけなので、
(と言うより、譜面台に置くのが間違っています。私には、これは見て楽しむ譜面ですね)
ギロックや、カバレフスキーや、簡単なバロック音楽を弾いて、ちょこちょこと楽しんだ。
やっぱり、ピアノを弾くのは、ストレス解消になる。
(ははは、別にストレス解消に弾くわけではないのですが、・・・)
ということで、今日の音楽日記は、とても技巧的には易しい部類に入る曲。
子供の練習用・教育用の曲として知られている曲。
今日の音楽日記は、ロシアの作曲家カバレフスキー作曲の
【やさしい変奏曲「トッカータ」】作品40-1である。
カバレフスキーは、ロシアの作曲家で、当時のロシアの政策があったにせよ、
その中で、実に明快だが、近代的な響きのする曲を数多く残している。
交響曲などの規模の大きいものもあるが、
音楽の教育者として一流だったカバレフスキーは、
子供のために、数多くの曲を書いている。
それらの数多くの曲は、単なる技巧だけでなく、
簡単な曲も、心とイメージがあり、響きも近代的なので、
大人が弾いても楽しめる。と勝手に私は、思っている。
さて、【やさしい変奏曲「トッカータ」】である。
序奏~テーマ(8小節)~12の変奏~コーダ
これで、わずか、3分弱の曲だ。
深い精神性は求めるものではもちろんないが、
スッタカート気味の旋律と変奏は、ピアノで弾いていて、とても気持ちがいい。
(もちろん、途中でちょっと速度を落とす部分もありますよ)
そして、トッカータ風のコーダもちょっと速くひければ、これまた気持ちいい。
確かに、演奏会で弾いて、人を感動させるよりは、
弾く楽しみが優っている曲かもしれない。
両手ともに、オクターブはないし、
自分一人で楽しむ時は、こんな曲がいいなあ。
でもですね、こういう曲をミスなく、完璧な技術で、コロコロとさらっと弾けたら、
それはそれで、コンサートで聴いてみたい。
(こんなこと書いていますが、子供用の曲なのに、私は、3分以内では、弾けません・・・トホホ)
子供のピアノ発表会で弾かれる曲ではあるが、
そういう曲の中では、一押しの曲ですね。
しかし、大人が趣味で弾いても、すごく楽しい曲だと思うのだがなあ・・・
もっと、大人もカバレフスキーを弾きましょうよ。
カバレフスキーは、言っている。
「子供が普通に本を読むように、ピアノ(音楽)を普通に弾いて欲しい。」
「音楽は人々を精神的に豊かにする」等々
うーん、そうかも・・・
ちなみに、カバレフスキーのピアノ曲は、今まですでに4曲もこの音楽日記で書いている・・・
ソナチネ作品13-1(カバレフスキー) [カバレフスキー]
さて、ロシアの作曲家 カバレフスキーである。
カバレフスキーは、子供の為に数多くのピアノ曲を書いている。
その単純でわかりやすい作風のため、
ちょっとばかり、普通のクラッシックファンからは、敬遠されていると思うし、
CD等も少ない
しかし、私は、この作曲家の書く音楽は、大好きである。
交響曲や、協奏曲などの大曲も好きだが、
子供のためや、ピアノ学習用に書かれた作品は、どれも大好きだ。
もちろん、それらの曲が好きなのは、技術的に容易で弾きやすいという理由もあるが、
なんといっても、単純だか、現代的な響きがあり、
ロマン派のピアノ曲よりも、時々、自分の感覚に近い響きだなあと感じる時もある。
(ちょっと表現しにくいが、感覚が古めかしくない音楽なのである。)
リズム感覚もいいし、ゆっくりした部分での叙情性もちょっと現代的。
(そう、プロコフィェフ的かもしれない。)
私は、子供のためのピアノ小曲集や、24の小品集など、愛奏している。
(子供のために書かれたとはいえ、大人が弾いても、いやあ、楽しいです)
(それに、技巧的に大変容易だか、古典派やロマン派とは違った味がありますね)
今日の音楽日記は、そんなカバレフスキーが作曲した、
【ソナチネ作品13-1】である。
ソナチネというだけあって、子供用の作品だが、
上記に書いた特色がすべて入っている傑作だと思う。
もちろん、ベートーベン後期のピアノソナタの深淵さは無い。
もちろん、ショパンのようなピアノしかできない芸術でもなさそうだ。
もちろん、ドビュッシーのような、独特な響きでイメージする曲でもない。
しかし、子供用のピアノ曲という偏見をとって、聴いてみよう。
すごく粋なピアノ曲だと思いませんか?
ちょっと堅いタッチで、気分よく弾けば、軽妙で、粋な世界だ。
カバレフスキーのピアノソナタでは第3番がホロヴィッツなどの名演奏で知られているが、
このソナチネは、どちらかというと、子供のピアノ発表会で聴く方が多いと思う。
たまには、大人のみなさんも、この曲を弾いてみましょうよ。
しかし、この曲、ちゃんと弾くには、私には、難しい・・・
追記
カバレフスキーは、こんなことを言っている。
「・・・音楽は立派な本と同じで、生活を知り、精神を豊かにし、人生に対する理性的な
見解をはぐくむ。文学を学ぶように、音楽も学ばなければならない。・・・・」
うーん、逆も真なりということで、お盆休みは、音楽を聴くだけでなく、本も読もうっと・・・
24の小品集 作品39(カバレフスキー) [カバレフスキー]
さて、またまた今日もロシアの作曲家である。近代作曲家カバレフスキーは、
子供の為に数多くのピアノ曲を書いている。
この作品39の24曲も子供の音楽教育の為に書かれた曲である。
私が、この曲集が好きなのは、もちろん技術的に容易で弾きやすいという理由もあるが、
なんといっても、作品からのイマジネーションが素直にどの曲からも浮かんでくるからである。
(しかし時には、後期ベートーベンのピアノソナタ等が恋しくなるが・・・)
大人だって、こういう曲で、子供のような想像力をはたらかせても、いいですよね。
さて24曲もあるので、抜粋で感想を書いてみよう。
1曲目.小さい歌・・・・・・・8小節だが、表情をこめてひくとけっこう気分は子供。
5曲目.遊戯・・・・・・・・・早く弾くと、けっこう楽しい。どれだけ早く弾けるか
7曲目.おかしなできごと・・・うーん、なにがおかしいのかわからない曲(笑)
12曲目.冗談・・・・・・・・・単純な和声だが、これも早く弾くと楽しい
13曲目.ワルツ・・・・・・・・後半の和声が、ちょっと近代的でいい。旋律も美しい。
19曲目.前奏曲・・・・・・・・この曲集の中で一番気に入っている曲。旋律と和声がみごと。
20曲目.道化師・・・・・・・・明暗が交互にでて、確かに飛びはねる道化師。楽しいな
23曲目.ゆるやかなワルツ・・・ロシアの悲しいワルツ
24曲目.楽しい旅・・・・・・・貴婦人の乗馬のような(笑) 楽しい終曲。
もちろん、和声も旋律も構造も単純だ。一曲長くても、1ページ以内だ。
しかし、とにかく、私には、弾いていて楽しい。気持ちも子供にもどれる。
それに、どんなイマジネーションも自由だ。
たまには、大人のみなさんも、子供になった気分で
この曲集を弾いてみることをお薦めします
(ちょっと、ピアノを習った人なら、初見で半分以上弾けますから)
本当に、大人になってから、弾いてみると、違った発見がありますよ。
(しかし子供の心はいつからなくなったのだろう。
とちょっと感傷的に思っている今日このごろ・・・)
この曲集の曲は、ここで、盛り上げようとか、そういうテクニックは無しがいいなあ
バラード(カバレフスキー) [カバレフスキー]
さて、バラードと言えば、ピアノ音楽では、まっさきに頭に浮かぶのは、
ショパンの4曲であり、傑作である。
しかし、今日の曲は、カバレフスキー(ロシアの作曲家ですね)が子供のために作曲した、
「子供のためのピアノ小曲集」より、第16曲目の バラード である。
カバレフスキーは、ピアノ教育の為に、子供のための曲を数多く作曲しているが、
子供のための曲といっても、とてもセンスがよく、都会的で、
大人の初心者のピアノ練習曲としても、貴重ではないかと秘かに思っている。
(確かに子供のためだけでなく、大人用の曲も書いているが、それも、おもしろい。)
(ホロヴィッツの弾いたピアノソナタ第3番等、名曲名演奏だと勝手に思っている。)
さて、バラードである。ちょっとしたユニゾンの序奏の後、ベートーベンのテンペスト
ソナタの終楽章の主題の3つの音と同じ主題(笑)で、ゆっくりと物語は、始まる。
子供が弾くと、左手の伴奏が、単なるリズム伴奏になる場合が多いと思うが、
ここは、大人の余裕で、感情をこめた伴奏にしよう。
中間部の転調は、プロコフェフ風でおもしろい。そして、物語は、静かに終わる。
とてもとても短い曲だし、主題は一つだし、速度の変化もないが、感情をこめて弾けば、
気分は、ショパンのバラードと一緒である(ははは、それはちょっと言い過ぎだな)
子供のピアノ発表会では有名な曲だが、もっと知られてもいいかもしれない。
とにかく、子供から大人まで、弾いてもらいたい曲である。
カバレフスキーは、弾き手にとっては大変おもしろいと思う。
ただ、聞き手にとってもおもしろく弾く為には、かなりの技術が必要かもしれない。