ソナタ ト短調 L499【猫のフーガ】(D.スカルラッティ) [スカルラッティ]
さて、今日は、雰囲気を変えて、
あまり知られていない(?)ピアノの小品を紹介しよう。
ピアノ小品と言っても、原曲は、チェンバロ曲である。
今日の音楽日記は、バロック期のイタリアの作曲家ドミニコ・スカルラッティ作曲。
ソナタ ト短調 L499 別名【猫のフーガ】と呼ばれている曲である。
さて、ドミニコ・スカルラッティは、チェンバロ用のソナタを555曲?も作曲している。
ちょっとした練習曲としても、鑑賞用としても、自分が弾いて楽しんでも、
どの音楽の楽しみ方もできるソナタ集である。
チェンバロでも、ピアノでも、どちらても楽しめる。
この音楽日記でも以前、L23 と L413【田園】の2曲のソナタを紹介した。
スカルラッティのソナタは、
軽妙な味があり、キラキラと音がころがるような楽しい曲や、
情緒豊かだか、ちょっと新鮮な感覚の曲等、
あふれれている。
ただし、今日紹介する、ソナタ L499【猫のフーガ】は、ちょっと変わっている。
猫の曲というと、どんな感じをイメージするだろうか?
「猫踏んじゃった」とか、「ワルツィング・キャット」等、
ちょっと、かわいらしく、ユーモアに富んだイメージだろう。
しかし、このスカルラッティの【猫のフーガ】は、えっ、と思う旋律で、始まる。
ソ-シ♭-ミ♭-ファ♯-シ♭-ド♯
この音階で始まるのである。とてもとても現代的だ。
一瞬、あのバッハの有名な、音楽の捧げもの の最初の主題を思い出す。
オイオイ、これが、スカルラッティの曲か?
と思っていると、バッハを思わせるフーガになる。
4分弱の曲で、かわいいと言えばそうなのでもあるが、
何も知らない人が、初めて、この曲を聴いて、猫をイメージすることはないだろう。
では、なぜ、こんな題名がついたのか?
本当か、ウソかわからないが、
猫が、白鍵の鍵盤の上に乗ったら、音が出た。
驚いて、今度は、黒鍵の上に乗って歩き始めた。
それが、最初の主題だという、話がある。
本当かなあ・・・・
まあ、名曲には、いろいろな話がつきものだ。
目くじらをたてなくてもいいだろう。
しかし、この曲が、猫かなあ・・・・
ソナタ【田園】(スカルラッティ) [スカルラッティ]
今日の音楽日記は、ある理由があって、イタリアの作曲家の曲を選ぼうと思う。
芸術の国イタリアには、大作曲家が多くいる。
さてと、イタリアでピアノ曲を多く書いた有名な作曲家は、誰だろうと思ったら、
考えても、考えてもでてこない。
イタリアには、
ヴィバルディ・ベルリーニ・ベルディ・ドニゼッティ・プッチーニ
パガニーニ・レスピーギ・ロッシーニ 等々、
大作曲家は、多くいるけれど、ピアノ曲を多く書いた作曲家は、いない。
クレメンティは、現代ピアノの曲は書いていないし、
ブゾーニは、ちょっと有名だが、どちらかというと、バッハのピアノ編曲の方が有名だし、
おいおい、誰かいないのかなあ。
さてさて、ちょっと考えたがでてこない。
ということで、ピアノではなく、基々は、チェンバロ曲だが、
今日の音楽日記は、イタリアの作曲家ドミニコ・スカルラッティの作曲した、
555曲ものソナタの中から、有名な
ソナタ【田園】(L413)である。
さて、この曲を聴いて、嫌な曲だと思う人は、たぶん一人もいないと思う。
最初の優雅でちょっと寂しい主題を聴いただけで、
心が豊かになることまちがいない。
16分音符の優雅な動きと、トリルのなんともいえない雰囲気。
スッタカートとレガートの対比。
一人で、夜に聴く音楽としては、最上の一曲だと思う。
(しかし、時間が3分程度と短いのが、残念だが・・・)
知らない人は、是非聴いてみてくださいね。
(ちょこっと弾いてみるのもいいですね)
このソナタには、原曲の他に、タウジッヒというピアニストが編曲した版もあり、
それは、調も変更し、もっと華やかに華麗になり、悪くはないのだが、
私は、この曲に関しては、原曲の素朴さが大好きだ。
(しかし、なんでも、この編曲の時に田園という名称が生まれたらしい。)
イタリアのスカルラッティ家は、ドイツのバッハ家と一緒で、
家族で、音楽家だったらしい。
そんな時代を考えるだけでも楽しい。
(スカルラッティは、1685~1757年の人ですね)
さて、なぜ今日は、イタリア音楽なのか?
それは、明日、なぜかチケットをもらったので、声楽のリサイタルに行く予定なのである。
その曲目は、すべてイタリアの曲で、
イタリア古典・イタリア近代歌曲・イタリアオペラ というものである。
ということで、ちょっとイタリアの曲を予習しようと思ったのですね。
(おいおい、それなら声楽曲を聴けよ・・・)
あっ、このリサイタルの最初の曲は、スカルラッティだ。
と思ったら
今日紹介した、ソナタを書いたお父さんの、
アレッサンドロ・スカルラッティさんだった。
お父さんは、声楽曲を多く書いているのですね。
さてさて、声楽がよくわからない私が、こんなリサイタル行って大丈夫か?
ソナタ ホ長調 L23(D.スカルラッティ) [スカルラッティ]
さて、今日の日記は、予定通り小品である。
軽やかで、優雅だか、ピリリとちょっと刺激的な曲。
今日の曲は、ドミニコ・スカルラッティのソナタ L23 である。
さて、この曲の簡単な紹介を
・スカルラッティは、イタリアのバロック期の作曲家である。
・この曲は、元々はチェンバロの為に作曲されているが、ピアノでよく演奏される。
・このようなソナタと言われる曲をスカルラッティは、555曲程度作曲している。
・L23とか、K380等の整理番号で呼ばれている
等々、(後は、ネットで調べてね・・・)
スカルラッティのソナタのCDは、何枚か持っているが、正直、曲と整理番号が
頭の中で一致しているものは、少ない。
なんせ555曲も作曲しているのだから、素人の私が覚えられる訳がない。
私は、ベートーベンのピアノソナタの32曲は、かろうじて、曲と番号が一致する。
(うーんあまり、自慢にはならないかな)
しかし、モーッアルトの41曲の交響曲は、曲と番号が一致するのは、1/4程度かなあ。
(オイオイ、もう少しいかないとクラッシックファンとして・・・)
スカルラッティマニアの人は、この555曲のソナタの曲と整理番号が一致するのだろうか?
(しかし、日本にスカルラッティマニアって存在するのだろうか・・・)
(ファンクラブがあって、あなたは、L23番ですとかあったりして・・・)
(ネットで調べてないが、なんかきっとあるような気がする・・・)
555曲もあるソナタだが、このL23のソナタだけは、
私の好きなピアニストのホロヴィッツがよく弾くことで、昔から知っていた。
スカルラッティのソナタは、
聴くのも楽しい。
それに弾くのも楽しい。
ロマン派や近代音楽のように複雑でなく、
ものすごく主題も構成もシンプルだが、
弾いてみると、いたるところで、気分は楽しくなり、
ところどころで、なぜか刺激的である。
速く弾いても、遅く弾いても、リズム感よく弾けば、
もう、気分は、優雅なイタリアのバロック時代の宮廷の中である。
この曲は、技術的に簡単なので、私も時々ピアノで弾いて勝手に楽しんでいる。
皆さんも是非、弾いてみてください。
しかし、この曲を弾くホロヴィッツのCDを聴く度に、
自分のさえない音色と、さえないリズム感に、深い深いため息をつくのである。(笑)
チェンバロは、今までさわったこともないのだが、
機会があれば、チェンバロでも弾いてみたいなあ・・・