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行進曲 威風堂々 第5番(エルガー) [エルガー]

さて、ロンドンオリンピックが開催しました。
4年に一回のオリンピックは、スポーツ選手にとっては、
やはり、最高峰となる大会かもしれない。
(もちろん、サッカーとかは、ワールドカップだろうけど・・・)
朝起きて、なんとなく開会式を見ていたけど、
イギリスという国は、どんな国かなあ、なんて考えていた。

皆さん、
開催国となるイギリスには、どんなイメージを持っていますか?
残念ながら、私はイギリスに実際に行ったことがありません。
なので、正直、
女王陛下の国といってもピンとこないし、
ましてや、イギリス料理なんて、まったくわかりません。

空想の世界では、
シャーロック・ホームズや007の活躍する場面とか、
映画ハリーポッターの世界なども思い浮かべるのですが、
そして、音楽ではビートルズかな・・・
ただ、現実の世界では、
テームズ川とロンドンブリッジと時計台がある風景
しか頭に思い浮かばないのです(すいません)

でも、イギリスのクラシック音楽というと、
多くは独特の雰囲気があるのは確かです。

ちょっと保守的で、派手派手ではなく、
田園的な雰囲気と質実的な響き
そんな感じです。

エルガーは、私の好きなイギリスの作曲家ですが、
過去、この音楽日記にも書いたことのある交響曲第1番⇒過去記事はこちら
は、私は、古今東西の中で、すばらしい交響曲だと思っています。

エルガーの一番人気曲は、やはり
威風堂々第1番ですね。⇒この曲の過去記事はこちら
(いや、愛の挨拶かな⇒この曲の過去記事はこちら

この行進曲 威風堂々シリーズは、全部で5曲あるのだけど、
第1番の他は、かろうじて第4番が少し有名で、
あとの第2番、第3番、第5番は、ほとんど演奏されない。
(この音楽日記、第2番を書いています。⇒過去記事はこちら
(久々に第2番の過去記事を読んでみたけど、笑えます)

さて、今日の音楽日記は、威風堂々 第5番です。
この5番の行進曲、まったく無名なのですが、
実は、私、この曲、昔から、
全5曲の中では、一番良く出来ているのではないかと思っています。
(もちろん、あの一番の中間部の旋律はすばらしいとは思いますが・・・)

威風堂々 第5番 は、他の4曲とちょっとだけ違って、
管弦楽の書法が円熟している
それもそのはず、
第1番から第4番までは、1901年~1907年に書かれたのだけど
第5番は、1930年の晩年の作曲です


最初の部分は、祝典的な明るい音楽で、
第2主題の展開は、結構、聞きごたえある管弦楽の響き、
そして最後の部分は、ちょっとだけ交響曲第1番のような
壮大な音楽となっています。
5分程度の音楽ですが、管弦楽として、すごくまとまった
祝典的な行進曲ではないかなあ。

第1番や第4番と違って、印象に残る旋律はないのだけど、
まとまりとしては、この第5番がいいなあ。

興味ある方は、この第5番の行進曲、是非聞いてみて下さいね

さてさて、
エルガーの曲を書いたこの過去の音楽日記は、
愛の挨拶の時や 威風堂々第2番の時もそうだったけど、
エルガーの作曲時の世界を空想の中で勝手に書いている
今日もちょっと書いてみよう(エルガーさん怒らないでね)

1907年のこと

出版社「いやあ、威風堂々シリーズも、やっと4曲までいきましたねえ
    この調子で、もっとどんどん書いてくださいね」

エルガー「いやいや、もう ネタ切れでね。行進曲の主題が思い浮かばないのですよ」

出版社「それは、ダメです。この行進曲シリーズは、ドル箱なのですよ。困ったなあ
    では、とりあえず、4曲で一旦打ち切って、
    新しい主題を思いついた時に、新しい行進曲の続きを作りませんか」

エルガー「そうだなあ、それならいいかもしれない。気長に待っていてよ」


それから、23年たち、1930年のこと

出版社「エルガー先生、新しい行進曲が出来たって本当ですか?」

エルガー「おお、できたのだよ。ただ、威風堂々第5番というのも、能がないから
    題名を変えようと思ってな、いくつか、考えているのだよ。
    新威風堂々、帰ってきた威風堂々、最後の威風堂々、威風堂々パート2
    さらば威風堂々、威風堂々外伝、威風堂々アリスの部屋・・・・・こんな所でどうだ」

出版社「エルガー先生、それはいい。第6番以降が出来たら、新しいシリーズとして、
    その題名でいきましょう。それまでは、普通に、威風堂々第5番でいきましょう。」

威風堂々第5番を作曲して、4年後 1934年にエルガーは亡くなった。
第6番が書かれなかったため、新シリーズの行進曲の題名は、誰も知らない・・・

ははは、もちろん、この物語は空想の世界です。
実際には、エルガーは威風堂々第6番の作曲にすでに取りかかっていて
それには、そんな題名書いていなかったですから・・・ハイ
(第6番の威風堂々は、未完の部分が補筆されて音源は、ナクソスで聴けます)
それに、こんな題名、絶対につけないよなあ。

でもね、この威風堂々第5番は、23年ぶりに書いた行進曲なので、雰囲気が違います
違う題名だったら、もっと演奏されたかもしれないなんて思っているのです
(もちろん、イギリス祝典行進曲 とか 普通の題名でね)

さてさて、次回もイギリス音楽です。
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弦楽四重奏曲 ホ短調(エルガー) [エルガー]

さてさて、皆さんお元気ですか?
随分、この音楽日記の更新がなかったのですが、すいません。
決して、インフルエンザにかかっていたとか、
音楽に興味がなくなったとかではありません。
単に、なんか、すごく忙しかっただけですね

詳しくは、今度書きますが、来月、マンドリンの演奏会があるのですね
ステージ構成やら、編曲やら、原稿やら・・・・
なんか、寝不足です。
(ちなみに、パソコンの調子も、最近ボロボロです(涙)
 早く、新しいパソコンが欲しい)

今日は、日曜日だけど、朝早く起きたので、この音楽日記を書いている。
で、今、BSで、N響の演奏会をやっているので、それを聞きながら書いているのです
(全然、関係ないけど、今日は、「20世紀少年」の映画を見に行く予定
 トモダチは誰?)

さてさて、そんなことは、全く関係なく、今日の音楽日記は、
イギリスの作曲家エルガー作曲の弦楽四重奏曲です。

何日か、前になんの番組か、忘れたけど、
イギリスの町を旅する番組をやっていた。
もちろん、テレビからのイメージでしかないのだけど、
イギリスの田園風景は、なんで、あんなに穏やかなんだろう?

エルガーの曲には、その穏やかさに満ちているけど
激しい滋養熱的な部分があっても、気品を失わない。

この弦楽四重奏曲も、
なにか、語りかけるような最初の始まりから、
アリス夫人が、愛した第2楽章
激しさの中にも、気品を失わない第3楽章と、
どこを聞いても、エルガー節にあふれている。

で、誰もがこの曲でいうのだけど、
第2楽章の心地よさといったら、天下一品だ。
するとく音楽の内面を切る・・・なんてこととは、無縁のやさしさと暖かさがここにはある。

うーん、こんな音楽を聴きながら、休日をゆっくり過ごしたいなあ・・・

でも現実は・・・・

ははは、そんな、ゆったりした人生は、いつのことやら

今日は、あっさりとした音楽日記です


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威風堂々 第2番 イ短調(エルガー) [エルガー]

さて、皆さんの家のトイレの壁には、なにがありますか?
もちろん、何もない人もいると思うし、
絵画を飾っていたりする人もいるだろう。
(本棚とか、オーディオセットとかいう人もまれにいるかもしれないけど)
しかし、カレンダーをつるすか、貼っている人は、多いと思うのだけど、
どうだろう?

我が家のトイレの壁には、娘の暗記ものも貼ってあるけど、
(英単語とか、化学反応ですね)
もちろん、小さなカレンダーが吊り下げられている。
トイレのカレンダーは、毎年、
漢字の問題だったり、ことわざの話だったり、
今日の一言だったり、そんなカレンダーが置いてあるのだけど、
今年は、雑学のカレンダーだ。

先日の問題が、面白かった。
「二番目はなに?」という問題で、例えば

・日本で一番高い山は、富士山。では二番目は?
・日本で一番長い川は、信濃川。では二番目は?
・日本の都道府県で一番広いのは、北海道。では二番目は?
・日本で一番、米が取れるのは、新潟県。では二番目は?

みたいな、問題だ。
わかりますか?
この答は、今日の記事の最後に書きますよ。

一番と二番の意味が違うけど、
音楽の世界でも、一番は、有名だけど、二番は、知らないなあ
という曲は、多い。
有名な例だと、
チャイコフスキーのピアノ協奏曲だろう。
一番は、それこそ、ピアノ協奏曲で最も有名かも知れないけど、
二番のピアノ協奏曲は、知らない人が多いと思う。
(この二番のピアノ協奏曲は、以前この音楽日記でも書いたけど、
 無名だけど、すばらしいですよ。)

ということで、今日の音楽日記は、
一番は、有名だけど、二番は、無名という曲
エルガー作曲の管弦楽曲、行進曲「威風堂々」第2番 です。

威風堂々 第2番 聞いたことがありますか?

エルガーの作曲した行進曲「威風堂々」は、全部で5番まである。
1番が飛びぬけて有名で、他の4曲は、ほとんど演奏されないかも・・・

で、第2番です。

曲は、短い序奏の後、
単純なリズム動機が繰り替えされ、行進曲で始まる
中間部は、1番と違って、歌うような旋律ではないけど、
なかなか味があるなあ・・・。
と思っていると、あっという間に、終わってしまう。

うーん、決して、悪い曲ではないのだけど、
第1番のあの必殺の中間部の旋律に比べられるだけのものがないのも、
事実かもしれない。

エルガーは、その後、第3番・第4番・第5番と
威風堂々の行進曲を作るのだけど、
結局、第1番だけが有名になってしまった。

別にエルガーは、ヒットさせようとして、作曲したのではないのだから、
これは、これでいいのだけど、
もし、現代の世の中で、エルガーにプロデューサがついていたら、
こんな会話があったかもしれない。

「いやあ、エルガーさん、第1番は、爆発的なヒットですよ。
 この調子で第2番、よろしくお願いしますよ。」(と、プロデューサ)

「えっと、第1番と似た雰囲気で、第2番を書いたのですが、
 こんな感じで、どうですかねえ」(と、エルガーは、ピアノを弾く)

「全然だめ。何考えているんですか。それでは、曲想が、第1番と同じですよ
 ヒット曲は、2曲目が命なんです。
 なんていうかなあ、がらっと雰囲気を変えて
【威風堂々第2番バラード(湯煙りの旅)】でいきましょう」(と 真剣な表情で、)

「あのう、私、温泉に行ったことないし、
 そんな曲、イメージもわかないのですが・・・」

「なに言っているんですか、ヒットしなくていいんですか?
 ヒットしないと、いい曲も、世の中に出ないのですよ
 奥さんのアリスさんだって、だんなのヒット曲を待ってますよ
 奥さんの喜ぶ顔がみたいでしょう」

「わかりました。【威風堂々第2番バラード(湯煙りの旅)】で書いてみます」

ははは、
しかし、いったい、私は、何を書いているのだろう???

上記のようなことは、絶対ないとは思うけど、
この2番は、短調で書かれているし、
エルガー得意の、落ち着いた旋律も出てこないし、
ひょっとしたら、1番とは、違った曲想を考えたのかもしれない。

ちなみに、私は、威風堂々第5番は、結構好きです。
なかなか、管弦楽法も凝っているし

ということで、今日は、行進曲 威風堂々 第2番の紹介でした。
無名だけど、この第2番だって、決して手を抜いて作曲はしていない。
たまには、聴いてあげましょう。
第1番とは、違うと言っても、
英国の雰囲気があって、なかなか、楽しめますよ。

さて、問題の答です。
・日本で一番高い山は、富士山。では二番目は?
   北岳です。
・日本で一番長い川は、信濃川。では二番目は?
   利根川です
・日本の都道府県で一番広いのは、北海道。では二番目は?
   岩手県です
・日本で一番、米が取れるのは、新潟県。では二番目は?
   北海道です。

わかりましたか?

なんか、今日の音楽日記は、支離滅裂だなあ・・・
さて、次回は、室内楽の落ち着いた曲を紹介します。


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チェロ協奏曲 ホ短調(エルガー) [エルガー]

イギリスを代表する作曲家エルガーの作品と言えば、
愛の挨拶」や「威風堂々第1番」等の小品が有名だが、
交響曲やオラトリオや協奏曲などの大曲も、もちろん作曲している。
そんな中、私は、交響曲第1番も、大変な名曲だと思っているのだけど、
今日、紹介する曲も、私は、大変好きな曲の一つだ。

今日の音楽日記は、エルガー作曲のチェロ協奏曲 ホ短調です。

チェロというジャンルの音楽に、なにを求めますか?
それは、もちろん、いろいろだろう。
しかし、私は、チェロの音色には、
派手派手な音楽や、高音の技巧、等も、
いいと思う時が、あるのですが、
やはり、人間の心の歌を表現した音楽がいいなあ、と常々思っている。

このエルガーのチェロ協奏曲は
4楽章からなる30分程度の曲ですが、
派手さは、まったくない。
最初に、チェロで、歌われる主題がモチーフとなり、
淡々と、音楽が進む。
第一楽章は、9/8ですが、
チェロ独奏のモチーフの後、流れるような主題が、とても印象的だ。
第二楽章は、軽快な音楽、
第三楽章は、ロマンティックな短い音楽
第四楽章は、リズミカルな主題で、力強いのですが、
しかし、どの楽章も、どの部分も、私には、エルガーの心情が見えるような音楽なのです。

決して、これ見よがしに、訴えかけようとは、していない。
これが、いいんだなあ。

また、こんな音楽は、エルガーしかかけないかもしれない。

この大曲を作曲したあと、エルガーは、最愛の妻アリスを失っており、
その後は、大曲を書かなかったらしい。
うーん、なんとなく、エルガーらしいかも・・・

エルガーのこの音楽を聴くと、人生、ゆっくりと落ち着いて過ごしたいと思ってしまう

この曲、あんまり、気に入ったので、
最初聴いた時、スコアも買ってしまった。

(最初は、チェロ独奏で、印象的なモチーフが堂々と演奏されるのですが、
  最初の音が、随分、低音が強調されているなあ・・・
  と思っていたら、ベースも入っていたことを思い出します(笑))

この曲、デュプレという女流チェリストの演奏が、
あまりに有名になり、他の演奏が、かすんでいる。
もちろん、デュプレの演奏は、とても感動的なのですが、
私は、この曲、曲がいいだけに、誰の演奏でも、すばらしいと思ってしまう。

ちなみに、この曲は、
エルガー自身が指揮した、自作自演の演奏があり、
ナクソス・ミュージック・ライブラリーでも聴ける。

えっ、その演奏ですか?
うーん、録音が古いので、なんともいえないのですが、
やはり、自作自演には、名演がすくないかも(す、すいません。エルガーさん)
ただ、作曲者は、こうしたかったのかなあ・・・

次回もチェロ協奏曲です。
イギリスの次は、海峡を渡って・・・

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行進曲【威風堂々 第1番】(エルガー) [エルガー]

さて、クラッシックファンの人は、なんで、
今日の音楽日記がこの曲なのか、おわかりでしょう。

そう、もちろん、昨日、NHKで放送された、イギリスのロンドンでの
クラッシック・コンサート 通称 プロムス を見たからである。

このコンサートは、何ヶ月もわたって行われるらしいが、
なんといっても、テレビでもいつも放送される最後のコンサート(ラストナイト)は、
とても感動的である。
感動的といっても、このコンサートを見ていないと、わからないかもしれない。
ロイヤルアルバートホールにみんな、仮装で来て、
旗は振るは、笛は吹くは、踊るは、歌うは・・・
本当に、みんなクラッシック音楽を楽しんでいるなあ、
クラッシックをこんな風に聴けるのはとてもとてもいいなあ・・・
という感覚なのだ。

しーんと静まりかえったコンサートホールで、精神を集中するコンサートも、いいけども、
このプロムスのラストナイトのように、
体の中から、徹底的に楽しむのも、とてもいいなあ。

このラストナイトのコンサートで必ず演奏されるのが、
イギリスの作曲家エルガーが作曲した、行進曲【威風堂々 第1番】なのです。
もう解説するまでもない有名曲である。

短い序奏のあとに続く、リズミックな行進曲の主題。
そして、有名な威風堂々たる主題、そして、それが繰り返されて、
短いコーダで終わる。
構成は、単純だか、大衆性は、ピカイチだ。

プロムスのコンサートで、中間部の本当に威風堂々としたゆっくりした旋律に合わせて、
イギリスの観衆が、旗を振りながら、大合唱するのは、見ていてとてもきもちいい。
国民性なのかなあ・・・
(実は、あの中で一緒に歌いたい、みどりのこびとちゃんなのです)
(昔は、威風堂々は、タテノリの踊りだった気が・・・)

プロムスのコンサート自体は、昔から行われている。
実は、この曲の演奏と歌が歌いたくて、
昔、自分のマンドリンオーケストラのコンサートのアンコールで、
クラッシックの名曲を30曲つなげたメドレーを編曲したことがある。
そして、このアンコール曲の最後の部分を威風堂々の歌にして、
演奏者全員で、歌いながら演奏したことがある。
これはなかなか、よかったなあ。(もちろん、お客さんは、歌えませんでしたが)

しかし、
Land of hope and glory・・・・
と書いても雰囲気よく歌えないので、カタカナで
ランドヴ ホーペン グローリー・・・
と、パート譜にいちいち書いて、それらしくするのは、反則かも(笑)

このプロムスを見ていない人は、一回見てみることをお勧めします。
好き嫌いは、あるかもしれませんが

さてさて、今日は、今から、ピアノのテレビがある。ちょっと見てみよっと・・・

追記
 エルガーの行進曲 威風堂々は、実は、全部で5曲ある。
 私は、あまり演奏されないが、第5番も好きなんだなあ。
 今度、この音楽日記で紹介しよっと・・・


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交響曲第1番(エルガー) [エルガー]

さて、今日はピアノ曲ではなく、交響曲の日記である。
久々に、イギリスの作曲家エルガーの交響曲第1番を全曲聴いた。
(この曲は、50分程度ある。)

さて、エルガーは、交響曲を2曲作っており、その2曲とも、
作曲年代から考えると、古風で古典的ともいえる曲想ではあるが、
まったくもってイギリス人のエルガーしか書くことのできない音楽である。

さて、この曲の特徴は、最初に示される主題で、すべてイメージされる。
この、高貴で素朴な行進曲風の主題がゆっくりと演奏されるのを聴くだけで、
本当にぞくぞくする。そして、大英帝国のイメージが頭の中に広がる。
(聴いたことのない人は、一度この旋律を聴いてみてください。やみつきになりますよ。
 ちなみに、私は、イギリスに行ったことはありませんのであしからず・・・)
そして、この交響曲の最後の部分で、この主題が堂々とフォルテで、回想されるが、
単に音が大きいだけでなく、イギリス特有の気品のある感動的な再現なのである。
(チャイコフスキーの5番の交響曲と同じような構成ですが、
 聴いた後のイメージや音の響きは、全然違います。)

この曲は、作曲者自身
「人間の体験を超越した偉大な愛と、未来への絶大な希望を託した曲」
と表現している。
この曲の最後の部分は、本当に、未来への絶大な希望 を感じさせ、
落ち込んだ時には、明日への希望がわいてくる。
元気がでてくる。

この曲、現在の私の好きな交響曲のベスト3には、入らないかもしれないが、
ベスト10には、確実に入る。
マーラーやブルックナーやブラームス等の交響曲も、もちろんすばらしい曲だが、
ちょっと疲れたときには、交響曲のイメージとはちょっと違う
このエルガーの交響曲第1番を聴いて、
「未来への絶大な希望」を体験するのもいいですよ。

しかし、この曲にかぎらず、エルガーの曲を聴くと、
エルガーは、落ち着いてゆったりと人生を過ごしたのかなあ、
などと考えてしまう。

いやいや、あやかりたいものである。


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愛の挨拶(エルガー) [エルガー]

さて、今日は、イギリスの作曲家エルガーが愛する妻の為に作曲した「愛の挨拶」である。
CM等でよく使用され、耳にする機会の多い音楽だか、
バイオリンや、チェロや、フルートの独奏や、オーケストラなどでの演奏が多い為、
もともと原曲は、ピアノ曲であることを知る人は、少ないと思うし、
さらに、ピアノの原曲を聴く機会は、なかなか少ない。これはどういうことだろうか?

旋律は、ご存じの通り、すばらしく優雅で、妻アリスへの愛情いっぱいである。
しかし、ピアノ原曲の譜面を見れば、わかるが、
ピアノの譜面としては、対旋律の入れ方や最後の盛り上がりの伴奏等、すごく不器用である。
エルガーは、ピアノを鳴らすことに関してあまり上手でなかったのではないだろうか?
(これは完全に私が勝手に思っていることで、本当はすごく上手かもしれない)
交響曲や管弦楽曲のオーケストラレーションは渋いが、円熟している。
この愛の挨拶も最初から管弦楽でかけばよかったのに・・・・
と考えていたら、この曲の作曲時の物語が勝手に頭に浮かんできた。
(以下は、まったくの私の想像です。信じてはいけません。)

エルガーは、思った。「今日は、妻の誕生日だ。なにかプレゼントしなければ」
しかし、いい考えが浮かばない。そこで、ある考えが浮かんだ。
「そうだ、ワーグナーが妻の誕生日に曲を作曲し、家にオケを入れて、
 曲を演奏したように、俺も曲を作ろう。」
      (注・このワーグナーの話は有名です。これは本当です。)
しかし、ワーグナーのように、オケを家に入れて、派手にやるのは、
エルガーの渋さの作風に似合わない。それにオケを家に入れるほど金はない
エルガーは思った「どうしよう」
家には、古びたピアノがある。そこで、ピアノ独奏曲で、愛の挨拶 を書いた。
妻アリスが帰ってきて、エルガーは、苦手なピアノで、一生懸命弾いた。
すごく不器用だったが、妻はとてもとても感激した。
そして、いつまでも夫婦で幸せに暮らしたとさ。

(くれぐれもこれは、私個人の想像です。学問的にはまったく価値はありません。(笑))
だいたい、エルガーは、ピアノの先生で、アリスは、その生徒だったことを考えると、
この話には、無理があるよな。それに貧乏でもなかったみたいだし・・・

しかし、こんな風に勝手に想像を巡らし、この曲をピアノで弾くと、
本当に、楽しく幸せな気分になってきます。

結構、技術的には易しいので、皆さんも弾いてみてはどうでしょうか?

さて、明日は、クリスマスイブ。何の曲にしようかな


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