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タウジヒ編曲ショパンのピアノ協奏曲第1番(ショパン=タウジッヒ) [ショパン=タウジッヒ]

さて、ちょっと最近、ショパンのピアノ協奏曲第1番の実演を聴く機会があったこともあって、
いろいろなピアニストのショパンのピアノ協奏曲第1番の音源を聴いていた。
この曲については、過去の音楽日記でも書いています
過去の音楽日記はこちら

で、いろいろ聞いてどうしても書きたくなったので、
今日の音楽日記は、ちょっとマニアックかもしれないけど
タウジッヒ編曲による ショパンのピアノ協奏曲 第1番です。

で、ちょっとタウジッヒについて書くと
・1841年ポーランド生まれのピアニスト
・リストの弟子
・作曲家としての作品は少なく、ピアノ編曲物が知られている
 (シューベルトの軍隊行進曲の華麗な編曲は有名ですよね)
・多分、きっと、ピアノの腕はうまい
詳しく知りたい方は、あとは、ネットでしらべてくださいね

さて、ショパンのピアノ協奏曲の解説や本には、
必ず以下のようなことが書かれている。

■この曲は、オーケストラの部分は未熟で
 タウジッヒが修正したものが昔は、よく用いられていた。

■ショパンのオーケストレーションは不十分で、タウジッヒ等が
 よく鳴る形に補充したものが過去はよく演奏されていた。

等々、言い方は、いろいろだけど、こんな文章を読んだ人は、多いと思う。
でも、実際にタウジッヒ編曲を聴いたことのある人は、少ないと思う。
文章だけ読むと、どんなことを考えますか?

管弦楽の部分の管の編成を増やして、ちょっと弦の響きを厚くして・・・
なんて思っていませんか?
これは大きな間違えだと思います。

タウジッヒ版を聴いてみよう。
第1楽章は、
最初の管弦楽の部分から、あれっと思うのだけど、
途中から、まったく違う進行になって、
ファンファーレのような音形の後に、同じようにかっこよくピアノが入ってくる。
基本的に、管弦楽だけの部分の編曲は違和感ありあり。
細かいピアノの部分も手を加えているのだけど、
特に、第1楽章の最後は、もうまったくショパンの音楽からかけ離れて、
自分の技巧を見せるだけの音楽です。
第3楽章の最初も弦の後の管の応答の音形が意味不明(笑)
なんで、こうした?です。
そして、最後のピアノパートの音形は同じなのですが、
弾き方を変えていて、これまた違和感ありありで、かっこよく終わります。

とは言え、なぜか、ピアノパートも管弦楽もあまり変更していない部分も多くて、
変更している所と変更していない所の落差が大きくて、
とっても変な曲(タウジッヒさんごめんなさい)に仕上がっています

私 思うに、このタウジッヒ版のショパンのピアノ協奏曲第1番は、
とっても中途半端な編曲だなと思ってしまいます。
どうせなら、徹底的に、タウジッヒ風に編曲して
(例えば、アルペジォは、両手オクターブで、
 低音は、ガンガン オクターブで低音叩いて、
 対旋律も勝手にもっと入れて
 途中に大カデンツァ入れたりして・・・)
そうすれば、いい意味で、B級編曲、トンデモ編曲として、
もっと後世に残ったかもしれない(そうか?)

タウジッヒさん、惜しいです。

で、私が本に解説を書くなら

■タウジッヒの編曲は、自分のピアニストの腕を見せたいために、
 特に最後の部分をかっこよく編曲した、とっても変な編曲です

かな。

インターネットの時代になって、この編曲もいくつかの音源で聴ける
興味のある方は、是非聴いてみて下さい。
でも、この編曲で実演でやるピアニストは、いないだろうなあ・・・

あと、思うに、本当に、昔はこの編曲でよく演奏されていたのかなあ?
ちょっと疑問です。

追記
ちなみに、バラキレフ編曲バージョンは、結構まともですよ。

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