幻想ポロネーズ(ショパン) [ショパン]
さて、幻想と名の付いた曲には、私は、強く惹かれる。
幻想的詩曲とか、幻想的舞曲とか、幻想的ソナタと、幻想的狂詩曲とか・・・
そういう名前のピアノ曲があったら、なぜか聴きたくなる。
どうしてだろう?
音楽に、安らぎより、現実からの逃避を求めるからだろうか?
ははは、そんなかっこいい理由ではないですよね。
多分、クラッシック音楽を聴き始めた時に、
幻想即興曲がかっこいいと思ったからでしようね(笑)
しかし、幻想と名が付く曲が、好きなことは、本当だ。
ファンタジーは、いくつになっても、求めたいですね・・・
今日の音楽日記は、ショパン晩年の傑作。【幻想ポロネーズ】です。
ポロネーズとは、ポーランドの3/4の舞曲だが、
ショパンは、若い時からこの舞曲のリズムを使用して、
いろいろなポロネーズを作曲している。
有名な【軍隊ポロネーズ】や【英雄ポロネーズ】のような男性的な曲や、
華麗な曲、悲壮感あふれる曲、若い時の習作等、どの曲も特徴があり、
どの曲がポロネーズの中で、一番とは、言えないが、
今日の音楽日記の【幻想ポロネーズ】は、ポロネーズという曲としてではなく、
バラードや舟歌にも匹敵する、ショパンのピアノ曲の中でも、とても魅力的な一曲だろう。
この曲の魅力はどこだろう?
最初の幻想的な序奏に続く主部は、
ポロネーズの特徴的なリズムは随所に聴かれるが、
それは、もはや、舞曲ではない。
ポーランドとショパンの幻想の世界だ。(と勝手に私は思っている)
この曲を書いた時は、ショパンの健康はかなり、悪化していたらしい。
この曲は、それまでのショパンの人生をそのまま表現しているように、
いろいろな場面が表れる。
まとまりはないかもしれない。
しかし、ポロネーズというポーランドの舞曲のリズムにこめられたショパンの人生が
幻想の中で、さまよう。
ショパンならではのピアノでしか表現できない、独特の雰囲気と和声の中でピアノが歌う。
それは、病魔と闘うショパンかもしれない。
でもですね、私は、以前は、どうしてもこの曲のコーダ(最後の2ページですね)
が、嫌いだった。
幻想的な序奏~すばらしい展開の主部~コーダの前の盛り上がり
ときて、コーダに入るのだが、
昔は、ここで、バラード4番のようなコーダを期待していたのだ。
しかし、飛び跳ねるような付点のリズムの明るいコーダ。
なにか、肩すかしをくったような、単純なリズム。
うーん、どうしても、ここだけが、全体のイメージと違った。
しかし、今では、ここは、ショパンが最後の力を振り絞って、
病気にもかかわらず、無理矢理、明るくこの曲を雄大に閉じようとしたんだなあ・・・
と勝手に思っている。
そんなことを考えると、
なかなか、この曲のこのコーダの部分は、
単純で明るいだけに、よりいっそう、深刻に聞こえるようになってしまったのです。
(そう、この曲以降、ショパンは、大曲を作曲していないですから・・・)
もちろん、こんなことは、私の勝手なイメージなので、なんの根拠もありません。
リストがこの曲を聴いて語ったような別のイメージもあるだろう。
しかし、いずれにせよ、この曲は、私にとって、お気楽には、とても聴けない一曲なのです。
話は、変わって、
この曲を【幻ポロ】って略して言っても、ピアノ好きには伝わりますか?
【軍ポロ】も【英ポロ】も聴いたことがないのですが・・・
ケンプのCDの記事に合わせていただきありがとうございます。
この曲を真剣に聴くのは初めてでした。
確かにお気楽には聴けませんでしたね。
久しぶりにピアノ曲のCDをたくさん聴きました。
これからピアノ曲の記事が続きそうな予感がします。
by Cecilia (2007-04-23 00:51)
Ceciliaさん。コメントありがとうございます。
フレディ・ケンプのピアノ演奏は、タッチが明瞭で、
私の好きなタイプのピアニストです。
幻想ポロネーズは速いテンポで一気に明確に弾いていますが、
この曲に関しては、なぜか、私のイメージとは離れた演奏ですね。
もうちょっと、この曲は、感情移入してもらいたいなあ、
と勝手に思っているみどりのこびとちゃんでした(笑)
ピアノ曲の記事楽しみです。
by みどりのこびとちゃん (2007-04-23 21:37)
幻想ポロネーズのコーダはおっしゃるようにこの曲の唯一の汚点ですねw。
私もこの曲を初めて聴いたウン十年前以来、ずっと心に感じていました。
直前の左手の三連音符の重音の伴奏で右手が付点オクターブ(だったかな?)で素晴らしく力強く、大変美しいクライマックスを築いているのに、なんでまた盛り下がるようなマヌケなコーダなんだ…と激しく脱力したものでした。
同じように思っておいでの方がおられて安心しましたw。
でもコーダの不甲斐なさを補って余りある、稀有の傑作には違いありませんね。
私も歳を取って、マヌケなこの部分も含めて、まるまるこの曲を受け入れられるようになりましたw。
因みに私はショパンのポロネーズの中では、この曲と嬰へ短調のOP.44がその高貴で詩的な幻想で一番優れていると密かに思っています。
by なるたる (2007-04-25 01:05)
なるたるさん。コメントありがとうございます。
いやあ、こっちこそ、幻想ポロネーズのコーダを
同じように思っている人がいて、安心しました(笑)
幻想ポロネーズは、歳をとって初めてわかのかなあ・・・
作品44のポロネーズは、いいですね。
いつか、書いてみようと思っています。
by みどりのこびとちゃん (2007-04-25 22:40)
はじめまして。
幻想ポロネーズをこよなく愛している者です。
実は、僕は最後の4ページが大好きなんです。ギンギンに盛り上げておいて、そこで中間部のゆっくりしたテーマが再登場する、この意外性。そして、明るそうに聞こえる中にも、最後から2ページ目の4段目あたりではめちゃおセンチなフレーズが現れて。。。んでもって、最後はつぶやくように静まって行って、左手の妖しげなトリル。この4ページで僕はいつもうるうるしています。
何度も振られるたびに(失恋するたびに)、この曲は上手に弾けるようになっていってるなあ、と勝手に思っています。
モテてモテてしかたがない人には向かない曲か!?笑
では、では。
by 小狐丸 (2010-02-14 10:04)
小狐丸さん、コメントありがとうございます。
幻想ポロネーズ・・・いいですよね。
最後の妖しげなトリル 確かにうるうるかもしれません。
でも、私、本当に最初に聴いた時は、最後の2ページで、
なんだこりゃ。と思ったものです。
モテてモテてしかたがない人には向かない曲か・・・
おっと、こういう考え方もあるのか(笑)
by みどりのこびとちゃん (2010-02-15 00:06)
おお、お返事コメントが!
どうもありがとうございます。
僕は、初めて聴いたときには、中間部を「なんだこりゃ?」と思いました。ゆっくりすぎて眠くてしかたない、みたいな。
by 小狐丸 (2010-02-16 23:57)