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ピアノソナタ第23番【熱情】(ベートーベン) [ベートーベン]

さて、下記の写真は、なんだかわかりますか?

この写真は、ピアノのハンマー機構の8倍!の模型なのです。
わかりにくいのですが、ちゃんと、手で押すと、動くのですよ。
ただ、音がちゃんとでないのが残念ですが、・・・
(ちょっとマイナーだが、浜松科学館にあります。)

ということで、久々の音楽日記は、ピアノの大曲、
ベートーベン作曲のピアノソナタ第23番【熱情】である。
(ちょっと無理無理のこじつけですね)
(本当は、ゴールデンウィークの旅行で疲れたので、小品の予定だったのだか゛・・・)

ちなみに、【熱情】の題名は、作曲者自身がつけた題名ではなく、
当時の出版社がつけたものらしい。
しかし、この題名は、ぴったりである。

この曲は、1805~6年頃に作曲されたと言われている。
当時のピアノ制作会社から、新しいピアノを贈られたベートーベンが、
そのピアノの機能を、フルに活用して、書いた曲である。
(音域やダイナミックレンジが広くなったらしい。その辺あまり、詳しくないので・・・)

さて、私が個人的に好きな箇所を思いつくままに書いてみよう。

・第一楽章の緊張感。
  静かな部分の緊張感、爆発的な分厚い和音、華麗な16分音符、有名な運命の主題、
  特に、爆発力が収束して、弱く静かに終わる終結部がなんともいえない。
・第二楽章の美しさ。
  主題と変奏だが、ひよっとしたら後期のベートーベンのピアノソナタを感じさせる。
  この楽章も美しいだけでなく、すごく緊張感がある気がする。
・第三楽章の強烈なピアノ音楽
  16分音符の疾走と悲愴感と緊張感を持った完全なピアノ音楽。
  爆発的なコーダに、完全に打ちのめされる。

三楽章の曲ではなく、単一楽章の曲として聞こえる構成の統一感は、すばらしい。

さて、この曲だが、いいことだけでなく、
個人的には、一カ所だけひっかかる箇所がある。
それは、第三楽章の展開部と再現部の繰り返しである。
うーん、この繰り返しは、無い方がいいような気がするのだが、
みなさんは、どう思いますか?

この三楽章には、ppで一カ所、静まる箇所があるのだが、
繰り返しをすると、この箇所が二回出てくるのである。
うーん、なんでかなあ。この部分が二回あると、
どうも緊張感がちょっとだけ、そがれる気がする。
(ある批評家は、この繰り返しで、緊張感を高め、コーダに行く時間を遅らせて、
 コーダの新しい主題をきわだたせると言っているが・・・・うーん)

しかし、こんなことは、もちろん、私のたわごとだと思ってください。
ベートーベンさんは、何か考えてそうしたと思いますから。
なんとなく、今は、私は、そう思っているだけです。
そんなことで、この曲の価値や偉大さがさがるわけでない。(当たり前か)

ということで、私の中では、この曲は、完全なピアノ音楽であり、
ピアノの為のピアノ音楽の名曲だと思う。
他の楽器での演奏は、頭の中では、考えられない。
(オケに編曲した人とか、いるのかなあ・・・ちょっと考えられないですね。)

この熱情の演奏では、忘れられない演奏がある。
著名なロシアのピアニストのあるライブ録音である。
現在、販売されているかわからないが、
三楽章のコーダの部分で、強烈なミスタッチがあるのである。
しかし、まったく動揺することなく、最後まで緊張感ある演奏を聴かせる。

どうも、普通、音楽の演奏に、ミスタッチのない演奏を求める傾向がある気がする。
もちろん、基本的にはミスはミスだし、
プロに演奏会で、ミスタッチはしてほしくない。
しかし、よく言われることだが、
音楽は、ミスタッチ探しより、もっと全体で感じるものだ。と思う。

そう思っていても、ミスタッチをしても動揺しない演奏家は、すごいと思う。
もし、自分が、ピアノ演奏家?だったら、
こんなミスタッチをしたら、絶対に動揺して、演奏はバラバラになるな(笑)


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ピアノソナタ第30番(ベートーベン) [ベートーベン]

さて、ブログを続けてよんでる人は、わかると思いますが、
もちろん今日の音楽日記は、ベートーベンのピアノソナタ第30番である。
これで、ベートーベン最後の三曲のピアノソナタの音楽日記の完成である。
(しかし、とりたてて言うことでもないことですね(笑))

ベートーベンの最後の三曲のピアノソナタは、
どれも、枯れた境地の曲と書いてある論評も多い。
全体では、もちろんそうだと思うが、
私は、どの曲にも、すばらしく特徴のある楽章があると思う。

一言で私の好きな楽章を書くと、
 第32番・・・純粋な浄化した第二楽章
 第31番・・・嘆きの歌とフーガのみごとな融合の第三楽章
 第30番・・・終楽章の心にしみるみごとな変奏曲

と言ったところか・・・

さて、今日は、そのみごとな変奏曲をもつ、第30番のソナタである。
第一楽章は幻想的で、ベートーベン的な力強さはない自由な曲である。
ベートーベンにしては、ちっょと珍しいかもしれない。
第二楽章は、力強い楽章。
そして、すばらしい変奏曲の終楽章である。

ベートーベンの後期のピアノソナタは、
私のようないい加減ピアニストが手を出してはいけない領域かもしれない。
しかし、無謀にもちょっと弾いてみたくなる。
ということで、この第30番の終楽章のテーマと第一変奏をゆっくり弾いてみた。
すばらしい。気持ちがこもる。心に響く。
(本当は、全部弾いてみたいが、あたりまえですが、とても手におえないのです。)

しかし、しかし
ベートーベンの後期のピアノソナタは、弾くよりは、夜にゆっくり
プロのピアニストの演奏を聴きながら思いをはせる方が、私は数段好きだ。

なぜだろう。
他の曲には、あまりそんなことは
感じられない。

この最後の3曲のピアノソナタに限っていえば、頭の中にある音楽と、実際の音が、
ちゃんと合わないと、拒絶してしまうのである。
こまったものだ。
(しかし、どうせ弾くだけの実力はないので、まったく困ることはないのですが(笑))

この最後の3曲のピアノソナタは、ベートーベンへの神様からの贈り物かもしれない。
それほど、私には、考えさせられる曲なのです。

さてさて、三日間にわたって、ベートーベンの後期ピアノソナタ
のことをちょこちょこと書いてみた。
本当のことを言って、このような曲の音楽日記は、とてもとても疲れた。
もちろん、この三曲は、私にとって大好きな曲なのだが、
文章では言い表せない曲だなあ、ということをつくづく感じたのであった。

明日からは、いつものお気楽音楽日記かなあ・・・


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ピアノソナタ第31番(ベートーベン) [ベートーベン]

さて、土曜の夜は、眠れなかったので、
ベートーベン作曲のピアノソナタ第30番から第32番までの最後の3曲
を連続して、ポリーニのピアノのCDで聴いた。

先日は、第32番の音楽日記を書いた。
ただ、これだけでは、他の2曲が嫉妬(?)するので
今日の音楽日記は、第31番のピアノソナタである。(笑)

さて、ベートーベンの第31番のピアノソナタである。
この曲は、美しい一楽章や、エネルギッシュな二楽章も魅力的だが、
嘆きの歌と言われる旋律とそれに続くすばらしいフーガの第三楽章が
特に際立っていると思う。

フーガと言えば、バッハの曲等はもちろんすばらしいが、
それ以降の時代のピアノ曲のフーガにもすばらしい曲は、いっぱいある。

余談になるが、バッハ以降のフーガが含まれるピアノ曲の私的BEST5は、
 ・ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ(ブラームス)
 ・前奏曲、コラールとフーガ(フランク)
 ・ピアノソナタ(リスト)
 ・BACHの名による変奏曲とフーガ(リスト)
 ・ピアノソナタ第31番(ベートーベン)
かな?
(まあ、人の心は、変わりますから、現在ではということで・・・)

話がちっよと横道にそれたが、
このベートーベンの第31番のフーガを引き立たしているのが、
絶望の淵で、歌っているような、嘆きの歌 の部分だろう。
それに対応するがごとく、強靱な意志をもったかのようなフーガが現れると、
どうしても、なにか、人生ということを考えてしまう。

決して、単純で明解な曲ではないのだが、この曲の最後を聴くと、
人生を生きる力のようなものが湧き出てくる。

この曲にかぎらず、フーガには何か、そんな魔力があるのかもしれない。

うーん。AIKOの曲にも元気づけられるが、
ベートーベンの第31番のピアノソナタにも元気づけられる私は、ちょっと変?


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ピアノソナタ第32番(ベートーベン) [ベートーベン]

眠れない土曜の夜には、何の曲が似合うのだろう?
バッハのゴールドベルク変奏曲だろうか?
シューベルトの後期のピアノソナタだろうか?
等々、考えていたら、たいていの場合、そのうちに、眠くなり、
ショパンやリストの小品をちょっと聴いて寝てしまうのだが、
今日は、なぜか、ちっとも眠くならない。(笑)

よし、こんな夜は、大好きな音楽をゆっくり聴こう。
熱くて、濃いコーヒーを用意して、
譜面を取り出し、用意して、
CDプレーヤーにCDをセットして、
さて、私にとって、最高の時間の始まりだ。
(そうなのです。私は、アルコールより、音楽とコーヒーの方が好きなのです。)

曲は、ベートーベン作曲のピアノソナタ第30番から第32番までの最後の3曲である。
(ちなみに、この夜は、ポリーニのピアノのCDだあ)

さて、このベートーベンの最後の3曲のピアノソナタは、どれもこれもすばらしい。
第29番のハンマークラヴィアソナタは、ちょっと私には、難解だが、
第30番から第32番までの3曲を聴くと、無駄な音は、一つもなく感じられ、
感覚的に、
「ああ、ベートーベンの気持ちは、深いなあ、スケールが違うなあ、・・・。」
と、しみじみ思うのである。

さて、今日の音楽日記は、その中でも最後の第32番のピアノソナタである。

この曲、第一楽章と第二楽章の2つの楽章でできているが、
第一楽章は、
男性的な序奏。
力強く一回聴いたら忘れられない強固な感情のこもった主題。
そして、展開や和声は、素朴だが、すごく強い意志。

しかし、しかし、この曲の本当の圧巻は、ハ調調の第二楽章だと思う。
最初のアダージョのアリアを変奏していくのだが、
なんと言ったらいいのだろう、
特別にピアノ書法で画期的なことはなにもしていない。
(普通のハ長調のスケールが随所に出てくるし・・・)
リズムもまったく凝っていない。
そんなに素朴で、ありながら、すごくすごく深淵な感じがする。
この楽章を聴く度に、ピアノ書法は・・・等と言うのも無意味な気がする。
特に最後の部分は、無の境地になること請け合いである。

確かに、ベートーベンの最後のピアノソナタということを念頭に聴いてしまうので、
感傷に浸っているだけかもしれない。

残念ながら、私は、この第32番ピアノソナタは、
最初に聴いた時に、ベートーベンの最後のピアノソナタというのを知っていた。
だが、バッハのシャコンヌの音楽を初めて聴いた時は、なにも知らなかったのに
すごく感動したと同じように、
このピアノソナタは、それと同様な、なにかを持っていると信じたい。

しかし、土曜の夜は、ピアノソナタ第30番から第32番の3曲を聴いても、眠くならなかった。
まあ、譜面もあったので、続けて、
第29番のハンマークラヴィアソナタを譜面を見ながら聞いていたら、
突然、眠気がおそってきた。
(もちろん、第29番が駄作なのではありません。どうもこのソナタは、私と相性が悪いみたいで・・)


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ピアノソナタ第14番【月光】(ベートーベン) [ベートーベン]

さて、ちょっと変わった曲(?)が続いたので、
今日の音楽日記は、正統派も正統派もいいところ。
ベートーベンのピアノソナタより、第14番【月光】である。

この曲、幻想的な一楽章、可憐な二楽章、豪快な三楽章と、
どの楽章も違ったイメージを持っており、
ベートーベンのピアノソナタの中でも、非常に聴きやすいのと、
この【月光】という題名で、人気があるのだろう。

しかし、ピアノソナタとしては、最初にゆるやかな楽章をもってきており、
作曲者自身が幻想曲風と書いたぐらい、ちょっと変わっているソナタではある。

さて、この曲の題名は、作曲者自身がつけた訳でなく、
どこかの詩人が、この曲の第一楽章を聴いて
「スイスのルツェルン湖の月夜の中に浮かぶ小舟のようだ」
と評したことから、この名前がついたと言われている。

しかし、以前のショパンのバラードの日記の時にも書いたが、
人により、曲からのイマジネーションは、絶対に違うはずである。

この曲の題名も知らず、
初めてこの曲の第一楽章を聴かせて、
頭に浮かぶものを書いてください。と言ったらなんと書くだろう。
ちょっと考えてみた。
(さあ、頭のトレーニングです。あなたも想像してみましょう。)

私のイメージ
普通には、以下のような感じか
   ・葬送行進曲
   ・深海の中
   ・さびれた大地
ひねくれると以下のような感じか
   ・会社の仕事がうまくいかず、疲れ果てながら残業する会社員(いい感じ)
   ・雪の中をとぼとぼ歩く、ウルトラセブン変身前のダン隊員(ちょっとオタク系)
   ・「おかね・おかね・おかね・・・」と言い続ける妖怪(ほらあなたの横にも・・・)

こんな聴き方もおもしろい。

しかし、月光とは、この曲の第一楽章を、本当によく言い表している反面、
第一楽章を軽いタッチで、ちょっと早く弾きたいピアニストにとっては、
じゃまな題名かもしれない。

題名は難しい。

(チャイコフスキーの交響曲6番が悲愴でなく、悲劇的だったら、
名曲にならなかったのではないか、という説もある)

さて、この曲の第一楽章は、弾きやすいので、
ピアノで弾いてみることをお勧めする。
そして、自分のイマジネーションで弾くと、
そのつど、速度が違うのがおもしろい。
(うーん、もっと真面目な弾き方もあるんだろうな(笑))

しかし、仕事で疲れて、この第一楽章を弾いてみると、
時々、左手のオクターブをガーンと思いっきり叩きたくなる。
いやあー、疲れているんだなあ・・・・・


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ピアノソナタ第29番【ハンマークラヴィーア】(ベートーベン) [ベートーベン]

基本的に私は、いいかげんな人間である。(おいおい)
精神性が深いと言われている曲は、結構苦手だし、
長い曲も実は、結構苦手だし、
クラッシック音楽が好きといいつつ、
いつも聴くクラッシック曲は、短い曲で、派手な曲や、映画音楽的なものが好きだし、
現代音楽も難解なものより、変わったものが好きだ。
楽譜も買うが、あまり、ちゃんと分析をするでもなく、
ピアノの練習は、もちろん、独学でいいかげんである。
(あーあ、しかし決して、いばれることではないですね(笑))

ということで、これではいけない。と時々思う。
(勘違いしないでくださいね、ときどき思うだけですから・・・)
たまには、大曲と言われる曲を譜面をみながら、
しっかり聴かなければ、脳年齢が増えてしまう。
それに、食事も肉だけたべていると、体調を崩すように、
野菜もたべなければならない。
(おっと、なにを書いているのかわからなくなってきた。ははは)

ということで、前置きが長くなったが、今日の曲は、
ピアノ曲の中では大曲(約45分)で、
内容的にも深く、難しい精神性があるといわれている
ベートーベンのピアノソナタ第29番【ハンマークラヴィーア】である。
実は、土曜の夜があまりに、眠れなかったので、
譜面を取り出し、この曲を、ちよっとだけ真剣に聴いてみた。

さて、この曲の説明を少ししてみよう。
ベートーベンの32曲のピアノソナタで人気の曲といえば、
悲愴月光熱情 等の有名曲や
最後の3曲(303132番)や
聴きやすい、初期の溌剌とした曲 だろう。
この29番【ハンマークラヴィーア】は、決して人気のある曲ではない。
しかし、音楽批評などを読むと、だいたい、
「空前の規模を持つ、深い音楽性をもつ、傑作ピアノソナタ」と書いてある。

さて、この曲の私の感想は、
第一楽章・・・最初は、無茶苦茶かっこいい和音連打の主題で始まる。
       一楽章は、なかなかいける。よし
第2楽章・・・スケルツォである。うーん、普通かなあ。
第3楽章・・・いつも、寝てしまう楽章である。長いなあ。
第4楽章・・・前にも書いたが、私は、フーガを最後にもってくる曲は、ほとんど、
       大好きである。
       しかし、しかしである、この曲のフーガは、正直、よくわからない。
       いったい、この展開は、なんなのだ。

多分、この曲に関しては、もっと勉強して、譜読みを掘り下げるとか、
時代背景や、同時期に書かれた作品とかとの比較などを真剣に調べたり勉強しないと、
この曲のよさは、わからないのかもしれない。

クラッシック音楽を気楽に聴くことは、もちろん否定はしないが、
たまには、ちょっと真面目に勉強してみるのもいいと思う。
実は、私は、このピアノソナタ第29番【ハンマークラヴィーア】を聴く度に、
そんな気分になる。

そんなピアノ曲なのである。

しかし、この曲を聴き終え、ベットの中で、眠りにつき、朝起きると、
お気楽モードになっている私がいる。
死ぬまでに、この曲の良さがわかる時がいつか来るのだろうか
わからない。
しかし、そんな気分にいつもさせるピアノ曲というのも、ある種すごい傑作かもしれない。

と書いたが、きっと明日は、軽い曲を聴くな(多分・・・)

さて、余談だか、大指揮者のワインガルトナーは、このピアノ曲を管弦楽の為に
編曲しており、CDも販売されている。
これも、なかなか、難解だなあ(笑)


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