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ヨハンシュトラウスの「芸術家の生涯」による交響的変容(ゴドフスキー) [ゴドフスキー]

さて、天才ゴドフスキーです。
(好きな作曲家なのに、いままで、一曲しか書いていないので)
レオポルド・ゴドフスキーという作曲家(ピアニスト)は、
個人的には、ピアノ音楽において、すごく重要な位置にあると思うのだけど、
やはり、どの曲も、一般的には、聴きやすい曲ではないし、
プロのピアニストでも、演奏会で弾くのには、ちょっとためらうほどの難しさ
だと思う。

レオポルド・ゴドフスキーについて詳しくは、ネットで調べてもらうとして、
ピアノ演奏に関しては、左右の指の独立した動きは、すごいです
(私、ゴドフスキーが演奏したショパンのバラード第1番の演奏は好きです)

で、作曲の方ですが、
これがなかなか、凝っていて、一筋縄ではいきません。

代表曲は、なんだろう?
やはり、私としては、
「ショパンのエチュードによる練習曲集」
ですね。
ここには、ゴドフスキーのピアノ音楽に対する
思いと美学が、いっぱいつまっています。
パッサカリア、ピアノソナタは、一回聞いてもよくわからないけど、
何回か聞くと、そこに込められた思いがわかるし、
ジャワ組曲なんて、また違った一面をみせてくれる。

でも別の曲でも 素晴らしい曲があります。
今日の音楽日記は、 
ヨハンシュトラウスの「芸術家の生涯」による交響的変容 というピアノ曲です。

もヨハン・シュトラウスのワルツというと、
思い出すのは、ニューイヤーコンサート。
そのどれもが、優雅で心地よいワルツです。

このワルツをピアノ曲に編曲しようとした時、どうしますか?
 ・原曲の優雅さを生かした編曲
 ・華麗な音の動きや派手な動きで、技巧を見せつける編曲
 ・ワルツをテーマとした変奏形式の編曲
 などなど・・・
普通そうですよね。

でも、ゴドフスキーは違います。
この「芸術家の生涯」による交響的変容というピアノ曲は、
そんな曲ではありません。

いまでこそ、動画サイトで聴けるけど、
この曲をちょっと紹介すると、
最初、低音で主題のリズムがきざまれるのだけど、
なにが始まるのか期待します。
その後の和声進行と音の動きは素晴らしい。
で、前奏がすごくながくて、右手のグリッサンドがあったり
なかなか、主題がでてきませんが、
やっとでてきたと思ったら、
これが、右手は、主題を弾きながら、スタカートの和音の伴奏
なんか、優雅さもない主題展開なのですが、
もう、音の厚みと半音階的な和声で、頭がくらくらします。
浜辺の歌に似た旋律の和声も分厚いし、
途中は、何声もの旋律が重なって、普通に弾くと、ごちゃごちゃして
なにがなんだかわかりません。
ここは、ピアニストの本当の実力がわかります
まあ、最後は、ちょっとわかりやすくなりますが・・・

この曲、なにがすごいって、普通の変奏ではなく、
あくまで、主題を変容して、再創造して、
ゴドフスキーの美学で、この主題でのピアノ音楽を極限まで
拡大しています。
演奏は、難しいし、聞く方も大変です。

ということで、私、ゴドフスキーに関しては、
譜面を見て、頭で音楽を鳴らすのが大好きなのです。
(うーん、こんな聴き方? いけませんか)

ゴドフスキーの譜面は、どの曲も
見ているだけで、想像できて、わくわくするのです。

しかし、この曲、動画サイトで、いろいろ聴ける
うーん、すごい世の中になったもんだ。

次回は、ゴドフスキーと私の出会いを書こうと思ったけど、
音楽評論家の吉田秀和さんが亡くなったという
この人の本には、結構、お世話になったなあ・・・
ということで、なにを書くかな

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