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ダヴィッド同盟舞曲集(R.シューマン) [シューマン(ロベルト)]

誰も読まないと思うけど、
私、左の『プロフィール』に書いてある通り、推理小説ファンです。
特に本格派といわれる作品が好きで、
海外では、クイーンやカー等の古典から、最近のポールアルテまで
日本では、綾辻行人や島田荘司や折原一や東野圭吾 等々・・・

ただ、ブログで本の感想を書こうと思ったら、
どうしてもネタばれになるので、
読んでいない人の為に、ここでは書いてないです。

なんでこんなことを書いているかというと、
ちょっと前に『シューマンの指』というミステリー?を読んでいて、
最近、本屋に行ったら、この本が本屋大賞の第5位に入っていた。
で、ちょっとこの本の感想を書こうと思う。
(ネタばれはありません。ミステリーの部分にはふれませんから・・・)

この本、半分までは、いろいろなシューマンの作品について、かなり詳しく書いてある。
著者の調べたことや考えを交えて、
どちらかというと、シューマンの音楽の批評といったところだ。
これが、なかなか、詳しい。

ただ、それがいいとこでもあり、欠点でもあると思うのです。

私は、この部分を読みながら、
 ああ、その作品は、そういうことね・・・、
 いやいや、私は違うな、その作品の解釈は・・・
等々、音楽について考えながら楽しく読んだのです。
ということで、
この部分は、本としての物語にまったく感情移入できませんでした(す、すいません)

このへんは、難しいなあ、
(「のだめ」ぐらい、作品については、あっさり書けばいいのかも・・・)
まあ、他の人は、どんな風に感じているのかわかりません。
私が、ちょっと偏屈だけかもしれません
このへんは、読む人によってかなり違うかも・・・

えっ、肝心のミステリーの部分はどうだったかって?
それは、ここでは書きません。
ただ、私、折原一のミステリーのファンなので、
手記と言われただけで、ちょっと疑っちゃう(笑)

本の話は、これくらいにして、
今日は、その本の中に出てきたシューマンの重要な一曲を書いてみよう。

今日の音楽日記は、シューマンのピアノ曲
【ダヴィッド同盟舞曲集】です。

ダヴィッド同盟というのは、シューマンの空想上の団体で、
新しい音楽を追求する団体です。

この曲、18曲の小曲からなる曲集ですが、
曲のイメージに関して、シューマン自身の二面性が表現され、
 積極的、明朗的なイメージとして F(フロレスタンという名前)
 瞑想的、内向的なイメージとして E(オイゼビウスという名前)
という記号が曲ごとについています。
(第9曲と第18曲は、ついていません)

シューマン自身が、二面性をもった人物とされていますが、
まあ、だれにでも、表と裏の性格は、あると思います。
ただ、シューマンは、特に二面性が強かったみたいですが

この曲集は、短い曲で、その二面性が、極端に表現されています。
そのため、通して聴くと、ちょっと疲れる場合もありますので要注意です

18曲の中から、私が気にいった曲は、第何曲でしょう?
はい、第13曲と第15曲ですね
で、この2つの曲のサインは、両曲とも、FとE の両方がついてます。
ははは、私は、多分、どっちつかずの性格が好きなのかも

さて、この18曲もの性格が異なった作品を 一気に演奏するのは、
とっても難しい。
きちんと弾いても、イメージ重視で弾いても、
やはり、ちょっとバラバラのイメージもあります。
ただ、一曲一曲は、短いながらも シューマンの好んだリズムや歌が満載で、
結構、面白い作品だと思います。

シューマンの作品に謝肉祭という 似たようなイメージの曲集があります
こっちの方がまだまとまっているかな

****************************************************************************************************
話変わって、
もし、私が、音楽ミステリーを書くとしたら、どんなストーリーにするだろうか・・・

『・・・降りしきる雪の中、屋敷から離れたピアノ練習場の別棟で、
シューマンの幻想曲を誰かが弾いている。・・・あれはスタインウェイのグランドピアノの音だ・・・
突然の悲鳴と演奏の中断・・・誰もが駆け付けたが、練習場の周りの雪の上には足跡もなく、
練習場の扉を開けて、中に入ってみると、
練習場には、ピアニストだけが一人、たたずんでいた。
そして、おおきなグランドピアノが忽然と消えていた。
・・・ピアニストは記憶喪失でなにも覚えていない・・・グランドピアノはどうやって消えたのか・・・』

どうですか こういう古典的な謎

ちなみに、
・ピアノを燃やした
・ピアノを屋根から外へロケットで飛ばした
・ピアノを分解して、家の周りに付けた
・ピアノは最初からなく、録音だった
・ピアノ練習場が2か所あって、駆けつけた場所が違う
・ピアノは、鏡のトリックで見えない
は、正解ではありません。

ははは、考えてみてくださいな
こんな謎を考えるのも楽しいのですが、このストーリーでは、このミス大賞とれないですね(笑)

えっ答ですか? それは秘密です
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コメント 8

オバQ

初めまして!私の大好きなダヴィッド同盟舞曲集をとりあげていただき、思わず初コメントをしてしまいました。この曲にはブラームスが手を入れた(シューマンが削った曲をまた付け足した)バージョンもありますが、私はシューマンが最終的に決めた形の方が、全体の展開がシューマンらしくて好きです。ドイツグラモフォンのケンプ演奏のCD(最初はレコード)は数えきれないほど聴きました。フランスの哲学者マルセル・ブリオンが晩年の著書『シューマンとロマン主義時代』の中でダヴィッド同盟舞曲集について目からウロコがおちるような、「そう!そう!」と思わずうなずける記述がされておりました。実は、今は絶版となっているこの本を私は探しておりまして、入手情報をご存じでしょうか?(スミマセン・・・多分、誰もご存じないですね) ちなみに、この曲の5曲目までのプロローグの後に、第6曲に入ると「これからドキドキが始まるぞ」って感じがして、そのまま続く各曲の魅力に身をまかせることが、数年来の私のリフレッシュ法でした。長くなってゴメンナサイ。大好きなシューマンについてコメント出来て、とっても嬉しいです。
by オバQ (2011-05-07 06:03) 

みどりのこびとちゃん

オバQさん、コメントありがとうございます。
この曲、確かにいろいろと、決定稿?までには、いろいろ
あったみたいですね。
そうですか、この曲集を5曲目と6曲目で分けますか、
それは、おもしろいです。
まあ、確かに、短い曲ごとに聴くより、
そのまま、身をまかせる法がいいかも・・・

『シューマンとロマン主義時代』、ネットで検索したら
中古で、1万円以上!
図書館か、古本屋めぐりですね
by みどりのこびとちゃん (2011-05-08 00:42) 

オバQ

みどりのこびとちゃんサン、わざわざ『シューマンとロマン主義時代』(確か原題を直訳すると『シューマンとロマン的精神』)をネットで検索していただきありがとうございました。上京する機会があったら神田の古本街で捜索してみます。ダヴィッド同盟舞曲集についてはケンプのCDの他にケンプよりも技巧的なギーゼキングのCDも愛聴しておりますが、それぞれに味があって癒されます。ダヴィッド同盟舞曲集のように、シューマンが遺してくれた異なった個性の旋律の集合体の曲は、各々の旋律がシューマンのこういう心の動き(または考え)を反映したものだとイメージしながら聴くと、イメージの仕方によって違って聴こえてきますね。例えば、シューマンのフロレスタン的旋律は「世の俗物め何するものぞ!」というイメージでオイゼビウス的旋律は姉の不幸な死を自らの精神の崩壊に連想づけているというイメージという感じで聴く場合もあるし、フロレスタン的旋律とオイゼビウス的旋律はヘーゲルの弁証法でいうところの止揚(アウフヘーベン)となっていくテーゼとアンチテーゼという感じで聴く場合もあります。(ノヴェレッテのように旋律の途中でシューマンの意識が突然ワープするケースもありますが・・・) 私自身の感じかたの変遷を振り返ってみると、年が経つにつれてイメージに人生の苦みのバイアスが、より濃く反映している気がします。


by オバQ (2011-05-11 00:02) 

みどりの巨人ハルクくん

こびとさんが挙げた好きな曲は、なぜか私と全く同じです。
この曲集の中でどれが好きかと訊かれたら、私もその2曲を選びます。
第13曲の終わり方にはあっけにとられます。まさに天才的。
そして第15曲のオイゼビウスの部分の鮮やかさ!この二箇所はとても冴えてます。
この曲集の真のテーマとも言うべき第2曲も好きです。それが第17曲で再現して
熱狂へと変貌してゆくくだりは圧巻です。そのあとの終曲についてシューマンは
「全く余計なことにオイゼビウスはさらにひとこと付け加えた」と注釈していますが、
ほんとに余計だと思います(笑)。

ところで話題の『シューマンとロマン主義』、私は都内と隣県の図書館を十箇所くらい
利用していますが、どこかで蔵書を見かけました。哲学者の書く音楽論というのは
どうも苦手(アドルノとかジャンケレヴィチとか)なのと、その書題からむしろ社会学的な
考察なのかと思ってこれまで読んでいなかったのですが、オバQさんが言われるような
正鵠を得た作品論があるのなら、読んでみようかと思います。

私はあんな本書いていますがミステリー小説とは全く無縁です。そういう嗜好と
素養があれば、あの本の仕立てももっとおもしろいものになっていたかも知れませんね。
by みどりの巨人ハルクくん (2011-05-11 15:44) 

みどりのこびとちゃん

オバQ さん、再コメントありがとうございます。
古本屋で見つかるといいですね。

ダヴィッド同盟舞曲集の個別の曲のイメージは、確かに、
小品なので、その時の感情にかなり、左右されるかもしれません。

歳をとると、若い時とまったく違ったイメージに聞こえる時があります。

by みどりのこびとちゃん (2011-05-13 00:01) 

みどりのこびとちゃん

ハルクさん、コメントありがとうございます。
そうですか、この18曲の中で選ぶとしたら、私と一緒ですか・・・
でも、この2曲、選ぶ人、多いかも

シューマンの言葉は、この曲に限らず、
他の曲でも、ちょっと余計と思うのですが・・・(笑)
by みどりのこびとちゃん (2011-05-13 00:05) 

なるたる

折原一は、知る人ぞ知るマイナー曲CDの蒐集家ですね。

何年か前に彼のHPを覗いた時、非常にレアな、だけど私にとっては身近
な曲のコレクションばかり紹介されていて、思わずほくそ笑んでしまいました。何でも執筆中に聴いたりするみたいです。

また、グロテスクなガイコツやシャレコウベの模型や置物を集める変わった
趣味もあるみたいです。
変な人ですw。

by なるたる (2011-08-23 01:48) 

みどりのこびとちゃん

そう、折原一は、マイナーピアノ協奏曲のことをホームページ
で書いてます。
そんな趣味なので
小説の作風は、結構 ひねくれてます(笑)
by みどりのこびとちゃん (2011-08-29 00:23) 

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