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ピアノ協奏曲 第1番 (マクダウェル) [マクダウェル]

さて、前回、マクダウェルのピアノ協奏曲第2番を書いたのだけど、
第1番も聴いたので、この曲も音楽日記に書いておこう。

マクダウェルの第2番も、そんなに有名でないけど
ピアノ協奏曲ファン?なら、一回以上は聴いたことあるかもしれない。
でも、第1番は、はっきりいって、すごく無名です。

かくいう私も、この曲、昔聴いたきり、全然覚えてませんでした。
で、ちょっと聴いてみました。
(しかし、今のネットの時代は大したもんです。こんな無名な曲も、
 IMSLPで楽譜を見ながら、ナクソスライブラリーで聴けますから・・・
 昔なら、考えられなかったですね)

無名な曲なので、ちょっとだけ、
この曲の解説をしましょう。
作曲年は、1882年
演奏時間は、30分弱
全3楽章のピアノ協奏曲です。

第1楽章
いきなり、ピアノの独奏で始まります。
この部分、ラフマニノフのように分厚い和音で
3段譜で書かれています。
そして、とっても、わかりやすい第1主題が演奏され、
甘い第2主題がピアノで歌われます。
途中、ピアノの幅広い分散アルペジォにのって歌われる第2主題は、気持いい。
いろいろな部分で、第1主題と第2主題が重なり合って
冒頭の部分もちょっと顔を出して、派手に そして 劇的に終わります。

続いてアンダンテの第2楽章
木管の前奏に続いて
オクターブの単音で、ピアノが入ってきます。
のどかな雰囲気が、とてもいい感じです。
後ろで響くティンパも印象的
中間部は転調して、
ピアノの細かいアルペジォの上で、幻想的に旋律が歌われる(この部分 いいです。)
最後は、また オクターブのピアノの単音の旋律
がもどって、ピアニシモで終わります。

第3楽章
グリーグのピアノ協奏曲の最初のように
ティンパニーのクレッシェンドで始まりますが、
上からではなく、下からピアノが入ります(笑)
そして、踊るようなリズミカルな旋律はとても楽しい。
落ち着いた第2主題は、まずは弦で、優雅にでます。
第1楽章の第1主題が雄大に復帰して、
コーダは、速くなって、華麗に終わります。

こうやって聴くと、ロマン派のピアノ協奏曲としては、
この第1番も悪くないです。
で、なんで無名かを考えてみました。

その1
・やっぱり、この曲の中心となる第1楽章第1主題が、
 あまりにも、単純なことかもしれません。
 文章で書くと、
 ラーミ ラーミ ラシドシラ
 だけです。
 うーん、単純な旋律が悪いというわけでないけど、
 もう一工夫ほしかったです。

その2
・マクダウェルがアメリカの作曲家だということ
 多分、ヨーロッパの作曲家がこの曲を作曲していたら、 
 有名にはならなかったとしても、
 ちょっとだけは、演奏されたかも・・・

その3
・なにか聴いたことのある部分が多い。
 聴きやすいのはいいのだけど、
 そう、独創的な部分がないのがこれまた、欠点かな。
 第3楽章の、ちょうど半分程度
 第1楽章の第1主題が雄大に復帰するところがあります。
 マエストーソの指示があるのですが、
 ドボルザークの新世界のある場所とそっくりさんです(笑)
 (でもね、新世界の作曲は1893年だから、このピアノ協奏曲の方が先だけど・・・)

まあ、曲が無名かどうかは、曲の出来不出来以外にも、
初演時の話題とか、演奏家が愛好したとか、
別の要因もありますよね。

とりあえず、
ピアノ協奏曲ファンは、一回は聴いて、損はありません。
(その後の判断は、自分自身でどうぞ・・・)
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