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ピアノ協奏曲 ヘ長調 未完作品(シューマン) [シューマン(ロベルト)]

未完のクラシック音楽作品というと、皆さんは、なにを思い浮かべますか

多分誰でも、すぐ思い浮かべるのは
シューベルトの交響曲「未完成」。
(これは作曲者が続きを書かなかったのですよね)
(それより、シューベルトのピアノソナタの未完作品って多すぎません?)

そして、未完の有名な作品をちょっと書くと

マーラーの交響曲第10番
 (第1楽章だけがいいのか、補筆完成版の価値はあるのか、など議論がありますね)
ブルックナーの交響曲第9番
 (第4楽章もほとんど出来ていたのに・・・でも私は第3楽章で終わるのが好き)
バッハのフーガの技法
 (補筆完成版より、BACHの主題が出てきて突如終わる方が個人的に好き)
バルトークのピアノ協奏曲第3番
 (うーん、あと数日生きていれば完成したのに・・・残念)
モーツァルトのレクイエム
 (あんまり、未完成作品としては、思われていないかも・・・)

等々が思い浮かべられます。

で、大きく、
作曲者が、途中で完成を放棄したものと
作曲者が、作曲途中で死亡したものに分かれますよね

で、これを完成版として、後世の人が完成させてしまう場合があるのですが、
これって、結構勇気がいることだと思いませんか?

どんなに、作曲者の研究や時代考証を考えて
すばらしい音楽を完成させても、
「本当の実際の作曲者の考えと100%同じ」ということは、
ないし、そのような批判をあびなくてはいけない。

でも、ある作曲者の音楽をいろいろ聞いていると、
未完の作品がどんなだったか、すごく気になることは、あるし、
それが、どんなものでも、音となって聞こえてくるのは、ありがたい。
(まあ、聴かなかった方がよかった というのもあるけど・・・
 例えば、ベートーベンの第10番の音源なんて、ちょっとと思ってしまう)

さて、前置きが長くなってしまった。

今日の音楽日記の曲、昨年CDを買って聞いていたのだけど、
感想を書くのが、今まで、遅れてしまった。
(本当は、シューマンイヤーの昨年に書かなくてはいけませんでしたね)

さて、今日の音楽日記は、
シューマン作曲の未完のピアノ協奏曲 ヘ長調です。

ここで、普通のクラシックファンは、あれっ と思いますよね
(えっ、なんにも、思わない?)

普通、シューマンのピアノ協奏曲というと、
あの有名な
 イ短調のピアノ協奏曲 だろうし⇒過去記事はこちら
シューマンを聞く人は、その他に
 序奏とアレグロ・アパッショナータ⇒過去記事はこちら 
序奏と協奏的アレグロ⇒過去記事はこちら
を頭に思い浮かべるかもしれない
そして、かなりのマニアの人も今までは、
 ピアノ協奏曲 ニ短調 断章⇒過去記事はこちらまで だったと思う。

シューマンの作品表を見ると、ピアノ協奏曲には、
未完の曲として、ヘ長調の曲や紛失した 変ホ長調の曲がある。

昨年、シューマンの生誕200年を記念?して
このうち、ヘ長調の未完のピアノ協奏曲を補筆して完成したCDが販売された。
この曲、1830年に着手され、スケッチ帳にいろいろ譜面を書いてはいるが、
バラバラの状態だったらしい。

で、この曲、聴いたことのない人が圧倒的に多いと思うので、
ちょっと、解説してみよう。

曲は、3楽章からなり、
シューマンの有名なイ短調のピアノ協奏曲のイメージとは
随分違う印象です。
古典的なオケの提示部で始まり、
二分程度のこの部分が終わると、ピアノが、華麗に入ってくる。
ちょっと、ピアノの速い走句の上に、旋律が演奏される
という部分が多いかな。
2楽章は、落ち着いた音楽です。
3楽章は、ちょっと派手なロンド風の音楽で、
とても、ピアノが生き生きと活躍します。

全体として、初期のロマン派のピアノコンチェルトっぽい響きで、
なかなか、いい感じです。
聞きごたえも結構あります。

でも、どうしても、作曲者自身ではなく補筆版というのが、
音楽とは関係なく、気になるのも事実なので、
これはこれで、
「ああ、シューマンは こんなこと考えていたんだろうなあ・・・」
という風に思いを寄せる音楽なのかもしれません。

シューマンのいままでの音楽感を変える音楽とまではいかないけど、
興味のある人は、一回聞いてみるのも、いいのでは

ところで、皆さんは、
復元してみたいクラシックの曲ってありますか?
(未完の曲を完成して聞いてみたい曲とか)

えっ、私ですか?
うーん、すぐには、いろいろ思い浮かばないけど、
例えば、ブラームスの二重協奏曲が元々の構想通り、第5番の交響曲になっていたら、
どんな曲になっていたか興味ありますね。
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みどりの巨人ハルクくん

まずは『名ミス』の件で御礼申し上げます(私もやったことありますw)。(関連記事はあちら)
あの本の装丁は気に入っているのですが、背タイトルが全然目立たないので、
書店で探してもなかなか見つけられません。

こちらでそのお礼をしたのも、実はこのヘ長調ピアノ協奏曲について
ちょっとだけですが続編で触れているのです。でも譜例を掲げられなくて困ってます
(無いのも無理ないですが、資料室にはツヴィッカウ交響曲の楽譜でさえいまだに
ありません)。

さて、「完成させて聴いてみたい未完の曲」ということですが、
私にはたくさんあります。私が若い頃に作曲したものの多くがが、未完のままに
なっているのです。誰か完成させて聴かせてくれないものでしょうか(笑)。

去年、生誕二百年を記念したショパンピアノ作品全曲演奏会
(ギネス記録保持者のあの方のではなく、アマチュア有志によるもの)で、
未完のカノンが演奏されましたが、演奏者の方が補作をして、
1分半ほどの完結した小品としてプレゼンされました。
とてもいい曲に仕上がっていて、楽譜がほしくなったほどでした。
by みどりの巨人ハルクくん (2011-03-01 11:18) 

みどりのこびとちゃん

ハルクさん、コメントありがとうございます。
これからも、書店で、地道な活動を続けていきます(笑)

そうですか、若い頃の作品の多くが未完成ですか・・・
私は逆に、若い頃、趣味で作曲した作品は、
なぜか完成した作品も多く、でも、あまりに 駄作で
捨てたくてたまらない物が多いのです

ショパンのカノンの完成版ですか
それは、なんか聞きたいですね

by みどりのこびとちゃん (2011-03-03 01:00) 

みどりの巨人ハルクくん

ではお聞かせしましょうw
ショパンのカノンの完成版、私が聴いたまさにその演奏がユーチューブにアップされて
おりました(すごい時代だねぇどうも・・・)。

http://www.youtube.com/watch?v=LPe1WXVknbY

(・・・色が青くなってませんかね?どこか違ってるのかもしれませんが、
もう疲れましたので)
ちなみに、姉ルドヴィカ作成のカタログにインチピットだけが遺されている1827年の
アンダンテ・ドレンテ 変ロ短調なんてのもアップされていましたが、
これは原譜のリアリゼーションが基本的に間違っていて、そのことを
他のユーザーからも指摘されていました。
by みどりの巨人ハルクくん (2011-03-06 02:16) 

みどりのこびとちゃん

ショパンの完成版カノン 聞きましたよ
確かに、小品としてまとまっています。
いやいや、いろいろな曲が聞けるようになりました。
楽しいことです。

この音楽日記にもちょっと、書いたショパンの
「イ短調の学習対位法 5声6声7声」という曲
私、アップしようかしら、誰も弾いてないみたいだし(笑)
by みどりのこびとちゃん (2011-03-06 22:46) 

みどりの巨人ハルクくん

↑ それ、是非ともお願いします。マジで!
by みどりの巨人ハルクくん (2011-03-07 00:21) 

みどりのこびとちゃん

ハルクさん、ショパンの「イ短調の学習対位法」の記事を見てくださいな。
私の演奏ではないけど、
パソコンの演奏と楽譜をアップしました。
(でも、聴く人 少ないだろうなあ・・・)
by みどりのこびとちゃん (2011-03-08 00:21) 

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