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交響詩【前奏曲】(リスト) [リスト]

さて、今年は、フランツ・リスト生誕200年というのに、
昨年のショパンとシューマンの時より、
まったく盛り上がっていないなあ。

まあ、リスト大好き人間の私が言うのもなんだけど、
リストの音楽には、駄作も確かに多いし、
技巧だけ という評価が、まだまだ多いし、
何度も聞いて、渋い味が出てくるという作品も少ないかもしれない。
(でもね、それでも私、リストの作品好きなのですよ)

さて、どんな本にも、音楽の歴史の上でリストは、
【交響詩】というジャンルを初めて作ったと書いてある。

ここで、音楽の問題です。
以下の言葉を説明しなさい。

1.標題音楽と絶対音楽の違い
2.音楽の表題と標題の違い
3.標題音楽と交響詩の違い

ちょっと自分なりの回答を書くと以下のようかなにあ・・・

1.標題音楽は、音楽以外になにかのイメージを描写した音楽ですよね
 絶対音楽は、そのようなイメージがなく、音楽だけで作曲されたもの
2.音楽のタイトルは、表題。
 音楽の表現内容は、標題
3.管弦楽の標題音楽の曲(すべてというわけではないでね)
 標題音楽は、管弦楽というジャンルの枠ではなく、すべてのジャンル

うーん、正確には、ネットで調べて下さいね。
上記を信じてはいけませんよ。上記の回答 自信がありません
特に、標題と表題の違いは、私ネットでしらべてもよくわかりません(笑)

で、なにかをイメージする曲を作曲することは、
ある程度できると思うけど、
その逆の
なんの説明もなく、曲を聞いて なにを表現しているかは、
なかなか難しいかもしれない。

特に交響詩のジャンルでは、どうだろう?

スメタナの交響詩モルダウを聞いて 川の流れをイメージすることは、
ひょっとしたら、説明なくても出来るかもしれない。
ドビュッシーの交響詩 海を聞いて、海をイメージすることは、できるかもしれない

でもね、リストの交響詩全13曲をなんの説明なく聞いて、
その音楽がなにを表しているか当てられるのは、なかなか難しいと思う。

今日は、そのリストが作曲した13曲の交響詩の中から
最も有名な曲【前奏曲】です。

さて、この表題、誤解されることも多いのですが、
決して、オペラ等の前奏曲の意味ではありません。
「人生は愛、闘争、自然の美しさがあるが、人生は死への前奏曲である」
という意味のラマルティーヌの詩を音楽で表現している管弦楽曲です。

ということで、この交響詩は、
人生の問いかけから始まって
自然の美しさ、愛を歌い、最後は、堂々たる行進曲となる。
(2ndバイオリンの旋律やホルンの旋律は、私、とても好きな旋律です。
 途中のティンパニーもかっこいいし、
 そして、最後の行進曲は、元気がでます)

ただ、純粋に音楽だけから、ラマルティーヌの詩を想像できるかというと、
それは、無理だな。
でもこれは、しかたないことです。
リストにしては、すごくわかりやすい主題で書いてあるし、
管弦楽の効果も素晴らしいので、人気のある曲となっていると思う。

この曲、皆さんは誰の演奏で聞いていますか?
私は、最初がフルトヴェングラーで、次がカラヤンという
鉄板演奏でしたが、
それ以外あまり聞かないなあ
まあ、フルトヴェングラーは、古い録音なので、
ちょっと音が悪いというハンディはありますが・・・
もうちょっと、私のイメージに合う演奏ないかなあ
と思っているのですが・・・

この交響詩【前奏曲】は、リストの編曲で、2台ピアノ用の編曲がある。
これがなかなかいいのですよ。

オケのスコアを見るとわかるのだけど、
この曲、弦楽器の大きなアルペジォや半音階スケールなど
どう見ても、ピアノの譜面だなあ と思う所が多い。
それを2台ピアノで演奏すると、これが、なかなか面白い。
ピアノの方がいいと思う場所もある。
でも、管弦楽の方がいい(ははは 何を書いているかわからなくなってきた)

交響詩というジャンルは、作曲者にとっては、やっかいのような気がする。
あまりに、描写的だと、表現が平凡になるし、
抽象的だと、なにをイメージしているかわからない

もし、私が作曲家なら、交響詩というジャンルは、作曲しないかも(笑)

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ofc201001

美しい曲ですよね。
私も改めて聴いてみました。(私も鉄板のカラヤンです。学生時代にいろいろ聴いたのですが、結局こうなってしまいました。)

学生時代、演奏した時にはあまり理解できなかった冒頭の休符も、今となっては何となく分かるようになったのは、それだけ成長できたことでしょうか?

個人的には「人生の嵐」が始まる部分の緊張感や「嵐」が過ぎ去ってすぐの静けさが好きです。

このブログを拝見して、「なるほど、弦やハープのアルペジオはピアノから来ているのか!」(考えたらリストなんだから当たり前ですよね)と気づかされました。連弾バージョンも聴きたいものです。
さらに、木管ソロの歌わせ方の絶妙さ!リストはピアノのイメージが強いのですが、オーケストレーションも巧いのですね。(何を今更!)
今回聴いて改めて思いました。

それと「交響詩」ですが、確かに難しい存在なんでしょうね。「モルダウ」とかデュカスの「魔法使いの弟子」(ミッキー?)みたいにストーリーがはっきりしているものから、シベリウスの「エン=サガ」みたいに音楽が具体的に何を表しているのか分からないものまで(これも好きですけれど)……

みどりのこびとちゃんのブログはしばらく聴いていなかった曲を聴く気を起こしてくれます。感謝です!
by ofc201001 (2011-02-14 04:18) 

みどりのこびとちゃん

ofc201001 さん、コメントありがとうございます。
学生時代に演奏したことあるのですか・・・
今年は、リスト生誕200年なので、この曲の実演も
多いのでは、なんて勝手に思っています。

私もこの曲、先日 久々に聞きました。
久々に聞くと、なかなか いい曲だなあ と確かに思えます。
(普段、忘れている曲なのですが(笑))
リストの管弦楽法のいい面が出ている曲だと思います。
by みどりのこびとちゃん (2011-02-14 23:14) 

みどりの巨人ハルクくん

「交響詩」について考えるに、私はなんでもないものだと思うんですよ。
交響曲みたいに大オーケストラで演奏する規模の大きめな音楽だけれど、
ソナタの形式や楽章構成を特に用いていない。けれどただ「オーケストラ曲」と
言うわけにも行かないので、何かジャンル的名称を付けた、という印象です。
だから本来なんの内容的制約もないものでしょうが、絶対音楽的な交響曲との
違いを明確にするために「標題的な内容を持つ」ということにすると、
それが内容の規定になります。抽象的な内容だと「交響詩」とは言えなくなる
はずですが、もともと内容の自由さを第一に求めているのでしょうから、
標題性も二義的な感じで、音楽を聴いても標題との関係がわからないものが
出てきても不自然ではないと思います。

しかし、その曖昧さがこのジャンルの弱点かと思います。私は「交響曲」や
「ソナタ」には魅力を感じますが、「交響詩」には魅力を感じません。
そんな名称もなく《モルダウ》とか《英雄の生涯》の標題だけで十分と思います。
「交響詩」は、作曲家の音楽的思想をより高め、飛翔させるためのうつわには
なれなかったと思います。

ちなみに「交響詩」と言うと、以前社会問題にもなった『高交響詩』というドラマがあって・・・(これが誤変換ギャグというやつですね・・・それだけです)
by みどりの巨人ハルクくん (2011-02-15 00:19) 

みどりのこびとちゃん

ハルクさん コメントありがとうございます。

・・・その曖昧さがこのジャンルの弱点かと・・・

うーん、まさに、そうですね。
交響詩・・・よさそうで、すごそうで、深遠そうで、でも、ちょっとかな

by みどりのこびとちゃん (2011-02-17 23:35) 

みどりの巨人ハルクくん

昼間、FMでリストの特集があって(去年のシューマンよりは盛り上がりの気配が
感じられます)この曲が放送されましたが、解説の野本由紀夫氏によると、
この作品の内容はラマルティーヌの詩とは全然関係がないそうです。
リストが曲への序文として引用した「生は死への前奏曲」という名文句も、
ラマルティーヌのものではなく、他の詩人のものらしい。その詩人の詩による
合唱曲に付けられていた文字通りの前奏曲がこの曲の原型だったとか。

最近人気の野本氏。学者もマスコミにもてはやされるようになるとだめになるなと
思わせるふしも多々あり、他の作曲家の作品のこととなると必ずしもあてには
なりませんが、専門のリスト作品においては依然信頼のおけるものと思います。
それが事実だとすれば、これまでの幾千の解説は実際にラマルティーヌの詩の内容も
知らずに先人や他者の言うことを受け売りで繰り返してきただけということに
なります。

でも、こういうこと、他にもたくさんあると思うんですよ。我々は音楽作品に
興味があるのであって、それに付随する他事には一向に関心が及ばない場合も多い。
私もラマルティーヌの詩は全然知らないし、こういう事実を聞かされても
自分でそれを検証しようという気も今のところ起きていません
(私は件の解説も、今川焼きを温めて食べることに気を取られていて
それほどちゃんとは聞いてなかった)。ゲーテの『ファウスト』は辛うじて
読みましたが、シェークスピアの『テンペスト』は読んでないし、
ジャン・パウルもホフマンもバイロンも、ジョルジュ・サンドもおそらく
この先読まないでしょう。19世紀ロマン主義時代のような文化的教養人(趣味人)は、
現代にはなかなかおりません。雑学やウンチをいっぱい溜め込んだ薄っぺらい
有識者はたくさんいますが(だから私は、音楽作品そのものの楽曲分析を
自分のスタンスとしているわけです)。

交響詩《レ・プレリュード》の標題性はますます解析困難なようになりますが、
それでいいのではないでしょうか。本来純音楽的な作品と思います。ただ私は、
それを聴いて少々哲学的な人生の諸相のようなものを漠然と感じはします
(あー「交響詩」ってアイマイ!っつーか要らない概念だと思う)。
by みどりの巨人ハルクくん (2011-03-06 17:47) 

みどりの巨人ハルクくん

訂正・・・「ウンチ」⇒「ウンチク」(笑)
by みどりの巨人ハルクくん (2011-03-06 17:51) 

みどりのこびとちゃん

ハルクさん、コメントありがとうございます。
最近、めったにfmを聞かないのですが、
今日は、たまたま、ずっと車を運転していて、
なにげにfmをつけたら リストのピアノ協奏曲第2番が・・・
(ちょっと、遅くて、私好みの演奏ではなかったですが・・)
そう、リストの特集やっていたのですね
ハルクさんも聞いていたとは・・・
(ノルマの回想もやっていたし)

で、リストの前奏曲、この主題が別のリストの合唱曲から
とられているのは、知っていました。
でも、交響詩の段階で、ラマルティーヌの詩によったと思っていました。
真相は、いかに・・・
ははは、交響詩の概念がもわっとしてますから



by みどりのこびとちゃん (2011-03-06 22:58) 

タカノカズヒロ

昨日のクラシック音楽館で、久しぶりに珍しいリストの組み合わせで演奏された交響詩「前奏曲」。リストの人生をこの作品一曲で語れるな・・・って思います。嵐、涙、栄光、勝利・・・。最後のクライマックスのファンファーレは何故か有名らしく、ナチスドイツでも度々演奏されたとか。

リストの管弦楽作品はあまり好きではないのですが、この曲は作曲者がリストでなくても、なかなかいい曲だなと思います。
by タカノカズヒロ (2013-06-03 21:30) 

みどりのこびとちゃん

タカノカズヒロさん、コメントありがとうございます。
昨日のテレビ、私も見ました。
あと、ピアノ協奏曲とサンサーンスのオルガン付やっていましたね。
私の好きなプログラムです。
リストの前奏曲も久々に全曲聴きましたが、
なかなか、盛り上がる曲ではないですか、

確かに、リストの人生と重ね合わせるのも 面白いです。
by みどりのこびとちゃん (2013-06-03 23:37) 

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