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ピアノソナタ 第7番 ニ長調(ベートーベン) [ベートーベン]

さて、入院中は、暇だったので、いろいろな曲を持っていって、聴いていたのは、
以前の音楽日記で書いたけど、
入院前に、ベートーベンのピアノソナタ全32曲を全部聴いてみよう
と思って、その全集(ピアニストは、グルダ)の音源と、
ピアノの楽譜も用意して入院した。
(ははは、こういう風に書くと、まるで旅行ですな)

で、入院中、ベートーベンのピアノソナタを聴き始めたのですが、
第1番から聴くか、第32番から聴くか迷って、
やっぱり? ピアノ曲の中でも傑作の一つ
と私は、思っている第32番から聴き始めた。

32-31-30 やっぱり、いいなあ、後期の3曲・・・
29 難解だと思っていたけど、ペットの上でゆっくり聴くには、いいぞ
28-27-26 告別もいいです。
25-24 おおっ、懐かしいなあ。姉のピアノの練習
23-22-21 これは、もう名曲ですね
20-19-18-17 テンペストまできたぞ
16-15-14 月光だあ

他のいろいろな曲も結構聴きながら、ここまで聴いて、
退院が近づいた。

あーあ、入院中に32曲は、結局無理かと思って、
残りの中から 8番「悲愴」と第7番を聴いた。

今日は、ベートーベンのピアノソナタ第7番です。
(すいません、しょうもない前置きでしたね)

さて、ベートーベン作曲の第7番のピアノソナタです。
第8番は、【悲愴】という題名と、第2楽章の旋律、そして弾きやすさもあって、
ピアノ曲ファンなら、好き嫌いにかかわらず、知っているけど、
その前の第7番のピアノソナタは、どうだろう?

この曲、私は、昔々、ピアニストのリヒテルが弾いた音源を持っていて、
よく聴いた記憶がある。
当時の記憶を思い出しながら、聴いていたのですが・・・

第1楽章
 第1主題は、上に上がるだけの単純さだけど
 いかにも、ベートーベンの意思を感じさせる
 この主題が現れるたびに、ちょっと はっとするのです。

第2楽章
 はい、この曲は、この楽章ですね。
 本には、後期の曲の深遠さに匹敵する なんて書いてあるけど、
 まあ、そこまで、いかないけど、
 直接的な悲しみと緊張感が、あふれている。
 すごーく、ゆっくり弾いてもらいたいなあ(ちょっと違うかもしれないけど)
 途中のピアノの細かい動きなんて、もう涙ものです

第3楽章
 メヌエットです。もうちょっと明るくて、リズムがあってもいいかな
 でも、これはこれでいいです。

第4楽章
 終楽章のロンドというと、常に動いている、舞曲風の曲という
 イメージがあるかも知れないけど、
 この終楽章は、ちょっとイメージがちがいます。
 この楽章の解釈は、ちょっと難しいなあ。
 主題は、とぎれとぎれで、後半のフェルマータも意味深だし・・・
 流れるような展開と思ったら、なんか、つまづくし(笑)
 で、終わり方も、なんとなくだし・・・

この第7番のピアノソナタ、私が勝手に思うに、
第1楽章・第2楽章・第3楽章までは、誰が弾いても、いいのだけど、
第4楽章の弾き方や解釈で、名曲になるか駄作になるか決まるかな。
グルダとリヒテルは、全然弾くイメージが違うけど、
どちらも、よかったです。

さて、家に帰って、ベートーベンのピアノソナタの第1番~第13番まで、
聴こうと思ったけど、なかなか聞けない。
うーん、せっかくの機会だったから、
やっぱり、32番からではなく、1番から聴くんだったなあ。

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みどりの巨人ハルクくん

私、このソナタ大好きです。ベートーヴェンのピアノソナタのベスト5を選べ
と言われたら、必ずこの曲を入れます。
このソナタはOp.10というくくりで5番6番とセットにされているにも拘らず、
それまでの初期ピアノソナタとは出来が全然違います。それどころか、
ジャンルを問わず、作曲家ベートーヴェンが初めて生み出すことができた
真の傑作ではないかと思います。次に来る《悲愴》が、傑作ではあってもまだ
いろいろとケチのつけようがあって「初期の傑作」と限定されるのに対して、
7番はベートーヴェン初期に成立し得た唯一の普遍的、掛け値なしの傑作では
ないかと。「このソナタと言えば第2楽章」と言われますが、私には特別そのような
認識はありません。それほど他の三章も負けず劣らず素晴らしいからです。
このソナタはある程度一定の評価を受けてはいますが、私が感じているようには
世間(専門家含む)は感じていないようなのが、残念で不可解です。
ならば、この曲のどこがどんな風に素晴らしいのか訴えてゆくのが私の仕事
なのかもしれませんが、正直この曲に対しては言葉を失います。実際に聴いて
わかってもらえなければそれまで――と、自分の立場を忘れてそう思います。
ハイドンやモーツァルトの古典派音楽に疎くて、初期のベートーヴェン作品にも
冷淡な私が言うのだから本当です。けれどそれ以上に、この曲は私にとって
「愛してしまった曲」なのです(だから今回のこびとさんの記事にも不満です。
もっとちゃんとほめてよ!)。

こびとさんはリヒテルの演奏に親しんでおられたようですが、私はホロヴィッツの
録音がファーストコンタクトで、以来ずっとその演奏がベストです
(セカンドコンタクトがリヒテルでしたが、もう受け付けられませんでした)。
わがままで悪趣味でいろいろ問題ありのこの人も、ベートーヴェンのソナタで
こんな正統的な心ある演奏ができるのかと敬服させられます。

入院生活が楽しそうでようござんした(変なの)。

by みどりの巨人ハルクくん (2011-02-03 07:17) 

みどりのこびとちゃん

ハルクさん、コメントありがとうございます。
私も、この曲好きですよ。
でも、確かに上の記事では、ちゃんと ほめていませんね(笑)

えっーと、私は、基本的にホロヴィッツ大好き人間ですが、
ベートーベンのピアノソナタの演奏だけは、ダメです。
ハルクさんと違って、この曲は、リヒテルの方が好きです。

やはり、ファーストコンタクトの演奏には、影響されるのですよね。
ということで、
熱情・月光・ワルトシュタインは、
私は、バックハウスの演奏が好きです。
(嫌いな人も多いみたいだけど・・・)

by みどりのこびとちゃん (2011-02-04 00:01) 

みどりの巨人ハルクくん

私は、バックハウスのベートーヴェン、好きではありませんね。
そのピアノソナタ全集が「不滅の名演」とされているのを、幻想だと思っています。
ずっと前に、後期の3曲が入ったこの人のCDを千円で買いましたが、
それでも買って損したと思い、中古で売り払いました。
過去記事でなるたるさんが32番のバックハウスの演奏が許せないと言われていたと
思いますが、私も許せません。
特に第2楽章。テンポを揺らしている主題提示、とばし弾きの第4変奏――
まるでグールドです。グールド盤は異端の演奏で、バックハウス盤は本場ドイツの
正統中の正統の演奏とされていることが、この曲に関しては全く滑稽に思えます。

挙げられた3大ソナタでは、私の場合だと《熱情》はペライア、
《ワルトシュタイン》はルプー、《月光》はちょっと挙げかねますが、
第1楽章で従来のものとは全く違うすごい演奏を聴かせているのは
ヴェデルニコフです。ちなみに第30番と31番はマイラ・ヘス、
32番はグルダの一番新しい録音がいいです。しかし、これらはいずれもいまだ
決定的ではありません。ベートーヴェンのピアノソナタに関しては、私はまだ
捜し求めている状態です(《ワルトシュタイン》と30番では、神谷郁代が
CDで素晴らしい演奏をしていたと記憶しています。もしかしたらそれが同曲の
最高の演奏かも)。

そうだ、《テンペスト》ではバックハウスの演奏がいいと思います(これで勘弁してください)。

by みどりの巨人ハルクくん (2011-02-04 11:43) 

なるたる

あちゃ~。
ハルクさんもバックハウスには随分と厳しい評価を
されているようで…w。
私は個人的には最後の3曲はルドルフ・ゼルキンの
晩年のライブが一番肌に合います。
或いは、ポミエ(罰当たりにもフランス人)の全曲盤もなかなかです。
ポリーニは私ダメです。
まあこれは好き好きということでご容赦をば。
by なるたる (2011-02-04 22:19) 

みどりの巨人ハルクくん

ポミエの全曲盤というと、以前タワレコでずいぶん安く売ってたやつですね。
買おうかどうか迷いましたが、結局買いませんでした。
前のコメントからも察せられるように、私は一人の演奏者による全集録音で
満足できるたちではなさそうです。
ただ、やはり相当安くて購入したジョン・リルの全集は相対的に質が高く、
いいピアニストだなと感じさせます。
ポリーニの後期ソナタは、聴き始めかなりいいようでも結局はいかんともし難い
不満ありといったところかな・・・。後の《ワルトシュタイン》や《テンペスト》の録音となると、このピアニストの致命的な欠陥がわかってしまって
私もダメです。

by みどりの巨人ハルクくん (2011-02-05 00:25) 

みどりのこびとちゃん

ハルクさん、なるたるさん、コメントありがとうございます。
ベートーベンのピアノソナタは、
譜面状は、弾く人によって、差がでないような気もしますが、
実際には、かなり、印象が違いますよね。

お二人と違い、私、ほとんどのベートーベンのピアノソナタの
最初に聴いた演奏が、バックハウスなので、
そして、当時は、そのレコードしかなく、繰り返し聴いたおかげで
ずっと、頭に残っています。
確かに、今聴き返すと、テンポは揺れるし、
これが、正統派ドイツのスタンダードスタイルかというと、
?マークでしょうが、
私は、好きですね。

ただ、一番好きなのは、グルダの演奏です。
後期は、ポリーニも好きです。
それと、あまり、話題にのぼらないですが、
ギレリスのベートーベン、音が重くて?私は、好きです。

ちなみに、日本人ピアニストのベートーベンのピアノソナタ
結構、好きな演奏が多いです。

ポミエさん、残念ながら、聴いていません。



by みどりのこびとちゃん (2011-02-05 00:55) 

みどりの巨人ハルクくん

過去記事を読むと、こびとさんが愛聴されていたのはバックハウスの
モノラル録音の全集のようです。私がいくらか知っているのはステレオ時代の方で、
旧全集録音は不勉強ながら全く知りません。同じ演奏者でも時代によって演奏が
大きく異なる場合もよくあるので、旧盤は新盤より実際いいのかも知れません。
バックハウスで私が感銘を受けたのは、最後の演奏会の録音です。最終楽章が
弾かれないままに終わった18番のソナタ。しかしその第2楽章などは、
とても80才を越えた人の、ましてこのあとステージを途中棄権するほど
体調の悪い人のものとは思えない切れのいい演奏で、ピアニストとしての
自己管理能力が非常に優れていたのだなと感服させられます。

グルダの全集は、演奏のクオリティーの高さは明らかですが、弾き急ぎの気があります。
これは《ワルトシュタイン》についてグルダ自身後年反省してもいますが、
31番などでもその傾向はあって、後年の再録音(『グルダ・ワークス』という
組ものに収録されている)ではその点が解消された素晴らしい演奏をしています。
けれど、晩年の日本公演での演奏では弾き急ぎが明らかに目立っていました
(ポリーニ、アシュケナージ、アルゲリッチ等、弾き急ぎの傾向があるピアニストには
私は厳しいです)。
私がグルダで好きなのは、実は彼の作曲したジャズ作品の方なのです(変態?)。

追記 前のコメント中の「相対的」は「総体的」の変換ミスです。文意がかなり違ってしまいます。

by みどりの巨人ハルクくん (2011-02-05 15:44) 

みどりのこびとちゃん

ハルクさんコメントありがとうございます。
確かに、私が愛聴しているのは、モノラルの方で、
新しい方の全集は、すべては聴いていません。
(しかし、過去記事まで、よく読みましたね)

グルダは、私の好きなピアニストの一人です。
実は、グルダのジャズは、私も好きで、
ほとんどの音源は、持っています。
ただ、批評家には、古いスタイルとか、ジャズは余技など、
あまりいい批評は、聞かないですし、
ジャズの世界では、まったく無名ですね
私は、グルダの弾くジャズが好きだったのですが、
これが好きという人は、初めてです






by みどりのこびとちゃん (2011-02-06 21:57) 

みどりの巨人ハルクくん

あらま、ずいぶん意外な所にくいついてきましたねw。

うれしいとともに、グルダのジャズが好きだという人を見るのは初めて
というのもまた・・・。

グルダのジャズについて、ここで話すのもなんですから、もう少しふさわしい場所を
選んで、改めてコメントします。

ちなみに、もし万が一、アートユニオン社刊『カンパネラ』という今は無き音楽誌の
創刊号から第4号を目にする機会などありましたら、そこに載っている
グルダに関する連載記事が、私のデビュー記事ですので
(まずお目にかかれないとは思いますが・・・)。

by みどりの巨人ハルクくん (2011-02-07 12:37) 

みどりのこびとちゃん

それでは、そのうち、グルダのアリアか、シャッフル
あたりの記事を書きますので、その時に・・・

うーん、ずいぶんマニアックな雑誌だなあ
by みどりのこびとちゃん (2011-02-07 23:52) 

みどりの巨人ハルクくん

いやいや、私の希望は《プレリュードとフーガ》か《素敵な音楽》とかで・・・

(某雑誌は決してマニアックな内容ではありません。だもんで、
私は浮いてしまって袂を分かつはめになりましたww)
by みどりの巨人ハルクくん (2011-02-08 00:21) 

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