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ゲーテの「ファウスト」からの情景 (R.シューマン) [シューマン(ロベルト)]

さて、今年は、ショパンとシューマンの生誕200年の年ですね。
ということで、この音楽日記、
今年は、シューマンの作品が、以前より、多かったのですが、
今日は、シューマンの作品の中でも、大作です。
【ゲーテの「ファウスト」からの情景】です。

曲は、管弦楽、合唱、独唱からなり、
序曲・第1部・第2部・第3部 合わせて、約2時間です。

さて、ゲーテのファウストの音楽といえば、以前、
リストの【ファウスト交響曲】を書いた⇒過去記事はこちら

で、その時と同じ質問をここでしてみよう。
「ファウスト」を読んだことのある人、手をあげて・・・

ははは、きっと、少ないですよね、
実は、私、リストのファウスト交響曲の記事を書いた後、
読もうとして、また挫折して、
マンガで読む名作のファウストを買って、読んだ?のだけど
これは、これで、ぱっとしないし・・・
うーん、西洋音楽を聴くうえで、必読の本なのだけどなあ

まあ、あらすじ や なにを書こうとしているかの評論は、
ネットで調べれば、いろいろあるのだけど、
どうしても、
悪魔メフィストのずるがしこい性格や、グレートヘンの純情さや、
ファウストの探究心 や 「時よとまれ・・・」など
断片的なイメージがある。
だめだなあ・・・

まあ、でも、ファウストを読んでいなくても
(本当は、読んだほうがいいと思うのだけど)
このシューマンの【ゲーテの「ファウスト」からの情景】を聞いて、
音楽そのものを感じることはできると思う。

序曲
時間のない人は、この序曲だけでも聞いてもらいたい。
この序曲、渋すぎて、評価しない人もいるみたいだけど、
冒頭の上昇音階から、シューマンの熱い思いが伝わってくる。
響きは、シューマンにしては、分厚くて、中低音部が充実している。
それは、最後のファンファーレ音形の部分でも、
単純な明るさにならないことでもわかる。

第1部
分厚い響きの序曲の後は、明るく幸せな場面に急展開します。
ファウストとグレートヘンの幸せな雰囲気の音楽です。
その後、悲しみの場面は、マーラーの歌曲のような感じで、
第1部の最後の部分は、劇的な音楽ですが、外面的でな音楽ではありません。
実は、私、この部分、なにをいわんとしているかわからないのだけど、
心に響く音楽であることは、事実です。

第2部
この第2部の最初の曲は、私、この曲の中でも好きな部分です。
ファウストの心を表しているらしいのですが、
田園的で、とても美しい音楽で、心が洗われます。
その後、真夜中の音楽で、雰囲気が変わり、
ファウストの死 につながります。
ここで、あの「時よとまれ、君は美しい」の言葉がでてきます。
ここでの音楽は、あくまで内面的な響きです。

第3部
ファウストの救済を描いた、浄化した音楽。
この部分の合唱の響きは、全体的にとてつもなく、感動的です。
特に最後の方の音楽で、合唱が重なり合う部分の神秘的な響きは、格別です。
最後、これだけの大曲だと、大抵、
派手に終わるか、新しい旋律を出して、もったいぶって静かに終わるかなんだけど、
この曲は、淡々とした音楽が浄化されて、ふぅーと終わる。これもなかなかいい。

シューマンの声楽曲というと、以前【楽園とべり】を書いた。
この【楽園とべり】という曲は聞きやすいし、あらすじもわかりやすい。
この曲は、傑作だと思う。
それにくらべて、【ゲーテの「ファウスト」からの情景】は、
ちょっと聞きにくいし、筋も難しい。
でも、音楽の内面の力?は、こっちが上かもしれない。

全曲を通して聞こうとすると、時間はかかります。
でも、作曲家シューマンが、人に聞かせるとか、自分で演奏するとか、考えないで、
本当に作曲したかったのは、こういう音楽かもしれないなあ・・・
なんて、勝手に想像しているのです。
そんな音楽は、やはり、作曲家の実力が出て、聞けば味のでてくる作品だと思います。

さてさて、またいつか「ファウスト」の読破に挑戦してみようかなあ(笑)

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なるたる

ご無沙汰しています。
最近投稿する気力が失せて、興味ある話題が続くのに感想を書けない日々が続いています。

でも畢生の大作のこの曲ならば話は別なのですが、やっぱり気力が湧かない…orz。
気力が戻ったら、「楽園とペリ」並みの熱い感想を入れたいですw。
勿論、お預けになっている他の曲も含めてね。

ところで「ばらの巡礼」は聴かれましたか?
by なるたる (2010-07-22 00:10) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、ご無沙汰です。
気力がないとのこと、夏パテでしょうか・・・・

そんなときは、若いころよく聴いていたけど、
最近全然聴かないなあというクラシック音楽を
たまに聴くと 新鮮だったり、いいですよ。

「ファウストからの情景」何回が聴くと、とても気に入りました。
シューマンは、なんとなくですが、こういう曲を書きたかったのでは
と思っています。

バラの巡礼 まだです。いつの日か・・・

by みどりのこびとちゃん (2010-07-23 00:38) 

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