ピアノ協奏曲 第２番 変ロ長調（ブラームス）

さて、前回、ちょっと異質なブゾーニのピアノ協奏曲を書いたので、
今日は、バリバリの正当派のピアノ協奏曲を書いてみよう。

今日の音楽日記は、ブラームス作曲のピアノ協奏曲第２番です。

この曲、４楽章で、演奏時間が長いとか、ピアノの華やかさがないとか、
一見、地味かもしれないけど、
すごく、構成は、しっかりしているし、
よく聞き込むと、やっぱり、ブラームスの旋律は、いいなあ・・・と思う曲です。

さて、始まりは、ホルンの素朴だけど雄大で優雅な主題で始まる。
曲とは、あんまり関係ないけど、この曲やシューベルトのグレートのように、
ホルンで始まるというのは、ホルン奏者にとって、どうなんだろう？
結構、鬼門だったりして・・・
で、この主題が展開されるのだけど
第２主題なんて、やっぱりブラームスは、旋律作家だなあと認識するし、
ピアノは、よく言われるように、管弦楽と対等なんだけど、
これは、技術的にはすごく難しいなあ。
私なら、絶対、体力もたないです。

第２楽章は、荒々しいスケルツォ。
ピアノ協奏曲で、こんなに分厚い響きのスケルツォは、珍しいと思う。
途中で、一瞬透明な響きになる部分（１８９小節目）の響きは、すばらしい。
その後のオクターブのピアノの動きもおもしろいし・・・

第３楽章は、前の楽章と正反対の音楽。
どこまでも、美しく、そして、透明だけど重厚。
この静かな楽章、歳とって聴くと、いい感じです。

そして、フィナーレなんだけど、
昔は、このフィナーレが嫌いだったのです。
なんとなく、軽い感じがして、
なんで、もっと重厚なフィナーレを書かなかったのかなあ・・・
なんて思っていた若い時期がありました。
でも、このちょっと舞曲風のはるねような明るいフィナーレもいいです。
この楽章の第２主題のあの微妙に甘いイタリア風の旋律には、ぞくぞくします。
（この主題、もし、２倍に延ばして作曲していたら、甘すぎて、だめだったかも・・・）
この楽章、楽しいです。

このブラームスのピアノ協奏曲　第２番は、
ホロヴィッツみたいなバリバリの弾き方も否定は、しないけど、
落ち着いて、堂々とそして、優雅に弾いた演奏が好きですね。

この曲の解説　
池辺晋一郎さんが書いている「ブラームスの音符たち」の中の解説がおもしろいです。

さて、次回もピアノ協奏曲かも

コメント 3

宣言されるだけあって、演奏会終了後は矢継ぎ早のUPですね。
今までの遅れを一挙に取り戻そうとする熱意が伝わって参りますw。

ところでブラームスのピアノ協奏曲、1番を取るか2番にするか…悩ましいところではあります。
個人的にはこれが優劣つけ難いんですよね。
悩んだ末私の結論は…ｊまぁ、どっちも良いんじゃない、でしたｗ。

あまり詳しく触れることは今更なのでしたくないけど、2番の特に第1楽章はね、ドイツの深い森、晴れ行く朝霧の一瞬の風景ですかね。
私はこの第１楽章が一番好きです。
いかにもブラームスらしい旋律だと思います。

第2楽章は、あんまりピント来ません。
大体私どんな曲でもスケルツォ楽章好きじゃないしｗ。
なんだか場違いなんですね。

第3楽章は恋人のそっと寄り添うロマンスなんだなぁ。
勿論言葉なんか要りません。
じっくり二人だけの世界に浸ってください。

第4楽章は軽い、軽すぎる。
舞曲みたいで、押さえの楽章としては迫力が足らないなぁ。
でもね、ずっと以前に紹介したショパンの評伝には、ここの楽章のある旋律は、ショパンが開発したテクニックを使っているって、つまりはショパンの影響が顕著だって書いてましたよ。
一聴しても、全然ショパン風ではないのに不思議ですね。
by なるたる (2009-10-27 21:04) 

追記。
ところで話替わりますが、以前ご紹介したカルウォヴィチのヴァイオリン協奏曲の第2楽章とモシュコフスキのヴァイオリン協奏曲第2楽章とバラード、生きのいいうちに是非お聴きになってみてください。
素晴らしい音楽ですよ、特にカルウォヴィチがね(hyperion CDA67389)。
by なるたる (2009-10-27 21:31) 

なるたるさんコメントありがとうございます。
そうなんですよ。演奏会が終了して、
この数ヶ月が、充電期間中で、いろいろ曲を聴く時間がある時です

で、ブラームスのピアノ協奏曲第２番の第４楽章、
ショパンの影響？？？
譜面を見直しました。えっ、どこなんだろうなあ
もうちっょと、見てみます。

カルウォヴィチとモシュコフスキーの音楽日記、ちょっと待ってくださいね
そのうち、ヴァイオリン協奏曲特集でもやりますから
ナクソスで、ちょこっと聴きました。今度ゆっくり聴きます
by みどりのこびとちゃん (2009-10-27 23:07)