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ピアノソナタ 第1番(R.シューマン) [シューマン(ロベルト)]

さて、今まで、この音楽日記では、
シューマンのピアノソナタは、全3曲あるうち、
第2番第3番を書いてきた。

ということは、第1番も書かねば・・・

なんていう理由ではないのですが、

今日の音楽日記は、シューマン作曲の
【ピアノソナタ第1番】です。

このシューマンのピアノソナタ第1番は、
若き日のシューマンが自信を持って作曲した曲で、
とても、ロマンの香りあふれる
ロマン派の中のピアノソナタとしては、
夢と情熱にあふれたすばらしいピアノソナタです。
(と言うより、あふれすぎの感もあるのですが・・・)

さて、ここで、たまには、音楽のお勉強をしてみましょう。
ピアノソナタとは、一般的には、
どういう曲のことをいうでしょうか?

「ピアノによるソナタ」なんて、答えはダメですよ(笑)

普通の答えは、
「ソナタ形式の楽章を含む多楽章からなるピアノの楽曲」
となるのだけど、
(まあ、実際には、ソナタ形式がないソナタとか、1楽章のソナタとか、
 なんでもありなんだけど・・・)
ソナタ形式がわからないと、これまた、なんのことかわからない。

ソナタ形式は、
 おおまかに言って、対称的な2つの旋律があり、
 まずその2つの旋律を提示して、
 そして、その旋律をいろいろ展開して、
 そして、また、2つの主題を再現させる形式ですね。
(これは原則で、再現しないとか、主題が3つあるとか、いろいろですが・・・)

まあ、結構、いいかげんに書いているので、
ちゃんとは、インターネットで、調べてくださいね。

で、シューマンのピアノソナタ第1番です。
よく、本や批評には、
「混乱している曲」とか
「それほど成功した曲ではない」
なんて書いてあるけど、
この曲、構成的には、すごくまともです。

第1楽章は、ソナタ形式。序奏の後、対称的な2つの主題の提示・展開・再現だし、
第2楽章は、お約束のゆっくりした楽章
第3楽章は、これまた、トリオ(中間部)を持つ。お約束のスケルツォ
第4楽章は、ロンド形式の終曲で、コーダもちゃんと付いている。

でも、この曲、ちょっと変なところも多い。

第1楽章
  ちょっと長い序奏(結構、ソナタにしては、幻想的です。)
  第1主題は、なんとファンダンゴ(スペインの舞曲のリズムですね)

第2楽章
  美しいアリアなんだけど、低音の主題は、第1楽章の序奏の変形
  それに、なぜか、この楽章はそんなに凝っていない気が・・・

第3楽章
  中間部は、誰が聴いても、ポロネーズかな(アクセントの位置が違うけど・・・)
  そして、不思議だけど、自由な特徴的なカデンツァがある。
  (オーボエ風に、なんて書いてあねところもあるのです。)

第4楽章
 この楽章、ロンドなんだけど、微妙に主題に変化があって、
 どちらかというと、幻想曲ですね
 個人的には、この終楽章、美しい和声進行の部分と、
 ショパン風の主題とか、結構、好きな部分が多いですね

という感じで、ピアノソナタという枠の中で、
シューマンは、おもいっきり、
自分の詩と幻想を音楽に表している。
このアンバランスが、この曲の魅力かもしれない。

そして、ここをどうみるかで、評価が分かれるのかもしれない。

まあ、そんなに、構成的なことを考えなくても、
イメージで聴くのがいいかもしれない。
次から次ぎへと音楽の風景が変わる。
混乱しているというより、
わきでる幻想の世界に、時をたつのを忘れさせられる、すばらしい曲だと思う。

さて、なぜか、いままで書いてきた
第2番と第3番のシューマンのピアノソナタの音楽日記の最後には、
曲のことではなく、
私と曲との出会いと現在のイメージとして、こう書いてある。
(興味のある人は、過去記事読んでくださいね)

ピアノソナタ第2番(シューマン)
  青春時代に出会ったが、お互いよく知らないで別れてしまった女性 みたいな曲
ピアノソナタ第3番(シューマン)
 「もっと違った場所と時間に会っていたら、私達、違う結果になっていたかもね」
と言う女性 みたいな曲

うーん、いったい、なんで、こんなイメージを書いてしまったのだろう???

ということで、第1番のピアノソナタも、出会った時と現在のイメージを書いてみよう。

  若い時に、魅力的だけど、きまぐれで、自由な女性に会って、
  とても惹きつけられたけど、なにが魅力的なのかわからないかった。
  そして、歳をとって出会った時も、魅力的なんだけど、理由は全然わからなかった女性 
  みたいな曲 かな(笑)

ははは、いったい何を書いているのやら・・・

さて、ピアノ曲で書いていない曲には、「幻想小曲集」「フモレスケ」をはじめ、
まだまだあるけど、
次回は、シューマンの声楽曲です。

どこまで続くシューマン特集???

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コメント 3

なるたる

やっと来ましたソナタの1番。
とっても嬉しいです。
私のこの曲に対する愛情は半端ではありません。
古巣の掲示板にその思いは切々として書き込まれていますので、よろしければどうぞw。

この曲はね、シューマンの最良のファンタジーが詰まった曲。
そりゃ、混乱していて凝りすぎの曲かもしれないけど、その幻想美は特級品…他の誰にも真似は出来ません。
旋律からイメージ゛色々と湧いてきて、本当に内容が豊かなんですね。
私は常々、ショパンはシューマンの幻想の爪の垢でも煎じて飲めば良い、と言う風に思ってます。

第1楽章の序奏からして既に、大いなる幻想譚の前口上とも言うべき語り口で、「これからどんな事が起きるんだろう」と言う期待感に満ちているし(この序奏だけでも立派な音楽だと私は思います)、主部のファンダンゴのクセのあるリズムも変わってて面白いし、その展開も変化があって飽きさせません。
このファンダンゴの元曲はクララの作曲らしいですがね。

第2楽章のしみじみとしたアリアも良いなぁ。
中間部の低音の隈取りの効いた旋律も、濃い情緒があってまことに美しい。

第3楽章はね、気まぐれと諧謔と気難しさが同居したような不思議な音楽ですね。
変則ポロネーズとカデンツァはシューマン一流の捻くれですかね。
ともかくとっても変な音楽ですよ。

でもね、私が一番好きで、かつ評価が高いのは第4楽章。
ここの幻想はシューマンの曲の中でもなかなかのものですよ。
と言っても第1主題の分厚い和音の連続の旋律(A)ではなく、その後の主題(B)の特に二度目の展開。
ここはね、非常に素晴らしい。
長々と付点が目立つ旋律が続くんだけど、ここのファンタジーの上質さこそは、シューマンという作曲家の本質ではないかと思います。
実に実に美しく惚れ惚れするような旋律です。
結尾(piu allegroの部分)からコーダにかけては偏執的で凝りすぎかなぁ…ちょっとしつこいかも。
屋上屋を架すような、説明過多の感がありますね。
by なるたる (2009-07-06 01:59) 

なるたる

追記。
げっ、ピアノ曲もうお終いですか…orz。
「暁の歌」や「ノヴェレッテン」や「夜曲」を期待していた私の立場は…なんてね、冗談ですw。

次はいよいよ声楽曲かぁ。
独唱曲もさることながら、「ゲ●フェー●●」や「ファ●●●からの●●」や「ミ●曲」や「ミ●●●のためのレ●●●ム」などの運命や如何にw。

by なるたる (2009-07-06 02:13) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、コメントありがとうございます。
この曲への思い入れは、相当なものですね。
コメントを読むとよくわかります。

私、この曲は、ロマン派のピアノソナタでは、
結構、上位にはいるかもしれません。
と最近思うようになりましたね。

「暁の歌」は書こうと思っていたのですが、
これは、またの機会に・・・

うーん、声楽曲 なにがでてくるかお楽しみ



by みどりのこびとちゃん (2009-07-07 21:23) 

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