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オペラ【吸血鬼】(マルシュナー) [マルシュナー]

さて、皆さんは人から、クラシック音楽に限らず、
この音楽は、これこれ、しかじか、かくかくで、すばらしいよ。
聴いて損はないよ・・・
等と熱心に言われて、聴いたことのない音楽だったらどうしますか?

1.興味のないジャンルでも聴く
2.興味のあるジャンルなら聴く
3.時間を作ってでも聴く
4.時間があれば聴く
5.自分が追求する音楽以外、聴かない。

うーん、本当は、音楽を追求すると、5になるのかもしれないけど(ちがうか・・・笑)
私は、1と3ですね。
他人が、熱心にすばらしいという曲は、なぜか、聴きたくなる。
もちろん、自分も同じ意見でない場合も結構あるけれど、
知らない曲や知らないジャンルは、自分一人では、なかなか歩けないものだ。

で、なぜか、今日もオペラです。
で、この曲、もちろん、ある人のお勧めで、聴いてみたのだけど、
なかなかの曲だったので、こうして、この音楽日記に書いているというわけです。

ちなみに、私、ナクソスミュージックライブラリーに入っているので、
無名の曲は、大抵、そこで、聴いているのだけど、
この曲、結構気に入ったので、CDも安いやつを買ってしまいましたよ。

今日の音楽日記は、マルシュナー作曲のオペラ【吸血鬼】です。

で、この作曲家も作品も、私は、知らなかったので、
ちょっとだけ解説です。

まずは、マルシュナーですが、
ドイツの作曲家で、ウェーバーに続く世代です。
数多くの歌劇を書き、室内楽曲も多い。

で、【吸血鬼】ですが、2幕物のオペラで、
作曲年は、1828年です。
参考に、ドイツのオペラは、
  ウェーバー作曲のオペラ【魔弾の射手】が、1820年
  ワーグナー作曲のオペラ【さまよえるオランダ人】が 1841年
そう、ちょうど、ウェーバーとワーグナーの間ですね

このオペラ【吸血鬼】は、
まあ、吸血鬼と、美しい女性、月の光での蘇り、最後は、吸血鬼の最後・・・
それは、それは、もりだくさんの話です。
まあ、もっと詳しく知りたい方は、ネットで調べてくださいね

で、曲を聴いてみたのですが、
これが、なかなか、イメージのわく音楽でして、
R.シュトラウスあたりが、同じ題材で、オペラを書いたら、
きっと、昼メロ顔負けのドロドロの音楽になると思うのだけど、
このマイシュナーの作品は、
ドイツロマン派のファンタジーの世界ですね。
例えが悪いかもしれないけど、
まるで、ミュージカルの舞台が、目の前で見える感じだ。
でも、ミュージカルではなく、ちゃんとドイツロマン派クラシックなんですよ。
複雑さを求める人には、不向きかもしれないけど、
わくわく、ドキドキで、イメージ満点です。

ちょっとだけ曲を紹介しよう。
序曲は、ウェーバー風だけど、
ロマン派特有の劇的な音楽となっている。
いったい、今から、なにが起こるのか・・・

そして、オペラです。
もちろん、ティンパニー等を効果的に使用して、
【吸血鬼】の舞台が、スリリングに、劇的に表現されるのだけど、
それだけではないのです。
二幕の最初の部分なんか、
もう、田舎の楽しい村の風景、そのまんまで、とても楽しいし、
二幕の最後の方の清らかな合唱は、心を癒してくれるし、
ストレートな音楽が、とても気持ちいい。
(最後の方の効果音は、なんだかなあ(笑))

本当は、ドイツ語がわかれば、もっと楽しいのかもしれないけど、
音楽だけでも、とてもワクワクして
楽しい一時を約束してくれる。

このオペラは、ちょっと長いけど、
マルシュナーのCDで、マルコポーロより「序曲集」がでている。
ナクソスミュージックで聴けるけど、これもなかなかいいですよ。

そんなマルシュナーのオペラですが、どうです、あなたも、聴いてみますか?
損は、ないと思いますよ

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ヒデキヨ

読み終えると、
マルシュナー「吸血鬼」と自然に脳にインプットされた
自分に気づきました。
素敵な文体と読ませる内容ですね。

by ヒデキヨ (2009-05-19 02:15) 

なるたる

私はみどりのこびとさんのようにジャンルが広くないので、多分2かなぁ。
何でも聴こう、と言うチャレンジ精神には頭が下がります。

話は替わって「吸血鬼」、大変素晴らしいと思います。

>まるで、ミュージカルの舞台が、目の前で見える感じだ。

これですよ、これ。この劇的雰囲気は特筆ものですね。
仰る通りこれは最早ミュージカルの世界なんですね。
分りやすい筋書き、美しい音楽、セリフと音楽の密接な緊迫感・臨場感、全体のワクワク・ドキドキの緊張感、スピーディな展開、善悪の明快さ、劇的雰囲気…こんなにもミュージカルに近いクラシック音楽があったんですね、非常な驚きです。
ハラハラしながら劇の進むのを固唾を呑んで見守ってしまうのは、マルシュナーの手練手管の術中にまんまと嵌ってしまったからに他なりません。

高踏的なテーマの退屈なオペラを上演するより、遥かに観客の心を捉える力があると、私なんかは思いますが、さて如何なもんでしょう。
崇高なテーマなんかないけど、心を捉えて離さないと言うのは、大した物だと思うんですね。
こんなオペラがもっと沢山あれば、と切に思います。

だから私の最近一番興味のあることは、このように隠れた素晴らしいオペラを探し出すことかなと考えています。
もしかすると私の第二のライフワークになるかもしれない可能性を秘めています。

追記。

>(最後の方の効果音は、なんだかなあ(笑))

これは吸血鬼のルートフェン卿が、雷鳴に打たれて消滅するシーンのことですかね。
これはこれで、良いのではないかと(私のお奨めの音源を聴いていただいたという前提です…)。

どうか宜しければ、同じ作曲家によるオペラ「ハンス・ハイリング」お聴きになってみて下さい。
地底世界を描いた、なかなかおどろおどろしいけど美しいオペラです。
キモかわいい少年合唱団がなかなかチャーミングですw。
これはDVDにもなっています。
「あそびの音楽館」の管理人さんの評判は今一つでしたけど…。
by なるたる (2009-05-19 21:02) 

みどりのこびとちゃん

ヒデキヨ さん、コメントありがとうございます。

>素敵な文体と読ませる内容・・・

ははは、そんな訳ないですよね
大体が、わけわからん文体と、いい加減な内容ですから・・・

しかし、そんなこと関係なく、
このオペラ「吸血鬼」はいいですよ。
by みどりのこびとちゃん (2009-05-19 23:48) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、マルシュナーの「吸血鬼」ご紹介ありがとうございました。
本当に、わくわくする音楽で、楽しかったです。
芸術では、人の心をとりこにする音楽というのも、大切だと思いますよ。

オペラは、長いので、なかなか、全曲聴けないけど、
マルシュナーの「序曲集」は、けっこう、いけます。ハイ

最後の効果音・・・そうか、雷に打たれて、消滅するところだったのか
by みどりのこびとちゃん (2009-05-19 23:58) 

なるたる

「吸血鬼」はいわゆる「ジングシュピール」(セリフ付きのオペラ)ですから、セリフは大変重要な役目を負っています。
セリフがなかったら、このオペラの面白さは多分半減するのではないでしょうか。
意味は分らないながらも、曲全体に緊迫感と奥行きを与えているのは、ドイツ語の美しいセリフなのです。

モーツァルトあたりの、どうでも良い付けたしのセリフなどとは違って、物語の展開上、必要欠くべからずのセリフの採用によって、この作品は生き生きとした臨場感を獲得していると思います。
これはウェーバーのオペラにもある程度言えることで、思えばワーグナーの楽劇がセリフの採用を取り止めたことは、私にはつくづく残念なことに思えてなりません。

ところで、いわゆる「ロマンチックオペラ」とは、超自然・怪異・伝承などをテーマとしたオペラの総称なのですが、「吸血鬼」に惚れこんで以来、この種のオペラに対する関心・志向が俄かに強くなりました。
結構、録音はあるみたいで、ワーグナーの「妖精」・ロルツィング「ウンディーネ」・シュポア「ファウスト」・「イェソンダ」・「美女と野獣」など次々に買い漁っています。

お奨めがありましたら、また紹介しますね。
by なるたる (2009-05-21 00:13) 

なるたる

全く関係ありませんが、ウェーバーの実母の名前は「ゲノフェーファ」と言います、これホントの話です。
by なるたる (2009-05-21 19:46) 

みどりのこびとちゃん

ちょっと調べてみましたが、
ウェーバーのお父さんは、50歳過ぎで、再婚して、
ゲノフェーファは、30歳年下の妻らしいですね。
いやいや、知らなかったなあ・・・・
by みどりのこびとちゃん (2009-05-24 16:15) 

なるたる

ついでながら、ウェーバーの父親の兄の子の一人がモーツァルトに嫁いだコンスタンツェです(つまりウェーバーとコンスタンツェはいとこ同士です)。
そしてこのコンスタンツェの墓には、モーツァルト家とは何の関係もないゲノフェーファまで一緒に葬られていますw。
by なるたる (2009-05-24 19:38) 

なるたる

この間、部屋に縦積みになっているCDの幾つもの山の一つが崩れて、うっかりCDを一枚踏んづけてしまいました。
ボキッ・グシャって音がして、ケースにひびが入りましたが、中のCDが無事だったかどうか、怖くて確認してませんw。
でね、曲の題名を恐る恐る見てみたら、エルガーのオラトリオ「ゲロンティアスの夢」でした。

この曲、結構傑作の評判が高いけど、私未だ一度も聴いたことありません。
そろそろ聴こうと思って、暫くおっ放っておいたんだけど、まともに鳴るかどうか分らない…。
でも良かったら感想入れますね。
by なるたる (2009-05-26 19:59) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、マニアックすぎですね(笑)
コンスタンツェの墓にゲノフェーファまで一緒に葬られている
なんて、情報は、どこで仕入れるのかなあ・・・

エルガーの オラトリオ「ゲロンティアスの夢」、私も聴いてないけど、
エルガーのイメージなら、いいかも

by みどりのこびとちゃん (2009-05-27 00:30) 

なるたる

最近、ウェーバーのオペラを聴き返しています。
「魔弾の射手」・「オペロン」・「オイリアンテ」・「アブ・ハッサン」などを聴くと、つくづくマルシュナーがウェーバーの直系の子孫だと感じられて興味深いです。
その劇的雰囲気や、合唱の充実・効果的なセリフの採用などは、瓜二つと言っても良いくらいです。
by なるたる (2009-07-24 20:49) 

なるたる

ナクソスの「「マルシュナーの序曲集」、CDを購入して聴きました。
私はNMLの会員登録をしていないので基本的に全部自腹ですw。

でも良かった。
どの曲も旋律が濃くて、思いの外楽しめました。
分りやすくて劇的でスリリング。
ますますマルシュナーが好きになりました。
by なるたる (2010-03-28 23:44) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、コメントありがとうございます。
NMLの会員登録しているのかと思いました。
でも、しない方がいいかもしれません。
私は、しているのですが、とても全部は聴けませんし、
時間がないです・・・・
マルシュナーは、結構聴きやすいですよね

by みどりのこびとちゃん (2010-03-29 22:59) 

なるたる

シューマンが交響的練習曲フィナーレの主題としたマルシュナーのオペラ「聖堂騎士とユダヤ女」全曲盤がついにリリースされるようです。
と言っても新規録音ではなく、1950年代の放送用音源の復刻盤ですが…(勿論モノラル)。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3815238

割と音質は良いみたいで、値段も安かったので、即注文しちゃいました。
良かったら感想入れましょう。
by なるたる (2010-06-03 20:55) 

みどりのこびとちゃん

おやおや、またまた、マイナーな曲を・・・(笑)
でも、交響的練習曲のフィナーレの主題の原曲が、
どんな感じなのかは、非常に興味がありますね
by みどりのこびとちゃん (2010-06-03 23:28) 

なるたる

「吸血鬼」の動画をyoutubeで漁っていたら、とんでもないのを見つけました。
http://www.youtube.com/watch?v=Zr-bAwmWSBM&feature=fvsr

何なんですかね、この東洋趣味w。
中国?、日本?、多分中国なんでしょうね。
激しい違和感と脱力感ですw。
さすがイタリア!

by なるたる (2011-03-07 22:46) 

なるたる

訂正。
いや、どうもドイツらしいや。
by なるたる (2011-03-07 22:49) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、オペラにはまってますね。
私は、「スーパーオペラレッスン」を見てますが(笑)

全部ではないけど、動画みました。
なんだ、あのキョンシーみたいなの?
そして、太ったおばさん? に 志村のバカ殿?
ははは、うーん、これが東洋の印象なら、ちょっと
考えさせられるなあ・・・
by みどりのこびとちゃん (2011-03-08 00:25) 

なるたる

3/4に、上野の東京文化会館にドニゼッティの「ランメルモールのルチア」のゲネプロ観に行って来た感想入れますね。

私は貧乏なので、正式に高いチケット買ってオペラの公演なんか観に行く金ありません。高いチケットなんか万円単位ですもん…orz。
で、幸いな事に地元の行きつけの呑み屋の呑み友達が舞台美術の仕事やっていて(大道具なんかやってます)、その時々担当している演し物のゲネプロ券が結構手に入るんですよ。
因みに舞台美術にも派閥があって、この呑み友達の所属する会社はイタリアものがメインです。

ゲネプロって、一般に公開するものと非公開のものがあって、今回は非公開でした。
会場は2割程度の入りで、早い話がガラガラ。
観客も関係者ばかり、殆どがオペラ関係者とマスコミだけなんですよ。

会場に入って真ん中辺りの空席に座ったら、関係者らしきオバさんに誰の紹介で来たかなんて訊かれて、挙句ここはスタッフが座る席だからもっと後ろへ移動しろなんて言われました、もちろん嫌も応もなく従いましたがね…。

オペラそのものは男性歌手陣が特に素晴らしく十分堪能しましたが、主人公のルチアがちょっとトウが立っていて(早い話若くない)背も小さいんで、あまり見栄えがせず惜しかったですw。
実はこのオペラ、本番は2日間の興業で主だった歌手が1日ごとに総入替なのですが、もう一人の若いルチア役の演技のほうが見たかったなぁ…。
ちょっと損した気分ですw。
舞台装置はかなり簡素で豪華さはありませんが、まあこれは佳しとしましょう。
面白かったのは非公開のゲネプロでは、幕が開いても直ぐにオペラが開始されずに、指揮者がまずピットのオーケストラに対して演奏指導をしたり(15分くらい続きました)、閉演後に歌手に対して歌唱指導したりする(10分くらい)のを観客が目の当りに出来ることです。
おまけに指揮者はオーケストラの指揮をしながら、歌手が歌うのに合わせて相の手で歌ったりします。これが妙に上手い。
いやぁオペラの指揮者って凄い、実に器用です、感心しました。

でもね、私はイタリアオペラって本当は苦手、今回のオペラはシリアスものなんですが、なんかね肌に合わない。
唯で観に行っている癖に罰当たりかも知れませんが、ヴェルディもプッチーニもロッシーニも、このドニゼッティですらドロドロ過ぎる、その癖妙に「軽薄」なんだなぁ。同じイタリアでも清澄さに溢れたベルリーニとはえらい違い。
だから私は重厚なドイツオペラか、洒落たフランスオペラの方が好きなのです。
あぁ、今度は自腹切ってもワーグナー観に行こうかなw。
by なるたる (2011-03-09 22:47) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、コメントありがとうございます。
私、ゲネプロを見るのは好きです。
オペラを振れる指揮者は、すごいと思います。
曲だけでなく、歌、演技、すべてですから・・・・

ワーグナーか・・・なんか私もゆっくり見たくなったなあ
by みどりのこびとちゃん (2011-03-14 23:39) 

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