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悲歌【哀悼歌】作品82(ブラームス) [ブラームス]

さて、今日は、ブラームスの合唱曲を紹介しよう。

なんだけど、ちょっと、ブラームスと関係ない話から、書こうし思う。

合唱というと、皆さんは、なにを思い出しますか?
どんなイメージがありますか?

私が思いつくままに書いて見ると、

・なぜか、指揮棒をもたない指揮。
 両手を広げて、呼吸を合わせようとする指揮。
 (うーん、合唱は、この方が、あわせやすいのかなあ・・・)

・現代風の合唱曲の中には、おもしろいものが多い。
 車の中で、FM-NHKをつけていると、
 時々、合唱の曲を聞くことが、よくあります。
 で、現代日本人の作品の中には、
 リズムや歌詞や和声など、変化にとんだ面白い曲が多いです。

・合唱に編曲された曲を聴くと、
 ちょっと、和声進行に凝り過ぎだろう・・・
 みたいな編曲に出会うことがある(特にポピュラーかな)
 確かに無伴奏4声だと、変化をつけるために必要かもしれないけど・・

・賛美歌などの敬虔なイメージがある
 そうです、器楽と違って、透明な響きがとてもきれい
 だなあ、と思っています。

・合唱の曲として、ぱっと思い出すのは、滝廉太郎の「花」かな
 なぜか、4部合唱のどのパートも結構覚えている。
 (古いなあ・・・歳がわかるなあ・・・)

す、すいません。
合唱をしたことはないし、
合唱の音楽を普段聴いていない人の勝手なイメージです。

もちろん、合唱曲は、聴いていくと、深い音楽だと思います。
(まあ、どの音楽もそうですが・・・)

話が、かなり、横にそれてしまった。
で、話をブラームスにもどそう。

今日の音楽日記の曲は、
ブラームスが4部合唱と管弦楽の為に作曲した
悲歌【哀悼歌】作品82です。

ブラームスの合唱曲は、今回、
ちょっとだけだけど、初めて、じっくり聴いた。

ブラームスって、合唱団の指導もしていたこともあって、
合唱曲が多いですね。
実は、あまり、よく知らなかったのです。

で、ブラームスの合唱曲を聴いた中では、
【3つの歌】作品42 や【5つの歌】作品104 等もよかったのだけど、
悲歌【哀悼歌】作品82は、すばらしく良かったです。

確かに、この曲は、ブラームスの友人の死によって、
作曲された曲だけど、
単に、悲しいだけの内容ではない。

曲は、6/4で、とてもブラームスらしい旋律で始まる。
オーボエのやさしい音色が、淡々と流れる
ピッチカートの伴奏もとても印象的だ。
そして、前奏が終わって、
対位法的に入ってくる合唱のなんと、美しいこと。
もうここから、ブラームスの合唱のすばらしさに引き込まれます

ほとんど、四分音符だけの旋律なんだけど、
その敬虔さ、美しさは、なんとも言えない。
途中から、4/4の部分は、とても力強く
この部分のバランス感覚もいいなあ。

そして最初の部分が戻ってきて、
静かに終わるのだけど、
聞き終わって、なんと、すばらしい音楽だろう と思うこと間違いない。
合唱を普段聴かない人も、是非聴いてみましょう。
お勧めの音楽です。

ブラームスの合唱曲、またいつか、別の曲も紹介したいところです。


さてさて、今回のブラームス特集は、結構いろいろなジャンルの曲を書いた。
ブラームスの音楽は、なぜか、一曲聞くと、次から次へと、聴きたくなる。
なんでだろうなあ。
ブラームスの音楽は、渋いだけと思っていた時期もあったけど、
そして、絶対音楽で、ドイツ音楽の権威みたいに思っていた時期もあったけど、
それだけではない。
イメージが次から次へと膨らむ、ロマン派の情熱を内に秘めた
すばらしい音楽だと思う。

次回からは、ちょっと、違った音楽を書いてみようかな・・・

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なるたる

実は私は小学生時代、学校の合唱団に属していたこともあって、合唱曲に対する嗜好はとりわけ強いものがあります。
私の属する合唱団は、自慢するわけではありませんが、東京都の小学生合唱コンクールでも強豪だったのに、万年2位で、私の在学中は唯の一度も大田区の某少年少女合唱団(当時の超有名な合唱団です)に勝つことが出来ませんでした…orz。
私も一応はボーイソプラノを張っていたんですよ、NHKにも何回か出たこともありました(勿論その他大勢のバックコーラス要員としてですが)。
…今じゃ唯のダミ声のオッサンですけどねw。
まぁ、こんな昔のことはどうでも良いのですが…。

ともかく独唱曲よりも合唱曲なのですね。
合唱曲の醍醐味は、何と言ってもそのハーモニーに尽きると思います。
そしてブラームスの合唱曲の中でも、いやあらゆる合唱曲の中でも、特筆すべきハーモニーの美しさを持った曲が、今回ご紹介いただいた「哀悼歌」(Nänie ネーニエ)なのです。
これほどハーモニーの美しい曲を私は他に知りません。
とりわけ管弦楽の序奏の後で、次々に輪唱で被さる各声部の絶妙で清澄な響きは比類するものがありません。
天国的と言う言葉以外では表現出来ません。

私はブラームスの曲の中で何か一曲をと言われたら、躊躇なくこの「哀悼歌」を挙げます…交響曲でもなく、協奏曲でもなく、管弦楽曲でもなく、室内楽でもなく、宗教曲でもなく、独奏曲でもなく、数多ある独唱曲でもありません。

この曲が作られたエピソードは省きますが、「悲歌(哀悼歌)」と題しながら、情緒は明るく、限りなく天国的で澄み切った美しさを湛えています。
私にとっては、「アルト・ラプソディ」の第3部と甲乙つけ難い、究極の癒しです。

ブラームスの他の管弦楽伴奏の合唱曲も、機会があったら是非お聴きになってみてください。
彼が合唱曲にいかに愛着を持ち、優れた合唱曲作曲家だったか分ります。

そして管弦楽伴奏ではありませんが、アカペラで歌われる「モテット」類(op29 OP74 OP110)も実に敬虔で感動に満ちた名作です。


by なるたる (2009-03-21 20:38) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、コメントありがとうございます。
合唱をしていたのですか!!!

この曲のハーモニーの美しさは、
本当にすばらしい。
紹介してもらって、ありがとうございます。

ついでにちょっとだけ、ブラームスの合唱曲を聴きましたが、
すばらしいものばかりでした。

by みどりのこびとちゃん (2009-03-22 22:18) 

なるたる

>そして、前奏が終わって、
対位法的に入ってくる合唱のなんと、美しいこと。

ここです、この部分があるが故に、私は「あそびの音楽館」の管理人氏へのこの曲のピアノ編曲版への依頼を涙を呑んで取り下げたのです。
このハーモニーの素晴らしさは絶対声楽でなければ表現できません。
実に類まれなるハーモニーなのです。

by なるたる (2009-03-24 01:00) 

なるたる

話は突然替わりますが、ブラームスから一転してピーチ夫人を聴いています。
前にも話したかも知れませんが、この人、女性らしからぬ雄大な曲想でなかなか聴かせる作曲家ですね、改めて思いました。
ピアノ協奏曲は線の細さは皆無、男勝りの曲で惚れ惚れします。
なまじヤワな男では太刀打ちできない構成とテクニックで、一気に聴かせてくれます。
かなりの傑作だと思いました。
結構胸キュンの曲なのですねw。

交響曲「ゲーリック」がまた素晴らしい。
もうね、惚れたぜ!
これは隠れた傑作だと個人的には思います。
特に第4楽章が秀逸です、比較的短いけど無論お奨めです(NAXOS 8.559139)。
この雄渾で骨太な癖に、どこか懐かしい曲想は、癖になります。
アーサー・フットと並んで、「アメリカのブラームス」の称号を冠しちゃるw。

こうなったら、もっと曲集めちゃお。

まあしかし、全然脈略のない曲のご紹介を続け、私もいささか混乱しております。
ごった煮もいいとこですw。

by なるたる (2009-03-24 20:39) 

みどりのこびとちゃん

突然、ビーチ夫人が出てくるとは、思いませんでしたよ
ピアノ協奏曲は、知っていますが、
他の曲は、勉強不足で、皆無です。

ゲーリックっかあ・・・聴かねば・・・
シューマン特集が、遠くなってしまう・・(笑)

by みどりのこびとちゃん (2009-03-24 23:22) 

なるたる

「ゲーリック」是非聴いて、出来れば記事にしてねw。










by なるたる (2012-02-16 21:12) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、コメントありがとうございます。
ついこないだ、都内の男女平等参画センターの音楽室で、
ちょっと練習したのだけど、
そこの図書館で、女性作曲家の本があったのです
ビーチ夫人について、すごく詳しく書かれていて、
おもわず、ずっと読んでしまいました。

機会があれば、記事にします
by みどりのこびとちゃん (2012-02-18 10:14) 

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