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アルト・ラプソディ(ブラームス) [ブラームス]

さて、ブラームス特集も今日の曲を入れて、あと2曲で一旦終了しよう。

今日の曲は、ブラームスの曲の中では、どういう位置かのかなあ。
知っている人の方が多いのかなあ・・・
好きな人と、嫌いな日とは、どっちが多いのかなあ・・・

今日の音楽日記は、アルト独唱に男声合唱と管弦楽が加わる珍しい編成の曲
ブラームス作曲の【アルト・ラプソディ】です。

この曲、確か、私が最初に聴いたのは、レコードだったと思う。
ちょっと誰の演奏だったか、思い出せないのだけど、
かなり、古い録音で、
その時の印象は、地味だなあ・・・ぐらいで、
あまり印象がなかった曲です。
(誰の演奏だったか、実家に帰った時、レコードを調べてみよう)

「アルト・ラプソディ」という題名から、
なんとなく、派手で、情熱的な曲をイメージしていたからかもしれない。

もちろん、本当は、
冬山の旅を通しての人生の苦悩や神への信仰を歌った曲なのだけど、
若い時は、そんなことは、考えなかったですね。

この曲、
私は今まで、何回も聴いている。
でも、正直、いまでも、よくわからない。

で、クラシック音楽には、
癒される音楽もあるし、元気になる音楽もあるし、BGM的な音楽もあるし、
理知的に聴く音楽もあるし・・・・

しかし、この「アルト・ラプソディ」は、どれにも属さない特殊な音楽のような気がします。

私、この曲を普通に聴くと、よくも悪くもないなあ・・・みたいな感想なのだけど、
夜、じっくり聴くと、美しいとか、すばらしいとかではなく、
体が「ぞくっ」とする音楽なのです。
うまく、伝えられないけど、時々「ぞくっ」とくるのです。

ソプラノではない、女性の低いパートのアルトの音色かもしれない。
そして、ブラームスの渋い書法と相まって、体が、震えるときがある音楽なのです。
(でも、毎回ではないのだけど・・・)

普通は、男性合唱がはいる場所が美しいとか、
渋さの後ろに強い意志が聞こえるみたいな感想かもしれない。
でも違う、奥深さがあるように、時々聞こえるのも事実です。

私には、まだまだこの曲の奥深さがわからないのかもしれません。
また何年かたって、歳をとって聴くと、違った印象になるのかなあ。
でも、あの「ぞくっ」とくる感覚の曲って、なかなかないなあ。

まさか、ブラームスの失恋の痛手の怨念が入っている曲ではないし・・・(笑)

さて、いよいよ、次回は、ブラームス特集の最後の曲です。
次回の曲は、・・・・・・・・お楽しみ

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なるたる

おぉっと、アルト・ラプソディだぁ!
来たよ、来ましたよ、やっと来たぁ…と思ったら、みどりのこびとさんには良くわからな曲なんですか…orz。

私はごく若い頃、20代の青二才の時にこの曲を初めてめて聴いて、いっぺんで大好きになりました。
苦悩を経て救済へと導かれる曲想の変化、とりわけ第3部の素晴らしさにはとことん惚れこみました。
この曲は第3部あってこその輝きなのですね。

陰惨きわまわりない第1部、それと大差ない悲痛な第2部のこの世の痛苦を一身に体現するような青年の心境…世を拗ね、絶望と厭世観に絡め取られ、一人頑なに強固な殻に閉じこもり、自らと周りを責め苛んで止まない孤独な魂の存在に対して、第3部の慰め・安らぎ・包み込むような大きな愛の抱擁は、本当に干天の慈雨のごとく心の奥深く響いてきます。
実に奥の深い慈愛と癒しに満ちた音楽なのですね、この第3部は。
この第3部なくば、この曲は名曲としての評価を勝ち得ることが出来なかったのではないでしょうか…。

私はいつもこの第3部を聴くと、冗談ではなしに涙ぐみそうになります。
三連音符の伴奏に乗って男性合唱とアルトによって歌われる「愛の父」の主題は、包み込むような暖かさと安らぎを与えてくれます。
「愛の父」はまことに偉大であります。
全てを許し、優しく抱擁し、ささくれた心に滲みこむように入り込み、「傷ついた青年の心」を大きく受け止めてくれるのです。
この第3部の合唱のハーモニーと歌詞の深みは、私にとって、癒されることの多いブラームスの音楽の中でも、おそらくは究極の癒しなのです。

Ist auf deinem Psalter,Vater der Liebe,
ein Ton seinem Ohre vernehmlich,
so erquicke sein Herz,so erquicke sein Herz!
Öffne den umwölkten Blick
über die tausend Quellen
neben dem Durstenden
in der Wüste!

愛の父よ、  
あなたの堅琴のなかに、
彼の耳にとどく調べがあるならば、
彼の心を振い立たせたまえ!
彼の曇った目を開いて、
荒野の中で、渇き果てた者の傍らに
千の泉が湧いているのを 見せてやってください!


by なるたる (2009-03-19 11:04) 

なるたる

追記。
この曲が、「シューマンの三女ユーリエとの失恋の苦い経験から作られた」、なんて俗っぽいエピソードなんかは私にゃどうでもいいのだw。

by なるたる (2009-03-19 11:46) 

なるたる

追々記。
でも、良く考えてみたらこの第3部の歌詞は、傷ついた青年の心を癒して欲しいと神に祈る曲であって、愛の父そのものを讃える歌詞ではないですね。
まぁ、どちらであっても構わないけど…。
by なるたる (2009-03-19 14:53) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、コメントありがとうございます。
このような記事になって、申しわけないです。
ただ、「アルト・ラプソディ」断じて、つまらない曲ではありません。
私も、すごい曲だとは思うのですが、
今一歩、曲の中に入っていけないのです。
時間がたてば、ちがうかも・・・

ちょっと、譜面も手に入れたし、
時間がある時に、別の角度からも、聴いてみようと思います。
三連符の伴奏での男性合唱の部分が、
すばらしいのは、依存ありません。

でもなんでかなあ・・・

次回は、期待していいですよ

by みどりのこびとちゃん (2009-03-20 18:22) 

なるたる

いつの日か、みどりのこびとさんがこの曲の究極の癒しをお聴きになって、心底共感できる日が来ることを願って止みません。
大丈夫、10年くらいしたら、またお聴きになってみてくださいw。

by なるたる (2009-03-21 19:42) 

なるたる

追記。
>でもなんでかなあ・・・というお気持ちは十分わかります。

この曲は第1部、第2部だけなら救いようのない陰惨な曲です。
絶対気が滅入ります。
ひたすら歌詞も旋律も暗鬱で、自殺したくもなります。
地味と言うか、聴かせどころに乏しい、陰々滅々とした面白み皆無の曲なので、私も正直言って聴きたくないw。
素晴らしい第3部の存在こそが、この曲に光と救いと癒しを齎しているのだと思います。

by なるたる (2009-03-21 21:05) 

みどりのこびとちゃん

そうですねえ、名曲と言われているので、10年しなくても、
突然、この曲が好きになるかも、しれません。

その時は、上記の日記に追加しようかな・・・



by みどりのこびとちゃん (2009-03-22 22:15) 

Cecilia

なるたるさんお勧めのこの曲を聴いてみました。
コメント欄は今初めて拝見させていただきました。
なるたるさんの解説を拝見させていただいて、なるほどなあ・・・と納得しました。
陰鬱な魂に救いを希う曲・・・ということで私がフォーレとかメンデルスゾーンを思い浮かべたのもまんざら外れてはいなかった・・・ということでしょうか。(・・・なんちゃって・・・。)
by Cecilia (2009-03-23 14:40) 

みどりのこびとちゃん

Ceciliaさん、コメントありがとうございます。
一般的な解説より、フォーレとかメンデルスゾーンと、比較する方が、
興味深いので、面白いです。
この曲、確かに、最初の部分は、渋すぎですね。
アルトだから、よけい、そう感じるのかもしれません。
by みどりのこびとちゃん (2009-03-23 22:50) 

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