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練習曲【Sur mer】 作品14(ブルーメンフェルト) [ブルーメンフェルト]

さて、皆さんは、フェリックス・ブルーメンフェルトという作曲家を知っていますか?
うーん、ほとんどの人が知らないかも知れない。
(ピアノオタクの中では、結構知られているかもしれないけど、普通には無名かな)

では、ちょっと作曲者の紹介を
  ・1863年生まれのロシア人で、作曲もするし、ピアニストでもある。
  ・弟子の一人が、あのホロヴィッツ
  ・作風は、ショパン風で、ロシア風で、技巧的かな
  ・演奏は、正確さよりも、感覚的なものだったらしい。
  ・ピアノ曲が主作品
  ・左手の為の練習曲 作品36 が一番有名かな・・・
まあ、詳しくは、ネットで調べてください。

今では、ナクソスミュージックライブラリでも、聴けるけど、
昔は、マルコポーロというレーベルのCDしか、音源がなかった気がする。

今日の音楽日記は、ブルーメンフェルト作曲のピアノ独奏曲
練習曲【Sur mer】 作品14 です。
(Sur mer って、海という意味かなあ・・・よくわからないのですが・・・)

ブルーメンフェルトは、ピアノの為の練習曲を全部で18曲作曲している。
これが、全部、いいんだなあ。
ショパン風、リスト風、チャイコフスキー風、
とか言われたっていいじやあないですか。
革新的な響きではないけれど、
ピアノ好きは、一度聴いてみてください。
ピアノでしか表現できない響きは、一級品の作品達だ。

さて、その中で、一回聴いて気に入った曲が、
練習曲【Sur mer】 作品14です。

ショパンの革命のエチュードにも似た左手アルペジォの上で、
右手がオクターブで、旋律を弾く。
ちょっと、恥ずかしいテーマとコード進行だけど、
この旋律のイメージが、なんか、
古い日本の映画音楽と言おうか、
雄大な大河ドラマと言おうか、
なにかのドキュメンタリーと言おうか
なんか、そんな世界のイメージが広がる曲です。
その後、新しい旋律も入ってくる。
ピアノの技巧の限りを尽くした、豪快な響き。
そして、最初のテーマが戻ってくる時は、左手のアルペジォパターンが
さらに大きくなっている。
突然の転調、圧倒的な響きのコーダ、
最後は、なにもなかったように消えるように終わる。

ショパンの亜流とも言われるけど、
スケールが大きく
すばらしいピアノエチュードであることは、間違いない。

この曲に限らず、ブルーメンフェルトのピアノ練習曲は、
なかなかすばらしい

この曲達が、現代では、まったく弾かれなくなってきている。
なんでだろう?

やはり、
ショパンとか、リストとかじゃあないと、CDが、売れないのかなあ・・・
演奏会の曲目が、ブルーメンフェルトのピアノ練習曲全曲 とかでは、
お客さんが入らないのかなあ・・・
その時代の中で、革新的な音楽や、新しい音楽を作らなくては、
時代の中で、忘れ去られるのかなあ・・・

なんて、勝手に思っています。

まあ、ピアノ好きな人は、騙されたと思って、
ブルーメンフェルトのピアノ曲を聴いてみてくださいね。
ショパンやリストが好きな人は、お勧めです。

ということで、次回もマイナーな作曲家のマイナーなピアノ曲の紹介です。(誰かな?)

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コメント 7

NO NAME

どうしたことか、ここのところ堰を切ったようなマイナーピアノ曲の紹介が続いていますねw。
みどりのこびとさんの面目躍如ですね。

前なら喜んで飛びついた私ですが、ピアノ曲に対するテンションがとみに低下した現在では、めでたさも中ぐらいになってしまいましたorz。

でもって、今回はついにブルーメンフェルトですか。
実は私、かつてはこの作曲家が大好きでCDも手に入る範囲で出来るだけ集めました。
ご紹介のマルコポーロの「練習曲全集」は勿論のこと、IVORYレーベルの「前奏曲&即興曲集」や、アメリカ在住の元科学者のインド人で、プロはだしのピアノのテクニックを持つ「Thadani」なる人物の自費出版(これは多分世界でも所有している人は極めて稀かと思います)まで持っています。

別に自慢しているわけではありませんが、「ソナタ幻想曲」だとか、「夜想曲」だとか、「夜想幻想曲」だとか、「詩曲」だとか、「ピアノと管弦楽のためのコンサート・アレグロ」だとか、「バラード」だとか、「舞曲」だとか、わけの分らない聴いたこともないような曲がずらりと並んでいて、それは刺激的でありました。

でもブルーメンフェルト好きです。
なんか聴いたことのあるメロディばかりで、仰るように革新的ではないけど、安心して聴ける。
既存の作曲家の延長(特にショパンの影響は大きいと思います)だけど、
美しい旋律に身を委ね切って、至福の時間を持つことが出来ます。
純ピアノ的発想の音楽はやっぱり美しく捨てがたい。

ご紹介の「Sur mer」の大河ドラマ風の曲相も、初めは笑ってしまったけれど、慣れるとなかなか良いものです。
因みに私の好きなのは、24の前奏曲OP17-22です。

ロシアの知られざる作曲家のピアノ曲は膨大な曲数を誇っており、残念なことにその大半が一般には知られていません。
ブルーメンフェルトはもとより、キュイ・ボルトキェヴィチ・カリンニコフなど、或いは名の知られた作曲家でもグリンカ・アレンスキー・タネーエフなどの作品が犇いています。

みどりのこびとさんは既にご存知かもしれませんが、MIDIでこれらの曲を聴けるサイトをご紹介しておきます。
http://www31.ocn.ne.jp/~dreampiano/index.html

とても素晴らしいサイトです。

by NO NAME (2009-02-03 22:36) 

みどりのこびとちゃん

そうなんですよ。次回の音楽日記もマイナーピアノ曲です。
いったいどうしたんでしょうかねえ・・・

結構、通勤では、室内楽や交響曲聴いているのに・・・

さすが、なるたるさんです。
いろいろ、知っているし、聞き込んでいますねえ。
ロシアは、ピアノ音楽の宝庫ですね。確かに・・・
by みどりのこびとちゃん (2009-02-04 00:38) 

なるたる

上でご紹介したカリンニコフの交響曲第1番・第2番はご存知でしょうか?
第1番は、以前「私の聴いた中で良かった曲」のアンケートで、堂々の一位を獲得したことがあります。

これは実に素晴らしく美しく、親しみやすい民謡風旋律と迫力に満ちた展開で、ロシア作曲家の交響曲の中でも出色の出来栄えです。
激しくお奨めですよ。
是非一度お聴きになってみてください(NAXOS 8.553417他複数の録音があります)。

因みにナクソスCDの帯にはこんな紹介文があります。

■その早すぎた死がロシア音楽に深刻な影響を与えたカリンニコフ
■残された数少ない作品の中でも抜群の光彩を放つ2つの交響曲
■ロシア的哀愁とみずみずしい情緒が香り立つ感動的傑作・第1番
■より根太い民俗的情緒が全編を流れるスケールの大きな第2番

他の作品(管弦楽)もありますが、これも素晴らしいです。

by なるたる (2009-02-09 04:48) 

なるたる

追記。
私は、チャイコフスキーの重々しくコテコテのセンチメンタリズムがどちらかと言うと苦手なのですが、カリンニコフは聴いた感想はあくまで「爽やか」で颯爽としていて、ベタベタとした湿気がありません。

旋律はロマンチックで分りやすいのですが、まるで高原を流れる一陣の風のように、湿度の少ないそれでいて胸を打つメロディなのです。

悠然としていて、わくわくするような高揚感にも事欠かず、(交響曲第1番の第4楽章なんかは素晴らしいです)実に心憎いまでに聴き手を虜にする種類の音楽です。

by なるたる (2009-02-09 21:03) 

なるたる

マイナー曲で一般に知られてはいないけれど良い曲を、少しでも多くの人に聴いてもらえて、「あぁ、こんな曲もあったのか」と言わしめることが私の夢ですが、まだまだ道は遠いと感じている今日この頃です。

by なるたる (2009-02-09 21:37) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、もちろん、カリンニコフの交響曲は、知っています。
この曲、たいてい「知られざる名曲」とか「私だけの秘曲」とかでは、
必ず上位に入る曲ですよね。
私も一回聴いて、特に、第1番の第一楽章のあの旋律は、
一回聴いただけで、とりこになりました。
すばらしい。
ただ、全体的にみると、名曲になりそこねたかなあ・・・
とも、思うところもあります。
べとべと感(笑)がない分、チャイコフスキーより、私も好きですね

有名曲以外でも、良い曲は、ありますね
ブルーメンフェルトなんて、本当に、もっと、
演奏されてもいいのに・・・・
by みどりのこびとちゃん (2009-02-09 22:59) 

なるたる

失礼いたしました。
by なるたる (2009-02-10 00:12) 

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