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歌劇【サムソンとデリラ】(サンサーンス) [サンサーンス]

さて、この音楽日記では、めずらしく、今日は、オペラの紹介だ。
ちなみに、この音楽日記で、オペラを書くのは、
【こうもり】【道化師】に続いて、3曲目です。
いやいや、オペラを書くとは、思ってもいなかったです(笑)

今日の音楽日記は、フランスの天才肌の作曲家サンサーンスのオペラ
【サムソンとデリラ】です。

私、このオペラ全曲をじっく聴いたのは、初めてです。
ただ、このオペラの中の【バッカナール】という曲だけは、有名なので、
もちろん知っていた。

ところで、【サムソンとデリラ】の物語をみなさんは、知っていますか?
旧約聖書に出てくる、有名な話なのだが、ちょっとだけ、おさらいしておこう。

ペリシテ人に征服されていたイスラエル人だったが、怪力の持ち主サムソンの力で、
そ征服からペリシテ人を追い払う。
しかし、サムソンは、ペリシテ人の美しき悪女デリラという女性の誘惑に負け、
自分の怪力の源は、髪の毛であることを言ってしまう。
その為、ペリシテ人の兵士に、髪の毛を切られ、
怪力を失ったサムソンは、ペリシテ人に捕まってしまう。
月日は流れ、鎖でつながれれ、盲目になったサムソン。
神殿で、ペルシテ人達が、宴会をしている。
その時、サムソンは、神にもう一度、力を与えてくれるように祈る。
一瞬、力がもどったサムソンは、神殿の柱を破壊し、多くのペルシア人ともども
神殿の下じきとなり、崩壊する。

まあ、こんな物語です。
ただ、私が読んだ本では、最後は、祈りで、力が復活するのではなく、
長い間の牢獄生活で、サムソンの頭に、髪が生えてきたので、
力がもどったと書いてあったと思う。
うーん、やはり、神に祈って の方が、話になりやすいか?
旧約聖書では、どっちなんだろう・・・

まあ、どっちでもいいけど、
この物語は、有名だろう(なんせ、私も知っているくらいなので・・・)
サンサーンスのオペラは、この筋書き通りで、
音楽は、とても、ドラマティックであり、そして、なんといっても、
雰囲気がいい。
なんとなくだけど、このイメージにぴったりの音楽だ。
(よくある言い方だけど、異国情緒あふれる という感じかな)

多分、この音楽は、すごく聞きやすい。
サムソンの力強さと、デリラの悪女の誘惑が、とても対照的で、
聞いていて、ぞくぞくしてくる音楽なのです。
それでいて、あくどくない。

特に、第2幕で、デリラがサムソンを誘惑する場面の音楽は、いいなあ
やっぱり、男は、女性の誘惑に弱いものです(ハイ)
なんとなく、サムソンに同情したりして・・・ははは
第3幕の有名なバッカナールもいいですねえ
宴会と踊りで、盛り上がって、ティンパニーの連打・・・
このオペラの最後の幕切れも印象的だ。

この音楽、映像ではなく、CDで、サムソンがカレーラス、デリラがバルツァで聞いた。
いやいや、なかなか、両者とも、すばらしい。
ちょっと、声の表現力に、引き込まれましたね。

たまには、こんな、わかりやすいオペラを素直に聞くのも楽しいものだ。
うーん、DVDもみてみたくなったぞ

しかし、サンサーンスのオペラは、まだまだあるけど、
他は、どんな感じなんだろう?

ちなみに、このブログを書き始めてから、
私が、見たり聴いたりしたオペラは、他に、
薔薇の騎士 がある。
これもいつか、書いてみようと思う


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Cecilia

去年ヘンデルの「サムソン」を聴きました。(観ました)
http://santa-cecilia.blog.so-net.ne.jp/2007-10-08
サン=サーンスよりマイナーですね!(笑)
デリラの有名なアリアは声楽を習いたての頃にサントリーホールのオペラガラコンサートというので聴きました。
伊原直子さんという日本では有名なアルトの方が歌われたのですが、その時別な曲を歌われたテノール歌手(すごくうまい方で将来を嘱望されていた若手)がその後しばらくしてお亡くなりになりかなりショックでした。
とにかくこのアリアのこういう雰囲気・・・ソプラノには出せませんね~。
(ファム・ファタルはアルトorメゾの役割)
聖書を読んでいてもサムソンとデリラのお話の正確な部分は最近まで知りませんでした・・・。
うちの夫は散髪するたびに力がなくなった・・・と言うのです・・・。
うちの近くに「サムソンとデリラ」という美容院もあります。(笑)
by Cecilia (2008-10-22 06:40) 

なるたる

曲の紹介を拝見して、少なくともこのオペラが詰まらないと思われなかったようなので、安心しましたw。
こう見えても私は小心者で、絶対の自信があったおススメの曲を、つまらない等と貶されたりすると、恥ずかしさのあまり首を括ってしまいますw。

と冗談はさて措いて…と。

なんか艶かしい曲ですよね。
題材はともかく、色んな旋律とか、感情表現とかに独特の潤いがあってしっとり湿っている。
これはフランスオペラだからかなぁ…。
イタリアオペラともドイツオペラとも違った、色気を感じるんですね。

デリラの色香に惑わされるサムソンの情けなさや、男心を翻弄するデリラの堂の入った悪女ぶりなんかは、旋律は美しいけど、ドキッとするものがあり
ますね。
男ってなんで美女の誘惑に弱いんでしょうかね。
「ジュテーム」と絶唱するサムソンのおバカッぷりは他人事(ひとごと)ではありませんけどねw。

同じCDを聴かれたので話が早いけど、私歌の中で特に好きなのが3つありまして。

1つ目はお書きになった、第2幕第3場の有名な歌(CD2のNo2ですね)。
特に後半のデリラとサムソンの興奮したやり取りと緊迫感ー素晴らしいです
ね。
前半はサムソンの勘違いぶりが非常に痛いです、恋は盲目ですw。

2つ目が第1幕第6場(CD1のNo7)の重唱の美しさ。
声の絡み方がエロチックですねえ。

そして3つめが第2幕第1場(CD1のNo11)。
後半長調になって、デリラが「Amour!Viens aider ma faiblesse…」と歌うところ。
抜け抜けとよく言うものだと思いますが、旋律は伴奏も含めてとても美しいw。
実は私はこのオペラの中で一番好きな曲です。

この3つはこのオペラの中でも屈指の美しさですねえ。

バッカナールの土俗臭・異国情緒も前後の展開があってこそ、でしょうね。
そして調子の良い最終曲の合唱、思わず口ずさみたくなります。
終結部のショックは心臓に悪い、初めて聴いたときはビクっとしましたw。

その他の重唱や伴奏の美しさだってキリがありませんね、非常に美しいオペラです。
聴かせ所のぎっしり詰まったお得なオペラだと思います。
前にも書きましたが、演技は必ずしも必要ではない、演奏会形式のコンサートでも十分楽しめる曲ですね。

ところで、サン=サーンスの他のオペラでは、「ヘンリー八世」(DVD)がありますが、未だ聴いていません。
良かったら感想を入れます、かなり渋い曲らしいです。

「黄色い王女」と言う曲もCDがあります。
これは日本が舞台だそうで、当時フランスで流行したジャポ二ズム(日本趣味)に溢れた、必然的に中国との混同が痛々しい作品だそうで、不愉快なので持っていませんw。
よろしければどうぞ。

追記。
ところで「ファウストよりの情景第三部と同様の旋律」・「兄さん兄さん、どうですかと聴こえる合唱部分」は見つかりましたか?w。

by なるたる (2008-10-22 11:38) 

なるたる

追々記。
合唱の充実した美しさも、このオペラの大きな特色ですね。
by なるたる (2008-10-22 22:46) 

なるたる

このオペラはデリラに誰を俳するかで、曲の印象がガラリと変わってしまう
ようですよ。
私も何種類かのCD持ってますけど、確かに聴いた印象がまるで違います。

実はバルツァは少し古い世代の歌手なんですね。
当たり役はビゼーのカルメンなんですよ。
バルツァと言えば、カルメンと言うくらいの適役なんです。

でも私はバルツァのデリラが一番好きです。
妖艶さは余りないけど、清潔感と適度の華やかさと嫌味ではない色気があります。

正直サムソンは誰でも良いですw。

by なるたる (2008-10-23 22:14) 

みどりのこびとちゃん

Cecilia さん、コメントありがとうございます。
確かに、デリラは、ソプラノより、アルトです。
サムソンを誘惑するには、ソプラノより、あの音程です(笑)

「サムソンとデリラ」という、美容院、笑えます。
デリラのような女性が誘惑して、
何人かの兵士が、ササッと、髪を切ったりして・・・
そして、お金がいっぱいかかって、
力がなくなってしまうという・・・ははは
by みどりのこびとちゃん (2008-10-23 23:50) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、コメントありがとうございます。
最初、CDを聞いた時
第1幕は、あまり、印象が残らなかったのですが、
第2幕になると、がぜん、ひきこまれて、最後まで、一気でしたね。

うーん、「楽園とペリ」といいこの「サムソンとデリラ」といい、
音楽もいいけど、物語の筋が、私好みなのかもしれない。

合唱いいです。
でも、「兄さん、兄さん」わからないです・・・・


by みどりのこびとちゃん (2008-10-23 23:55) 

なるたる

フムフム、物語の筋が良いのがみどりのこびとさん好みと、確かにメモいたしました。
以後オペラやオラトリオなんかのご紹介の時には、参考にさせていただきますねw。
このオペラはやっぱり第2幕が山場なのかなぁ。
私は第1幕の最初の合唱から惹き込まれてしまいました。
第1幕も美しい、心を打つ歌は沢山ありますよ。
でもまぁ、それは好き好きと言うことで…。
でもワクワク、ドキドキ度はかなり高いオペラだと思います。
>>でも、「兄さん、兄さん」わからないです・・・・
では、種明かしです。

CD2 No7の合唱の1'36''~1'39''にかけて。
原語で「Dieu, sois propice à nos destins!」(英語では Lord, be favourable to our destiny! ) という意味らしいです、日本語では…何と訳すんですかねw。
ねっ本当に「兄さん兄さん、どうですか」って聞こえるでしょう。
シューマンの方は、同じNo7の3'27''~3'40''にかけての、司祭の歌というかレチタティーボの箇所。
「Guidez ses pas vers le milieu du temple , pour que de loin le peuple le contemple!」と歌う旋律が、シューマンの「ファウストよりの情景」の第3部の最終曲「神秘の合唱」の直前の、栄光の聖母の歌う歌(CD2 No 8の6'7''~6'30''にかけてと)、その後のマリアヌス博士の歌(6'38''~7'18''にかけて・この2つの歌は同じものですが)とそっくりですよ(アバド盤をお持ちと思いますので、その録音時間です)。
さあ、再度確認ですよw。
by なるたる (2008-10-25 17:11) 

みどりのこびとちゃん

ははは、確認しましたよ。
「兄さん、兄さん、どうですか」
わかりました。確かに、言っています(笑)
これ、笑えます。いやいや、よく見つけましたね。
空耳アワーにでもだしますか?

さて、シューマンの「ファウストよりの情景」からの部分ですが、
A→H→A→Gis と動く部分ですよね。
うーん、ここの部分は、微妙かな。
そっくりですが、この音型なら、いろいろありそう・・・
って、そんなこと言っても、私、他にすぐ思いつかないのですが。

話かわって、
ファウストの情景・・・ストーリーが難しすぎます
by みどりのこびとちゃん (2008-10-26 23:33) 

なるたる

わはは、確認いただけましたかw。
これ、最初に聴いたときから「アレっ」って思ったんですがね。
自然にそう聴こえましたよ。
ところでその次のフレーズも「楽しいスキー、そうですか」と聴こえなくもないことを最近発見(チト語尾が微妙だけど)。確認してね。

シューマンの方は、…私にはやっぱりそっくりに聴こえる、部分ではなくて全体ですよ。

「ファウストよりの情景」は「音楽の作品としては、それが孕む世界の深さ、内面性のために、ある意味では演奏会における効果を超えたものである」
(シューマン学者 前田昭雄氏)と言っているくらいなので、確かに難解です。
ただしこれはシューマンのせいではなく、ゲーテのファウスト(特に第2部)そのものが途轍もなく難解で抽象的・複雑な作品のためであり、一般的に簡単に理解出来るものではありません。
どれほどの人数がこの原作に挑戦しては、歯が立たなくなって途中で放り出してしまったか…、これを読破出来た人を私は尊敬しますw。

ファウストは、何人もの作曲家が交響曲化・オペラ化・オラトリオ化に挑戦しては断念している、越すのが困難な聳え立つ岩山みたいなもので、漸く作曲出来た幾つかの作品も、一部を切り取るか、軽い描写にするかでお茶を濁しており、ファウストの世界観の深さに迫れたものはありません。

シューマンは良く健闘している方だと思います。

by なるたる (2008-10-27 00:32) 

なるたる

追記。

うーむ、「ファウストよりの情景」をご紹介したのは失敗だったかな…。
じゃ罪滅ぼしに「ミニヨンのためのレクイエム」と「ばらの巡礼」はいかが?
両者とも難しいところのない、とっても美しい曲ですよ。

by なるたる (2008-10-27 01:03) 

なるたる

ずっと欲しいと思っていたサン=サーンスの弦楽四重奏曲第1・2番がようやくに入り、今聴いています。

うーむ、やはり美しい。
サン=サーンスの室内楽は数々あれど、純弦楽の曲はあまりないんです。
だからマイナー曲なんですが、ベートーヴェンやブラームス風の重厚な響きの中に、サン=サーンスらしい流麗さがちりばめられた魅力的な作品ですよ。
歌うように美しい旋律が至るところにあり、飽きさせません。
結構半音階も豊かに使われています。

やはり、彼の資質はドイツ的なものが基調にあることを再認識しました。
よろしければ、どうぞ。

by なるたる (2008-11-08 23:37) 

みどりのこびとちゃん

サンサーンスの室内楽は、あまり聴いていないので、
機会があれば、是非聴きます。
最近、ゆっくり 音楽を聴く時間がないのが、難点ですが・・・
by みどりのこびとちゃん (2008-11-13 00:51) 

なるたる

あそびの音楽館に「サムソンとデリラ」のピアノ編曲版メドレーの「サムソンとデリラによる挿画」なる珍曲がアップされました。
聴かせどころから思いっきりずれたり、大胆に端折ったりしてトホホな曲ですが、参考までにどぞ。

by なるたる (2008-11-20 00:43) 

なるたる

訂正。
どぞ→どうぞw。
by なるたる (2008-11-20 00:45) 

みどりのこびとちゃん

サムソンとデリラのピアノ編曲版聴きました。
まあ、なんですね。確かにトホホの曲です。
超絶技巧を見せる曲でもないし、
なんか、へんなつなぎだし・・・・
最後のバッカナールなんか、もっと、低音ガンガンで、
主題も、速いパッセージに変えて・・・なんて、勝手におもったりします(笑)
by みどりのこびとちゃん (2008-11-24 22:05) 

なるたる

あそびの音楽館でも紹介しましたが、マルシュナーのオペラ「吸血鬼」がとても素晴らしいです。
わくわく、ドキドキの怪奇譚で、興奮すること請け合いです。
音楽も劇的でとても興奮しますよ。
私的には今とってもトレンディですw。

でも、そのためにはウェーバーのオペラに最初に馴染む必要があると思いました。

by なるたる (2009-02-24 23:10) 

なるたる

「吸血鬼」のお奨め盤はズバリこれです。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/683459

もうね、絶対お奨め、聴かなきゃ損ですよ。
とっても劇的でスリリングな、大興奮間違いなしのむちゃくちゃカッコいいオペラですよ。
by なるたる (2009-02-25 23:53) 

みどりのこびとちゃん

おおっと、それほどまでにお勧めなら、
買いですね(笑)
「吸血鬼」という題名にもひかれます

実は、マルシュナーという作曲家、初めて知りました。

買ったら、感想入れます
by みどりのこびとちゃん (2009-02-27 00:34) 

なるたる

やっぱり、オペラって凄い!
情報量が他のジャンルとは桁違いです。
と言うことで、これからもオペラのご紹介をどんどんしていただきたく思いますw。

by なるたる (2009-02-28 23:05) 

みどりのこびとちゃん

オペラの紹介ですか・・・・
もちろん、ぼちぼち、やっていきます
でも、画像と一緒に観るとなると、結構、時間をさかねば(笑)


by みどりのこびとちゃん (2009-03-01 17:40) 

なるたる

マルシュナーの「吸血鬼」、あそびの音楽館でも好評でしたよ。
早く聴いてねw。
by なるたる (2009-03-10 21:07) 

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