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ファウスト交響曲(リスト) [リスト]

さてさて、今日の音楽日記は、
大好きな人もいるけど、大嫌いな人もいる(そうですよね)
ハンガリーの大作曲家、フランツ・リストです。

ちなみに、私は、リスト大好き人間です。
でも、リストの音楽作品は、傑作と駄作が、入り交じっているとは思います。
(多分、音楽的には駄作の方が、多いとも思ったりしていますね)
私は、リストの音楽というより、
リストという芸術家に惹かれているのかもしれない。

若い頃は、ピアノの魔術師と言われ、バリバリとピアノを弾き、
タールベルクとピアノでの決闘をし、
ベートーベンの全交響曲をピアノの独奏用にアレンジし、
作曲家としては、交響詩を作り出し、
年をとってからは、僧侶となり、宗教曲を書き、
また、晩年のピアノ作品には、無調作品まである。
また、女性との恋愛話には、事欠かず、
慈善演奏会も数多く開き、
数多くのピアニストの育成もして・・・等々

リストの音楽は、多種多様にわたってはいるが、
リストの芸術(技巧も含む)は、
いままでになかったものへの挑戦ということもあると思う。
多分に、詐欺的要素もあるそんなリストが好きなんだなあ・・・

ということで、今回から、何回か、フランツ・リストの音楽を
この音楽日記に、書いてみよう。
(あっ、でもですね、勉強には、なりませんよ。念のため(笑))

リストのピアノ曲は、今まで、代表曲のピアノソナタを始め、
いろいろと、29曲も紹介している。
(興味のある人は、左のサイドバーより、
 ピアノ曲(リスト)をクリックして、読んでくださいね、)

ということで、今日の音楽日記は、
リストの作曲した交響曲!を書いてみよう、
【ファウスト交響曲】である。

さて、曲の紹介の前に、【ファウスト】である。
ゲーテの戯曲で有名なこの【ファウスト】、有名ですが、
真面目に、最後までちゃんと、読んだことのある人、手を挙げて・・・・

一体何人の人が、パソコンの前で手を挙げただろう?(笑)

では、読んだことのある人で、あらすじをちゃんと言える人、手を挙げて・・・
ははは、もうここまでくると、きっと誰もいないな
(もし、いたら、すいません。私、尊敬するなあ・・・)

今は、インターネットがあるので、
あらすじは、ネットで調べると簡単にわかる。
それでも、いったい、何をいわんとしているのかは、
私には、なかなか難しい問題だ。

私も、高校生の時に、【ファウスト】を読もうとして、
読んだと思うが、全然内容を覚えていない。
歳をとった、今では、きっと、挫折する気がする。

さて、【ファウスト】のあらすじは、みなさん、ネットで調べてもらうとして、
リストの【ファウスト交響曲】である。

この交響曲を簡単に、説明すると、
ファウストの登場人物を以下のように、考え
   ・ファウストは、世の中の真理を追究し、解き明かそうとする存在
   ・グレートヘンは女性の代表として、愛情と賛美につつまれた存在
   ・メフィストフェレスは、悪魔として、世の中を否定する存在
   (多分、リストは、もっと、深く考えていると思いますが・・・)
この人物像を楽章毎に、音楽で表そうと考えた交響曲だ。
そう、【ファウスト】の物語を音楽で表現したものではない。

第1楽章「ファウスト」
     世界の真理を追究する姿、苦悩する姿、英雄的な姿、・・・等々
     いろいろなファウストの姿が音楽で描かれる。
     この交響曲の最初の旋律(真理の追究)は、異なった12音よりなる。
     もちろん、無調の12音技法ではないが、すごく結構大胆な始まり方だ。
第2楽章「グレートヘン」
     女性の美しい姿が、延々と音楽で表現される
第3楽章「メフィスト」
     すべてを否定する姿が、第1楽章の旋律を不気味に変奏することによって、
     表現している。ただ、第2楽章の主題は、変奏されずそのまま・・・
     そして、最後は、合唱の部分がある
     この部分は、「永遠に女性なるもの・・・」と歌われ、
     美しく、感動的に、この交響曲は、閉じる。

さて、この交響曲、全部聴くと、1時間以上かかる。
最初に聴いた時は、長いだけで、なんだか、さっぱりわからないし、
なんらかのイメージもわかなかった。
音楽的な流れも、そんなに、気持ちいいものではないし・・・

この曲、多分、スコアを片手に、
主題毎のモチーフが、なにを表しているかを理解して、
(例えば、第1楽章での5つの異なった主題のテーマとか、
 例えば、第3楽章でのメフィストが、どんな風に、変奏して、
 それを否定しているのかとか、その時のフーガの書法とか、・・・)
ちょっと、頭で考えながらでないと、ついていけない曲かも知れない。
なかなか、難しい・・・

それでも、人物の性格を音楽で表現して、
古典様式の交響曲に、組み入れるとは、
なかなか、リストさん、当時としては、やってくれると思う。
芸術とは、こうでなくっちゃ。
でも、この交響曲、
ちゃんと音楽的に、成功したかどうかは、半々かもしれない。

まあ、興味のある人は、この1時間以上かかる、交響曲を聴いてみてください。
はたして、最後まで、ちゃんと聴けるか、微妙かも・・・

そんな、リストの交響曲、
万人向けとは言いませんが、私、好きなんですよ。

さてさて、ちょっと、思ったのですか、
最後の合唱は、「永遠に女性なるもの」なのだけど、
原曲は、男性合唱で歌われる。
でも、ここって、女性合唱の方が雰囲気が出る気がするのだけど、
こんなこと、思ったのは、私だけかなあ・・・

リストには、もう一曲【ダンテ交響曲】がある
ははは、【ダンテ】も有名だけど、これも読んだ人となると、
少ないかも(笑)
それに、この交響曲は、さらに無名だし・・・

さてさて、メフィストが来たらどうしよう?

私が、メフィストと契約したら、
完璧な音楽、完全な演奏を要望するかも、
これは、芸術家として、追い求めるものの、見果てぬ夢ですからね・・・、

なーんてね、
ははは、そんなかっこいい事は、考えないよな・・・
家族が健康で元気、なんて言ったりして(笑)

ちなみに、過去記事の【メフィストワルツ】の時は、
同じ質問に、
別のことを言っています、ははは

さて、次回もリストの作品ですよ。

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Cecilia

(早く寝たので目が覚めました。笑)
「ファウスト」・・・ちゃんと読まなくちゃ・・・という義務感はあるのです。
だけど通して読んだことがありません。
歌曲を歌う上でこれは必読だと思っているのですが・・・。
だって・・・
シューベルトの「糸をつむぐグレートヒェン」だって、以前は恋焦がれる乙女・・・くらいにしか思っていませんでしたが、実はメフィストの子を身ごもっていた(・・・のですよね?)ということになると、解釈が・・・。
ちょっと前にグノーのオペラの「ファウスト」をちょっと見て、結構面白かったので又読みたくなってきました。
あとダンテの「神曲」・・・これも挫折しました。
プッチーニのオペラ「ジャンニ・スキッキ」もこの中の話なのですけれど!
これも舞台を観たことはなくCDばかりですが、面白い内容なので「神曲」も読めそうな気がしますが、どうなのでしょう??

ああ通して読む・・・と言えば「ジャン・クリストフ」も・・・。(笑)

by Cecilia (2008-06-16 03:41) 

みどりのこびとちゃん

Cecilia さん、コメントありがとうございます。
「ファウスト」とか、「ダンテ」とかは、
西洋音楽をやるにあたっては、必読かなあ・・・
両方とも、難解ですよね。
全然関係ないけど、私、
「モンテクリスト伯」とか「戦争と平和」とか「赤と黒」とか、
すべて、読もうとして、挫折しています(笑)

ところで、グレートヘンが身ごもっていたのは、
ファウストの子供ではなかったですか?
(すいません、違っているかも・・・)

by みどりのこびとちゃん (2008-06-18 00:35) 

Cecilia

ああ、そうでした。
ファウストの子供でしたね!!
(いかにちゃんと読んでないか・・・ですね。苦笑)
「モンテクリスト伯」「戦争と平和」「赤と黒」・・・私も読もうとは思うけれど挫折しています。
翻訳物は読みにくかったりしますよね。
by Cecilia (2008-06-18 06:24) 

なるたる

お久し振りです。
リストが続いたんで息を潜めていましたが、ファウスト交響曲はチト意外でありました。
実は私、LP時代にかなりリストの大規模声楽に凝って、色々集めましたよ。
だからこの「ファウスト交響曲」も、「聖エリーザベトの伝説」も知っていますよ。
聴いた感想?
中々評価の難しい曲だなあ。
やっぱりピアノ曲に対する色眼鏡があるんで、心の底からは共感して聴けない。
まあ、こんな曲もあるんだぐらいの感想かなぁ。
とても感動するまでは…。

ファウストの物語を題材にした作品は、リスト以外にもいろんな作曲家が作曲しているけど、やっぱりどれも皆「帯に短し襷に長し」なんですよね。
余り成功しているとは言えないなあ…。
原作の世界観が巨大すぎて、とても既存の音楽の枠には収まりきれないところがありますね。
隔靴掻痒の感はどうしても拭えない。

その中でもマーラーの「交響曲8番」とシューマンのオラトリオ「ファウストよりの情景は」割りと好きで聴きますよ。
マーラーは嫌いだけど、3番と8番はどうにか聴ける。
そして私は大のシューマン好きなので、どうしてもシューマンを薦めちゃう。
これの第3部の天上の音楽が特に好きです。
神秘的で瞑想的で、独唱と合唱のハーモニーが実に素晴らしい。
私はワナワナと震えが来るくらい好きw。
この曲はマーラーの8番の先駆でもある曲なんですね。

演奏に2時間もかかる超重量級の曲だけど、オラトリオ「楽園とペリ」(こちらも演奏時間一時間半もかかるヘビー級オラトリオ)と並ぶシューマンの隠れた傑作で近年評価が急速に高まり、録音も増えています。

NMLにもない曲だけど、是非聴いてみて欲い曲です。
とりわけ「楽園とペリ」の旋律の美しさはシューマン作品中随一で、こんなにも美しい曲は滅多にありません。





by なるたる (2008-07-05 21:38) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、コメントありがとうございます。
なるたるさんから、この曲にコメントがくるとは、意外でした(笑)

おっしゃるように、
私も、この曲の評価は、すごく難しいと思います。
そう言われれば、ファウストの音楽は、難しいかも・・・

話変わって、先日、タワーレコードに行ったら、
1500円で、シューマンの「楽園とペリ」(シノーポリ)があったので、
なるたるさんを思い出して、思わず、買ってしまいましたよ。
今度、音楽日記に書きます。

by みどりのこびとちゃん (2008-07-06 01:13) 

なるたる

おぉ、シノーポリ盤買われたんですか。
結構評判の高い演奏ですよ。
是非気に入ってもらえると嬉しいです(だけど独唱陣・合唱陣が正直今一です)。

この曲はオラトリオと言っても宗教性のない曲だから、親しみやすいと思います。

実は私、「楽園とペリ普及委員会」の回し物で録音だけでも8種類持ってますww。

感想楽しみにしています。

by なるたる (2008-07-06 11:27) 

なるたる

訂正。
回し物→廻し者w
by なるたる (2008-07-06 11:30) 

みどりのこびとちゃん

ちなみに、シノーポリの「楽園とペリ」以外にも、
なるたるさんが、好きそうなCDを数枚、衝動買いしてしまいました。
by みどりのこびとちゃん (2008-07-07 00:28) 

なるたる

おぉ、何だろう。
興味深々ですね。
いずれは日記で取上げるのでしょうねw
by なるたる (2008-07-07 01:22) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、タワーレコードで、
私が衝動買いしたCDの一部を教えましょう(笑)

シューマン「楽園とペリ」(シノーポリ)
ブラームス「ピアノ四重奏曲第2番」(リヒテルは、聴いたことなかったので)
フランク「ピアノ五重奏曲」(これも、リヒテルは、聴いたことなかったので)
ハイドン「十字架上のキリスト最後の七つの言葉」(この曲、なぜか好き)
などなど、
ははは、この音楽日記に書くのは、いつの日か・・・・
by みどりのこびとちゃん (2008-07-08 19:59) 

なるたる

げっ、ハイドンを除いては私の大好物な曲ばかり。
他にも買ったんですか、うーんお金持ちww。
いつの日か、なんて悠長なことを言ってはいけませんw。

肝心の「楽園とペリ」の感想はいつ頃になりましょうや?
by なるたる (2008-07-08 23:58) 

みどりのこびとちゃん

「楽園とペリ」は、多分、次ぎの次ぎ、あたりの日記には、
登場します、乞うご期待。
いま、ずっと聴いています。浸っています。

結構、いいかげんな、この音楽日記ですが、
私、知らない曲を書くときは、結構、何回も聴くのです(実は本当)
でも、曲が深くわかるのか、というと、そうでもないのですけど・・・

ということで、ちょっとだけ待っていてくださいね


by みどりのこびとちゃん (2008-07-09 23:33) 

なるたる

>「楽園とペリ」は、多分、次ぎの次ぎ、あたりの日記には、
登場します、乞うご期待。

それはそれは…。
大いに期待しましょうw。

因みに「あそびの音楽館」では、私が無理行って強引に編曲をお願いした「楽園とペリ」の2台のピアノ編曲が着々と進行中です。
つい先日、第1部のクライマックスである第9曲がUPされたばかりです。
素晴らしい出来栄えです、よろしかったらお聴きになってみて下さい。

しかし世界広しといえども、こんな酔狂な編曲依頼に応じてくれるのはここの管理人氏ぐらいでしょう。
最早足を向けては寝られませんw。
依頼する方もする方ですがw。

by なるたる (2008-07-09 23:55) 

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