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BACH(バッハ)の主題による幻想曲とフーガ(リスト) [リスト]

さてさて、フーガシリーズ第6弾である
(いったい、いつまで、続くのだろう?)

今日もロマン派のピアノ曲だ。
リストの作曲は、多方面に渡っており、また当然、いろいろな形式の曲を書いている。
フーガがあってもおかしくは、ない。
傑作のピアノソナタの後半は、フガートで始まるし、
バッハのフーガのオルガン曲もピアノに編曲している。

今日の音楽日記は、フランツ・リストが作曲した 10分程度の曲
【BACH(バッハ)の主題による幻想曲とフーガ】である。
 (BACH(バッハ)の名前による前奏曲とフーガ とも呼ばれる)

この曲、実は、オルガン曲で最初、作曲され、
その後、ピアノ曲に作曲者自身で再編曲している。
今回の解説?は、ピアノ編曲版で書いてみよう。

バッハの主題とあるが、バッハの曲をモチーフとしているわけでなく、
B・A・C・H の名前を音名に変換して、
シ♭・ラ・ド・シ の音で、曲を作曲するという曲だ。
(この音型で作曲した作品は、結構ありますね)

さて、リストの【BACH(バッハ)の主題による幻想曲とフーガ】である。

その前に、自分がこの音列を使って、この題名で、作曲するとしたら、
どんな曲にするだろう(ははは、素人は、怖いもの知らずなのです)

私なら、
静かなアルペジォパターンの中にBACHの主題を浮かび上がらせる前奏曲から始まって、
次に、少々盛り上がって、BACHのモチーフのコラールで、静かな中間部、
そして、自由なロマン風なフーガが始まり、頂点で堂々と、この主題を出し、
静かに、アルペジォパターンの中にBACHのモチーフが消える・・・
こんな感じがいいなあ。
(ハイ、すいません。妄想の世界に入ってしまいました。)

リストの曲は、そんなイメージではない。
冒頭から、低音がBACHの音型をフォルテで繰り返し、
そして、BACHをフォルテシモの連続で、これでもかと繰り返す。
16分音符で、嵐のような部分もあり、なんじゃこれは、の世界だ。
アンダンテで、ちょっとだけ、静かに瞑想的になるが、(唯一 フーガぽい)
再び、アレグロ・コン・ブリオより、両手オクターブの連続で、
ピアノを叩く。BACHの音型が叫ぶ、BACHの音列の嵐だ。
そして、最後のマエストーソで、堂々とBACHを分厚い和音で演奏し、
アニマートのコーダで、フォルテで終わる。

この曲、はっきり言って、人には勧めない。
リストを愛してやまない私だって、この曲は、なんじゃこれは、と思ってしまう。
(あっ、でも、リストの傑作と言う人もいます)
フーガと題名にあるが、確かにフーガの手法を使ってはいるが、
フーガとは、言えないような感じだ。
この曲だけ聴くと、音の塊にしか聞こえないかもしれない。
普通、最後のマエストーソでもっと感動的になってもいいのになあ・・・

この曲の長所は、この曲を聴けば、いやがおうでも、
BACHの音列が頭にこびりつく ということだろう(笑)
(バッハのフーガの技法の最後で、ああ、これがこの主題かと、すぐわかる・・・)
この音列は、頭にこびりつきます。

しかし、当時、こんなピアノ曲は、リストしか、書けないのも事実だ。
その点から言うと、傑作かもしれない。
うーん、評価は、難しい。

ちょっと、原曲のオルガン版を聴いてみよう。
これが、いいのです。すごくいいのです。
ピアノでは、叩く音楽が、
オルガンでは、ゆったりした音楽になり
巨大な建造物を思わせる音楽となっている。

この曲は、圧倒的に、オルガンの原曲の方がいいと思うのですが・・・


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