官僚的なソナチネ(サティ) [サティ]
さて、昨日は、クレメンティのソナチネの事を書いた。
とすると、この曲のことを書かない訳には、いかない。
そう、あのフランスの奇人・変人の作曲家エリック・サティが作曲した
【官僚的なソナチネ】というピアノ曲である。
知っている人は、もうお解りですね
そう、あの有名な ドーミドソ・ソ と始まるクレメンティのソナチネの
パロディの曲である。
クラッシック音楽のパロディは、なかなか難しい。
場合によっては、陳腐なものになるし、
あまり複雑では、なにがパロディなんだかわからない。
さて、サティ作曲のピアノ曲【官僚的なソナチネ】である。
曲は、クレメンティのソナチネと同じ三楽章からなり、
主題を転回したりしているが、リズムパターンからすぐに、
この曲のパロディとわかる。
それなのに、やっぱり、サティの音楽となっているところがすごい。
(この曲は、野暮ったく弾いたら絶対に、曲になりませんね)
ちょっと聴くとクレメンティだが、全体では、まつたく違うイメージだ。
この曲は、サティがこの曲に書いた、文章を知ると、もっと楽しい。
第1楽章は、朝起きて、楽しく、役所に行く役人を描いており、
第2楽章は、椅子に座って、出世を夢みる役人で、
第3楽章は、楽しい役所にいたいのに、もう退社時間だ・・・みたいなことらしい。
ははは。こんなことを思いながらこの曲を聴くと、
本当にそんなイメージに聞こえる。
あのクレメンティのソナチネから、こんな風刺の効いた曲を作曲するのは、天才だ。
サティには、他の作品にもパロディの作品がある。
パロディというジャンルは、人によっては、すばらしい芸術となる分野だと思う。
実は、私、パロディは、大好きなのです。
サティの【官僚的なソナチネ】を聴いたことが無い人は、是非聴いてみて、
パロディの世界をのぞいてくださいな
○○の曲の××風、
っていうパロディーのスタイルはよくありますが、
そこに更に別の物語を付加させる、
ってのはなかなか少ないですよね。
ストレートでゲラゲラ笑ってしまうパロディーも大好きですけど、
こういう、性格の悪い、ニヤッとしてしまうパロディーもよいですね。
ヴァスティーシュ文学然り、フランス人ってこういうの好きなんですねえ。
ていうか、すっ呆けかたが、さすがサティ先生。
by ローター (2007-09-15 02:31)
ローターさん。コメントありがとうございます。
そう、この、ニヤッと笑える曲を自分の作風で作れるのは、さすがです。
by みどりのこびとちゃん (2007-09-15 23:20)
たまたま見たのでコメントしてみました。
これ、チャップリンの映画みたいな映像つけたら、面白いかも。
白黒でコマ数少なくて妙にセカセカ動くヤツ。
弁士はバニラさん希望。
by 万太郎 (2007-09-18 18:26)
万太郎さん、コメントありがとうございます。
ははは、無声映画に確かに合いそうです。
想像しただけで、笑えます
by みどりのこびとちゃん (2007-09-18 23:30)