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ピアノ協奏曲 第4番 ニ短調(アントン・ルビンシテイン) [ルビンシュタイン]

さて、ちょっとだけ、マイナーで、昔、良く聴いたピアノ協奏曲シリーズ
(ははは、説明が長いぞ・・・)

今日の音楽日記は、ロシアの作品だ。

19世紀後半のロシアの音楽活動の中て、中心だったといわれている
アントン・ルビンシテイン(アントン・ルービンシュタン)のピアノ協奏曲だ。

ルビンシテインは、5曲のピアノ協奏曲と、いくつかのそれに類した、曲を書いている。
【ピアノとオーケストラの為のコンチェルトシュトック】という、20分程度の曲も
私、個人的には、結構好きなのだが、ちょっと無名だ。(いい曲です。まとまっていて)

ということで、今日は、おそらく、この作曲者のピアノ協奏曲の中では、一番有名な、
第4番を書いてみよう。
有名といつても、一般的には、あまり知られていないし、演奏されない曲ではある。
(ちょっと悲しい)

アントン・ルビンシテインの音楽は、どんなものだったのだろう?
この作曲家の作品は、【ヘ調のメロディ】と【天使の夢】のピアノ小品が、とびぬけて有名だが、
決して、サロン風の作品ばかりの作曲家ではない。
この作曲家は、オペラ・交響曲・協奏曲・室内楽・ピアノ曲等々
いろいろな分野で、大曲も残している。

ただ、ロシア音楽的なものと、ドイツ音楽的なものが、中途半端に混ざって、
特に独創的な音楽ではない
と書いてある本もある。
はたして、そうなのだろうか?

さて、【ピアノ協奏曲 第4番】である。
曲は、オーソドックスな3楽章からなり、30分程度の曲だ。

第1楽章は、最初から、確かに、ロシア風でドイツ風な旋律が、奏でられる。
ただ、この旋律、とても単純だが、不思議なことに、とても甘く聞こえたり、
とても強固に聞こえたりする。
そして、ピアノのとてつもない大きな雰囲気の技巧?
の中で、音楽に引き込まれていく。
そんな雰囲気の楽章だ。
ピアノのイメージの世界を楽しむ曲かもしれない。
(とは言っても、とてもいい旋律ですし、酔える曲です。カデンツァもすごい)

第2楽章は、アンダンテ。
感傷的な部分もあるが、全体的には、とても落ち着いた音楽だ。
あきらかに、チャイコフスキーとか、ラフマニノフとは、違う世界だと思うのですが。

そして、アレグロの第3楽章は舞曲だ。
ちょっと聴くと、ピアノの技巧や、スケールの動きで、
単純なロシア風舞曲と思うかも知れない。
しかし、そこは、後のロシアの作曲家と違って、ちょっとだけ雰囲気に重みがある気がする。
(とは言っても、派手な楽章であることは間違いないのですが)

この曲の不遇なところは、本や解説で、
「大時代的な曲」とか、「チャイコフスキーやラフマニノフの前身の曲」等と書かれていて、
どうしても、他の曲より、劣っているように感じさせる評論が多いからかも知れない。

しかし、私の個人的な感想は、違うのですよ。
ロシアの雰囲気とドイツロマン派の雰囲気を兼ね備えた、
一種独特の大きなイメージの世界がある傑作ピアノ協奏曲だと思う。
確かに、どっちつかずという感想もあるかもしれない。
しかし、それ以上のピアノ協奏曲の大きな世界がある曲だと思う。

それに、こんなおおげさなことを言っているのですが、
そんなことを考えなくとも、ピアノの旋律や技巧を楽しむだけでも、
名協奏曲だと思うのだけどなあ・・・

もちろん、聴いたことはないが、
昔の有名なピアニスト(ラフマニノフ・パデレフスキー・ホフマンなど)は、
この曲をレパートリーにして、かなり弾いていたそうだ。
いつごろから、弾かれなくなったのだろうか?

さて、演奏は、ポンティもいいですが、新しい録音では、アムランの演奏もすばらしい。

さてさて、次のピアノ協奏曲はなに?


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コメント 5

ピアノ音楽愛好家

初投稿させて頂きます。
 
金澤攝(旧名・中村攝)氏は、A・ルビンシテインを「ロシア音楽史上最も偉大な作曲家」と評しております。(私も全く同感です。)

ルビンシテインの「ピアノ協奏曲第4番」は(私が知る範囲では)以下のピアニストが録音しています。

・M・ポンティは、2度録音。

・作曲者の直弟子の大ピアニスト、ヨーゼフ・ホフマン(1876-1957)のライブ録音。(ラフマニノフは自作のピアノ協奏曲第3番をホフマンに献呈。モシュコフスキーも自作のピアノ協奏曲ホ長調をホフマンに献呈。)

・上述のホフマンの直弟子シューラ・チェルカスキー(1909-95)の86歳逝去直前の録音。(アシュケナージ指揮)

・旧ソヴィエト連邦の技巧派ピアニスト、グリゴリー・ギンズブルグ(1904-1961)。1927年、第1回ショパン国際コンクール第4位、モスクワ音楽院教授。
その他
・ジョセフ・バノヴェッツのルビンシテイン・ピアノ協奏曲全集CD。
・オスカー・レヴァント(米国)のLP。
・ヴラジーミル・ブーニン(1945~、ロシア。スタニスラフ・ブーニンとは全く別人)のLP。
・アレクサンドル・パレイ(ロシア)、2番も録音。
・オレグ・マルシェフ(ロシア)、3番も録音。
・マッティ・ラエカリオ(フィンランド)、モシュコフスキーのP協も併録CD。
・ナターシャ・パレムスキ(1987生、ロシア→米国)、僅か15歳でCD録音。
・M=A・アムランの英ハイペリオンへの録音。

記憶のみを頼りに書きましたので、調べれば他にも音源は出てくるのではないかと思います。
昭和初期の日本でも数回演奏されたことがあったそうです。
by ピアノ音楽愛好家 (2007-10-21 00:42) 

みどりのこびとちゃん

おっと、こんなに、音源があるとは、知らなかったなあ。
昔の人の解釈は、どんな感じだったんだろう・・・?
もう少し、最近の人が録音して、くれたら、いいのになあ
by みどりのこびとちゃん (2007-10-21 23:26) 

ピアノ音楽愛好家

もう1人追加させて頂きます。
米国のピアニストRaymond・Lewenthal(1926-88、レーヴェンタールまたはルーウェンサール)も、ルビンシテインの「ピアノ協奏曲第4番」を録音していました。
米国ELANの2枚組のCDには、ルビンシテインの他に、ヘンゼルトの「ピアノ協奏曲」、シャルヴェンカの「ピアノ協奏曲第2番」終楽章、リストの「死の舞踏」、アルカンの「ソナチネ」…等も収録されています。
by ピアノ音楽愛好家 (2007-10-22 17:53) 

まほろばのピアノ弾き

こんばんは。 かなり以前に紹介された曲へのコメントで失礼します。

>もう少し、最近の人が録音して、くれたら、いいのになあ

とのことですが、ドイツの新進気鋭のピアニスト、ヨーゼフ・モーグがこの曲を録音したCDが出ています。(Onyx レーベル)

カプリングに入っている、同じロシア作曲家のニ短調P協(ラフマニノフ3番)ほどの激速ではありませんが、まあ速めの演奏です。

ただし、第1楽章と第3楽章の終止の和音の前打音部分(スコアを見ると一目瞭然ですが、この2つの終始は、ピアノが前打音でわずかに先行しています。従ってオケとズレているのが正解です。)については、チェルカスキーばりに前打音部分でタメをとり、それに乗ってオケが終止和音をジャーンと鳴らすような演奏となっているのが、興味深いところです。


by まほろばのピアノ弾き (2015-06-28 23:05) 

みどりのこびとちゃん

まほろばのピアノ弾きさんコメントありがとうございます。
おお、この曲を録音するピアニストがいるのは、とてもうれしいです。
最近、忙しくて、好きなピアノ協奏曲を聴く時間がとれませんでした。
で、久々に、この曲聴いてみようと、思います。
確かに、スコアを見ると一楽章と二楽章は、16分音符だけ、ピアノが前に入るのですね。うーん、タメということは、8分音符程度先に入るのかなあ。興味あります
by みどりのこびとちゃん (2015-06-30 00:22) 

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