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ヴァイオリン・ソナタ(フランク) [フランク]

さてさて、この音楽日記、いままで、ピアノソナタは、数多く書いているが、
ヴァイオリンソナタは、今まで一曲も書いていない・・・多分。
(ははは、最近、過去になんの曲を書いたか、忘れている時があるのです)

ヴァイオリン・ソナタというジャンルの曲は、
バッハの名曲から、モーツァルト、ベートーベン、・・・現代にいたるまで、
名曲は、いろいろあるが、ピアノソナタほど、数としては、多くないのかもしれない。
(間違っていたらごめんなさい。なんとなくです。)

私は、もちろんすべてを聴いたわけではないが、
そのなかでも一回聴いただけで、すばらしいと思った曲が、今日の音楽日記の曲。
セザール・フランクが作曲した、【ヴァイオリン・ソナタ イ長調】である。

ヴァイオリンソナタの人気ランキングなんてものをしたら、
この曲は、上位になるだろう。この曲は、ヴァイオリンソナタの中では、有名曲だ。
(まあ、曲のランキングなんて、あてにならないですが・・・)

この曲は、ヴァイオリンとピアノの為に書かれている。

さて、ちょっと曲の解説だ。(いつものようにいいかげんです)
第1楽章・・・9/8拍子で、波のようなリズムだが、神秘的に美しく歌われる楽章
第2楽章・・・前の楽章と、うって変わって、気分が高揚する情熱的な楽章。
第3楽章・・・ファンタジアと題された、美しくも幻想の世界。すばらしい
第4楽章・・・ここです。この楽章です。
       素直な音楽の美しさと歌を存分に教えてくれます。
       本当に、音楽で、幸せになれる楽章だと思います。

昔、この曲を初めて聴いた時には、第1楽章~第3楽章まで、
ぼーっと聴いていたのですが、
第4楽章が始まった途端、音楽に引き込まれたことを忘れない。
今でも、第4楽章の最初のカノンが始まる所は、とても好きだ。
なにかの本に「天才のなせる技・・・」と書いてあった記憶があるが、
その通りの部分だと思う。
そして、あまり凝らない、長いトリルの後の素直な終わり方。
いいなあ・・・

この曲の解説には、最初の主題がどんな風に変容されるとか、
循環主題がうんたらこんたら・・・と書いてあるものが多い。
もちろん、そんな分析も必要だと思うが、
そんなこと考えずに、音楽を聴いて欲しい曲だ。

この曲、ヴァイオリンパートに重音(2つ以上の音を同時に出す)の場所は、無い。
→(す、すいません。よくよく楽譜を見たら、第2楽章の最後が、重音でした。でも多分ここだけ・・・・)
そんな素直な書き方でも、これだけの音楽が出来上がる。
(でも、ピアノパートは、結構難しそう・・・)

重音技法や特殊奏法バリバリの曲もいいけど、
たまには、音楽で心が幸せになれる曲も聴きましょう。

この曲を最初から聴いて、第4楽章を聴くと、
海のような広い心になってきませんか?
(えっ、私ですか? うーん・・・ちょっとだけ広くなるかも(笑))


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コメント 6

Robert

この曲を書いていただいてありがとうございます。品の良さと旋律、そしてなんと言っても第4楽章の忠実なカノンの素晴らしいこと!ですよね。バイオリンソナタの中でもこんなに何回も聴いた曲はありません。表がこれで、裏がブラームスの第3番のバイオリンソナタのLPを聞き込んできたのですが、あまりフランクばかり聞くので、表の方が白っぽくなってしまいました。それでもまだ聴いています。仰るように循環形式とか難しい解説が出てきますけど、すなおに向き合うとこんなにもすっと心に響く音楽も少ないように思います。でもライブでは1回しか聴いたことがありません。もっと演奏会で聴きたい曲です。(バイオリンに重音奏法は無いのですね。初めて知りました。)こびとさんはどんな演奏がお好きですか?
by Robert (2007-07-24 22:55) 

みどりのこびとちゃん

Robertさん。コメントありがとうございます。
す、すいません。
上の文章も訂正しましたが、2楽章の最後の2小節が、重音でした。
うーん、やはり、よく調べて書くべきでした。(反省)

とはいうものの、この曲のすばらしさは、まったく変わりません。
私は、最初に聴いたのは、パールマンだったと思います。
その後、名演と言われるティボーを始め、いろいろ聴きました。
フルート版やチェロ版も聴きました。
しかし、この曲に関しては、
演奏者は選ばないと思っています。
多分、曲が勝っています。
どんな演奏でも、すばらしい曲だと思ってしまうのです。
(甘くロマンティックに弾いても、理知的に弾いても・・・)
by みどりのこびとちゃん (2007-07-24 23:26) 

Robert

No problemですよ。この曲は理屈ぬきで楽しみましょう。

私もいろいろな演奏で聴きまくりました(聴きまくっています)。白くなるまで聴いたLPはオイストラフ、リヒテルの実況版です。日本で発売されたのはCDも含めもちろんステレオ録音ですが、私の手に入れたのは当時のソ連原版(メロディア)で、解説が全部ロシア語のとても厚手のずっしり重いLPで、なぜかモノラル録音です。大学生のころ買ったので、すでに30年以上が経過しています。

今日通勤途中に上の演奏をMDウォークマンで聴きました。やっぱり名曲中の名曲でした。第3楽章では深く吸い込まれてゆきそうでした。
by Robert (2007-07-26 22:31) 

なるたる

第4楽章はもっとも分りやすい楽章だと思います。
旋律が全音階的で美しくて、ロマン派の旋律として素直に聴ける。
晦渋な所がなく、旋律がすっと心に染み通ります。

対して第1~第3楽章は旋律がややもすると、半音階に流れます。
後期ロマン派のワーグナーやリヒァルト・シュトラウスあたりの和声に近いような気がします。
ピアノ・パートの伴奏なんかは特にそれが著しい。
私はフランクの音作りは、放っておけば止めどもなく半音階に近づいて、調性が曖昧になったと思います。これは彼のピアノ曲にもはっきりと現れています。

この作品はブラームスのヴァイオリンソナタ第3番と同じ年の作品ですが、ブラームスが後期の作品と雖も、調性を強く感じさせていたことに比べて、フランクのそれは遥かに近代的和声に満たされています。

ドイツロマン派の影響を強く受けながら、時代の差を感じます。
でもそんなフランクが大好きです。

ヴァイオリンソナタの紹介は初めてということなので、次回は是非ブラームスとシューマンをお願い致しますw。
因みに私はブラームスもシューマンも第2番が大好きです。

その次はブラームスのヴァイオリン協奏曲とシューマンのチェロ協奏曲をリクエスト致しますw。
by なるたる (2007-08-01 21:05) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさんらしい、明快なコメントありがとうございます。
フランク大好きというのが、伝わってきます。

なるたるさん、リクエスト多すぎ(笑)
がんばって、ちょこちょこ書いてみます。
でも、シューマンのチェロ協奏曲は、早いかも・・・結構好き
(オイオイ、アルカンが先だろう・・・)
by みどりのこびとちゃん (2007-08-01 23:45) 

なるたる

気が早くてごめんなさいw。

勿論、気が向いたらで結構ですよ。
by なるたる (2007-08-02 02:46) 

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