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楽興の時 全6曲(シューベルト) [シューベルト]

さて、管楽器の協奏曲を三回続けて書いたが、
本当は、まだまだ、書きたい曲がいっぱいあることに気が付いた。
オーボエ協奏曲だって、モーツァルトもR.シュトラウスもすばらしいし、
サキソフォーンの協奏曲もある。
まあ、これらは、別の機会にして、今日は、ピアノ曲にしよう。

さて、シューベルトは、ピアノ曲も数多く作曲している。
昔の音楽日記にも書いたが、シューベルトのピアノソナタは、以前は、苦手だった。
(まあ、長かったせいもあるのかもしれません。)
しかし、今は、シューベルトのピアノソナタを違和感なく聴けるようになったし、
旋律と和声の美しさだけでなく、なかなか、味わい深いものだと思えるようになってきた。

そんな、私だか、シューベルトのピアノ音楽で、即興曲集とならんで、
昔から、よく聴いていた曲集がある。

それが、今日の音楽日記の曲。【楽興の時】全6曲である。
(どれも短くて、聴きやすかったからですね ハイ)

さて、シューベルトの【楽興の時】というと、
なんといっても、有名なのは、第3番だろう。
「ピアノ名曲集」とかには、間違いなく入っている。
もちろんこの曲も、短く、特徴的な曲で、いいのだが、
実は、私は、この曲集の中で、別の曲も好きなのだ。
ということで、今日は、この曲集全6曲をまとめて紹介です。
全6曲とも、長い曲でも6分程度、短い曲は2分以下の小品で
どれも各々、特徴をもった曲達だ。

第1曲
  一瞬の音楽という感じの動機で始まり、中間部は、歌うシューベルトの面目躍如。

第2曲
  静かな、悲しい歌で始まる。
  しかし、美しさという点では、この曲集で一番かもしれない。
  中間の旋律も秘めた情熱という感じで、味わい深い

第3曲
  さてさて、超有名な曲です。
  (タッタラタッタ ターンターン タッタラタッタ ターンターン ・・・ですね)
  左手は、スッタカートで一定のリズムを刻む。
  しかし、なんていうことは無い曲なのに、どこか、すてがたい魅力がある。
  こういうリズムは、シューベルトは、よく作曲してますね。(ロザムンデのバレエ音楽もそんな感じ)
  この曲、最初は、「ロシアの歌」との題名だったらしい。
  うーん、そういわれても、ロシアっぽくないと思うのですが・・・私だけ?

第4曲
  この曲、なぜか無性に好きなのです。
  16分音符が流れ、旋律というものはないのですが、とても和声がすばらしく、
  絶妙な古典的な味を出している。
  また、左手と右手の流れが、実にうまく響くのもいい。
  中間部は、リズム主題で、統一され、また、16分音符の流れに戻る。
  聴いていない人は、是非聴いてみてくださいね。

第5曲
  スケルッオ的な飛び跳ねるような曲。
  ピアニスティックな曲だが、一つのリズムで、これだけ聴かせるのは見事。

第6曲
  これもお勧めの一曲。
  シューベルトの祈りの曲だと思う。
  技術的には、難しくないか、ピアノで音を出してみると、
  とても充実した和音が続き、とても心が落ち着くし、洗われる。
  この曲集は、いろいろな曲を勝手に集めたらしいが、
  この曲集のしめくくりに相応しい曲だと思う。

この曲達は、別々に書かれたものをまとめたらしい。
しかし、必然性は、ないが、通して6曲を聴くと、とても良い配置になっていると思う。
シューベルトでなく、出版社の都合らしいが、いいではないか。・・・

原題を直訳すると、音楽の一瞬という意味らしい。
しかし、【楽興】って言葉は、辞書にあります?


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コメント 8

Cecilia

楽興の時・・・有名なところしか知りませんでしたが、昨日ちょっとだけ聴いてみました。
有名なところだけで「いまひとつ好みではないなあ。」と思っていましたが、全体を聴いてみると美しい曲だということがわかりますね。
シューベルトでよく使われるリズムといえば「死と乙女」のリズムもありますよね。♪ジャージャッジャ・ジャージャッジャ・ジャージャッジャ・ジャー・・・♪
by Cecilia (2007-05-28 09:41) 

みどりのこびとちゃん

Ceciliaさん。コメントありがとうございます。
そう、楽興の時は、全6曲を聴くと、いいのですよ。

しかし、確かに、「死と乙女」のジャージャッジャのリズムは、
「さすらい人」もそうだし、ロザムンデの間奏曲もそうだし・・・
単純ですが、一流作曲家が使うと、表情がそのつど違うのが
すばらしいです。
by みどりのこびとちゃん (2007-05-28 22:01) 

Robert

お久しぶりで。でもいつも楽しく読ませていただいています。楽興の時を聞きたくなって気が付いたらそのCDを持っていませんでした。即興曲は何種類かあるのですが・・・というわけで早速買いに行き、グルダのを買って聞きました。やっぱり良い曲ですね、しみじみと心にしみわたるような音楽です。はやりシューベルトは小さい音で語る作曲家かな?
by Robert (2007-05-30 22:56) 

みどりのこびとちゃん

Robertさん。お久しぶりです。
グルダの楽興の時を買われたのですね。
あの、晩年の録音のCDでしようか?
この演奏、若いころのシャープなリズム感はないと思うのですが、
とてもしみじみした、すばらしい演奏だと思います。
シューベルトにぴったしです。
Robertさんに教わった、
「音楽が高揚すればするほど音を小さくしてゆく作曲家」
という言葉がシューベルトに関しては、頭からはなれません(笑)
by みどりのこびとちゃん (2007-05-31 22:36) 

Robert

ええそうです。そのCDです。しみじみと一人で音楽に向かい合っているような演奏ですね。まるで晩年のシューベルトを呼び出して、グルダが語りかけているみたいです。今日は通勤途中、そのMDをずっと聞いていました。(本当は店にはそれしか置いてなかったのです。この曲のCDがあんまり少ないのに驚いてしまいました。ところで300回とは凄いです!どれも素晴らしい文章で書かれていて。おめでとうございます。さて300回記念は大曲ということで・・・「大曲」「一週間聴きまくる」となるとモーツアルトの魔笛くらいしかないのではと思えるのですが。
by Robert (2007-05-31 22:50) 

みどりのこびとちゃん

残念!「魔笛」ではありません(笑)
しかし、大曲です。
まあ、明日の夜には、アップします。
by みどりのこびとちゃん (2007-05-31 23:47) 

Robert

残念はずれですか(笑)。魔笛と書いたら聞きたくなってしまい、今日の通勤は第一幕まで聞きました(クレンペラー盤です)。なんかこびとさんのこのページで聞く音楽が決まっているみたいですね!(笑)。
あさっては家内とメサイアを聞きに行きます。これも大曲、楽しみです。結婚する前にステージでハレルヤコーラスを歌った思い出があります。家内もその中にいました。
by Robert (2007-06-01 23:04) 

ローター

時期遅れですが、コメントご無礼いたします。
「楽響の時」の第4番を始めて聞いたときには、
早い車にスピンがどうたら泣いたことが無い、ような私が
思わず涙してしまった記憶があります。
すべての苦しみ、すべての慰め、すべての絶望、すべての赦し、
何かそんなようなものに一度に出会ったような感覚でした。
以来この曲をどう表現したらよいものか言葉が無いのです。
本当に素晴らしいものは、沈黙を強いるのかもしれませんね。

ところで、私、
シューベルトのピアノで一番好きなのは
「冬の旅」の伴奏だったりします。
by ローター (2007-09-09 17:16) 

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