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4分33秒(ジョン・ケージ) [ケージ(ジョン)]

先日、会社帰りの本屋さんで、
なにげに、新刊の【音楽を「考える」】という本を買って読んでみた。
その本の最初の方に、このジョン・ケージ作曲の【4分33秒】の話題があったのだが、
これがなかなか、面白かった。

ということで、今日の音楽日記は、
現代音楽?では、超有名曲の一曲。
(次回は、多分普通の曲です。今日だけは、この曲につき合ってくださいね)
アメリカの前衛作曲家のジョン・ケージの代表作
【4分33秒】である。

今日では、もはや知らない人が少なくなって、その前衛性も失せてきたかもしれないが、
   芸術作品ではあるが、音楽なのか?
   音楽作品としてなりたつのか?
   何が音楽なのか?
等々、今でも議論できる内容の作品だ。

この曲を知らない人の為に簡単に、曲の解説です。
(しかし、この作品のことを初めて知る人は、ある意味とても幸せです。
 アクロイド殺人事件を初めて読むのと同じかも・・・うーん違うだろう(笑))

一言でいうと、無音(沈黙・休符)だけの音楽です。
楽器は、なにを使用してもいいのですが、
4分33秒の間、なにも音をださない。という作品なのです。
(譜面!は、3楽章からなって、全部、休符と書かれています。)

楽器の発する音だけでなく、床のきしみや、風の音や人の声もすべて音楽だ
という解釈や、
無音での緊張感が音楽だ
等々、解釈もいろいろあるし、
そもそも、これが音楽なのかという議論もある。

まあ、この曲に対する、解説や情報は、ネットで調べると、数多くあるので、
興味のある人は、いろいろ調べてみると、かなり面白いです。
オケの演奏?もあるし、
CDも発売されている。(無音だったり、自然の音だったり・・・)
ケージの作品で、0分00秒という、さらに、なにしてもいいという作品もあるし、
この曲の演奏のエピソードもいろいろあるみたいだ。

今日、この曲のことを書いたのは、冒頭にも書いたように、
【音楽を「考える」】という本を読んだからだ。
この本の詳細は、本を買って読んでもらえばいいのだが、

その中に、「出来るだけ耳を澄ませて、音を聴く」
そして、「出来るだけ遠くの音を聴く」

ということが書いてある部分がある。

そう、私も、常々思っていたのだが、
現代は、回りは、音であふれているが、音が埋もれている。音が聞こえない。
そう、「耳を澄ませる」ということを、多くの人が忘れているような気がする。

今、このブログを読んでいる人は、今、どんな状況なのだろう?
ちょっと耳を澄ませてみませんか?
テレビの音? 子供の声? パソコンのファン? 雨の音?・・・・
そんな音が聞こえるかも知れない。
しかし、その音より、さらに耳を澄ませてみよう。
そして、出来るだけ、遠くの音を聴いてみよう。
これがなかなか、おもしろいです。
では、ちょっとの間、目をつぶって、そして耳を澄ませて・・・・
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なにが、聞こえましたか?
普段とは、違った音が聞こえませんでしたか?
これが、音楽かどうかの議論は、別として、
うーん、たまには、どんな時でも、耳を澄まして、遠くの音を聴く、というのは、
とてもいいものだと思います。
時々、やってみるのもいいかもしれません。

これで、少しは【4分33秒】のことがわかるなんて、勝手に思ったりしている。・・・・
まあ、遠くの音を聴こうとすると、気配の音が聞こえるものだ。
なにか不思議だ。

話変わって、
【4分33秒】は、絶対に、演奏会でやるなら、アンコールだな。
聴衆が緊張している中でのホールでの無音の時間は、想像しただけで、ゾクゾクする。

何十年も前に、私は、真面目に、私がやっているマンドリンオケの演奏会のアンコールで、
【4分33秒】をやろうよ。と言ったことがある。(本当)
ははは、全く、みんなに相手にされなかったですね。(笑)


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sympy432

私はこの本をまだ読んでいませんが、私たちの身の回りには音楽が溢れすぎています。しかも受動的です。ほんとうに良い音楽を聴くために、ケージのこの作品は警鐘を鳴らしていると思います。
by sympy432 (2007-05-18 04:29) 

みどりのこびとちゃん

sympy432さん、コメントありがとうございます。
私も、同感です。確かに現代は、音楽があふれ、
それは、受動的に聴いています。
一日一回は、ちょっと、受動的でなく、自分から、感覚をとぎすまして、
回りの音を真剣に聴いてみようと、思っている今日このごろなのです。
by みどりのこびとちゃん (2007-05-18 23:52) 

みどりのこびとちゃん

ちぇりこさん。nice! ありがうございます。
by みどりのこびとちゃん (2007-05-18 23:53) 

ローター

私の住んでいるところは田舎である。夜ともなれば車も途絶え屋外からはさまざまな虫の鳴き声が聞こえるのみである。
かつて都会に暮す友人を一晩泊めたことがある。彼は静か過ぎて眠れないと言った。
「電気を消すと、シーン、という音がする」
この言葉は大変な衝撃を私に与えた。
静寂という音がある。これは発見だった。

何だかわからない文体はここまでにして、

昔から言われることですが、虫の音や風の音を聞かせて脳波を測定すると、欧米人は多くがそれを雑音と認識するのに対し、日本人はそれを音楽と同じように捉える、とか。日本人の音に対する感覚は、なかなかのものかもしれません。昨今の音の氾濫やヘッドホンの影響が我々の音感を奪っているのかどうかはわかりませんが、
「静寂に耳を澄ます」
ことは今一番必要なことかもしれませんね。
私は僧侶ですので、座禅をします。姿勢を伸ばして、呼吸を深くゆっくりとし、そして耳を澄ませます。
一つの音にとらわれず、まず耳に入ってくるすべての音に焦点を合わせます。そして、そのなかのもっとも小さな音、聞こえるか聞こえないか、超越した「微妙の音」と一体になります。
こんなところで布教活動するんじゃないです。
でも、よかったら一度試してみてください。これは結構気持ちいいですよ。

学生時分、仲間内で「何か弾いて」と言われる度に「4分33秒」を演って、怒られた記憶が・・・
by ローター (2007-09-20 00:31) 

みどりのこびとちゃん

4分33秒にコメント、ありがとうございます。
座禅は、まだ経験は、ないのですが、
座禅をして耳を澄ませて、遠くを聴くのは、あんがい気持ちいいかも・・・
まあ、とにかく、最近は、音がありすぎます
by みどりのこびとちゃん (2007-09-21 23:39) 

Cecilia

昨日の講座の話にも出てきました。

私は常に音楽をかけっぱなしにはしなくて、音があまりない時間も結構好きです。
by Cecilia (2008-05-28 06:14) 

みどりのこびとちゃん

4分33秒という曲は、音について、深く考えさせてくれる音楽です。
講座には、有効かも?

音楽は、音がでている瞬間より、間の音の無い空間が、大切だ。
と誰かが、言っていたような・・・

私も、音楽は、大好きですが、
音に囲まれていない時間も、大切だし、好きです
by みどりのこびとちゃん (2008-05-28 23:25) 

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