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交響詩【ドン・キホーテ】(R.シュトラウス) [シュトラウス(リヒャルト)]

さて、最近読んだ本にも書いてあったし、昔から、よく言われることだが、
本を読んで、頭で想像した映像や感覚や体験は、
人それぞれ異なるものの、
映画やテレビなどの実際の映像での体験や感覚よりも、
想像力にあふれ、強烈なものを残すと言われている。

うーん。これは、多分、一理あると思う。
私もいろいろ本は、読むが、読んでいて、その世界に入っていくと、
イメージは、無限に広がっていく。
それは、個人的なイメージであるが、映画やテレビでは、得られない体験だ。

本と同じで、音楽もイメージを広げる。
音楽は、本より抽象的なので、さらに個人的イメージだが、
そのイメージは、無限大だ。
描写音楽は、その対象としたもののイメージが沸いてくるし、
表題の無い、絶対音楽であっても、
その曲の時代背景や作曲家の生き様、そして、その場所のイメージ、等
いろいろと、頭の中で広がってくる。
(もちろん、純粋に音を楽しむことも有りだが・・・)

先日、NHKで、指揮者の小澤征爾と、チェリストのロストロポーヴィッチの
番組を見て、つくづくそう思った。

さて、このテレビの中で、演奏していたのが、
R.シュトラウス作曲のチェロと管弦楽の為の曲
【ドン・キホーテ】である。

この曲は、独奏チェロが、ドン・キホーテを表し、
主題と10の変奏と終曲からなっている。

この曲のなにが、すばらしいか?

この変奏曲は、それぞれ、いろいろなドン・キホーテの行動や気持ちを表すのだが、
どれをとっても、音楽だけなのに、まるで、本を読んでいるかのように、
イメージがわいてくる。
(もちろん、この曲の解説をちょこっと読んでだが・・・)

主人公が読書している場面から、風車との決闘、貴婦人の美しさ、・・・・
この曲には、まるで、自分がドン・キホーテになったような感覚になることができる。

先日のテレビの中でも、
小澤征爾とロストロポーヴィッチが練習風景の中で、
いろいろとこの曲の場面のイメージについて語っていた。
私のイメージと違ったことも言っていたが、それは、とても面白かった。
(どこがって、それは、秘密です。
 と言うより、世界的音楽家のイメージの方が、そりゃあ、正解だろう(笑))

私がこの曲で、特に好きな場所は、最後の終曲の部分だ。
故郷に帰って、空想から現実に戻って、安らかに過去の出来事を回想する。
そんな場面が、チェロの朗々たる旋律と、対位法的に重なる管弦楽がすごくいい。

R.シュトラウスの曲の中では、人気の曲かどうかは、ちょっと疑問だが、
超一流のイメージのわく曲であることは、間違いないと思う。
それに、そんなにとっつきにくい曲でもないと思う。

さて、R.シュトラウスが序文を書いた【指揮者とオーケストラの間】という本がある。
昔、読んだ本だが、指揮者は、体をなるべく動かさない方がいい
みたいなことが書いてある。
映像で、R.シュトラウスの指揮を見たことがあるが、
全然、体を動かさず、淡々と指揮棒を振る姿が印象的だつたなあ・・・


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コメント 3

なるたる

書くところがないんで、ここに書きます。
最近リヒァルト・シュトラウスのオペラ「サロメ」と「エレクトラ」を聴いて、ショックを受けました。
何だかなぁ…。
全然美しくないや、聴き通すのが苦痛でした…orz。
やっぱり、延々と続く半音階と不協和音にはどうしても馴染めません。

私には遠い世界、理解を超えています。
若書きのヴァイオリン・ソナタとはエライ違いですよ。
何で一人の人間の作風があんなにも違うんだろう、ってね。

でもって、官能的で美しいヴァイオリン・ソナタをよろしくですw。

by なるたる (2009-05-14 20:00) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさんに、リヒァルト・シュトラウスの「サロメ」は、
きっと、合わないと思いますね
(私は、全曲は、聴いてないけど・・・)
「薔薇の騎士」は、どうですか?

by みどりのこびとちゃん (2009-05-14 23:23) 

なるたる

うーむ、「薔薇の騎士」かぁ。
「ナクソス島のアリアドネ」の方が、むしろしっくり来る気がするような、ないようなw。
by なるたる (2009-05-16 19:44) 

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