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ピアノ協奏曲 イ短調 作品214(ツェルニー) [ツェルニー]

さて、前回の音楽日記の最後で、ちょっとだけツェルニーのことについて触れた。

はて、カール・ツェルニー(チェルニー?)という作曲家は、
世間では、どの程度有名なのだろう?
クラッシック音楽ファンでなくとも、ピアノをまともに習ったことのある人には、
30番・40番・50番・60番などの各種の練習曲は、おなじみだと思うが、
(しかし、これらの練習曲は、ある種、拷問とも言われているらしい・・・(笑))
ピアノを習っていない、クラッシック音楽ファンには、
まったく、なじみがない作曲家かもしれない。

とにかく、今年は、この作曲家の没後150年ということで、
各地で、盛大に記念式典や演奏会が開かれる予定・・・
ははは、そんな訳、あるはずありませんね。
かわいそうなチェルニー・・・

チェルニーというと、ピアノの練習曲の作曲家(教育家)というイメージだ。
いや、しかし本当にピアノの教育家として、立派だったらしく、
弟子には、リストやタールベルクなどがいる。

しかし、練習曲以外に、
交響曲あり、室内楽曲曲あり、ピアノソナタあり、と
1000曲?以上、作品はあるらしい。

ということで、今日は、この作曲家の再発見の意味をこめて、
【ピアノ協奏曲 イ短調 作品214】を聴いてみた。

ツェルニーのピアノ協奏曲を聴いたことのある人は、少ないだろう。
この曲は、全3楽章からできている。約30分の大曲だ。

第1楽章は、弦の響きの中で始まり、
長い長い管弦楽だけの、おきまりの主題提示部分があり、
その後、ピアノが、力強く入ってくる。
(とは、言うものの、左手は単純な和音連打。右手も単純に旋律というパターンですが・・・)
ピアノは、華やかに主題を展開し、
おきまりの形で、第1楽章は、管弦楽だけで、フォルテで終わる。

第2楽章は、ピアノの独奏で始まる。
この部分は、なかなか心に、しみいる音楽だ。
そして、3楽章に続けて入っていく。

第3楽章は、飛び跳ねるような音楽で始まる。
いろいろ展開され、あっ、終わりかな、と思ったら、また音楽が続いていく。
まあ、最後は、ピアノの派手なアルペジォの中で、管弦楽が伴奏する。

うーん。この曲の感想を書くのは、難しい。

古典派のピアノ協奏曲と、ロマン派のピアノ協奏曲との中間に位置し、
どっちつかずと言えばそれまでなのだが、
やはり、強烈に印象に残る曲ではない。
音楽は、スムーズに流れていくし、悪くはないのだがなあ・・・
(弟子のタールベルクのピアノ協奏曲もこんなイメージだ)
今一歩、いや二歩か三歩、名曲としてのピアノ協奏曲に及ばないかな。

しかし、ピアノ協奏曲や交響曲などは、名曲として、後生に残らなかったが、
ツェルニーには、教育者としてのピアノの練習曲がある。
やはり、人間、なにか一つでも秀でた物があるというのは、すばらしい。
(フォローになっていないかなあ・・・でも本当にそう思うのです)

私の姉は、ちゃんとピアノの先生について、小中と、ピアノを習っていたので、
譜面の棚をさがしたら、びっしり注意書きの入った
ツェルニーの40番練習曲の譜面があった。
ちょっと、7番を弾いてみた。
うーん、なかなかよいではないか。
(あっ、私はピアノは独学です。ピアノはまともに習ったことがないので、
 もちんツェルニーは、初見です。ということで、いいかげんにか弾けませんが・・・)

没後150年ということで、たまには、ツェルニーの練習曲を弾いてみませんか?

しかし、日本語だと、ツェルニー? それとも チェルニー?


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コメント 19

NO NAME

ツェルニーを馬鹿にしてはいけませぬw。
ご紹介のあったピアノ協奏曲もさることながら、1000曲以上もある曲の中には、趣味の良いロマン性を兼ね備えた佳曲が数多く存在します。

貴方は一体ツェルニーの何を知っているのか?
練習曲のような無味乾燥な曲で彼の業績をあげつらったりせず、彼の華麗なピアニズム、聴くものを幸福な思いにさせる彼の一連のロマンティシズムにあふれた秘曲をこそ批評の俎上に挙げるべきではないのか…とまぁ、のっけからハイテンションで申し訳ありませんがw、私、実は某クラシックの掲示板では強烈なツェルニーオタクの異名を頂戴しております。

ピアノソナタは比較的有名ですが、10年以上前、ドイツのタール&グロートハウゼン演奏のツェルニーピアノ曲集を聴いて、すっかりツェルニーの魅力に取り憑かれてしまったのです。
夢中になった曲名は「序曲 ロ短調」。
これは良かった。
イタリアオペラを思わせる趣味の良いロマンチックな旋律、劇的情緒、高度な技巧が全て音楽に奉仕している深み、完全に蒙を拓かれる思いが致しました。
同時録音の他の曲も、これまでツェルニーに対する印象を一変させられる
曲でした、一言で言って美しい、センス・オブ・ワンダー?に満ち溢れた曲ばかりだったのです。

これを機に私のツェルニー曲漁りが開始されましたが、私の評価とは裏腹に世間の評判は芳しくありません、上記のCDもとっくの昔に廃盤の体たらくですw。
今でも入手可能な彼のCDは極少なく、世の風の冷たさをひしひしと感じる
今日この頃であります。
それでも交響曲・ピアノ協奏曲・室内楽曲は何枚か集めました、執念です、
執念以外の何物でもありませぬ。

私が投稿している掲示板では、「ツェルニーのピアノ曲全集の録音を心待ちにしている」との私の投稿に対して、今のところ何の反応もありませんww。
悔しいです、虐げられていますwww。
by NO NAME (2007-04-27 00:28) 

なるたる

またまた失礼。
上の投稿はなるたるですよ。
by なるたる (2007-04-27 00:30) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん。すいません。
決してツェルニーを馬鹿にしている訳ではないのですが・・・
ナクソス・ライブラリーで、他の曲をいろいろ聴いてみます。
(残念ながら、お勧めの序曲はないみたいです。)
また、別の曲もいつか音楽日記に書いてみたいと思います。

ツェルニーピアノ曲全集ですか・・・
いつの日か、誰かが、やるような気がします。
(しかし、ピアニストは、大変そう・・・)
by みどりのこびとちゃん (2007-04-27 22:13) 

なるたる

久々のツェルニーの書き込みです。
暇に飽かせて、ツェルニーの作品をネットで検索してみました。
ピティナピアノ曲事典を見てみると…http://www.piano.or.jp/enc/dictionary/composer/czerny/index.html

うへっ…、練習曲や教本の類はともかく、「種々の作品」の何という数の多さ、とても数え切れません。
オペラのパラフレーズや幻想曲、変奏曲の類が、ずらっと並んでいます。
リストも真っ青の品揃えです。
このうち、録音されたのはほんの数えるほど。

これは是非とも聴きたい。
リストのしょうもないオペラパラフレーズさえ、奇特な人が全曲録音しているんだから、絶対ツェルニーのピアノ曲大全集があっても良い、改めて切に思いました。
きっと素晴らしい曲が沢山眠っているのに違いありません。

こうなったら、どこか外国のレコード会社に直訴しちゃろうかw。



by なるたる (2009-01-26 03:20) 

みどりのこびとちゃん

ツェルニーのピアノ協奏曲にコメントをくれるのは、
なるたるさんだけです。(笑)

あれから、ツェルニーのピアノ曲(練習曲以外)は、
何曲か、聴きましたが、確かに、音源が少ない・・・


確かに作品表を見ると、魅力的なパラフレーズ(実際は、わからないけど)
の題名が、あります。

まあ、首を長くして、待っていましょう。
タールベルク全集も・・・
by みどりのこびとちゃん (2009-01-26 22:56) 

なるたる

エディション・ガミの坂上雅樹氏に、「タールベルクの知られていない曲の楽譜をもっと出版する意思はないのか?」、と質問したら、「あれはショパンと同様芸術的にあまり価値はないから、これ以上出版する気はねえよ」と言われて、落ち込んでいますw。
by なるたる (2009-01-28 21:38) 

ガミ

タールベルクを出さないってわけじゃないですよ。
今、モシュコフスキを揃えているので,,,,,。
して、その後は彼の妻の姉、シャミナードから2、3曲。
“昔”と“オンディーヌ”はいつでも出版できます。
こりゃ簡単でいてきれいで小学生から中学生向き。
“オンディーヌ”が欲しかったらPDFでメールに添付してあげちゃいます。
話は戻ってタールベルクですが、幻想曲“オベロン”なんて1冊も売れていません。
それどころか世界中で誰も弾いていません。
あの“人魚の歌”のイェーマは有名なのにネ。
もしCDが出ていたら是非一報ください。
by ガミ (2009-02-19 22:07) 

gami

いましがた送った中で「テーマ」を「イェーマ」って打ってしまった!
キーボードのTの右がY。
酔ってるのかな?
私はナカガワになってしまった!?
さてさて、音楽に全く関係ない話。
昨夜、久米宏の番組で男性用ブラジャーが密かに売れている、という特集がありました。
気色悪かったデス。
なぜなら、私は性同一症候群にかかっています。
オカマってからかわれますが最近は気にしません。
でも健常者が女装するのは単にフェチです。



by gami (2009-02-19 22:22) 

なるたる

暫しご無沙汰しています。
もう今年もお仕舞い…早いものです。
ところで例年の「今年聴いた印象に残った曲」の企画は今年
はどうされますか?…あれ結構面白いです。

話変わって、私が今年の締めくくりとして発注したCDが到着しました。
3枚ありいずれもツェルニーです。
「夜想曲集」・「ヴァイオリンとピアノのための3つのソナチネ」・「フルート作品集」。
例によって聴く人がいるんだろうかと思うくらいのどマイナー曲ばかりで、
マニアの性と言うものはどうしようもないものだと我ながら呆れ果ててしまいますw。

特に「夜想曲集」(ピアノ曲です)は興味津々。
何と夜想曲ですよ、夜想曲…殆どジョークみたいで笑っちゃいます。
正月休みに怖いもの見たさで聴く予定ですが、果たしてどんな曲なのか。

明日から帰省して老母に親孝行して来ます。
ではではよいお年をお迎えください。
by なるたる (2010-12-28 01:17) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、コメントありがとうございます。
ツェルニーの「ノクターン」ですか?
うーん、想像できないです。
フィールドのような感じですかね

私、ツェルニーは、交響曲聴きましたよ
感想 書こう書こうとして、書いてないのですが・・・

はい、恒例の今年を振り返っては、やりますよ
by みどりのこびとちゃん (2010-12-29 15:13) 

なるたる

youtubeで何と「序曲ロ短調」を見つけました。
正確には「性格的で華麗な序曲ロ短調 Op.54」です。
http://www.google.co.jp/ig?hl=ja

如何でしょうか?
この曲を聴くのは実に十数年ぶりです。
さすがに何でもあるyoutube。
by なるたる (2011-11-30 00:45) 

なるたる

訂正。
ごめんなさい、貼り付けミスです。
http://www.youtube.com/watch?v=auhOWnqOJCA

by なるたる (2011-11-30 00:48) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、コメントありがとうございます。
序曲ロ短調と聞いて、管弦楽の曲と思った私は、
まだまだです・・・
いきなり、ピアノが流れてきて・・・
この曲、連弾曲だったのですね。
チェルニーの作品は、とてつもなく、多いので、
確かに、未知の部分が多いです。
この曲も、楽しく聞けました
by みどりのこびとちゃん (2011-12-04 01:21) 

なるたる

ご無沙汰しています。

相変わらず身体の不自由な母親の世話に明け暮れる毎日です。

ツェルニーの新曲がリリースされたので購入してみようと思います。

「48の前奏曲とフーガ OP.856」

独奏ピアノ曲で、ツェルニーのシリアスな一面が見られるかもしれ
ません。
結構期待していたりします。

5月16日付の読売新聞のCD評でこの曲を初めて知りました。
少し長いけど引用します。

『前期ロマン派の重要な作曲家のひとりであるチェルニーの最晩年の大作。愛弟子のリストに献呈。
バッハの「平均律ピアノ曲集」を模範としているが、練達巧妙な作曲技法
による変化に富んだ各曲の性格づけ、鍵盤楽器奏法の限界に挑むかの
ような大胆かつ綿密な書法において、創造性高い独特な魅力をそなえている。
ウィーン楽友協会に保管されていた楽譜によって、この知られざる傑作
の全曲録音を達成したピアニストは神谷郁代。
現代のピアノの表現力を駆使し、まさに渾身入魂の表現を展開。
作品の真価を伝える』…だそうです。

http://www.hmv.co.jp/artist_%E3%83%84%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%83%BC%EF%BC%881791-1857%EF%BC%89_000000000031265/item_%EF%BC%94%EF%BC%98%E3%81%AE%E5%89%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E3%81%A8%E3%83%95%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%80%80%E7%A5%9E%E8%B0%B7%E9%83%81%E4%BB%A3%EF%BC%88%EF%BC%92%EF%BC%A3%EF%BC%A4%EF%BC%89_5383613


 
by なるたる (2013-06-01 17:38) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、お久しぶりです。
大変そうですね。
介護の状況はわかりませんが、自分が疲れないように、
良い意味で、自分も楽をしながら、休みながら、
がお勧めです。

さて、チェルニーの「48の前奏曲とフーガ OP.856」
私も聴いたことがありません。
聴いたら感想入れてください。

このチェルニーのピアノ協奏曲の記事を書いたのは、2007年。
この時から考えれば、チェルニーの作品は、今は、
ナクソスミュージックライブラリーで結構聴けるし、
動画サイトで、ピアノ以外もいろいろあるし、
IMSLPで、結構、譜面も見れるし、
うーん、すごい時代になったものだ。


by みどりのこびとちゃん (2013-06-02 00:01) 

みどりのこびとちゃん

追記
「48の前奏曲とフーガ OP.856」
これって、
「24の前奏曲とフーガ OP.856」
が正解?

by みどりのこびとちゃん (2013-06-02 00:05) 

なるたる

ありゃま、本当だ。

前奏曲24曲、フーガ24曲で合わせて48曲って、こりゃひどい水増し、誇大広告でんがなw
JAROに訴えちゃろか

でも、なんか詐欺っぽくて胡散臭くて、いかにもツェルニーと言う感じですw
by なるたる (2013-06-02 03:51) 

kumako-obasan

最後の件に関して、楽譜のタイトルがそうなっていて、プレリュード、フーガにひとつずつ番号がふってあるので『48の〜』になるようです。12曲ずつ4巻になっているようです。ツェルニーを検索していてたどりつきました。管弦楽曲など調べて聴いてみたいです。ためになりました。有り難うございました。
by kumako-obasan (2015-12-23 12:39) 

みどりのこびとちゃん

kumako-obasanさん、過去記事へのコメント
ありがとうございます。
ツェルニーの曲、最近は、すっかり、忘れています。
いかんいかん、ちょっと聴いてみよう。
確か、交響曲のcdもあったかなあ・・・
by みどりのこびとちゃん (2015-12-23 22:35) 

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