即興曲 変ホ長調 作品９０－２（シューベルト） [シューベルト]
さて、昨日は、シューベルトの最後のピアノソナタを書いた。
ちょっと訳の分からないようなことを書いたが、
私は、決して、シューベルトのピアノ曲が嫌いな訳ではない。
ということで、今日の音楽日記は、私の大好きなシューベルトのピアノ曲。
【即興曲 変ホ長調 Ｄ８９９－２】である。
（ちなみに、ＮＨＫのスーパーピアノレッスンの中にも入っている曲である。）
この曲は、シューベルトの晩年の作品で、
「４つの即興曲」の第２番である。
三連符の流れるような旋律で始まり、
それと対照的なフォルテの旋律の組み合わせでできている。
構成は、単純だか、すばらしいピアノ曲だ。
しかし、技術的には、そんなに難しくないとは思うが、
この曲の演奏は、難しいと思う。
スーパーピアノレッスンの本のこの楽譜の最初には、
「チェルニーの練習曲のようには演奏しないこと」
と書いてある。
これは、当然だろう。この流れるような三連符は、確かに機械的ではなく、
歌うように弾かれなくてはならないと思う。
しかし、難しいのは、そのバランスだ。
２５小節目からなどは、歌いすぎて、
変に大げさなクレッシェンドや、デクレッシェンドがついてしまうと興ざめだ。
機械的ではなく、しかし、大げさにならない・・・
そう、ショパンのピアノ曲なら、どんなに弾いてもそれなりに音楽になる。
しかし、シューベルトの音楽は、人間の呼吸と同化しなくては、
うまくいかないような気がする。
シューベルトのピアノ曲は、難しいかもしれない。
さて、私は、このシューベルトの即興曲を聴くたびに、
ショパンの即興曲第１番を思いうかべる。
ショパンの即興曲第１番も、三連符の流れるような旋律と、
それに対比する主題からなっており、雰囲気も似ていると思う。
しかし、ショパンのそれは、やはり、完全なピアノ曲に感じるのに対して、
シューベルトのこの曲は、なぜか、人間の歌を感じてしまうのは、私だけだろうか？
確かに、シューベルトはどうしても「歌曲の王」というイメージがある。
しかし、イメージだけでなく、その音楽の本質は、やはり、歌のような気がしてならない。
ということで、これから、シューベルトの歌曲を勉強しようと思う
（あれっ、これって、昨日の日記と同じ終わり方？（笑））
この曲もほんとに良い曲ですね。確かにSchubertの音楽の本質は「歌」かもしれませんね。op90-4のAs durも3連符の代わりに16分音符の繰り返しですが曲全体はやはり歌ですものね（とくに中間変イ短調になるところ）。この曲は高校生時代に友人から「良い曲だぜ。聴くかい？」と教えてもらいました。Kempffの演奏でした。ショスタコービッチ「革命」を教えてくれた友人と同一です。
by Robert (2006-08-08 23:04)
娘は左手の響きを味わって弾くようにかなり指導されました。
実際の本番ではその前後でコンクールなどがあり忙しかったこともあって、良かったときの状態を取り戻したばかりで、「すっ飛ばす」だけに終わってしまいました。（４月に本番という予定で練習していたのにそれが延期になり、他の曲も練習しなくてはならなかったので。）
とにかく右手だけが忙しい曲。よくあの速さで止まらずに弾ける、と感心しました。かなり疲れるらしいのでそれを弾き切ることに終始してしまい、「歌」の本質を忘れやすくなってしまうのでしょうね。
スポーツ感覚に陥りやすい曲ともいえるでしょうね。
先生のお宅でレッスンの間、よく「レッスンの友」「ムジカ・ノーヴァ」などを読んでいますが、即興曲の演奏をする上で似たような旋律の歌曲を思い浮かべて弾くことが大切であるとどなたかがおっしゃっていました。何番だったか忘れましたが、「冬の旅」と似ているところがあるらしいです。
by Cecilia (2006-08-09 09:25)
Ｒｏｂｅｒｔさん。シューベルトがお好きなのですね。
確かに作品９０－４も１６分音符も歌だと感じますね。
by みどりのこびとちゃん (2006-08-09 21:04)
Ｃｅｃｉｌｉａさん。娘さんのピアノも楽しそうですね。
そうですか、「冬の旅」ですか、
シューベルトの歌曲をちょっと聴いてみたのですが、
歌曲は、やはり、訳が欲しくなりますね。
勝手にイメージすると、歌の意味とまったくはずれていたりします（笑）
by みどりのこびとちゃん (2006-08-09 21:13)
し、失礼しました。op90-4の中間部は「嬰ハ短調」でした。いい加減なことをかいてすみませんでした（汗）。書いてからあわてて楽譜をチェックしました。
by Robert (2006-08-11 00:04)