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フルートとハープのための協奏曲 ハ長調(モーツァルト) [モーツァルト]

暑い。私は暑さに苦手だ。
ということで、今日も、涼しい音楽を探してみた。
まあ、水に関係する曲は、たいてい涼しいのだが、
今日は、水には関係しないが、
涼しくなり、なおかつ、気分もすがすがしくなり、高原に行っている気分になること、
もう、間違いない曲。
モーツァルト作曲の【フルートとハープのための協奏曲】である。

モーツァルトの曲の中では、人気のある曲だ。
人気投票をしたら、
モーツァルトの好きな曲のベスト10に入るかもしれない。

まあ、ちょっと解説してみよう。
 ・モーツァルトが22歳の時に書いた曲である。
 ・当時の貴族の素人音楽家のために書かれている。
 ・明るく、優雅で、ハ長調。
 ・バックの管弦楽も小編成で、とても優雅
 ・なんといってもフルートとハープの音色がベストマッチ

そう、この曲をとにかく聴いてみよう。
始まった瞬間、体感温度が、0.5度は、下がるはずである。
そして、主題の提示が終わり、
すばらしい音色で、フルートとハープのソロが入ってくる所は、
体感温度は、確実に、1.0度は、下がる。
そして、そのまま、高原の空気のまま、音楽が流れていく。
そんな音楽である。(えっ、わからないですか?)

まあ、なんといってもこの曲は、
フルートとハープのソロの音色がなんともいえない味を出している。
誰が聴いても、若き日のモーツァルトの曲である。
この曲を悪く言う人は、いないだろう。
暑い日のBGMには、最適である。
(カフェできっと流れても雰囲気いいだろうなあ・・・)

しかし、私は、思うのである。

譜面を見ると、この曲の第一楽章の主題は、
ド--ソミドミソ、ド--ソミドミソ・・・・・・
だし、
三楽章のハープの主題になんて、
ドシドシド ミ 、レドドシド  ・・・・・・・

この主題だけを弾くと、なんてことはない曲である。
多分、2台のピアノ協奏曲として、作曲していたら、間違いなく、駄作だっただろう。

そう、フルートとハープの協奏曲として書いたこと自体に、
私は、モーツァルトの天才を見てしまうのである。

この雰囲気以上のこの形の協奏曲を私は、知らない。

この涼しい音色には、いくらほめ言葉があっても足りないと思う。

しかしですね、三楽章の終わりの方にカデンツァがあるのですが、
ここは優雅に弾いてほしいなあ。
この曲のカデンツァには、技巧バリバリは、似合わないですよ。


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ヒロノミン

はじめまして。
私もこの曲、涼しげで大好きです。この曲の清涼感はスイスかイタリア北部のコテージでアルプスの頂を見ながら紅茶を飲んでいるような妄想に浸ることが出来ます。
あと、オーボエ協奏曲の透明感も好きで、私の夏の涼の必需品にしてます。
by ヒロノミン (2006-08-05 00:38) 

みどりのこびとちゃん

ヒロノミンVさん。コメントありがとうございます。
スイスか、イタリアのコテージでこの曲聴いてみたいですねえ(笑)
確かに、オーボエの音色も夏と、モーツァルトに似合っていますね。
by みどりのこびとちゃん (2006-08-05 07:48) 

Robert

大好きなこの曲について書いていただきましてありがとうございます。Mozartの中でも一番好きな曲の一つです。初めて聴いたのは大学1年のときでフルートとハープという組み合わせに惹かれました(ハープはニカノール・サバーレータだったかな?)。この曲はよくクラリネット協奏曲K622と組合わされていますね。両方とも澄み切った曲想ですね。私は古いモノラルですが、アムステルダムコンセルトヘボウのを大切にしています(フルートはブルワーザーという人かな?)。決して名盤リストには上がらないでしょうが、亡き父との思い出があるので・・・
by Robert (2006-08-07 12:33) 

みどりのこびとちゃん

Robertさん、コメントありがとうございます。
いつか機会があったら、コンセルトヘボウの演奏聴いてみます。
亡き父との思い出がある曲というのは、忘れられない曲ですね。
私の亡き父との思い出の曲は、ボッケリーニのメヌェットです。
by みどりのこびとちゃん (2006-08-07 21:44) 

Robert

ご返事ありがとうございました。原盤を取り出して見ました。正確な情報はFl: Hubert Barwahser, Hp: Phia Berghout, Eduard van Beinum, Concergebow Orch, Amsterdam, Fontana FG-32 (835279LY)でした。推定1971年発売の廉価盤です。K622のほうはCl: Bram de Wildeでした。こちらも良い演奏です。録音はおそらく1950年前半と思われます。CD出てるかな?今日はSchubertの変ロ長調のソナタ!これは「超」の付くほど好きな曲です。これでSchubertの凄さわかったような・・・。あらためて書かせていただきます。
by Robert (2006-08-07 23:45) 

ピアノフォルテ

どんな曲か聴いて見ないとわからないのですが(笑)解説だけを読んでいても、涼しくなりました。CD買ってみようかしら。
by ピアノフォルテ (2006-08-08 20:43) 

みどりのこびとちゃん

ピアノフォルテさん。この曲のCDは、この季節、買って損はしません。
涼しくなること、保証しますよ(笑)
by みどりのこびとちゃん (2006-08-08 21:03) 

なるたる

ハープ協奏曲はあんまり数多くないです。
多分古今東西(と言ってもヨーロッパだけだけど)指折っても、有名なのは10作品ぐらいもあるのかなぁ。

私はハープの響って凄く好きなんですよ。
暑い夏には、言われるように涼しげなハープの音色が一幅の清涼剤ですよね。
モーツァルトのこの作品も愛すべき佳品ですね。
フルートとハープの組み合わせが涼しさを倍化させている、一粒で二度美味しいグリコのキャラメルのような曲でありますw。

ところでみどりのこびとさんはライネッケと言う人物をご存知でしょうか?
シューマン・ブラームスとほぼ同時代の人物で、典型的なロマン派、19世紀の正統的なドイツロマン派の作風から一歩も出ることのなかった頑固な
人物で、多くの作品を残しましたが今ではすっかり忘れ去られた作曲家になってしまいました。ライネッケ節と言って言い独特の体臭があります。

因みに私はライネッケが大好きで、彼のCDは極力集めています。
交響曲、協奏曲、室内楽曲、ピアノ曲等、色んなジャンルの作曲を手がけましたが、未録音で世に問われるべき作品も未だ未だ多い。
再評価は除々に進みつつありますが、これからです。
フルートソナタ「ウンディーネ」は結構有名かも知れません。

くどくどと話ましたが、私のお勧めは実はこのライネッケのハープ協奏曲なんです。
非常に珍しいロマン派のハープ協奏曲で、ハープの調べが美しく涼しげで手堅く纏まった愛すべきロマン派の佳品で、私は好きです。
ハープのロマン的な用法が何ともいえません、良い曲ですよ。
レパートリーの広いみどりのこびとさんならご存知かも知れませんけど…。

実は同じロマン派でボクサと言う作曲家のハープ協奏曲も良いらしいんですが、未だ私聴いたことがありません、是非聴きたいです。
by なるたる (2007-08-21 21:15) 

なるたる

訂正。

>ライネッケ節と言って言い独特の体臭があります。→ライネッケ節と言って良い独特の体臭があります。

推敲が足りませぬなw。
by なるたる (2007-08-21 21:19) 

みどりのこびとちゃん

おっと、ライネッケといったら、
我れらのポンティ様(笑)の弾いた、ピアノ協奏曲第1番でしょう。
私の曲、大好きです。
しかし、ハープ協奏曲は、勉強不足で、聴いていません。
今度、探して聴いておきます。
by みどりのこびとちゃん (2007-08-22 23:39) 

なるたる

ライネッケのハープ協奏曲、絶対オススメですよ。
素晴らしい傑作で聴いて絶対損はなし、保証いたします。
それとグリエールのハープ協奏曲もすごく美しいです、合わせてどうぞw。

グリエールは「コロラトゥーラ・ソプラノのための協奏曲」も素晴らしいです。
これは人間のソプラノによる非常に珍しい協奏曲です(勿論、管弦楽伴奏付き)。
ラフマニノフのヴォカリーズを拡大したような曲で、神秘的な響きが実にぐっと来ます。そして例えようもなく美しい。
これも聴いて絶対損はありません。

by なるたる (2008-09-14 02:34) 

みどりのこびとちゃん

ライネッケとグリエールかあ・・・
早速、聴かねば・・・
うーん、聴きたい曲が、山のようになってきた(笑)
by みどりのこびとちゃん (2008-09-20 01:41) 

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