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練習曲 作品8-12(スクリャービン) [スクリャービン]

さて、先日、このブログの左側の部分にある、カテゴリーをちょっと変更した。
カテゴリー分けのはずなのに、ほとんどが【ピアノ】という分類だったので、
なんの意味もなさないような気がしたので、ピアノの中をさらに少し、分類してみた。
まあ、これを機会に、過去記事もよろしく。
(って、過去記事見る人いるのかなあ?あっ、過去記事へのコメントも、もちろんOKですよ。)

しかし、この変更をした時に思ったのだが、ピアノの記事の中で、
ショパンやリストやドビュッシーが多いのは当然だと思っていたが、
意外にシューマンがちょっと少ない。
さらに驚いたのが、私の好きなスクリャービンとラフマニノフのピアノ曲の記事は、
いままで、それぞれ一曲づつしか書いてなかった。

これでは、いけない(きっぱり)

ということで、今日の音楽日記は、ロシアの作曲家スクリャービンのピアノ曲である。

スクリャービンの曲は、最初の頃は、ショパン風の聴きやすい音楽だが、
後半になると、神秘和音を用いた、
とても不思議だが、とてもイマジネーションがわく音楽となる。

初期のショパン風の曲も、後期の独特の神秘的な曲も、どちらもすばらしいが、
今日は、初期の代表的なピアノ曲、
練習曲集作品8 から、第12番の曲を紹介しよう。

スクリャービンは、ピアノの名手だった。
(音楽院では、同級生だった、あのピアノの名手で作曲家のラフマニノフが第一席で卒業。
 スクリャービンは、その時の第二席だったそうだ)
そのため、初期の作品では、ピアノならではという曲を数多く作曲している。

この練習曲集作品8は、全12曲からなり、ショパン風の曲が数多く含まれている。
しかし、楽譜を一目みれば分かるが、ほとんどの曲で、右手と左手のリズムが違う。
(右手が八分音符で、左手が三連符とか、その逆とか、またまた、
 右手が五連符で、左手が三連符とか、・・・まあ、私には、絶対無理ですな(笑))
このリズムのズレは、スクリャービンの初期のトレードマークである。
(もちろん、後期のトレードマークは、あの不思議な神秘和音ですね。)

さて、【練習曲集 作品8 第12番】である。

この曲を聴いたことの無い人がいて、
ショパンの【革命のエチュード】や、
ショパンの【前奏曲集の第24番】が好きな人がいたら、
ほぼ確実に、高い確率で、このスクリャービンの曲も好きになるだろう。
そう、この曲には、ピアニスティクな激情の音楽が流れている。
それに、最初は、劇的な主題が、左手の大きなアルペジォに乗って歌われるのだが、
後半は、分厚い和音連打の中で歌われる。
外面的な演奏効果もすばらしい。
名ピアニストホロヴィッツが好んで、生前、アンコールで弾いた曲でもある。

スクリャービンは、後半、作曲技法が、
神秘和音などのふしぎな感覚の曲に移っていった為、
初期のショパン風の曲に関しては、一般的な評価はなぜか低い。
なぜだろう。その評価は、ちょっと違うと思う。

純粋に音楽だけを聴いてもらいたい。
そこには、これぞピアノ曲という、王道をいくピアノ曲の宝物がいくつもある。

スクリャービンの初期の作品は、もっと弾かれてもいいと思う。
(ただ、ちょっと難しいのですが・・・)

これからは、この作曲家の前奏曲やマズルカなども紹介していきたい。
(でもですね、後期の不思議な曲も、ある意味すごいです。イメージがわいてくる音楽です。)


nice!(1)  コメント(8) 
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コメント 8

なるたる

やっぱりこの曲、若き日のスクリァビンを代表する曲なんでしょうね。
彼のクロスリズムの齎すピアノの演奏効果はうっとりするような素晴らしさがありますが、弾く人にとっては、特に素人がマスターするには大変な苦労があるものと推測いたします。
by なるたる (2007-09-05 21:13) 

ローター

スクリアビンの練習曲は好きな曲が多くて選ぶに困ります。
中でも、この8-12、42-5などは、曲のエネルギーに圧倒されます。
スクリアビンの音楽って、何かエッチなんですよね。
いや、エッチな音楽はいろいろありますけど、
スクリアビンの官能性は、凄すぎというか、独特です。
私個人のつたないイメージで表現するならば、
「悪夢の中で、決して捕まえることの出来ない「官能の女」を追いかける」
悪魔的な美しさと言ったところでしょうか。
by ローター (2007-09-06 19:13) 

みどりのこびとちゃん

スクリャービンを一言で言うのは難しい。

なんだろう?

私にとっては、別の世界と現実を行き来する、そして、譜面を見ると、
夢から覚める。

そんな作曲家です。って、なんなんだ(笑)
by みどりのこびとちゃん (2007-09-06 23:45) 

ローター

スクリアビンの楽譜を見ると、いつも
「なんでこんな奏法を思いつくねん!」
と思ってしまいます。
和声法上の綱渡り、崩壊の直前、てな感じです。
後期ロマン派寄り、と言われる初期の作品でも、
ピアノ奏法的には
ぶっ飛んでますねえ・・・
by ローター (2007-09-09 00:02) 

nzzkn

42-5に一票。

サブメロディが憧れのアーチを描くところを聴くと、悶死しそぅです。
そこの左手アルペッジョは、指くぐらせがそれほど多くなく、尺取り運動で凌げるように書かれているのが、意外と親切です。
by nzzkn (2009-10-24 12:32) 

みどりのこびとちゃん

42-5かあ。
エチュードの中では、ロシア的で、大きな情熱が感じられます。
左手・・・くぐりは、ないけど、音域が広くて大変です
親切かなあ(笑)
でも、クロスリズムは、ないから親切か
by みどりのこびとちゃん (2009-10-25 00:01) 

なるたる

この曲に異版(別バージョン)があることを今日初めて知りました。
結構違っていて面白いです。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9077781
(ニコニコ動画視聴は登録が必要ですので、未登録の場合はお手数ですが面倒でも登録ください)。

by なるたる (2012-01-22 01:36) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、コメントありがとうございます。
私も、この別バージョン初めて聴きました。
こちらの方が、和声的にはちょっとスクリャービンの初期っぽい
ただ、派手さは、いつものバージョンかな
ちなみに
IMSLPにこの楽譜がありましたよ。
追記
もちろん、私、ニコニコ動画もみていますよ
by みどりのこびとちゃん (2012-01-23 00:00) 

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