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妖精はすてきな踊り子(ドビュッシー) [ドビュッシー]

さて、前回のブログで、バレエ音楽のことを書いた。
さて、バレエとは、関係が無いと言ってしまえば、その通りなのだが、
私としては、この題名だけで、この曲は、いい曲だなあと思ってしまう。(オイオイ)

今日の音楽日記は、ドビュッシー作曲の前奏曲集第2巻よりピアノ曲
【妖精はすてきな踊り子】である。

フランスの作曲家ドビュッシーは、全部で24曲もの前奏曲を作曲した。
そして、その曲の最後に、その曲のイメージする言葉を書いている。
その言葉がどれもこれもすばらしい。(これは表題ではないらしい。)
この曲集の曲は、単純な描写音楽ではなく、イメージする音楽だ。
曲に対して、ドビュッシーの付けた言葉は、曲のイメージをさらに膨らませる。

この【妖精はすてきな踊り子】という曲は、3分程度の曲で、
もちろ、ピアノの響きや音符の動きなどすばらしいのだが、
おそらく、なにも言葉(表題?)が無く聴くと、イメージは難しい。

ピアノ曲に限らず、作曲者が付けたにせよ、出版社や評論家が付けたにせよ、
どうしても、曲にそぐわない言葉や表題がひとり歩きする例は、数多くある。
(というより、じゃまだ。と思う曲は、私には、結構あるのです。)

しかし、ドビュッシーは、曲のイメージをさまたげることなく、
また直接的な表現でもなく、助ける意味で、非常にすばらしい言葉を譜面に書いたと思う。

【妖精はすてきな踊り子】は、5連符のめくるめく音の動きで始まり、
そして、色彩豊かな、そして、幻想と夢の世界が交差する。
その世界を3分間だけ想像するのは、聴き手にとっては、最高の時だと勝手に思っている。

この曲は、前奏曲集の中では、無名な曲だろう。
決して、この曲だけが、単独で演奏されることはまず無い。

しかし、この題名と、イメージの深さでは、小品といえども、
すばらしい作品だ。

話は、それるが、本を読んでいて、
その世界に入ってしまう雰囲気の本は、名作だと思う。
イメージは、重要だ。
(霧越邸殺人事件という推理小説を最近読んだが、本格物の推理小説にしては、
 トリックだけでなく、雰囲気がすばらしく、この小説は、傑作だと思う。)

ドビュッシーという作曲家の曲は、雰囲気において
どれも、超一流の名作ぞろいだ。

しかし、前奏曲集の中の【音と香りは夕暮れの大地に漂う】っていう題名も、
この言葉を付けた時点でドビュッシーさんの勝ちですね。


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コメント 2

Karen

本当に素敵な曲ですね!
私も題名だけで、なんて美しい曲なのかしら!と感動してしまいました^^;

ピーターパンの絵本にある、大きな蜘蛛の巣の上で踊る妖精の挿絵にインスピレーションを受けて作曲した、と何かの解説にありました。
だからちょっと不気味でスリリングなところがあるのでしょうか。
薄気味悪い怖い蜘蛛と、くるくるきらきら踊る妖精、正に幻想の世界ですね。

これから挑戦しようと思っていますが、このトリル、もつれそう(涙)
by Karen (2010-08-04 23:50) 

みどりのこびとちゃん

Karen さん、コメントありがとうございます。
ドビュッシーの世界は、
ショパンやシューマンのロマン派の幻想世界とは、全然違うけど、
独特で、やはり、一流の幻想の世界が繰り広げられます。

練習がんばってください

しかし、こういう題名、いいなあ。
by みどりのこびとちゃん (2010-08-07 07:00) 

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