ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ(ブラームス) [ブラームス]
実は、私、「******とフーガ」という曲名に弱いのです。
(最後にフーガを持ってくる曲にも弱いのです。)
多分、この曲名で、知らない曲のCDがあったら衝動買いですね(笑)
例えば、
「前奏曲コラールとフーガ」(フランク)とか、
「モーッアルトの主題による変奏曲とフーガ」(レーガー)とか、
ベートーベンの第31番ソナタとか、
(リストのピアノソナタの再現部もフーガですよね)
多様なジャンルの曲で、最後がフーガの曲はいろいろあるが、
最後のフーガの部分になると、どの曲も、なぜか、胸が熱くなる。
なぜだろう?
理由を、いろいろ考えてみた。
・フーガは、バッハを思いだして崇高な気分になるからだろうか?
・フーガを作曲しろと言われても出来ないので、あこがれからだろうか?
(おいおい、普通の曲だって書けないだろう・・・)
・フーガは、いろいろな声部に分かれ、複雑だからだろうか?
等々
しかし、いまいちピンとこない。
まあ、理由を考えてもしかたない。
フーガには、人を動かすなにかがあるのだろう。それはそれでいい。
前置きが長くなったが、そんなフーガを最後に置くピアノ曲では、
最高の出来であると私が勝手に思っているのが、
ブラームス作曲の
「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」である。
ワーグナーが、
「古い洋式でも、本当に出来る人にかかると、いろいろなことが出来る」
と絶賛したように、
ピアノ変奏曲の中では、古風なピアノ書法を使ってはいるが、
なぜか聴く人をあきさせない。
そして、なによりすばらしいのが、最後のフーガである。
バッハのフーガと違い、かなり自由な形だが、
熱い。そして胸が熱くなる。
こんな熱いが、渋い変奏曲をかけるのは、ブラームスだけだろうなあ。
この曲は、クララ(シューマンの奥さん)の為に書いたのを知っていますか。
「あなたの誕生日の為に、この曲を書きました」
っていう、手紙を書いているが、
ブラームスさん。やるなあ。
でも、それなら、もっと気楽な曲を書けばいいのに(笑)
しかし、ブラームスの曲の日記を書くと、かならず、クララがでてくる・・・
ベートーヴェンと並ぶ変奏曲の大家ブラームスは、実に様々なジャンルで
変奏曲形式を取り入れていますね。
しかもそれらが全て傑作の名に恥じない出来栄えなのには驚かされます。
いわゆるピアノ作品での独立した変奏曲と言うことになると、私は内容面ではこの「ヘンデル変奏曲とフーガ」を、技巧面では「パガニーニ変奏曲」を挙げたいと思います。
「ヘンデル変奏曲とフーガ」は規模はやや小さいですが、ベートーヴェンの「ディアベリ変奏曲」やバッハの「ゴルトベルク変奏曲」ら先人の偉大な傑作に勝るとも劣らない作品で、ワーグナーはさすがに慧眼だと思います。
「パガニーニ変奏曲」は、謹厳でいかめしいイメージのブラームスにはあるまじき超絶技巧(と言ってもブラームスレベル)炸裂の作品で、私はシューベルトにおける「さすらい人幻想曲」の様な場違いな印象を持っています。
by なるたる (2007-08-04 17:14)
追記。
みどりのこびとさんの言われる「熱いが、渋い変奏曲」はまさに至言だと思います。
いや「渋いが、熱い変奏曲」の方が良いかなw。
by なるたる (2007-08-04 17:18)
ブラームスのパガニーニ変奏曲は、この日記で、
いつか、取り上げよう、取り上げようとしているのですが、
未だに書いていません。
ブラームスには、場違いのように聞こえますが、
結構、ピアノの響きと奏法は、ブラームスぽいと、私は、思っています。
by みどりのこびとちゃん (2007-08-05 00:06)