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左手の為の前奏曲と夜想曲(スクリャービン) [スクリャービン]

先日のラフマニノフに続いて、今日もロシアの作曲家である。
スクリャービンといえば、後期の作風である、神秘的な曲の作曲者として知られており、
神秘和音の響き(例えばド・ファ♯・シ♭・ミ・ラ・レ・ソの和音)を用いた曲で有名である。
確かに、後期のピアノソナタや、炎に向かって 等には、独特の緊張感と神秘感があり、
この作曲家の代表作だろう。(ちょっと、初めて聴くにはとっつきにくいと思う)
しかし、初期のショパンの亜流と言われている作品の中には、
ピアノ協奏曲や作品8の練習曲集等、美しい作品は、数多くある。
その初期の作品の中で、私が好きな作品の中に「左手の為の前奏曲と夜想曲」がある。
(作品2-1の練習曲とどちらにするか迷ったけど)

通常、左手の為に書かれた作品の中には、ゴドフスキーの作品の様に、左手だけで、
技術的に、どこまで出来るかみたいなことを追求する作品もあれば、
(もちろん、それはそれで、私は好きだ)
この曲の様に、特に左手のみということを意識せず、純粋に音楽を書いた曲もある。
当然、この曲を両手で弾いても曲の価値が下がるということもないだろう。
(まあ、普通は当然、左手だけで弾きますが・・・)
確かに、スクリャービンが手を痛めた為に出来た作品だし、この曲のおかげ?で、
ピアニストとしてのスクリャービンには、「左利きのショパン」というキャッチコピーもあったそうだ。

しかし、前奏曲も夜想曲も旋律は、文句なく美しい。
特に夜想曲の美しい旋律は、ラフマニノフ以上だ。
かなり、音域の広い和音が連続するので、邪道かもしれないが、
片手で弾けなければ両手で弾くことを、お勧めする。この曲の良さがわかると思う。
(もちろん、私の技術では、左手だけでは、全く弾けないので、
 弾いて楽しむ時には、両手をところどころ使って楽しんでいます。(いいのかなあ))

この曲は、逆に左手の為に書かれたということで、損をしているかもしれない
左手だろうが、両手だろうが関係なく、普通の曲として、聴いてもらいたいなあ。


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なるたる

数年前、NHK第1放送の昼の番組(番組名は失念)にピアニストの館野泉氏が出演していました。

彼がフィンランドのリサイタルで突然脳溢血のために倒れ、後遺症で右半身に麻痺が残り、一時はピアニストを続けていくことを断念しかかりましたが、持ち前の不屈の精神力と夫人の献身的な看護で、左手のピアニストとして再出発して行くまでのエピソードを淡々と伝えた後、最後に何か1曲を…と言うことで氏が演奏したのが、この「左手のための夜想曲」でした。

それはもう、見事としか言いようのない演奏で、とても左手一本で弾いているとは信じられないくらいの名演でした。
その時、この曲は大変美しいと同時に、大変官能的であるとはっきりと感じました。
曲から何とも言えない色気が馥郁として立ち昇って来るのです。
これは氏の演奏のせいばかりではなく、スクリァビンの音楽が持つ特徴の一つに違いない、と今でも思っています。
何かしら他の作曲家とは異質です、スクリァビンは…。
by なるたる (2007-09-05 21:38) 

みどりのこびとちゃん

私も、テレビでみました。
館野泉さんのピアノで聴くこの曲は、特別なイメージがわきます。
なぜかは、わかりません。
by みどりのこびとちゃん (2007-09-06 00:21) 

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