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ベルガマスク組曲(ドビュッシー) [ドビュッシー]

その男は、妻と娘を乗せて車を運転していた。
男は、FMラジオのスイッチを入れた。確か、クラシック音楽をやっているはずだ。
すると、気持のいい管弦楽の演奏の音楽が流れてきた。
しばらく聞いていると、妻と娘が言った。

妻「この曲なに?」
娘「誰の曲?」

まずい。男は思った。
確かに聴いたことのある曲だが、なんの曲だかわからない。
しかし、ここで、わからないと言うのは、お父さんの威厳にかかわる。
どうする・・・

その時、男の頭には、次のようなシミレーションが出来上がった。
(映画のシャーロックホームズのように(笑))
・とりあえず、作曲者当てゲームという感じで、時間をかせぐ。
・家まで、あと、約10分。その間に曲が終わり、ラジオから曲名が流れなければ、
 途中でラジオを切ることになり、なんとでもごまかせる。
・もし、終わっても、この管弦楽の曲想の作曲者なら90%推測できる。

ということで、
男「もちろん、わかるけど、どの国の作曲者の音楽かわかる?」
(頼む、この質問に、食いついてくれ・・・)

妻「そうねえ、ドイツとかアメリカという感じではないわね」
男「そうそう、全然違うよね」
(よっしゃあ、これで時間稼ぎができる)

その後、ドイツの3大Bが誰だとか、
イギリスの作曲家には、誰がいるかと、時間稼ぎをしていたら

娘「で、結局、この曲、どの国の誰が作曲したの?」

男は、思った、いかん、もうこれ以上、引き延ばせない
「この管弦楽の音色、管の使い方は、フランス音楽なのだよ。
 この曲、作曲したのは、ドビュッシーなんだけどね、
 ところで、ドビュッシー知ってる?」

妻「ドビュッシーなら小組曲を演奏したことがある」
男「そうそう、それでね・・・・」
(そう、この管弦楽の使い方とこの旋律は、90% 多分ドビュッシーだ。
 これは、確信できる。しかし、どうしても曲名がわからない。
 家まで、後2分程度で着く。このまま演奏が続いてくれ・・・)

娘「で、曲名はなんていうの?」
(あーあ、ついに、この質問がきたか・・・)
とその時、ラジオの演奏が終わり、拍手が続いた。
そして、ラジオが、作曲者と題名を話始めた。
男(ドビュッシーは、合っていてくれよ・・・)

FMラジオ『ただいま、お聞きいただいた演奏は、
     ドビュッシー作曲 バレエ音楽 遊戯 でした。』

妻「あなたって、クラシック音楽、なんでも知っているのね」
男「いやいや、知らない曲もあるのだけどね・・・」

男の額には、汗が光っていた。

***************************************************
上記は、先日の実話です。
同じような話は、過去の音楽日記でも書きました
⇒シューベルトの交響曲(過去記事はこちら

しかし、こんなことで、知ってるよって、ウソをついて、
自分を追い込まなくてもいいのになあ(笑)
まあ、今度からは、正直に言います(本当か?)

ということで、今日の曲は、ドビュッシーの曲です。
バレエ音楽《遊戯》は、またの機会として、
今日は、ピアノ曲で有名な『ベルガマスク組曲』です。

ベルガマスク組曲は、ドビュッシーが作曲した、
初期のピアノ曲で、4曲からなっています。
ベルガマスクという題名については、
舞曲とか、詩集からとか、いろいろと説があるらしい
(このへん興味のある方は、ネットで調べてね)
4曲の中には、有名な《月の光》もあるし、
全体的にとっても聴きやすいし、
4曲それぞれに、特徴がある。

第1曲 プレリュード
 明るいピアノの響き、そして、16音符の動き。
 この曲の難しさは、あまりにロマンテックに弾くとちょっと違うし
 かといって、正確に弾くだけでは、つまらない。
 その微妙さが、非常に難しいと思う。
 特に16音符の弾き方は、ピアニストによって解釈が違います。
 私だったら、ちょっと早めに弾くかな。

第2曲 メヌエット
 変わった曲です。旋律の動きが面白いメヌエットです。
 おどけているようなのですが、
 この曲は、第1曲と違って、正確にぴしっと弾く方が、
 似合っているかもです。
 最後のグリッサンドは、軽く・・・
  
第3曲 月の光
 この曲は、過去の音楽日記に書いていますこちら
 ドビュッシーのピアノ曲では、最も有名かも知れない
 この曲、私、マンドリンオーケストラ用に編曲して演奏しました。
 マンドリンで、この曲合わない気がする人がいるかも知れませんが
 結構、面白いですよ(ちょっと映画音楽風編曲になってしまったけど)
 音源アップしておきます。興味ある人は、是非。

第4曲 パスピエ
 左手の8分音符のスタカートの伴奏にのって、
 踊りの旋律が演奏されます。
 単純ですが、どこか懐かしい感じもします。
 (誰もわからないと思うけど、とあるマンドリンオリジナル曲の
  主題にそっくりな部分がありますよ(笑))

全4曲、全く違う感じだし、ピアノの響きも違う。
それだけに、飽きさせないピアノ組曲で
人気があるのもわかります。
もちろん、前奏曲集などの方が、ピアノの響きが独特で革新的ですが、
この初期のベルガマスク組曲も、とってもいい感じです。

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