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交響曲 第9番 ニ短調(ブルックナー) [ブルックナー]

さてさて、たまには、大曲を書いてみよう。
今日の音楽日記は、ブルックナーの最後の交響曲
【第9番 ニ短調】です。
(おっ、今日は、いつもの選曲と違いますね)

話かわって、
ちょっと前だけど、深夜のテレビで、
この交響曲を放送していた。
パソコンで、資料を作っていたこともあって、
最初は、ぼっーと、聞いていたのだけど、
やはり、この曲は、ひきつけられる。
第1楽章、第2楽章と、聞いて、さあ、いよいよ、あの深遠な第3楽章だ。
と思った瞬間、
健康食品(だったかな)のけたたましいCMが入り、・・・
えっ、とそこで、プツンといままでの音楽世界が、切れてしまった。

いやいや、テレビ局にも都合があるのだと思うけど、
それに、絶対に交響曲の間で、CMを入れるな、ともいえないけど、
このブルックナーの第9番で、
第2楽章と第3楽章の間のCMは、ないよなあ・・・
なんて、思っていたので、
後日あらためて、ちゃんと、CDで全曲を聴きました。

うーん、やっぱり、凄い曲だと思います。

正直、昔から、ブルックナーは、私、ちょっと苦手でして、
交響曲では、第5番と第7番と第9番は、いいなあ、と思うのだけど、
初期の交響曲は、よくわからんし、
傑作といわれている、第8番は、
昔々(高校のときですね)、
友達に無理やり聞かされて、それ以来、トラウマだし(笑)
でも、この第9番は、
ドラマティックなエネルギー、そして、精神性の深さ など、
音楽をゆっくり聴く時間があるときには、
是非聞いてもらいたい曲ですね。

第1楽章では、いつものブルックナーの霧の中から、
オクターブの跳躍をもつ、劇的で巨大なエネルギーをもった
ごづごつした第1主題の提示。
この部分で、とんでもないものを感じさせます。
その後の展開も、ドラマをみているようです。

一転して、第2楽章のスケルツォでは、
単純な主題で、ともすると、素朴にもなる主題を
なんと、大きく描いているのか。
この主題は、一回聞いただけで、忘れることはありません。

そして、なんといっても、
長大な、第3楽章です。
この楽章の音楽の深遠さ、精神に訴えかける音・・・
これは、音楽の体験というべき楽章でしょう。
この楽章の主題も、大きな跳躍をもった旋律です。
こういう旋律の場合、どちらかというと、
大げさで空虚なものになる可能性もあると思うのですが、
まったく、そんな感じがないのは、さすがです。
うねるような楽章で、音楽の頂点が何回かきますが、
どんどん、引き込まれる音楽です。
最後は、静かに、音楽、いや、一つの体験が、終わります。

もちろん、よく知られているように、
この曲は、この後、第4楽章の作曲が進められましたが、
作曲途中で、作曲者がなくなり、
現在、多くの演奏は、第3楽章までの演奏です。
もちろん、復元補作しての4楽章付や
作曲者の最後の言葉? から、ブルックナーの「テ・デウム」という曲を
演奏する場合もある。

でもですね、個人的には、この曲、全3楽章で曲は、完成していると
勝手に思っています。
その方がいいと思うのだけど、作曲者は、どう考えていたのかなあ・・・

ブルックナーの曲は、確かにとっつきにくい、
こんな風に書いているけど、
私もいつも、ブルックナーを聞いているかというと、そうではない。
しかし、音楽をゆっくり、かみしめる時間があれば、
このブルックナーの交響曲第9番は、いい曲です。

しかし、ブルックナーファンは、オクタのマニアが多いというのは、本当かなあ、
版の問題や演奏家の解釈とか含め、確かに、
つっこみどころがあるのかもしれない。
まあ、どれも長くて、聞きにくいというのもあるかもしれない。
私だって、初期の交響曲は苦手だ。
うーん、勇気をもって、
ブルックナーの第1番~第3番あたりも聞いてみようかなあ・・・
でも、聞かないんだろうなあ・・・






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yablinsky

私もそれほどブルックナーは聞かないのですが、聞くときは1~3番が多いです。個人的には1~3番は普通の交響曲的でなく、ブルックナーの特長がもっとも出ている気がします。1~3番は革新的です。その後の交響曲の方が伝統的に感じます。一般的評論は知りませんので、勝手なことを書きました。
by yablinsky (2010-03-06 02:22) 

みどりのこびとちゃん

yablinskyさん、コメントありがとうございます。
いままで、1番~3番は、何回か、聴いたことあるけど、
なんか、部分部分は、いいのだけど、
全体が・・・・
そうかあ、1番から3番もがんばって 聴いてみます。
ブルックナーは、苦手なのに、全集買っちゃったし・・・
by みどりのこびとちゃん (2010-03-06 10:32) 

なるたる

軽い曲が続いたと思ったら、いきなり重いのがドーンと来てズッコケ
ましたw。

マーラーもそうですけど、ブルックナーの交響曲も聴くときは気軽に、という訳には参りませぬ。
ある種の覚悟というか、気構えが必要ですね。

何年か前の正月に、何をトチ狂ったかブルックナーの交響曲全曲をぶっ通しで聴いたことがありました(勿論途中休憩あり)。
死ぬかと思いましたw。

ブルックナーの交響曲は「同じ交響曲を沢山作曲した」なんて皮肉を言われるくらい作曲技法が共通なので、聴いている途中で、「あれっ、今聴いているの何番だっけ?」と思うことがしばしばあります。
まあ、私にとってはマーラーよりはずっと良いですがね。

1番あたりは結構好きですよ、初期のものは割りと聴きやすいし。

>>しかし、ブルックナーファンは、オタクのマニアが多いというのは、本当かなあ

これ多分本当です、ものすごいマニアックな人複数知ってます。
そして女性でブルックナーファンと言う人もまず以っていなさそうですw。
by なるたる (2010-03-06 11:43) 

ブルックナーオタク

ブルックナーの第9が大好きなので,ちょっとした通りすがりなのですが,
コメントさせていただきます。

第9番は,第3楽章までが一般的ですが,私は第4楽章補完版のほうを好んで聴きます。
と言いますのは,ブルックナーの意図は明らかに第4楽章で完結させるものだからです。
例えば,第3楽章で遠慮がちに出てくる「生への別れ」の旋律が,第4楽章では,圧倒的な迫力を持ったコラールの形で出てきます。
つまり,ブルックナーの本来の意図はここにあるわけです。

ブルックナーは,不完全ながらも第4楽章の再現部までは作っており,
その後,テ・デウム音型が出て来るところで音が切れています。
コーダに関しては,簡単なメモ程度の音符が並べられているだけです。

現在では,比較的良質の補完版が出版されており,
アイヒホルン/リンツ・ブルックナー版は,なかなか良い演奏を聴かせてくれます。
この演奏のコーダはとても感動的で,ブルックナーにしては美しすぎますが,
テ・デウム音型の上に,天国的な上昇旋律がトランペットによって奏でられます。

どうも失礼しました。
by ブルックナーオタク (2010-03-07 07:15) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、コメントありがとうございます。
これからも、この音楽日記の選曲はきっと支離滅裂ですが
お許しを・・・(笑)

ブルックナーは、ゆっくり時間があるときでないと、
だめですね。私は、まだマーラーの方が気軽に聞けるかな・・・

で、ブルックナーですが、おっしやるように、
女性ファンは、少ないと思います。
やっぱり、気難しい音楽だからかなあ

by みどりのこびとちゃん (2010-03-08 23:33) 

みどりのこびとちゃん

ブルックナーオタクさん、コメントありがとうございます。
4楽章完成版は、私も何回か聴いたことがあります。
ただ、4楽章にテ・デウムを、そのままは、違和感が私にはあります。

おっしやるように、きっと、作曲者の意図は、4楽章での解決でしようね
それには、異論がありません。
ただ、私は、この曲に限っていうと、第3楽章のうねりが好きなので、
あの楽章で終わってほしいなあと・・・勝手に思っています。
機会があれば、アイヒホルン/リンツ・ブルックナー版聴いてみます。

追記
 苦手な曲なのですが、マーラーの10番は、加筆された完成版の方が、
 いいと思うんだなあ、これが・・・ははは、関係ないですね
by みどりのこびとちゃん (2010-03-08 23:40) 

yablinsky

再コメント失礼します。いま、忙しいのですが、断続的にブルックナーの2番と8番を聞き直してみました。前言撤回です。後期交響曲の方が革新的のようです。
by yablinsky (2010-03-11 20:36) 

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