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コロラトゥーラ・ソプラノと管弦楽のための協奏曲(グリエール) [グリエール]

今日の音楽日記に取り上げる曲。
曲も、作曲家も、結構知らない人がいるかもしれない。
ということで、
今日は、めずらしく、音楽の勉強から・・・(勉強になるのか?)

1.ヴォカリーズとは、なんでしよう?

はい、これは、わかりますよね。
歌詞がなく、母音で歌われる曲です。(あああ・・・と歌います)
もともとは、歌の練習の曲だったそうです。
この題名の曲で、最も有名なのは、ラフマニノフの【ヴォカリーズ】でしょう

2.コロラトゥーラ・ソプラノとは、なんでしょう?

コロラトゥーラとは、装飾を施して、はなやかな雰囲気にすることらしい
最も有名なのは、モーツァルトの【夜の女王のアリア】ですね

3.グリエールという作曲家について述べよ

うーん、無茶苦茶無名ではないけども、
知っている人は、少ないかも
1875年生まれのソ連の作曲家で、
結構、ロシア風の作品を真面目に作曲している。
交響曲やいろいろな協奏曲も作曲しているけど、
最も有名なのは、「赤いけしの花」の「ロシア水兵の踊り」だろう。
(吹奏楽では、青銅の騎士の編曲版も有名かな・・・)
もうちょっと、演奏会のプログラムに上がってもいい作曲家かもしれない。
(ハープ協奏曲も名曲とのお勧めがあったので、今度聴いてみなくては・・・)

ははは、音楽の勉強は、このくらいにして、
今日の曲は、
ロシアの作曲家グリエールが書いた
【コロラトゥーラ・ソプラノと管弦楽のための協奏曲】です。
実は、最近、ちょっと理由があって、
いろいろな【ヴォカリーズ】を聴いていたのだけど、
そして、この曲を強く勧めた人もいたので、
聴いたのだけど、

この曲の美しさは、すばらしい。
ラフマニノフの【ヴォカリーズ】以上かもしれない・・・
そんな曲です。

聞く前は、なんとなく、【コロラトゥーラ】という題名から、
人間の声の超絶技巧を駆使した、
技巧をみせる声の協奏曲というイメージを、なぜか勝手にしていた。
(なんか、協奏曲というイメージだけで、・・・)

すいません。全然違っていました。
この曲、とても、とても、そして限りなく美しい、歌です。

曲は、二楽章からなっています。

第1楽章は、アンダンテ
チャイコフスキーを連想させる序奏のあと、
それは、美しい旋律が、ヴォカリーズで、歌われる。
高い声で歌われる甘美な世界。
管弦楽と掛け合いもあるのだけど、
張り合わず、見事に、ミックスしている
基本的には、この美しさに、いつまでも浸って聴く音楽だろうなあ。
そして、静かに第1楽章は、終わる。

第2楽章は、アレグロ
すみきった野原の中で、楽しく歌うイメージだ。
なんかそんな、風景が目の前に浮かぶ・・・
そて、鳥の声の掛け合い。
うーん、こんな、牧歌的なイメージにつつまれているのだけど、
最後は、高音で、見事に終わる。

いやいや、いい曲です。
でも、多分、演奏者を選ぶ曲だとも思う。
どんなに、高音が正確にでても、
暖かさも声にないと、この曲は演奏は難しい。

私は、この曲をナタリー・デセイのソプラノで聴いた。
これは、とても、よかった。素晴らしかった。

こういう美しい曲は、もっと世間に広まってほしいなあ・・・
私は、こんなヴォカリーゼを作曲したいものです(笑)

しかしですね。
人間の声って、やっぱり、あたたかいかも・・・



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Cecilia

この曲は知りませんが、「赤い芥子」に反応。
これを聴いてみたいと思っています。
バレエ漫画「スワン」に出てきたので。
by Cecilia (2008-12-13 06:40) 

なるたる

がははは、やっぱりお気に召していただけましたか。
とても嬉しいですw。

この曲の美しさは、この世のものとは思えません。
ラフマニノフのヴォカリーズのような、半音階が晦渋でやや苦味の強い旋律ではなく、ガラス細工のように壊れやすく、繊細で儚い夢のような曲です。
まるであの世か、人の一切存在しない全き大自然の中で、聴く人もなく響き渡るのが相応しい曲のような気がします。

但し、曲自体は独ソ戦のさなかに作曲されたもので、当時の人々の不安感・閉塞感・絶望感を表すような悲痛な思いがあるとのこと。
そう言われてみれば、第1楽章の出だしの部分とか、第1主題なんかは特にそんな気もします。
でも第2楽章の弾むような明るさには救われます。

ナタリー・デセイのこのCDは大当たりです。
他の曲も実に驚異的に素晴らしい。
アリャビエフの「ナイチンゲール」や、プロッホの「主題と変奏」なんかもお口あんぐりの超絶的な歌声ですね。
彼女の美声は温かみがあり、人間らしさに溢れています。
旋律の細かなニュアンスを掴むことが実に素晴らしく、高音の伸びが鮮やかな惚れ惚れするような声です。

実はこの曲は、エディタ・グルベローヴァと言う歌手の十八番で、世評ではこの曲の決定版として名高いのです。
確かにグルヴェローヴァのテクニックの正確さは非の打ち所がなく、楽々と余裕を以ってこの曲を歌い切っていますが、情緒的に冷たくそっけなく、つんけんして温かみをあまり感じません、あまりピンと来ないのです。

曲に心を吹き込み、聴く人を感動させるのは明らかにデセイの方に軍配が上がると個人的には思います(グルベローヴァのCDも発売されていますので、よろしければどうぞ)。

デセイは歌手になる前は女優をしていたこともあって、その演技力には定評があります。
おまけに小柄で華奢で美人と来ては、こわいものなしです
もちろん世界のオペラ界ではひっぱりダコで、グルベローヴァが高齢で引退
間近なので、ポストグルベローヴァの最右翼です。
youtubeへのUPも多く、人気のほどが覗えます。
いくつかご紹介しておきます。

http://jp.youtube.com/watch?v=e1k5l4oiCEc

http://jp.youtube.com/watch?v=Bn8l0YXIqJ8

コロラトゥーラ・ソプラノ協奏曲もyoutubeで聴けます。
但し、残念なことにライブ版だけど音声のみです。

http://jp.youtube.com/watch?v=qbUDokpYKe8(第1楽章)
http://jp.youtube.com/watch?v=xaa-rqif2NU(第2楽章)

ここでは、当代人気の美形コロラトゥーラ・ソプラノのアンナ・ネトレプコ、ディアナ・ダムラウの演奏も聴けて、興味深いです。(ディアナ・ダムラウのこの曲は迫力があり素晴らしいです)。

次はハープ協奏曲ですが、ライネッケのハープ協奏曲とフルート・ソナタ「ウンディーネ」もゆめゆめお忘れなくw。

by なるたる (2008-12-13 15:17) 

なるたる

失礼。
貼り付けミスがありました。
http://jp.youtube.com/watch?v=qbUDokpYKe8
http://jp.youtube.com/watch?v=xaa-rqif2NU

by なるたる (2008-12-13 15:37) 

なるたる

ふとした感想。
この曲は、名前を伏せて映画の主題曲にしたら絶対受けると思います。
by なるたる (2008-12-13 21:29) 

なるたる

追記。

メトネルにも「ソナタ・ヴォカリーズ」と言うピアノとソプラノのための曲があるらしいのですが、残念ながら録音がありません。
何しろ、あのメトネルの作った曲です、素晴らしいに違いありません。
是非、聴いてみたい。

by なるたる (2008-12-13 21:52) 

みどりのこびとちゃん

Cecilia さん、コメントありがとうございます。
グリエールの「赤いけしの花」
なかなか、特徴のある音楽が、続いて おもしろい曲ですよ。

by みどりのこびとちゃん (2008-12-14 16:03) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、この曲を紹介してくれて、
ありがとうございます。
いやいや、いい曲ですよ。

デセイのCDを買ってしまいましたが、
他の曲もなかなか、いいです。ナイチンゲールなんて、すばらしい

そうか、女優だったのですか・・・

by みどりのこびとちゃん (2008-12-14 16:06) 

なるたる

>そうか、女優だったのですか・・・

デセイは、自分のことを「オペラも歌える女優」と思っている節があります。
実に細かい所作を疎かにしない巧みな動作には感心します。
演技の効果がしっかり頭に入っているんですね。

ドニゼッティのオペラ「ランメルモールのルチア」の有名な「狂乱のシーン」の演技なんかは、確かに鬼気迫るものがあり、並みのオペラ歌手の動きとは一味も二味も違います。

とにかく魅せられる凄い歌手です。

by なるたる (2008-12-17 21:38) 

なるたる

最近、ナタリー・デセイのDVDを買ってしまいました。
色んなオペラから聴きどころを集めた構成なのですが、いや、実に素晴らしい。

特に良かったのが、オッフェンバックのオペラ「ホフマン物語」で自動人形のオランピアを演じる部分。
演出のせいもありますが、感情のない自動人形のオランピアがコミカルな演技をするのが一般的ですが、ここではまるで生きた人間のような感情を持ち、不安に満ちた動作で動き回る美しいオランピアの哀しさが切なく胸を打つ演技で、ますますデセイに魅せられてしまいました。

今ではすっかり「ナタリアン」ですw。
by なるたる (2009-01-25 23:28) 

みどりのこびとちゃん

「ナタリアン」ですか・・・(笑)
私も、買ってみようかなあ・・・
でも、はまったら、どうしよう・・・
by みどりのこびとちゃん (2009-01-26 22:51) 

なるたる

いよいよあそびの音楽館の管理人氏に、ナタリー・デセイの歌うこの曲のCDを薦めてしまいましたよ。
多分他の曲も含めて気に入ってもらえるものと確信しています。
絶対ナタリアンにしちゃるw。

by なるたる (2009-01-30 22:19) 

なるたる

追記。
次なるはこの曲のピアノ編曲ですよ。
でもオーケストラ部分もピアノ版だと、美しさ半減だと思います。
もっと機械が色んな音色を出せて、オーケストラ効果が出ないと無理かも…。
同様の理由で、シューマンの「ファウストからの情景」とブラームスの「哀悼歌(nänie ネーニエ)」もピアノ編曲依頼を取り下げてしまいました、非常に残念です。
やっぱりね、「ファウストからの情景」はピアノだけでは絶対表現不可能で、「楽園とペリ以上」に純粋ピアノ曲には馴染まない。
「哀悼歌」もハーモニーの再現はピアノでは困難。

でもブラームスの哀悼歌は合唱曲としては素晴らしく美しいから、原曲は絶対聴いて欲しいと切に思います。
これと「アルト・ラプソディ」の2曲はブラームスの合唱曲中では必聴ですよ。
絶対、絶対、聴くべしです。

アリャビエフの「ナイチンゲール」も偉大な先達のピアノ編曲が既にあるし、お願いしても多分尻込みするから多分無理だな…。

by なるたる (2009-01-30 22:49) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、コメントありがとうございます。
この曲、いろいろなところに、紹介していますね。

個人的には、もっと、有名になって欲しい曲です。

ブラームスの哀悼歌・・・聴きます。ハイ
by みどりのこびとちゃん (2009-01-31 02:00) 

なるたる

あそひの音楽館に、なんとこの曲の編曲版がアップされましたよ。

第1楽章のみですが、二台のピアノとフルートによる編曲で、フルートの音色がなかなか涼しげで聴かせます。
原曲の、耽美的で神秘的な人間の肉声とはまた違った面白さがあります。
by なるたる (2009-04-19 06:47) 

みどりのこびとちゃん

あそびの音楽館の編曲版、聞きましたよ。
いやいや、なかなか良いです。
実際、原曲のようにソプラノも、いいですが、
フルート協奏曲として、作曲されていたら、もっと有名になったかも・・・
確かに人間の声の神秘さは、ないけど、
フルートの音色だと、旋律の美しさが、引き立つ感じです。
ヴァイオリンソロもいいかも(笑)
by みどりのこびとちゃん (2009-04-20 23:19) 

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