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左手のためのピアノ協奏曲(ラヴェル) [ラヴェル]

まあ、やっぱり、前回、ラヴェルの両手のピアノ協奏曲を書いたら、
今回は、左手ですよね。
この2曲は、作曲された時も、セットだったし・・・

ということで、今日の音楽日記は、
ラヴェルの【左手のためのピアノ協奏曲】です。

さて、左手だけのピアノ曲というと、
どんな曲だろう?
まあ、ほとんどが、右手をなんらかの理由で、使えないため、
左手だけで弾く曲を作曲した。
または作曲を頼まれた。
ということかな。
あるいは、左手の訓練の為に、作曲したとか・・・

左手用のピアノ曲の代表例を挙げると
左手の為の前奏曲と夜想曲(スクリャービン)
 これは、スクリャービンが、右手を痛めた時、自分で弾くために、作曲した曲ですね

・ショパンのエチュードによるエチュード から左手用の曲(ゴドフスキー)
 これは、純粋に、左手の独立を目指す、訓練用の曲ですね。
 ただ、革命のエチュードを左手だけで弾くのは、どちらかというと、曲芸かも・・・
 (でも、これ、すごいです)

・左手用のバッハのシャコンヌ(ブラームス)
 これも、ブラームスは、左手訓練用に練習曲として編曲している。
 ただ、これは、左手のみという制約が逆にすばらしい音楽となっている。
 クララさんにも喜ばれたし(笑)

・ピアノ協奏曲第4番(プロコフィエフ)
 ははは、この曲、左手用のピアノ曲の代表例ではないですね
 でもね、ラヴェル以外でも、左手用のピアノ協奏曲って、いろいろ作曲されてます
 
左手だけの曲は、すごく数多くあります。
(昔聞いた、ピアノの演奏会では、ストラビンスキーの火の鳥 を左手だけで弾いていた)

まあ、いろいろ、あるけれど、
左手だけだから、音楽性が低いとかいうことは、決してない。
やはり、音楽が勝負だ。

さて、今日の曲。ラヴェル作曲の【左手のためのピアノ協奏曲】である。

この曲、戦争で右手を負傷したピアニストの依頼によって、作曲されたのですが、
ラヴェルは、そのピアニストの実力を考えず、自由に作曲したらしい。
うーん、それは、それで、結果的には、いいことだったかな(笑)

この、左手の為のピアノ協奏曲は、
・ジャズのテイストがちょこっと入った、粋な曲
・結構、管弦楽も派手な部分ありますよ
・ピアニストは、リズム感がよくないと、無理かな
・ある意味、ラヴェルの両手の協奏曲より、ピアノ協奏曲っぽいかも
・ピアノパートは、難しいけど、すごく機能的には書かれていると思います

クラシック音楽の作曲にあたっては、
なんでもありというより、なにがしかの制約の中で、いかに独創的な曲を考えるか?
という醍醐味もある。
その意味では、このピアノ協奏曲は、一つの成功例かもしれない。

ただ、私は、ちょっとだけ思うのです。
このラヴェルの左手のピアノ協奏曲の音楽自体が、絶対に左手でなければ、表現できない曲か?
と言われた場合、ちょっとだけ疑問なのです。
(誰だか忘れたが、この曲を両手で、弾いたピアニストがいたとか・・・)

左手だけでしか、表現できないピアノ協奏曲
うーん、それはそれで、作曲は、難しいかも・・・

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【追記】左手でしか表現できないピアノ曲とは・・・

さて、自分の考えがまとまっていなかったので、上の音楽日記では、
「左手でしか表現できないピアノ曲とはなにか?」
という疑問に対して、書かなかったのです。
今でも、考えが、全然まとまっている訳でもないけど、
ちょっとだけ、書いてみよう。

音楽之友社から、出版されている「舘野泉 左手のピアノシリーズ」
の楽譜を知っていますか?
いろいろな作曲家が舘野泉さんへ作曲した左手のピアノ曲を集めているのだけど、
楽譜の最初に舘野泉さんのメッセージが書いてある。
それが、とても興味深い。

例えば、吉松さんの曲は、片手で弾いても、両手で弾いてもかまわないらしい。
でも、舘野さんは、
「例え、両手で弾けるようになっても、この作品は、左手だけで弾く。
 左手だけの方が、表現できる」
みたいなことを言っている。

うーん、やっぱり、そういうことは、あると思う。
例えば、ブラームスの編曲したバッハの【シャコンヌ】は、
楽譜では、もちろん、両手でも弾けるけど、
クララ・シューマンも言っているように、
左手だけで弾くと、ヴァイオリニストになったような気がするし、
この左手の編曲は、左手でしか表現できないイメージがある。

両手で、さも弾いているように見せる技巧的な曲もあるけど、
ギターやヴァイオリンのような、片手でしか表現できない曲は、
確実にあると思う。

ははは、全然、まとまりのない考えだし、結論もないのだけど、
そんな風に今は、考えているのです。


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コメント 4

太郎

左手のための音楽なのか云々っていう最後の一文が興味深かったもので、ついコメントしてしまいました。
するどい着眼点ですね。
作曲者は左手だけでも、聴き劣りしないように、ってことで作ったのでしたよねえ。
まあ、ピアノ協奏曲はピアニストが腕自慢するための音楽であることが多かったであろうし、協奏曲=テクニックなんでしょうね。
左手だけでしか表現できない音楽というより、左手で弾いたらカッコイイ音楽って感じがします・・・

しかし、左手だけでしか表現できない音楽、って一体どんなのでしょうか?
私も、何かわかったようでわからないのです。

by 太郎 (2009-02-02 01:52) 

みどりのこびとちゃん

太郎さん、コメントありがとうございます。
「左手でしか表現できないピアノ曲とは?」
うーん、これは、難しいです。
いろいろ考えては、いるけれど、まだ全然まとまらないです。

でも、ちょっと、上の音楽日記に追記しました。
よろしければ、読んでみてください。
(ははは、でも全然、回答にはなっていないなあ)

吉松さん作曲の左手用のピアノ曲は、聴くと面白いですよ
by みどりのこびとちゃん (2009-02-02 22:27) 

太郎

稚拙な書き込みに早々に返事を下さり、有難うございます。
吉松さんの左手ピアノ編曲は、少し聞いたことがあります。
タピオラ幻想曲など、透明で、音の少なさや単純さが、却ってその音楽を効果的にしている、
あ、左手のための、ってこういうことかなあ、と感じたものです。
スクリアビンの夜想曲は「これ左手?すげえ」と度肝を抜かれたおぼえ有り。あの無駄な音の一切無い、自然で見事な流れはすごいと思います。

しかし、今まで一番感心したのは、館野さんのCDで聴いた「左手ピアノのための3つの祈り」(でしたかね…)より『フィンランディア賛歌』でしたね。
編曲としてはいささか強引過ぎないかなあ、と思ったのですが、聴くうちに音楽の力にぐいぐい引き込まれて、すっかり中毒にかかっていました。
これは果たして編曲のなせる業か、演奏がいいからなのか…
う~ん、やはり左手ピアノって一くくりにするのがいけないんでしょうかね…

左手というと何時も思い出すのが、NHKスペシャルでみたアムラン氏へのインタヴューですか… 熊本マリさんの「右手と左手のどちらが難しいですか」という問いかけに対して、
「う~ん。それは左手がどれだけ上手いかによるね」
とか、先生さらっと…

なにやら話が違う方向へ行ってしまいました。
左手ピアノ。
また、お考えがまとまったときにお聞かせ願いたいです。


ブラームスのシャコンヌはどうも自分には退屈なのです。すみません。っっ、というより、ブラームス自体がどうにも女々しくて好きになれないのですが、それはこの場合必要じゃないですね。  耳が悪いのかなあ…
by 太郎 (2009-02-03 05:56) 

みどりのこびとちゃん

吉松さんの タビオラ幻想 いいです。
あの雰囲気は、なかなか、他ではありませんね

ブラームスのシャコンヌは、確かに
聴く分には、ちょっと退屈かもしれません。
でも、自分で、左手で、弾いてみると、結構、違う世界が開けますよ。
by みどりのこびとちゃん (2009-02-04 00:35) 

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