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半音階的幻想曲とフーガ(J.S.バッハ) [バッハ(J.S.)]

さて、フーガシリーズ第3弾である。
す、すいません。またまたバッハです。
今回で、バッハは、一旦、終わるので、もう一曲だけ、つき合ってくださいね。

今日の音楽日記は、バッハ作曲のチェンバロ曲(今ではピアノで、よく弾かれている)
【半音階的幻想曲とフーガ】である。

実は、フーガシリーズを書くにあたって、バロック~現代まで、
いろいろなフーガを用いた曲を聴いたのです。
もちろん、この種の曲で、バッハの曲は、数多く聴いたのですが、
ちよっと印象に残った曲がこの曲なのです。

この【半音階的幻想曲とフーガ】、私は、昔から、知ってはいたのですが、
あまり、印象に残っていなかったのです(すいません。)
しかし、今回、聞き直してみて、
あれ、こんな面白い曲だったのか、と再認識した曲なのです。

で、ちょっと曲の解説である。

作曲年代は、1720年とか、1730年とかいろいろ説があるらしい。
まあ、そんなことは、あまり重要ではないような気がする。
早速、曲を聴いてみよう。

始まりは、スケールの走句で始まる。
この曲の前半の幻想曲の部分は、
速度も、和声も、強弱も、いろいろ変化し、
スケールの走句が多いけど、飽きさせない。
弾き方をちょっとロマン的にすると、バッハの作品とは思えない程、
幻想的で、劇的で、・・・いやいや、これほど多様とは・・・。
そして、落ち着いて、この幻想曲が終わると、フーガが始まる。

さてさて、このフーガの主題が問題だろう。
これでこの曲の好き嫌いが分かれるかもしれない。
これは、とても半音階な特徴が耳につく主題だ。
そう、美しい主題ではないし、ごつごつしてるし、素人みたいだし・・・
とても、すばらしい主題とは、お世辞にも言えないと思う。
(実際、ピアノでこの主題を弾いてみると、うーん、なんだかなあ、という主題ですね)

しかし、この主題で、三声のすばらしいフーガが構築されるのである。
聞けば聞くほど、何故か、この、変な主題に引き込まれ、
最後の方で、低音で、フーガ主題がフォルテで出るところは、すばらしい。
そして、最後は、力強く終わる。

この曲の魅力は、なんだろう?
幻想の世界の後に、フーガ主題の念入りな構築に、クラッとくるのかなあ。
このフーガ自体は、5分程度なのに、この曲は、大きな世界を感じるのです。

とにかく、フーガは、主題の美しさではなく、
全体の構築なんだろうなあ・・・
なんて、考えているのです。

ということで、次回の音楽日記のフーガは、バッハでない曲です。
(あっ、今回のシリーズは、年代順ではありませんので・・・)


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コメント 2

なるたる

何を隠そう私はこの曲好きですw。

この曲の一番惹き付けられる魅力は、何と言っても他の作品には例を見ない大胆な和声進行と、奔放な感情の表出が衝撃を与える幻想曲部分にあります。
古典派、ロマン派の枠を大きく飛び越え、近代的とすら言っていいほどの
音楽が突然誕生したのは大いなる謎ですが、こんなに素晴らしい曲を作ったバッハは凄いと思います。
この幻想曲を聴くたびに私は新鮮な感動に包まれます。

翻ってフーガ部分は言われるように半音階の目立つ、あまり美しくもない単純な旋律です。
私もみどりのこびとさんの言われるように、フーガ主題は単純でそっけなくてへんちくりんな旋律の方が曲は成功すると思います。
このフーガも、主題提示の後のフーガの展開は多声部の絡みがスリリングで、あれよあれよという間にその進行の魅力に取り憑かれてしまいます。
その美しさはやはり構築美だと思います。
厳密な数学の証明のような論理の厳しさ、揺ぎ無く荘厳で秀麗な建築物を見上げるような畏怖感…。
フーガを聴く楽しみは、心地よい感情を排除して論理に身を委ねることかもしれません。
良く作られているフーガは全て感情を超越した論理の美が備わっているような気がします。
私がバッハのフーガに強く惹かれるのも、こう言う超越性の美しさに共感するから他なりません。

ところで話は変わりますが、以前紹介した「オペラハイライト 全50枚」が届き、オペラづけの毎日です。
よってこのブログの感想も遅くなり勝ちになってしまいましたw。
毎日、毎日歌ばかり聴いています。
by なるたる (2007-12-02 01:02) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさん、感想は、遅くても、全然かまいませんよ。
しかし、オペラ漬けの毎日ですか・・・
いいなあ、とも思うし、これから大変だなあ、とも思うし・・・
微妙ですね(笑)
でも、いいことです。
私も、これから、声楽曲や室内楽を積極的に聴いていこうと思ってますから
by みどりのこびとちゃん (2007-12-03 00:14) 

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